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       昭和4年(1929)6月   秋田魁新報の記事

        ライオンかとりの

    傑作詰将棋 煙り詰  名人 伊藤看壽

38枚の駒を盤面に並べ 終りには詰方の駒2枚となる有名なる大作なり

◎答

●八一と○同玉     ●七一香成○九一玉 ●八一成香○同玉  ●七二と○九一玉

●八二と○同玉     ●七三歩成○九一玉 ●八二と○同玉     ●七三と○九一玉

●八二と○同玉 ●七三香成(七二の誤植)○九一玉 ●八二成香○同玉 ●九三馬○同玉

●七三飛打○九四玉 ●八三飛成○八五玉   ●八四龍○同玉         ●五四龍○九五玉

●九六香打○同銀  ●同歩○八五玉       ●七四龍○九六玉   ●八七銀打○九七玉

●九四龍○八七玉  ●八五龍○七八玉      ●八八龍○六七玉    ●六八銀打○五八玉
●五七銀○四七玉  ●四六と○五七玉  ●五六金打○同と   ●同と引○六七玉

●七六銀○同玉    ●六六と○同玉     ●七七龍○六五玉  ●五五と○同玉

●六六龍○四五玉  ●四四と○同玉     ●五六龍○五五歩合 ●同龍○三三玉

●五三龍○三四玉  ●四四龍○二三玉    ●二四龍○同玉    ●一五と○三四玉

●四四金打○二三玉 ●二四歩打○一三玉   ●二三金打○同銀    ●同歩成○同玉

●三五桂○一二玉   ●一三歩打○同玉       ●一四歩打○一二玉 ●一三銀打○同桂

●同歩成○同玉    ●二三桂成○同玉   ●三三金○一二玉  ●一三歩打○同玉

●二五桂打○一二玉 ●二三金○同玉       ●三三角成○一二玉 ●一三桂成○同玉

●二四と○一二玉  ●二三と○一一玉   ●二一香成○同玉  ●二二馬

(119手)

 昭和4年(1929)6月   秋田魁新報の記事

 煙詰(けむりづめ)とは、将棋盤上に配された駒が“煙のように消え失せて”最後の2枚で詰みになる「詰将棋」です。この煙詰は1755年に作られたものだそうです。
 この新聞記事の棋譜には、一つの間違いと二つの疑問点があります。まず間違いですが、19手目の「●七三香成」は「●七二香成」の誤植です。
 疑問点の一つ目は、初期盤面に「●八五歩」を書き忘れたのではないでしょうか。そうでないと歩が1個余ってしまいます。でも、文頭で「38枚の駒を盤面に並べ」とあり、「39枚全部を使う」とは言っていないのも合せて疑問です。
 二つ目の疑問点は、「119手詰」になっていることです。一般には「117手詰」ですので、この棋譜は2手多いのです。
 その違いは、36手目に「○九六同玉」と行かないで「○八五玉」へ動いていることでした。そして「●七四龍」を経てから「○九六同玉」に来ているため、結果的には「117手詰」と同じ展開になっていきますが、手数としては2手多くなるのです。
 このことは、別の逃げ手があったということですので、“本来は119手詰が正しいのではないか!!”と一人ドキドキしながら調べましたところ、『「○八五玉」には「●七六金」と攻められて早々に詰んでしまう』、というとても残念な解説文を読むことになりました。
 気が抜ける半面、こんな有名な棋譜がなんで間違えて掲載されるのだろうという新たな疑問が湧きました。“119手詰”とナレーションを流しているテレビドラマもあります。誤植ではないことは明らかです。『もしかしたら、近年まで「○八五玉」には「●七四龍」と攻めるのが惟一とされていたのではないだろうか?』。この疑問は、伊藤看寿作『将棋図巧・第99番「煙詰」』の原本を見ることのできる方にはすぐ分ることなのでしょうが、その機会も熱意もないヘボ棋士の私には、永遠の謎になってしまうのでした。
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