2010年03月

2010年03月28日

小さな巨人 パルシステム静岡 三周年

a66689db.JPGパルシステム静岡は全役職員会議を開催した。3周年記念。
上田由紀理事長が話す。三年まえの3月30日に認可された。三歳になった。
私は、もとはパルシステム東京の組合員だった。あるとき、静岡の自然学校に家族で参加した。いくつかのコースのなかからむささびウオッチングを選んだ。レクチャーを受けて日暮を待ってフォックスウォークで近づいて双眼鏡で観察した。なにもかも初めて。それは感動した。

それから毎月通って、あるとき木の葉たちが互いに意識して相互作用しながら繁っていることが感じられた。ものすごい感動を覚えた。それを感じたとき世界が変わってみえた。そして静岡に引っ越してきた。

さて、静岡にはパルシステムが無かった。それから孤軍奮闘してパルシステム静岡の設立までこぎつけた。いま思うとよくできたなと。小さい生協だが、だからこそできる地域の取り組みをしたい。大切にしているもの、自分に革命をおこしたむささびの小物、世界の貧しさを忘れないホワイトバンド、家族を大切にする結婚指輪。いつも初心を忘れず生きていきたい。

永田専務の簡潔な方針提起のあと、各種表彰があった。安全運転の表彰。そして一人で500人以上も仲間に加入させた職員。電話対応やアポ取りなど。表彰された職員たちの照れくさそうなコメントもよかった。

そのあと会場を移して各事務所ごとに参加者の挨拶が全員からあった。これがまた、台に上がるときに、次々にこけてみたり、手品を披露したりと笑いをとる。元気だ。個性が光っていた。和やかだがどこか力強い。いい組織だ。

内田君はじめ若手職員やおばちゃん軍団などパワーがあふれていた。最後に石渡部長がパルシステム静岡は小さいからこそ新しいパルシステムをつくることができると話された。そう、まさにそうだ。失敗を恐れない愉快な仲間たちの元気と信頼こそ、未来を切り開くとそう感じた。


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2010年03月26日

快気祝 小田原産直組合 長谷川功代表

8bbd34fc.jpg長谷川さんが涙もろくなった。快気祝で挨拶すると言葉につまり涙ぐんだ。

良かった。集まったみんなは心から喜んだ。本当に良かった。

昨年9月に、山で転落し瀕死の重傷をおった。見舞いにいくとまったく身動きできないばかりか、意識がない。意識不明の寝たきりになるかと、不安がよぎった。さまざまな小田原の仲間が心配した。それから、パルシステムの産直生産者も全国から見舞いに駆けつけてきた。

1ヶ月目くらいか、ようやく意識がもどりこちらに帰ってきた。
それまでは、寝たきりで無意識に体を動かし、ときどき大きな声でうなっていた。ギョロ目を開けてはいても、視点が泳いでいた。

それが、はっきり意識回復しリハビリセンターに移った。それからは、カラダとの闘いだ。まだ、半分不自由そうだが、退院した。あとは自宅リハビリだ。

面白いのは、携帯ですでに職員に指示をだし続けている。意識回復して頭と腕が動けば、気持ちは畑にある。

挨拶で、話す。以前は、たまには家で何もしないでのんびりしたいと思っていた。ところが、こうなると仕事ができないことがこんなにつらいことだと思わなかったと絶句した。

ジョイファームや産直組合の面々や小田原有機農業協議会のメンバー、パルシステム神奈川ゆめコープ、NPO小田原食とみどりらが80名も集まった。小田原のスズヒロ蒲鉾が経営する「えれんなごっそ」を貸切だ。

長谷川さんが重態から奇跡的に回復し、また元気になったこと。
これは、こうした仲間とそばにつきっきりで面倒をみる奥さんの存在が大きい。

そうして、やはり長谷川さんの農業で培った体力と気力こそが一番だと感じた。なんというかカラダが締まっていて無駄がなく、強い気がある。感じられる。
こういう長谷川さんとまた一緒に働くことができる。ありがたい。
足柄農の会の笹村代表曰わく、長谷川さんたちのグループは有機農業者のそれと違う農の技術への頑固なまでのこだわりがある。地域でさまざまな団体をまとめあげる存在感があると話された。面白くなると。


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2010年03月24日

パラダイムシフトと天外伺朗氏

7ab5330a.jpgいまの日本の状況でどう未来を構想するか、この天外伺朗氏がほぼ言いつくしていると思った。

GDPに代わるGNHという考えかた自体は、辻信一先生はじめすでに語られている。GrossNatinalHappiness。国民総幸福量。従来の国内総生産量にかわる指標である。
もともとブータンの前国王が定めたもの。国の目標を生産量でなく国民がどのくらい幸せと感じているかで表す。
イギリスのレスター大学の調査では、ブータンは8位、日本は90位だ。世界178国中。もちろん日本はGDPでは2位だ。

世界資本主義の終焉を説く。「沈みゆくタイタニック」である。「限りない繁栄、成長」はギャンブルが常態化し、悪魔たちの「死の舞踊」になるという。いかに生きるか、悪魔たちの餌になるようなものを徹底的に排除するべきだという。

そこで、ミヒャエル・エンデの「モモ」を引用する。貧乏だが平和に暮らしていた人々に、「灰色の男たち」が「時間どろぼう」となって出没する。それとともに失ったものは「たのしいと思うこと。夢中になること。夢見ること」だ。
灰色の男たちはいう「人生でだいじなことはひとつしかない。それはなにかに成功すること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間」という生き方だ。

それに対して、天外氏は、灰色の男たちは殺せないという。みんなが持っている心であるからだ。表面では「こうあるべきだという仮面(ペルソナ)」だが、実際は、美くしくいう姿ほど実は抑圧された「シャドー(影)」が膨らむ。いい人を演じれば演じるほどシャドーも強大になって育つ。

だから、灰色の男たちは殺せない。むしろ灰色の男たちとの共存を目指すという。ありのままに素に生きる。

アメリカインディアンの例をだす。それは伝統派の儀式にこそエッセンスがある。それは歌と踊りと祈りだ。フローの状態とよぶ。

それから、フローを生み出すために、地域通貨を語り、新しい医療制度と教育制度を語る。
企業経営の進化も語る。合理主義経営学の論理的・合理的に経営効率の向上を図るやり方を批判する。
従業員を信頼し任せる非常識経営をとく。

さて、時代の転換期はパラダイムシフトがおきる。だが、それは簡単ではない。まるでカラダをつくりかえるように、一歩づつ慎重にすすめてゆくしかない。しかし、未来は見えてきはじめた。


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2010年03月22日

年に一度の親類会 越後湯沢にて

257a537f.jpg最近、三年くらい前から年に一度、兄弟といとこたちで集まり泊まって騒ぐ。しかし、今年は姉二人が病気などで抜けた。年齢がかさむとなかなか全員が揃わない。

越後湯沢の大きな旅館に11名が集まり、宴会場も借りた。昼前に越後湯沢の駅に集まり、まずは蕎麦屋で飲む。午後二時には宿に入り、大きな部屋に集まりまた飲む。疲れたら温泉につかり、休む。五時から宴会をはじめて十時過ぎまで騒いだ。佐渡野浦出身だから皆芸達者。佐渡おけさ、相川音頭、両津甚句などすべて正調で聞かせる。踊りもうまい。見せられる。基本がキチンとできている。残念ながら僕はできない。

一番、驚いたのはいとこの和美がひょうきんなお多福踊りを即興で踊ったことだ。ヤンヤの喝采。うまい。

最長老は、鶴見のおじさん。81歳だ。79歳まで現役だった。巨大企業の労組委員長だった。現役を定年したあと関連会社に再就職して79歳まで営業の第一線で働いた。成績は常にトップ。その傍らテナーサックスを吹き毎年北海道に3日間スキーにもいく。若々しい。

ところが、退職してからの二年間は何もしていない。一気にガタッときた。どうも電話での会話も忘れっぽくおかしい。

再会してみると、見た目はまだ若い。一緒に酒を飲み歌った。歌も声量があり力強い。音痴ではない。
ところが、翌日昼過ぎにおばさんが新幹線の指定席を確保してあり、一足先に帰ろうとして促したら嫌がった。帰らないと言い張り、突然、両手で顔を覆う。泣き出したのだ。みんなもう一晩泊まろと言い出した。

長い間、会社の現役で働いたことはすごいことだ。気力と体力の賜物だ。だが、人生の新しい展開、雇われない生き方が始まっている。はじめて雇われない人生になると、その切り替えが大変だ。人は、カラダが健康でもこの生活習慣の切り替えには戸惑う。迷っていると元気を失う。それも優秀な会社人間だったからこそだ。

しかし、これは贅沢と言える悩みだ。普通、80歳を超えてあれだけ髪が黒く頑丈なカラダを持たない。どこか持病を持っているだろう。それが健康そのものなのだから。

おじさんは、佐渡に行きたいという。一緒に行こうという。昔、炭焼をして朝早いときからイカバにでた。荒海を櫨を漕ぎ酔ってまいった。そして村を逃げ出して都会に就職した。いま、それがたまらなく懐かしい。帰りたい。

そう、いまからでも遅くない。村に行き炭焼に挑戦だ。やればできる。やろうとそう思った。村には仲間たちが待っている。


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2010年03月20日

壁にぶつかること 事業の仕組みと運動について

21ca35d3.jpg時代の急速な変化に対応して、事業のあり方が問われる。しかし、それは必ずうまくいかない。なぜなら、まだ今までのやり方を引きずっているからだ。頭のなかでは、新しい課題に新しい仕組みで組み立てているつもりだが。実は、既存のパラダイムにとらわれている。それは、必ず数値に現れてくる。赤字だ。あるいは急速に採算性が悪くなる。

このとき最悪なのは、ムリヤリ数値をあわせて既存の事業枠組みで進もうとすることだ。要は、コストカットだけで乗り切ろうとすること。しかし、これは事業が広がっていくときには有効だが、縮小していくときは、身動きが取れず破綻する。最後は、カットするものが無くなる。

だから、常に新たな挑戦が必要なのだ。ところがこれが悪いことに、新規事業は常にそう簡単には黒字化しない。投資のわりに利益がでない。するとこれもカットの対象だ。利益基準でみると結局既存の収益事業でコストカットするほうに目がいく。

しかし、これもまた必然だ。普通のことだ。だから、いつも新しいことに挑戦する人たちは、カットされやめさせられる。当然だ。
まだ、既存事業のように採算をあわせられないからだ。他人のせいにしないこと。自らの問題だ。当たり前だが。

だが、新しいことに挑戦することは、むしろこういうカット場面からが正念場だ。こういうピンチにこそ大切だ。苦しまぎれにアイデアがでるときだ。
マドルスルー、泥の暗闇を手探りですすむ。楽をして、未来を予想してアタマの上で事業を構想しているレベルではダメだ。新しい事業枠組みなどつくれない。追い詰められて、追い込まれてこそ、メタモルフォスがうまれる。


海から陸に生物が上がったように、大量の生命危機こそが進化を促したと思う。

やりたいことは山ほどある。金がない。当たり前だ。
では、どうするか。人はいる。しかも意欲あるホントにいい人たちだ。これが宝だ。

そう、もう一歩先にすすもう。みんなのチカラをあわせて知恵を振り絞る。
ふとみると、つぼみは膨らんでいる。


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2010年03月19日

労働組合と地域 江東区労組連

e1f80d9d.jpg江東区労組連によばれた。夕方、6時半過ぎから三々五々集まってくる。この地域のいろんな労働組合の人たちがいる。山谷日雇労働組合、全造船石川島分会、江東ユニオン、全石油昭和シェル、パルシステム東京労組、パルシステム神奈川ゆめ労組、パルシステム職員評議会、世田谷地区労などだ。

山谷は、民間の建設業が大変だ。公共事業削減で仕事が激減している。特に夏とこの冬があぶれている。なんとかしたい。
そうか、確かにムダな公共事業を敵視してきた。しかし、考えてみるとアメリカは最大の公共事業が軍事ではないか。それも無尽蔵なくらい国家財政で負担している。それより平和で有効な公共事業はもちろん必要だ。冬はいつもカンパや時には食料提供をしている。できることから少しでもやりたい。

昭和シェルは、第二労組を会社につくられてさんざんいじめられているという。これを聞いて山崎豊子の「沈まぬ太陽」を思い出した。正義感の強い労組委員長に、第二組合をつくり海外勤務でトバす。そうして労組が会社経営者と癒着し、結局会社もダメになる。

江東ユニオンは地域で誰でも入れる労組だ。電話相談もしている。昨日も2人、首切り相談があった。派遣は本当にカンタンに首を切られる。もう少し、早くなんとかしたい。電話も知らない人が多い。無権利状態だ。
パルシステムも、派遣はほとんどいないが定時職員や契約職員がいる。矛盾を抱えている。ユニオンはいまもっとも必要な労組らしい労組だと思った。

パルシステム江東センターからは、共済や営業という組合員との最前線の方が話してくれた。確かに毎年賃金はあがるが契約職員だ。生活を考えて正規職員化すべきという。確かにすごい人たちがいる。

世田谷地区労は、自治労などで町のゴミ問題などに取り組んでいる。実は、新潟県吉川町と数十年農業交流をしている。吉川町はパルシステム東京の交流拠点だ。故加藤さんが信頼で築いた歴史がある。世田谷地区労の根本さんは、なんと30俵もお米を引き取っている。

労働運動と生協運動は仲間だ。共に、賀川豊彦が誕生に関わっている。社会が壊れてゆくときに、共に人間の尊厳と創造力と豊さを守っていく。確かに、状況は最悪に向かっている。だが、こうした仲間たちがいる。ここから何ができるか。同じ場所で行動していくこと。

築地本願寺安穏朝市を呼びかけた。同じ場所で農あり、食品あり、小売あり、書籍あり、労組あり、労働相談あり、生活相談ありだ。地域を変える全員参加の一大広場だ。何かが起こる。


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2010年03月17日

人の弱さと強さ 矛盾について

51fbddf7.jpgなぜ、あんなに感情的に怒ったりするかと思うときがある。他人ばかりではなく自分がである。しかし、最近はめっきり少なくなった。あまり、感情の起伏が無くなってきている。要は、年だなと思う。

最近の会社は、ハラスメント教育が徹底し社内で大声を出すなどの尋常ではない行為は姿を消した。これが起こると大きな問題となる。生協はさらに徹底している。

しかし、一昔前は、もう感情の嵐だった。熱血漢といえば聞こえがいいが、すぐ頭に血が登る。怒鳴り合いはしょっちゅうだった。それでも足りないとテーブルを叩く。さらに、つかみ合いだ。いまなら、みんな首だな。
そういうどうしようもない激しい感情のぶつけ合いが日常だったような気がする。

いまはない。
一歩引いて、ひと呼吸おく。あるいは、距離感を保ち、冷静に話しあう。職場は静かになり、若い人たちは、笑い声も起こり楽しそうにしている。働く場としては快適だ。

たまたま、いますごく輝いている若い人と話す機会があった。彼女は、引きこもりだったと話した。そんな風にはまるで見えない。リストカットまでいったという。ぶつけようのない磁気嵐のなかで中空でもがき、自分を傷める。

この話しを聞きながら、いまの若い人たちは可哀想だと思った。感情の起伏やどうしようもない激情を発露し戦う場がない。

理屈はどうあれ、1968年から1970代にかけて社会は騒然としていた。僕たちは、こぞってデモに参加した。学校と対峙し既成の権力と衝突した。危険だが、爽快だった。あれだけ暴れながら、自分たちを正しいと言い張るのだから。いまなら、とっくに抹殺されている。

さて、人間のカラダに眠る野生の血がある。脳のなかの基底部分にある激しい生である。これが、欲望を現出させ荒ぶる。
これは、本来人間が成長していく過程で暴れるものだと思う。犯罪学者の福島彰氏が、数万年の人類史で、ヒトは、採取、狩猟、栽培、飼育という生きるための食料獲得の歴史があったという。これを、生まれてから人として成長する過程で疑似的に追体験をしなければならないという。これが正常に行われないと、別のカタチででると。

子どものころ、蛇やカエルを殺した経験である。ある種の無自覚な残虐性である。

見た目、平穏だが、本当に人間的に働けているか。自分たちの組織のなかに閉じこもった平穏は、結局、もっとも危険である。激しい社会的矛盾に無自覚な組織は崩壊するしかない。

生きることの気恥ずかしい矛盾を抱えながら、生きてゆくしかない。


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2010年03月15日

日帰りの佐渡

61d29b64.jpg佐渡の実家には、この4月に91歳になる母がいる。普段の日常は、姉の娘の舞ちゃんが面倒を見てくれている。ありがたい。
しかし、土日には兄弟で順番で会いにいく。だいたい毎月一回のペースだ。

実は去る2月は、新潟まで来て佐渡航路が海が荒れ全便欠航で渡れなかった。そのまえの1月は、仕事で行けず、焦っていた。
この3月の土曜日も五時まで予定が詰まり、厳しい。東京から新幹線に飛び乗ったが、やはり7時台で船便が無い。新潟の兄のところに泊まり、朝、佐渡に向かった。

午前10時過ぎに実家に着く。昼飯をつくり、午後4時に家をでる。旅は多いが、さすがに佐渡に日帰りで帰郷したことは無かった。

行きは、まだ海は低気圧の余韻を残しうねりが大きく、ジェットホイルは大きく上下した。しかし、佐渡に着くと素晴らしい快晴だ。真っ青な空。大佐渡の雪の峰は、美しい彫刻のようだ。冬枯れの里山にも微かな春の暖かさが感じられる。土手には、柔らかい草の息吹きが見られる。

海。小さくざわめく磯に、濃い茶の海草がまつわりついている。吹く風に、海が群青色にたなびいている。

母は、カラダを横にしながらも起きてきた。しっかりとした顔。喜んでくれた。照れくさい。

なにをするでもない。ただ、こたつに入り、一緒にいる。それだけ。新聞を読んだり本を読む。近況を話したり。そうして、眠くなるとうたた寝をする。

お前たちが私のように無事に90歳を超えて生きられるように、毎日真言を唱えていると話す。来てくれてありがとう。今度、いつ来ると聞く。来月だと話す。ありがとうとまた言う。実家をでるとき、手をあわせて祈る仕草をした。感謝の念でこれ日々生きている。さすが半端じゃない長生きは、生死を超える体得をするようだ。人生の見事さ。感動してしまう。

帰り航路は、海は凪になる。夕日のなかに佐渡が浮かび、夜が追いかけてくる。夜の帳が落ちてくる。濃紺の空に一筋の飛行機雲が線を描いていった。


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2010年03月14日

こつなぎ 山を巡る百年物語

99f6fb40.jpg映画「こつなぎ」の上映運動がある。13日(土)東京の全電通会館で三回の上映があった。補助椅子もあわせて500名の会場が超満員で立ち見すらおことわりするほどだった。正直、驚いた。地味なドキュメンタリーにこれほど来場するとは。

映画は、1960年から三人によって記録された岩手県の小繋事件である。三人とはカメラマンの菊地周、写真家の川島浩、ドキュメンタリー作家の篠崎五六。

岩手県北部の小繋村の小繋山を入会地としてきた村人と地主(茨城県在住)との戦いの記録である。
村人たちは、何度も裁判に負け、しかも逮捕されても不屈に戦った。ついに入会権を認めさせる至る。この村人たちとそれを支援する人びとの活動。
東北の奥深い村のどこにこれだけの精神とパワーがあったのかと驚く。昔の農民の気位。気高い。そうしてタフさ。強い心。

モノクロのフィルムの映像は、やや薄暗い。雪の山に女ひとりで入り薪を切るヨシノさん。彼女の仕事ぶりは、淡々としているが実に魅力的だ。楢の木をノコギリ一つで切り倒し、軽々と運ぶ。これは実は、やってみると大の男でも大変な力仕事なのだ。それを平気でこなす。それが美しい。

現在も山にはいる。根曲がり竹、ワラビなど様々な山の幸を取るシーンがある。山には何でもあると笑う。

さて、辻信一先生のコーディネートで幕間でシンポジウムだ。 東大教授の菅豊先生、民俗学の専門家。入会とコモンズを研究している。私と公の間、共と言う。

結城登美雄氏、民俗研究家。岩手県の村々の自立と協同の事例を紹介する。村人の高い意識性にもとづく協同を紹介する。

中川誼美さん、銀座吉水女将。人は自らのなかに60兆個の細胞の共有地を持つという。コモンズなんて耳慣れない英語は使わない。使いたくない。

藤岡亜美さん、スローウォーターカフェ代表。子育てで食べることの大切さを実感した。エクアドルの有機コーヒーのフェアトレードに取り組んでいる。また、アースディマーケットなど農と都市をつなげる運動をいろいろ取り組んでいる。若者も農への共感は高い。

パルシステムから僕が参加した。産直は、都市の食べると農のつくるを結ぶ。都市の協同。
子ども時代の佐渡の村は、海も入会地。ワカメやイゴの解禁日は協同で収穫して平等に分ける。山の道普請はいまだに協同作業だ。朱鷺が住めない農の近代化から、いまは見直しがはじまった。

岩手県北部の軽米町と野菜産直。飼料米、鶏、椎茸原木など耕畜連携をすすめる。

だった一時間のパネルディスカッションだが、いや実に濃厚な話がされていた。

この映画をプロデュースした菊地文代さん。実は、ドキュメンタリーカメラマン菊地周さんの奥さん。十年前に周さんの亡くなった後も活動を続けて、ついに上映までこぎつけた。あと少しで80歳と聞いた。カクシャクとして、静謐な方。どこにあのパワーがあるかと思われた。簡潔なご挨拶をされた。

こうした東北の片田舎の熱い物語が語り伝えるのは、僕たちの未来である。美しい未来である。


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2010年03月12日

FREEの正体とあったかいお金

21455397.jpg今週の週刊ダイヤモンド。FREEの特集である。クリス・アンダーソンの著作「FREE」からだ。クリス・アンダーソンはロングテールという言葉を有名にした作家。インターネットなど新たなビジネスモデルに独特の分析をする。鋭い。おもしろい。

フリーのビジネスモデルを4つに分類している。…樟榲内部相互補助∋絢坿峪埔讚フリーミアムと鷁瀛昌埔譟
…樟榲内部相互補助
あるモノやサービスを売るために、他の商品を無料にする。ジレットの安全カミソリと替刃の例。
∋絢坿峪埔譟
二者が無料交換し第三者が費用負担する。TV広告など。
フリーミアム
多数の無料版と少数の有料版、有料版が支える。典型的オンラインサイトのパターン。
と鷁瀛昌埔
金銭以外の動機づけ。無償の労働提供。アマゾンのブックレビューやウィキペディア。

ほかにおもしろいのは、「まだ設け方を見つけていないフリー」があるという。ツィッターやYouTubeはまだ明確な収益モデルを提示できていないという。しかしやめない。やり続けていれば何かが起こると信じているからだ。

別のインタビューのなかで岡田斗司夫はいう。技術の進歩に伴う人びとの価値観の変化は、何が豊富になり、何が貴重な資源となったかを見れば明らかになる。モノが溢れていた時代は、モノを大量消費することが格好よかったのだ。いまはデジタル技術により「情報」が溢れるようになった。一方で「時間」が足りない。

では、旧勢力がフリーと戦うにはどうするか。
無料のものと同じ価値しかないなら無料にするしかない。それよりよいもの、違うものを提供すればよいだけだという。例えれば、オフィスに無料コーヒーがあっても、わざわざ外のコーヒーショップでプレミアムコーヒーを飲む喜びを知っている。潤沢さと競争する希少さの武器。
ただ、今の陣容・組織は維持できない。変革を拒めば結局フリーの猛威の前に沈んでいく運命だ。

無料は、参加の敷居を低くする。このことをどう考えるか。そして、僕たちの目的は、人と人がつながり、生産と消費をつなぎ、あたたかい社会へと変革していくことだ。いずれにしても、お金について、時代は大きな変化を生み出していく。


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2010年03月10日

あったかいお金の回しかた セカンドリーグ

967000c4.jpg賀川豊彦が100年前の12月に神戸のスラムに住んで貧困とたたかったこと。これを記念して各地で講演会やシンポジウムが行われている。

賀川豊彦から何を学ぶか。パルシステムのセカンドリーグ支援室では、地域コミュニティーの活性化の活動をつなぎ、元気にするため生協を基盤に地域活動を支援している。ここが、賀川に学び格差社会や貧困を自ら解決せんと運動する各地のNPOなどに呼びかけて、シンポジウムを開催した。テーマはお金である。

地域を豊かにするためには、お金が必要である。だが、それはみんなが持ち寄り、持ち出し、使うという自らのお金の使い方に問題解決の入口があるというものだ。お金の産直であり、出す人と使う人の顔の見える関係を構築することだとする。

基調講演は、加山久夫賀川豊彦記念館館長。賀川は、金融とは人体に例えれば血液を回すことであり、これは経済を人間のためにしてゆくことだと話された。賀川は人間心理経済を説いていたという。人格経済ともいう。

パネルディスカッション最初のお話は、中ノ郷信組の長川理事からだ。賀川豊彦は、関東大震災で4万人の死者をだした最も被害の多かった本所地区の復興に奔走した。ここから生まれたのが中ノ郷信用組合だ。以降80年間に渡り庶民金融に徹してきた。
パルシステムとコミュニティーのために活動する人びとにお役立ちをしたいという。

吉澤保幸場所文化フォーラム代表は、金融資本主義の行き詰まりを語り、あらたなローカルマネーを模索する。利子を産まないあったかいお金を意識し、志を持ったお金を使おうと呼びかけた。

NPOの実践からは、山根真知子氏。NPO事業サポートセンター理事。セカンドリーグ実践起業塾コーディネーターだ。銀行に何気なく預けているお金がどう使われているか意識しよう。できるだけ使う人を意識したお金の地産地消を心がけたい。

セカンドリーグ支援室からは、各地のNPO事業を支援してきたこと。今後は中ノ郷信組など地域に貢献しようとする金融機関と連携し、地域活動やコミュニティービジネスに役立つ資金活用を検討していることを話す。

パネルディスカッションのコーディネーターは前田和男のんびる編集長。地域には、人とともにお金こそ大切な要素だという。それは、大銀行に預けてしまうことなく、みんなで意識して、互いにあったかいお金をまわそうと呼びかけた。

会場は、明治学院大学。賀川豊彦の母校。基調講演の加山久夫先生が名誉教授である。
雨のなか200名もが集まった。

加山先生は、賀川関連のシンポジウムなど100以上こなしたが、はじめてお金をテーマにしたという。実に大事なことだと話された。

会場から、ママのジャムの橘和子さんの起業の実践報告。マハラバ文庫増田レア代表の中ノ郷信組組合員としての会社立ち上げ資金の融資を受けた報告がされた。

地域で女性たちが小さなビジネスをはじめている。その活動に資金がいきてくる。これからは、無数の小さなコミュニティービジネスの波が起きてくる。それは、賀川が唱えた防貧の協同社会へと進んでいく。


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2010年03月09日

日本の食は安すぎる 山本謙治氏 パルシステム生消協フォーラム

397eb7a2.jpg日本の食は安すぎると力強く講演するのは山本謙治さんだ。流通の専門家。食の現状に歯に絹着せぬものいいが評判だ。パルシステムの商品案内と気になる商品を取ってみた。美味い。ヨイショ抜きに美味しい。もっと紙面でうまいを表現すべきた。この会場にきてワケがわかった。全国から名だたる生産者がきてる。某有名スーパーが欲しがった産地がほぼ顔を揃えている。これは凄い。お世辞抜きだ。

さて、パルシステムには生産者消費者協議会がある。産直産地が全国から集まりパルシステムグループの各地の会員生協から組合員代表と協議している。これは、事業だけで結びつきをもつのではなく、農と食をつないで地域を豊かにしようとするもの。共に組み立てる場である。
これが生産者には面白いという。普通は、生協といっても商品仕入担当者としか話さない。ところがパルは、いろいろ消費者がやってくる。交流し議論する。もちろん産地側からこうした会議にまでこれるのはごくごく一部に過ぎないが。産地交流は二万人を超える。

その生消協には、生産者運営委員会と消費者運営委員会がそれぞれあり、かつ全国を三ブロックで分けブロック会議を設置している。また、果樹部会、米部会、畜産部会、近郊会議など作物ごとの部会もある。ここでは生産者同士の議論が面白い。なかなか生産者同士の場は意外にない。

フォーラムは、さらに大泉一貫宮城大学副学長の講演。日本の農を六次産業化で農商工旅行など情報化して元気にしようと呼びかけた。生協がそのリードをして欲しい。

パルシステムも2009年度は、対前年比99.5%と割った。なかでも産直品の農畜産物が低迷した。大いなる危機である。産地に不安がつのる。

では、どうするか。
一緒に取り組むことだ。農と食が、文字通り一体になって、産地へ行き生協組合員宅を訪れる。会員生協62センター全員で予算をたて、組合訪問と産地学習をやりきる。あらためて顔の見える関係の再構築だ。
100人の食づくり!今こそ、産直の底力!


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2010年03月07日

水野和夫氏 世界は再び陸の時代へ パルシステム政策討論集会にて

698b117a.jpg水野和夫氏の講演。
日本の名目GDPは97年をピークに40兆円減っている。515兆円が2009年には475兆円となった。
特に製造業が激減している。名目GDPとは産業全体の売上から中間投入物を引いた総額である。たとえ、沢山売れても、利益が出ないと下がり続ける。

困ったことに、売上から変動費を引いた限界利益のうち、人件費と企業利益への配分で、人件費が大幅に縮減した。統計は見事に規制緩和の影響を表している。

利子率革命。
利子率とは、利潤率であり産業の潜在成長率だという。
17世紀にヨーロッパは経済成長の限界にきてイタリアでは史上最低の利子率1.125%になった。そこから海に乗り出して経済成長が始まる。利子率は上がる。

しかし、21世紀の先進国もまた利子率が激減している。成長の限界とデフレである。アメリカや日本は最低である。しかし、一方中国、インド、ロシアなど新興国が経済成長をとげる。これをどうみるか。

あらためて、再び陸の時代になるという。いま成長を続けているのは中国やインドだ。これは資源国でもある。
だが、いままで20世紀の成長が再び世界を覆うのか。それは難しい。成長の限界がある。地球環境にとってどうか。
最後に水野氏はいう。遠くまで行くんだという経済は、限界にきたと。

さて、考えてみると実はGDPでは基礎数値が企業活動の集計値しかない。また、貨幣では図れない価値は表せない。
いま、日本で起きている深く静かな価値転換。この変化こそ富を変え新たな未来をつくる。それは実は、懐かしい未来である。農と食の豊さの根源。


nobu23 at 22:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 生協 | 読書

2010年03月03日

シリコンバレーと農の創造性

e88025b7.jpg梅田望夫氏である。この本は2002年ころに読んでいる。文庫版で新刊になった。

梅田さんを好きなのは、彼の時代精神のとらえ方、だと思う。彼のブログは、インターネットの先駆的人びとによって批判されたと聞いた。おそらく、彼のものいいが議論を呼んだのかも知れない。

ウエブ2・0などの言葉や先進的技術という流れで梅田さんが先を言っているわけではない。そうではなく、アメリカ西海岸のサンフランシスコ界隈の雰囲気がよくでている。アメリカのもうひとつの流れ。楽天的でカラッとして、脳天気な冒険心。世界を変えようと挑む革命家きどり。おっちょこちょいで明るい。人をとにかく励まして、なんとかしようと展望のないところに、無理やり未来をカタチつくろうとする。その無数の冒険家たち。これがシリコンバレー精神として描かれている。

WEBの意味は、人間を信頼し、ほとんどただで誰でも参加しやすい環境をつくることで、新しい時代を切り開いてきたことだと思う。紙媒体では時空を超えにくい。もちろん時代を超えることは明らかだとしても。

さて、農だ。
実は、農の現場はシリコンバレーだと思う。いま、無数の挑戦がされている。そこここで。土とバクテリアと水。生物の様々な挑戦。毎日、毎時、多様で七色の変化。この面白さを知っている農家こそ、真の時代精神だ。社会をリードする。しかし、これをどう一般的に表現しうるか。農における梅田さんを持ち得るか。

ただ屁理屈をコネ回すのではない。農の豊さを感じることのできる表現形式を創造してゆきたい。それは、宮澤賢治がしたように童話であり、詩であり、歌なのだと思う。だが、それだけでなく、散文で語りたい。

梅田望夫氏のここちよい時代表現。もうひとつのアメリカ。変わる世界。大きな潮流の音。


nobu23 at 06:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 事業・起業 | 読書

2010年03月01日

飼料米と耕畜連携 パルシステムの取り組み

4c2e4824.jpg畜産が危機だ。昨年以来、ジワジワと販売が低迷している。飼料価格も高止まりし、廃業がまた増えてきた。

このままでは、畜産の存在価値が問われる。アメリカの余剰農産物に飼料を依存することを止めたい。シカゴ相場と為替とタンカー運賃をにらみながら計算しても合わない。
飼料輸入量1,655万トン。うちトウモロコシが1206万トン(49%)と二番目に多い大豆油粕の325万トン(13%)を離してほぼ半分を占める。アメリカの余剰農産物に頼ってきた。
ハイチは、もともとお米を自給自足していたのにアメリカの安い米輸入で負けて、農地が放棄されたと聞く。結果、貧しさが拡大した。そこに天災が襲うとひとたまりもない。都市に流出した人びとの貧困。生活破壊。


では、どうするか。
パルシステムで、畜産生産者と稲作農家、農協、飼料会社、農水省、県などが集まり耕畜連携による飼料米の取り組みが議論された。

まずは国産飼料を使いたい。その取り組みのひとつが飼料米だ。
田んぼの減反を止めてお米をつくり、ご飯を食べるだけでなく、様々な活用を図り、外国農産物依存から少しでも脱却しようというものだ。逆にいえば外国農産物に依存し、作れる農地が放棄されることを解決したい。産地と消費地の双方と政府などで可能性を追求する。

この間のパルシステムなどの取り組みにより、今年は一気に反当たり8万円の補助金がでることとなった。
さらに県単位で1万5千円などが追加される。このため昨年の数倍の作付けが見込まれている。飼料米の増大だ。

しかし問題は、これが補助金頼みであり、継続的なものとなるか未定であること。これを持続可能としていきたい。問題は山積している。

畜産と稲作など耕種農家の地域資源循環は、実は、日本の昔からの風景だ。稲藁、米ぬか、籾ガラ、豆ガラ、野草、残飯などなどで飼育した。糞は大事な堆肥となった。無駄の無い日本型畜産のこれからのあり方を模索し、挑戦していく。


nobu23 at 08:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 生協 |