楕円系萬週報

フルタイム・ラグビー・ウォッチャーの眠れない日々

カテゴリ: BOOK

水曜、十一時起床。
曇り弱風。夜明け前に暴風雨。

一時間以上続いたんでしょうか、
南側窓から雨が降り込むような嵐で、往生しました。

ま、そのお蔭で、気温が下がり、早朝熟睡。
目覚めればお昼近くってことに。


火曜日は八時前起床。
晴れ時々雷雨、これは結構怖い。

今朝と同じく日の出頃にも降雨があって、
熱帯夜不快指数が若干緩み、何とか眠れた。

不安定な空模様だが、市内東部のBオフに遠征。
Bマートにも寄って、
これでこの夏やっと市内隣市のリサイクル本屋を制覇。


月曜日、八時半起床。快晴微風。
大寝坊したので、罰ゲーム気味に街中徘徊。

G務スーパーと市南部のBオフ回って、一時間半。
スーパーには探し物はなかったがBオフで収穫あり。

でも、最善の収穫は、何とか生還したこと。
この分だと、日中の暑さはにはアジャスト出来そう。


特別なことがない限り感想はアップしていないが、
江戸小説以外でも、毎月何冊かは目を通している。

先月の嬉しい発見は、
内田洋子『皿の中に、イタリア』。
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唐突ながら、本棚整理をしていて発見。

どうして積ん読だったのか記憶をたどると、
あの方に行き着く。

我輩の現代イタリア興味は、
御多分に漏れず映画(フェリーニ)。

イタリア本彷徨は、かなり遅く、
須賀敦子から始まって、ロシア経由(米原万里)で田丸公美子・・・、

その後いろいろ買いあさったが、
塩●七●ショックで打ち止め。
(本の出版時期とは完全逆回りw)

あれから随分時が経ち、近年、
イタリア在住の日本人ママさんたちのブログが面白くて嵌っている。

その流れから内田作品発見、
ついでに流し読み、のつもりが耽読。

偏屈な田舎もん、シャイで冗談好き、マザコン、
一口で一般的イタリア男を言い表すとしたらこんなとこか。

都市国家の集合体なので、
政治的には一体化出来ない烏合の衆。
しかし、文化的には、
今時珍しいまでの多種多様性を保つ、近代国家。

人付き合いしにくい職人タイプのイタリア人たちの、
鎖国メンタリティをほぐし、
いつの間にか居心地のいい関係に持ち込んで、
美味しいものを見つける著者。

一般論として、ネット社会になると、情報の伝え方において、
印刷媒体はブログにまず勝てない。

ところが、この作品は全然負けていない。
素敵な文体は即物的情報に優るってことでしょうか。

というより、一世代前のイタリア好き(注・この作品は二十一世紀になって書かれているが、氏の著作活動は二十年以上前から)女性によって書かれたこの類のエッセイが、
現在のイタリア食ブームのインフラを育てたように思う。

で、さっそくBオフで見つけた、
『食べてこそわかるイタリア』、『ジーノの家』を並行読書中の我輩です。


今日明日でお盆休みはお仕舞い。
我輩は特別なことは何もしない主義だが、

ウィークデーなのに繁華街の賑わいなど、
いつもとは違う風情(爺婆と孫ひ孫)で興味深かった。

金曜、四時二十五分起床。
快晴、無風。

早朝徘徊、一時間強。
今週は月曜から金曜まで堤防徘徊皆勤賞。

暑くてちゃんと熟睡出来ない、
で、たまたま日の出前頃に起きているせいだが、理由はなんでもいい。
(今朝の写真、何故かPC取り込みが出来ないので、後日に)

《七月読書》
五月六月とスランプだったが、先月から回復基調に。
ところが、恐ろしいまでの暑さで停滞。
で、結局ノルマに届かず。
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こっちの写真は、お気に入り作家。

幸いなことに芝村、岡本、知野、そして澤田、
皆、面白いです。

中島要『夫婦からくり』。
ふところの深さ、人物造形の多彩さ。

藤原緋沙子『青嵐』(見届け人シリーズ8)、
これがシリーズ最終話、残念。

先月マイ・ベストは『東京影同心』(杉本章子)ですが、
残念ながら文庫書き下ろしではない。

それは置いといて、
山風の『警視庁草紙』など明治小説に通じるテイストは、好きですね。

同じ作者の『信太郎人情始末帖』シリーズも良かったけれど、
『影同心』はスケールにおいて別格です。


好村兼一『兜割り』。
「残心」の正確な意味が分かった。

で、TV時代劇のチャンバラ後の決めポーズは、
残心とはなんの関係もないことも。


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長浦京『赤刃』。
凄まじい内容、まずありえないストーリーだが、
必ずしも説得力を欠くわけではない。

徳川初期の江戸という設定、
それが滅茶苦茶なキャラの存在を許している。

未だ戦国時代の余燼が残って、
つまり、人を殺した経験をもつ侍たちが沢山生存している時代。

異常なキャラ、PTSD系の特殊なキャラが、
リアリティを問題にさせず死体をばらまくが、

すべてキャラたちの「勢い」で説得力を保っていること。

大雑把に言えば、
白土三平(『忍者武芸帳』、『サスケ』)、小島剛夕『子連れ狼』といった、
活字やマンガなどの印刷媒体ではなく、
ネットやゲーセンのゲーム文化からのスピンオフ。

コンピュータ・ゲームの格闘系、
戦闘・戦争ゲーム、モンスター・バスター系ゲームなどに、
バーズ・アイ的戦術眼を足した、問答無用のスケール。

で、平茂寛『隠密刺客遊撃組』、
同様なゲーム小説系ながら説得力に欠けるのはどうしてだろうか?

せっかくの武術研究家の原案なのに、
リアリティを欠く敵役。

何か、机上の空論、
それも考証ではなく、企画書における設定において、
アイディアに溺れ脇が甘くなったって感じ。


誉田龍一『泣き虫先生、父になる』(手習い所 純情控帳4)。
2、3抜けで1から4に飛ぶ。

会話、改行、文字組でスカスカ。
まあ内容が基本的に一休さん、頓智・小噺系。

スカスカペラペラの風野某さん「耳袋秘帖」みたいな、
韜晦ボケと同じジャンル。

別に腹は立たない(百八円でも腹が立つのは鈴木某さんの『手習い〜』)。


困った時の和久田正明。
とりあえず『美女桜 読売屋雷蔵世直し帖』は、
昔の人気海外ドラマ(日本でも同じ設定でパクリされた)のように、
殺さず罰する式解決作。

でもこれでは現代人のフラスト解消とはいかず、
江戸の常識的にもおさまらないことも多い。

とはいえ、一話づつ連帯の輪が広がって、
それも老若男女、一癖も二癖もありそうな連中が、
ひとつのチームになって行くプロセスの書き方は上手い。

和久田作品の単純明快さ、
悪人はボコボコに潰す、法で罰せられない奴はリンチ。

我が身の丈に合ったストレス発散小説ってことでしょうか。

水曜、午後六時前起床。
雨雨雨のミッドウィーク。

一つだけいいことは、気温が低くて、
朝寝昼寝、いつでも快眠出来ることです。

《六月江戸小説読書日記》
既に愚痴ったが、
いろいろあって、いつもの三分の一しか読めなかった。

こういう時に既読本(右端)ダブり、
実に腹立たしい(作品じゃなく自分に)。
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で、感想もサボって、思いっ切り省略。

悪人退治の捕物帖から、
犯罪小説はエスカレート、
法の及ばない悪を闇で退治する話が多い。

こうなると読者は、読書からカタルシスを得るというより、
単なる日常のフラスト解消、憂さ晴らしってことか。

冤罪以外の何物でもない、袴田事件を江戸捕物小説でやったら、
おそらく、警察・検察・裁判官、みんな闇討ちされて、お家断絶だ。
そうでなくては、正義は無用。

で、前説とは関係なく、
多岐川恭『情なしお源』。

因業金貸しばあさま(実は若い)の人情噺だが、
全然古さを感じない。

江戸小説って分野は、
一世代前(我輩からみて)に書き尽くされているなって思う。

新味のある作品は、大抵がUSA由来のアイディアだし。
(この分野自体が英ホームズ起源だから仕方ないか)

そういう流れにあって、なにげにオリジナリティを有する、
辻堂魁、岡本さとる、田牧大和などは、
個々の作品の出来不出来関係なくやっぱ凄いわ。


以上、夏負けじゃなくPC熱負け、
軟弱者の省エネレポートでした。

水曜、お昼前起床。
大雨で風もあったので、ベッドから出る気がしなくて。

画に書いた梅雨空。
ミッドウィークの憂鬱が倍加される。

昨日は夕方から雨。
それまで日中暑苦しくても、直射日光には晒されないから、
省エネ徘徊だったら可能な感じでした。

ああそれなのに、いざ出発したら陽光燦々。
まあ、開き直って、隣市の古本屋詣でなどなどたっぷり二時間務め上げました。

上がらぬ読書ペースに喝を入れようと、
辻堂魁の『市兵衛』シリーズ(21巻、22巻)を言い値でヤケ買い。

帰宅して冷静になってみると、
510円とは、どう考えても暴利を貪っている。

ま、新刊書店で買わないで何をかいわんや系の、
いちゃもんですし、作家さんには失礼なんですが。

<南北交流>
『オーストラリア×アイルランド』21対26(メルボルン@AMMIパーク)。
HT「14対16」。

ワラビーズの少ないチャンスを必ずモノにする決定力。
それに対して、愛蘭側は、地道に少しづつ前進するのが得意。
(大きくラインブレイクすると、孤立したりして、戻りDFの餌食になる)
対照の妙が際立ったゲーム。

初戦の敗戦から、8名チェンジ。
相手を舐める意識を消し、終始接点では優位に立った愛蘭。
(ミスト・タックル「34対18」、反則数「15対12」)。

ところが、前半30分から後半65分まで、
突き放す時間帯に、PGではなくトライにこだわり、
1トライ(56分)しか取れなかった愛蘭。

ポゼッション、テリトリーともに終始圧倒していたから、
明らかに判断ミス(66分にとうとうPG選択)。

そのせいから、最後少しだけもつれ、
僅差勝負になった。

このことがワラビーズにどういう影響を与えたのか、
最終テスト・マッチが興味深い。

水曜、徹夜明け。
雨、予報では終日。

昨夜は九時二十分起床。
地面は濡れていないが、駐車してある車には雨粒が。

以後、パラパラ雨で降ったり止んだり。
本格的に降り出したのは日付が変わってから。


ご近所さんから玉葱の差し入れ。
趣味の農業なのでサイズ小さめだが、二十個も。

とりあえず、六個づつカットして、
カレーなどのスープ下地用に炒めて冷凍保存。

強火で焦げないよう、ひっくり返しながら。
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▲十分間でしんなり三分の二弱▼十五分で半分に。
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もっとトロトロにしたいが、
このあたりで手首が限界、妥協する。

炒める前の写真を撮り忘れた。

<五月読書その二>
五月最終週から本日六月五日まで、
一冊も本が読めない。

正確には、読みかけ本が三冊あっても、
一向に前に進まない。

その原因をカフェイン禁断症状と自己診断したが、
ホンマは、イージーカム・イージーリーディングの、
和久田中毒じゃないかなんて思ったりする。


和久田正明のシリーズ、とりあえず手持ちはこれだけ。
(まだ、どこかに数冊埋もれている可能性あり。)
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「死なない男 同心野火陣内」(1,7,9)
「はぐれ十左御用帳」(1,2、8,9)
「はぐれ十左暗剣殺」(1、2、4、6)
「特命[殺し蝶] 前編」
「髪結いの亭主」(1,3,6,7)
「夜桜乙女捕物帳」(1,2,3、4,9、11)
「八丁堀つむじ風」(1、4、5、7、8,9,10、11)
「奥祐筆秘聞」(1)
「鎧月之介殺法帖」(6)
「提灯奉行」(1)
「三代目五右衛門」(長編)

写真にあるこれらの作品シリーズに以外にも、
シリーズがいくつもある。

B級グルメと言ったら失礼ですが、
この作家さんは、『暴れん坊将軍』のシナリオ・ライター。

TVで悪者成敗のあと、
吉宗の刀身に付いた血糊をお庭番が拭うシーンが印象的です。

小説はまったく別物で、吉宗は出てきません(当然)が、
全作品で主人公はちゃんと血を拭ってから納刀しています。

まあ、その一点で、
我輩の許容範囲に入ったってこと。

(それと、どこかの誰かが、近隣のBオフ、Bマに大量に放出してくれたことも。)


シリーズの大半が同じようなキャラ、設定、構造で、
しかもあまりも安易なご都合主義設定もあって、最初は感心出来ない。

ところが、シリーズ二巻目からは、
意外と素直に作品世界に入れる、不思議。

ハイ、お笑い下され、
我ながらご都合主義読者だと認めます。

かくしていつの間にやら沢山読んでしまった。


でも、謎解き、捕物帖としては、
メイジャー系の作品と何ら遜色はない。

しかも陰謀論めいた大袈裟なプロットなく、
ただただ市井の悪を懲らすのだが、度を越した悪には私刑。

この辺は、昔風の時代小説です。
しかも、いい意味で何巻目から読んでも大丈夫。

(ポジティヴな意味で対照例を挙げると、佐伯作品などは、シリーズが進むにつれ、人間関係が広がり、友情と連帯の輪が作品世界を豊かにしている。これを逆に言うと、順番に読まないと、喉に小骨が刺さった違和感を抱くこともある。)


長編の『三代目五右衛門』は、かなり力入っています。
文庫書き下ろしは、中編連作数篇で一冊のパターン。

大ヴェテランなのに、この長編では、
いつもの形式では収まらないことにちゃんとチャレンジしている。


いろいろ前向きな創作姿勢には感心するばかりですが、
ただ、「髪結い亭主」はいけませんね。

何か、設定が暗示しているかのように、
自転車操業(文庫書き下ろし&多産)の挙句、
安逸の誘惑に妥協&甘えた産物みたい。
勝手言ってすみません。

土曜、正午起床。
快晴、疾風&弱風。

蟄居していると、室内は誠に快適。
陽光下に出ると、灼熱モード。

<五月読書>
快調だが、あまり自慢出来る内容ではない。
(最下段写真参照)

同じ作品の二度買い、癪に障るが、
108円だからなんとか許せる。

既読作を未読作と勘違いして再読。
昔は途中で気付いたものだが、今は読了まで気付かない。

半ば自虐ギャグだったのが、
今や笑い事ではなくなっている。
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佐伯泰英、森村誠一の両御大は、相変わらず水準を保つ。
藤堂房良、桑島かおりの両氏も、失望させない。


五月の発見は、
知野みさき『上絵師 律の似面絵帖』(1、2)。
似顔絵(似面絵)という才能を活かして犯人逮捕に貢献する、
若くして両親亡くした上絵職人の律、二十一歳。

本業での一本立ちするための女ゆえの苦難と、
捕物との絡み、絶妙です。


見直したのは、
冨樫倫太郎『とむらい組見参』(1、2)。

この作者の作品は、
「市太郎人情控」シリーズが退屈で、中断したままにいた。

と言っても、
「市太郎〜」の冒頭部分しか読んでいないので、
誤解かも知れないが、
佐伯の「鎌倉河岸〜」に似た若者の成長話みたいだったので、
つい比較してしまった。

今度は、表沙汰に出来ない犯罪を、
闇で始末するという単純明快なストーリー。

相変わらず地味系だが、通俗性との作者本人の葛藤を、
初めて人を切る主人公に託してこだわって描いている。

そして、チームは満身創痍で、ヒヤヒヤもののミッション完治。
先行きが思いやられる展開も意表を突く。


田牧大和『質草破り 濱次お役者双六 二ます目』。
解説が全てを言い尽くしている。
文庫書き下ろしで、ここまで濃密な人情話、

長屋の小心者たち、芝居者、大部屋女形など、
作中人物が、コンテクストを読み合う、感じる、
人情の機微、心のひだ、心理の綾、

普通なら会話だけで説明しない人も多いが、
しかし、野暮に落ちることなく、説明でなく、
心理描写として活写、義理人情厚い物語世界を構築、

忖度、気遣い、心遣い、心やり、思いやり、おもんぱかり、
これらのポジティヴ面ばかりで構成した、

地味(=上品)で穏やかで主張しないが、かなりの野心作。
一巻目ではそこまで読み取れず、脱帽。
(褒め過ぎかも)


岡本さとる『若鷹武芸帖』は野心作。
小姓組旗本の主人公が、
将軍家斉直々の命で、
滅び行く武芸流派調査を目的とする
武芸帖編纂所頭取に。

で、天下泰平の世、武芸の達人=変人奇人ってわけで、
真面目な若き主人公の成長物語は始まる。

この作家の「取次屋栄三」シリーズは、
モメ事仲介人として設定は良かったのだが、

作者の身近に、すっと人の内懐に入る、
ナチュラルに、他人に好かれ、信頼される、その種の人間不在なのか、
キャラの描き方肉付けに説得力がなかった。

(「剣客太平記」シリーズも、武道修行には異色な決闘における人死を出さない愛嬌キャラ。)

それが、この作品では、しっかりとキャラの魅力を描写、
かなり成長したようです。


吉田雄亮『侠盗組鬼退治』(2)。
この作者、新旧「深川鞘番所」(全巻)、「留守居役日々暦」(1〜4巻)など、
何故か結構読んでいる。

このシリーズで初めて、
血糊を拭って納刀した(1巻目では拭っていないのに)。

「留守居役〜」の5巻目以降があれば、それを読みたい。


飯野笙子『てらこや浪人源八先生 親子舟』。
写真右隅のこれ、既読なのに最後まで気が付かなかった作品。
悔しい。


後の方々は、失礼ながら省略。

そして、和久田正明作品群は後日触れます。
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木曜、十時起床。
ピーカンだが、湿気なく風が強い。
室内にいる限り暑さは感じない。


それにしても、気の滅入る事件です。
底なし沼の日大事件(とうとう部活事件の範囲を超えた)。

広報・米倉某氏の態度から、大学当局の姿勢は歴然。
こうなるとアメフト部解体もやむなしと、我輩は思う。


微かな救いは、
鉄砲玉にされた弱冠の若者の純情が、
汚い大人の描いた危機管理シナリオを破壊。

で、しかたなく、組長・内田某の殺人未遂の罪を背負って、
代貸の不肖井上某がおつとめ。

東映任侠映画を地で行く演出だが、
あんたは健さんじゃない、そこが致命的欠陥


読書感想文は、
月はじめに前月の分をまとめてアップしているが、

江戸小説以外の分野に関しては、
読了の都度適宜アップすることにします。

『英国一家、日本を食べる(上下)』(マイケル・ブース・著、寺西のぶ子・訳)。
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単行本のときから気になっていた本。
この度文庫化されたのを差し入れがあって、感謝。

しかし、期待し過ぎたのか、やや外されたっぽい感想に。
少なくとも先入観は裏切られた。

帯にある「爆笑ニッポン食紀行!」とは異なり、
ジョークは冴えず(好き嫌いだが)、かなり真面目な内容。

タイトルとは違い、
一家で来日したが、食べ尽くしは父親だけ。

そして、かなりの食べ物が、
口に合わず、吐き出すことも何度も。

まあ、正直者で嘘が付けないことは判る、
親日一家であることも判る。
和食にポジティヴなことも判る。

しかし、日本食界の東西のドン双方のおもてなしを得て、
理想的な取材が出来ているのは、
ジャーナリスト的にはハンディだったかも。

とりあえずその辺は、辛辣なユーモアの衣を纏って、
嘘をつけない代用兵器としている感もする。

「旨み」、「食感」という概念に乏しい文化圏から来て、
だんだんその素晴らしさに気づいていくプロセスとか、

一応ちゃんとした味蕾は有している(MSGにはやや甘いが)。


で、約十年後、
ティーンになった子供連れでの来日取材。

彼らを主人公に、ホンマに一家食べ歩きして、
広報接待漬けの取材以外の素の面を描ければば、
もっと面白い作品になりそうですが・・・。

つい、元編集者根性が出てしまい、
余計なお世話すみません。

徹夜読書、夜明けとともに就寝。
中高生時代に戻ったかのように、不健康で文化的な生活。

しかし、感想を書くのは別の話。
本当は作品毎きっちりコメントしたいのだが、
それなりに長くなって、面倒くさくいし、

毎月のこととして義務感が出てしまうと、
急にサボりたくなる体質だから。

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さて、特に気に入ったわけでもないのに、
いつの間にか沢山読んでしまった作家がいる。

108円ならば、ま、いいか。
てな要求水準だと、だんだん趣味が低きに流れ・・・。

まあ、失言、前言撤回です。
とりあえず、作品世界に入りやすいみたいな、
相性が大きいように思う。

和久田明、今月も四シリーズ。
色々シリーズをつまみ食いしたが、
我が趣味に合うのは『はぐれ十左〜』シリーズ(「御用帳」「暗剣殺」)か。


庄司圭太『斬奸の剣』(1、3)。
随分前に2を読んでいたが、
重い暗い話なので、我輩にしては珍しく設定を覚えていた。

文庫書き下ろしで、この密度は凄すぎる。
でも、柴練系ニヒルが入って我輩好みじゃない。

にも関わらず、
『花奉行〜』『岡っ引き源〜』など、既読作品五冊。

既製のパラダイムを上手くズラして引用する力技、読ませます。


黒木久勝『剣客花道』、『剣客大入』(「鬼からす恋芝居1、2」)。
主人公は、思い込みが激しく、
すぐ刀に手をかける直情型キャラ。

このような人物が藩の剣術指南役だった、それも五年間も。
(一週間で首になったとかならば、それもありかなって設定だが)
余りにも設定に無理があるが、
その一点をクリア出来れば、まあ読める。

で、作品世界に慣れた2巻目は、
「ノートルダムの*む*男」の換骨奪胎ヴァージョン。

石作りの巨大な空間じゃなく、
木造仮建築の隙間に潜むファントム。

言葉にするとちゃちい設定だが、
まあ志を尊重してポジティヴ評価。


倉阪鬼一郎『若さま大団円 諸国を駆けろ』(シリーズ第8巻=最終巻?)、
『花たまご情話』(南蛮おたね夢料理四)。
まあ、良くもなく悪くもない。

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お気に入り作家三冊も(佐伯三冊、辻堂一冊)。
その他、二卓(野口卓、長谷川卓)氏など、

出来れば新刊ですぐ読みたい方々、十数人いる。
しかし、当方無為無職の身、Bオフ経由で勘弁、我慢。


高橋三千綱『黄金の鯉』(「大江戸剣聖一心斎1」)。
「右京の介助太刀始末」シリーズと同じく、
未来の記憶とかSFが入っている、その意味が不明。


田牧大和は、失礼ながら、
文庫書き下ろしじゃないので、面白くて当然という扱いです。


風野真知雄は、根っからのエンタテイナーで、
途中は読ませるが、シリーズ最終回が下手っぴい。

シリーズはじめの三巻だから、安心して読める。


山内美樹子「鍵屋お仙見立て絵解き」(1)(2))。
川柳、和歌など古典の引用、
教科書ならウザイと突っぱなすところだが、
物語に馴染み溶け込んでいるので、
意外とスラスラお付き合い出来る。


中島要『かりんとう侍』。
「着物始末暦」シリーズに飽きがきていたので、
まあ、新鮮でした。


桑島かおり『祭りの甘酒』(「渡り女中」シリーズ1)。
2を先に読んでいるが、
「蛮社の獄」を通奏低音に、

派遣先の揉め事を解決する手際、
姑との関係、

このトライアングルが、
適度な緊張関係と幸福感を生んでいる。

いかにも手馴れた語り口だが、
悪い印象はしない。


五十嵐佳子『読売屋お吉 甘味とぉんと帖』。
江戸瓦版の新人食べ物エッセイ・ライターという設定。

まだ判断留保だが、
面白くなるはずのテーマ。


ここまで書いたら、全作品の感想を。

加藤文『青い剣』。
これが、デビュー作。

シナリオ・ライターから書き下ろし時代小説への転進組。

上手さとナイーヴさが同居、
これだけじゃまだ分かりません。


安住洋子『み仏のかんばせ』。
首切り浅右衛門の中間から始まって、
最後子沢山のおかみさんホーム・ドラマ。

展開の読めないストーリーなのに、
何故か通俗性をまとっている。


中谷航太郎『晴れときどき、乱心』。
むむむ、二重人格、とり憑かれ、
悪くはないが、我輩の守備範囲ではない。

月曜、午後二時五十分起床。
曇りだが、午前九時頃にはカンカン照りだったような気がする。
風は弱風、徘徊日和。

しかし、土日昼夜逆転+ゲーム感想三本後の週明け、
かなりヘタってます。

しかも室内温度が快適で、
これで引きこもらなかったら、いつ籠るのって。


フォーに嵌っている。
もちろんインスタントですが、これが侮れない。

パクチー、モヤシなしでも、
新タマネギの薄切りとパセリで代用、
肉類の代用は、ゆで卵と竹輪。

適当に酢をかけて、ズズっとかき込む。
添付出汁に含まれるレモングラスの風味さえあれば充分。

しかし、素朴な疑問。
ヴィエトナムの人たち、列島の民のように、
麺をズズっと音を立てて啜るんでしょうか?

<三月江戸小説読書感想記>
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先月の読書環境はいうことなく、非常に快調でした。
しかし、三十冊には届かず。

月末の異常気象、その陽気に浮気心をくすぐられて、
徘徊しない日でも集中力を保てなかった。


今月の発見は倉阪鬼一郎の料理屋シリーズ複数。
特別優れた人情話ではないのに、
何がよいかというと、
出てくるメニューの画がすぐ浮かぶこと。

この分野、女性作家の作品にもっと面白シリーズがいっぱいあるが、
恥ずかしながら、最後、料理メニューについていけないところがあって・・・。


和久田正明作品、
『はぐれ十左』シリーズを、「暗殺剣」→「御用帳」と、
新作から戻るように読むと、
それなりに作品世界を許容出来るようになった。


平谷美樹も、出来不出来が激しい感じがするが、
『採薬使』シリーズを核に読めば、
まあ、いいんじゃないかと思えるように。


有馬美季子『出立ちの膳』(「縄のれん3」)。
これで全4巻読破。

高城実枝子『浮世小路父娘捕物帖1』。
随分時間をおいて3と1を読んだが、
こうなると抜けている2も読みたい。

今井絵美子『やさしい嘘』(「おかん茶屋7」)。
いつもの塩梅で安定。


森村誠一『闇の陽炎衆』(「刺客請負人」シリーズの4)。
TVと同様に、人間離れした忍者が出てくるようになって、
現実感薄れ(白土マンガなら許せるが)1〜3までの説得力を失う。
ま、これで5巻目以降を読まずに済む。


高橋三千綱『お江戸の用心棒(上)(下)』。
とりあえず、行き当たりばったり風なアバウトさが、
手抜きでなく芸になっている。

永井義男『奸計 吉原占始末』(シリーズ第2巻)。
鈴木晴世『冬のよもぎ』(「旗本伝八郎飄々日記1」)。

「吉原〜」は1巻目を、
「飄々日記〜」は2巻目を読んでいる。

なのに、まったく設定を覚えていない。
それでも普通に楽しめた。


小泉盧生『寺内奉行検断状』。
「81歳の新人」と帯に仰々しく謳うが、
カヴァー、本体、どこにもプロフィールなしという不親切。

舞台が京都、役職が東西本願寺系寺内奉行、
その珍しさ以外に新味はないが、ちゃんと作品の体はなしている。

ただ、謎解き人情話テーマとあらば、
澤田ふじ子作品とモロかぶってしまうのが残念。

で、評価は次作品に。


以下、福原、誉田、池端、吉田の諸作品、
感想略アシカラズ。

月曜、十時四十分起床。
雨だが弱風のはずが、風強し。

七時過ぎに一度起きたが、
予報通りだったので心置きなく二度寝、この時間になった。、

<二月江戸小説感想>その(2)
高橋三千綱『お江戸の若様』(右京之介助太刀始末2)。
ちょっとSF入っている、不思議な意図。
ま、そこに作者のやる気を感じる。


金子成人『すっとこどっこい!』(若旦那道中双六2)
どうしても大物脚本家の手馴れた芸にとれてしまう。
上記大物作家の創意工夫を考えると、何か不足。

このレベルの作品(質は悪くない=念のため)ならば、
どんどん書き飛ばし大量生産する。

そうでなかったら、
はっきりとオリジナリティを加味すべき。

ちょっと、ハードル上げすぎかも。


藤原緋沙子『秘め事おたつ 細雨』。
新シリーズ(といっても2017作)だが、
何か設定に新味がない(悪くはないのだが・・・)。

優れた後輩女性作家が輩出して、
旬を過ぎた感のある(失礼)ヴェテランのマンネリズムか。

既存のシリーズ、みな秀作傑作なのだから、
そっちをもっと書き継いで頂きたい。


和久田正明『はぐれ十左暗殺剣』(1〜4)。
好きでも嫌いでもないが、
いつの間にか沢山読んでいたって距離関係。

複数シリーズをつまみ食い。
途中抜けていても気にならないのがいい。


平谷美樹『採薬使佐平次 吉祥の誘惑』(シリーズ3)。
これでとりあえず1〜3まで揃うが2巻目は未読。

今が旬なのでしょうか、多産、目立ちます。
(ま、言うまでもなく新刊本屋ではなく古本屋での話ですが)。

この作家も、かなりの冊数読んでいるが、
シリーズによって出来不出来があるので、
まだ、見切るところまでいけない。


以下四作家のシリーズ物、順番関係なく乱読。

藤堂房良『悪食』(やさぐれ若さま裁き剣1)、
湊谷拓生『死を売る男』(ご制外新九郎風月行2)、
柳蒼二郎『大岡の鈴』(あっぱれ三爺世直し帖1)。
篠原景『春は遠く』(柏屋藍治郎密か話2)。

で、篠原作品だけ、出来合いの文庫書き下ろしとは、
ちょっと風合いが違って、品がある。

<衝動買い>
市内南部Bオフ、時代小説の棚がなくなって、
全ジャンル混ぜた並び方になったせい。

先々月の東山魁夷に続き、
先月はこんなものを。
12

浅田次郎『パリわずらい江戸わずらい』。
典型的なタイトル買い。
しかし、看板に偽りあり。パリではない、江戸は少々あり。

佐伯泰英『惜櫟荘たより』。
40

岩波の「惜櫟荘」、修復保存話。
興味深いが、写真が今ひとつ。
建築写真でもなく、説明写真でもない、中途半端。

同じく佐伯作品『五人目の標的 警視庁国際捜査班』。
稀代のストーリーテラーだから読ませるが、
ミステリは、ある意味都会小説。その意味ではダサい。

自分で創った都会(江戸)なら、もっと光るわけ。
ふむふむなるほどね、と勝手に納得する我輩。

ただ、六年半で重版12刷まで行っている。
この分野で売れっ子になれなかったというのは、
どうも自虐伝説かも。

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