2010年06月

2010年06月30日

パルカレッジinささかみと 阿賀野市の交流エリア検討委員会

13b9bca2.jpgささかみは、パルシステムグループの職員にとって、訪問し学ぶ場である。働く意味を考えその意欲を引き出すチカラがある。

毎年20名くらいのチームで、それこそ学生から内定者、新人、三年から五年、リーダー、幹部と経験や仕事内容や役割ごとに企画されている。農業体験と座学とワークショップが行なわれている。
やはり、独特の現地空間と濃い人びと、美味しい食事とうまい水が人を元気にする。生協の無くてはならない道場である。

この日は、供給リーダーと営業リーダーと呼ばれる現場を指揮するリーダーたちの研修があった。行程は、農協での総合的な説明。堆肥工場や豆腐工場の見学。そしてメインは石塚美津夫理事長の有機農業の体験だ。
夢の谷ファームで草取り。それから石塚さんの講義。
夜は、その夢の谷ファームでホタル観賞である。しのつく雨のなかに光の点滅。ふわりと舞う輝跡。驚き。これこそが有機農業の成果だ。十数年前に絶滅したと村人の誰もが思っていた。それが復活した。どうだ。・・・参った。

さて、ささかみから帰って何をつなぐか。それは、参加したみんなが創ることだ。みんなが少なくともこの瞬間だけは働いていて良かったと思っている。これは確かだ。この瞬間が大切だ。


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さて、パルカレッジに参加した後、午後から阿賀野市の体験交流エリア検討委員会に出席した。道の駅構想の見直し検討だという。

市の各界から委員が選ばれている。農業、商店街、建設、不動産、企業、NPOなどだ。
街つくりの構想をお手伝いすべく二時間のワークショップをコーディネートした。
10年後の阿賀野市の未来。4グループで出された内容は、やはり素晴らしいものだった。環境、農業、福祉、温泉、食、若者などなどである。多くの知恵を寄せると一人の天才に優る。

そして次に、このビジョンを意識しつつ問題点の抽出をした。でるはでるは、である。
これをまとめて各グループで発表する。問題を明確にする。
今回はここまで。

有りたい姿の未来ビジョンを協同で描いていくこと。そして現実とのギャップを把握すること。ここから始まる。
次は課題化だ。
未来は、住民自身によるデザインが決める。自分達で夢を語り知恵を寄せ、資源を発見して創っていく。地域コミュニティ再生は、こうした場づくりから始まると思う。


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2010年06月29日

世界金融システムの危機とジョージ・ソロス

6ac82184.jpgいまG20が開催されている。管直人総理大臣の初参加だ。

さて、一見すると世界はリーマンショックから立ち直ったかのようだ。だが、このソロスの講義録を読むとむしろ危うい現実と危機の深さが明らかとなる。

それにしてもこのソロスという人は面白い。世界金融システムの只中で巨万の富を築いた、まさに金の申し子。ヘッジファンドの親玉である。そのソロスが明け透けに世界資本主義の市場原理主義を徹底批判する。面白い。

故郷ハンガリーにソロスの創った中央ヨーロッパ大学。そこでの講義録である。

激動の金融システムのなかを泳ぎながら何度も危機に陥いる。しかし生きのびていく。成功していく。
この不思議な強さはどこからくるか。金融システムを知りつくしたと言われたかのノーベル賞経済学者すら破綻したのに。
彼の生い立ちを知るとなるほどと思える。ナチスドイツのハンガリー占領。ソロス少年一家を偽の身分証で救う父親。その父親のロシア捕虜とシベリア脱走経験。ソロスの少年時代のナチスドイツ占領からの解放。しかし次にはソ連占領。そこから逃れてイギリスの大学へと向かう。そしてアメリカに渡りトレーダーとなるのだ。

この数奇な運命。世界の激変をこうして生き抜いてきた彼だけが体得できた真実が見えるのだろうと思う。
国も社会もなにも確かなことは何もなく、命ももて遊ばれる。

彼独特の「再帰性」理論。これは二つの命題からなる。「思考する参加者がいるような状況において、参加者の世界観は部分的で、歪んでいる。」
と「この歪ん状況認識は、その結果として発生する状況参加者の不適切な行動を通じて、状況に対して影響を及ぼしうる」というもの。
これは要するに、ゲームの参加者にとって確実なことは何もない。完全な予測はあり得ない。しかも、参加者の思惑でゲームの場が変わる。という賭博の修羅場をくぐり抜けたものの持つ独特の世界観に似ている。

だが、本当に面白いのは彼の資本主義批判にある。ジョージ・W・ブッシュ政権批判。あのジョージ・オーエル「1984」の世界、「真理省」の存在。「ニュースピーク」という言語。オーエルが描いた人間支配の究極の姿。これをブッシュの参謀フランク・ルンツが公然と真似る。彼はは大衆操作と暴力と戦争への煽動家である。なんでも仕掛ける。自分達が勝てばいい。アメリカにおぞましい1984の誕生である。

このような情報操作がいとも簡単に成功すること。これをソロスは「アメリカ人は真実の探求に特に関心があるわけではない」「それどころか、騙されたがっている」という。この情報操作の時代を「消費者社会の誕生」からだと明確にしている。この企業広告の時代から政治と文化の領域にも広がったと見抜いている。

しかし、これはアメリカだけではない。二つの月の世界とリトルピープルは私たちの世界だ。誰かを悪者にしたがる単純な白黒の世界観。みんなは悪くないというわけだ。問題は自分達にあるのに。怪物は自分達が育てているのだが。

ソロスは、ざっと第二次大戦後の資本主義を概括する。世界金融システムを牛耳るIMFと世界銀行。これはアメリカが大株主となる株式会社。この戦後世界経済秩序を決めたブレトン・ウッズ会議はイギリスのケインズを押さえてアメリカのハリー・デクスター・ホワイトが握る。以来「ワシントン・コンセンサス」が世界の指導原理となった。
しかしこのアメリカを頂点とした仕組みが自ら生み出した金融システムの怪物に破壊されていく。アメリカ発世界恐慌だ。

ソロスの提言は、世界金融システムを制御する世界的意思をつくれということにある。
だが、それは自己矛盾だ。各国を超えた金融の怪物。これは弱さや矛盾を食い物にして肥大化してゆく。人間の素朴な欲望を累乗化して暴れていく。

では、どうするか。
新しい経済、金銭的価値とは異なる価値によって結ばれる社会の誕生である。
それは、実は昔からあった。いまもある。そこここにある。
マスコミと金融システムからの逸脱。あるいは、地下深い井戸からの繋がり。
豊かな森の物語。大地と水と生命のシンフォニー。


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2010年06月27日

ささかみ食と農推進協議会とNPO食農ネットささかみ

48478175.jpg新潟県阿賀野市のJAささかみと食料と農業に関する基本協定を結んで10年になる。協定以前の産直は20年だからはや30年にもなるか。
協定はJAとパルシステムと当時の笹神村が結んだ。笹神村はいま合併して阿賀野市となった。

さて、総会参加はパルシステムグループの連合会と会員生協の理事長などや農協役員職員、NPO食農ネットささかみ。そして阿賀野市天野市長や農業委員会古川委員長、新潟県農政関係。そして五頭温泉旅館組合などである。大学関係で新潟大学粟生田先生、麻布大学大木茂先生らが参加した。
こういう地域のさまざま関係者が集うのもここの特徴である。

毎年、交流参加者は2千人を超える。関東と新潟という中距離のツアーはお金も時間もかかり、おいそれと拡大するわけにはいかない。それでも、交通費への補助や拠点としてのペンションぽっぽ五頭の運営により、定着はしてきている。

マンネリ化を防ぐ新たな企画は、携帯フォトメール応募の写真コンテスト。農民自身による23集落での生物調査など意欲的に取り組まれていた。

面白いのは今年から始まった「本気塾」、受け入れ農家と登録参加者で一年間農体験を行なう。22名の登録参加者には将来ささかみに住みたい人もいると聞いた。本気塾三か条は「本気!で汗を流す。本気!で楽しむ。本気!で感動する。」である。

交流は、単発ではダメだ。じっくり継続して積み重ねていく。中長期に計画していく。この積み重ねが大きな成果を生み出していくのだ。
この日は、パルシステム東京の2SPと呼ぶ産地への職員体験研修と同じく職員有志の自主参加者もささかみにいた。さまざまな体験交流が行なわれている。みんな元気をもらっていると話す。

写真はNPO食農ネットささかみの石塚美津夫理事長。自慢の竹ほうきの草取り器だ。 これ以外にも鉄製のものがある。これはとてつもなく重い。彼しか引っ張れない。水田の有機農業は草との知恵と体力の勝負だ。草取りの工夫がたくさんある。だから面白い。しかし、小田原が気になる。b752354c.jpg


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2010年06月26日

口蹄疫とPTSD ― 大井宗孝獣医の現地報告

9f1232d3.jpgパルシステムで口蹄疫の学習会を開催した。大井宗孝獣医の現地報告である。発生以来、宮崎県に入り川南町を中心に対策に携わっている。

以下、その内容。
最近、宮崎から戻ると少し気持が変になっている。我ながら精神的に弱っている感じがしている。そのため、話しがツジツマが合わなかったり、筋が多少おかしいことがあるかも知れない。どうもPTSD(心的外傷後の障害)症状があるようだと告白された。

4月20日に初発が確認されて以来、20万頭が殺処分された。畜産生産者の意識は、すでに仲間を守るために、感染拡大を防ぐため進んで殺処分に協力するとなっている。生産者の気持はすごい。こうして都城市に入るとは一気に殺処分が終わった。

現在は、感染したと判明した家畜は殺処分を終了し、あとはワクチン投与したものが残るだけとなった。

感染拡大では、牛から豚に移った段階がひとつの転機だった。牛は感染してもあまりウィルスは増えないが、豚は爆発的に増殖する。しかもまだ発病しない2日くらいからエアゾール(空気排出)しだす。発病は7日くらいから。この間に広がっていく。

一番問題だったのは、国や県と現場の連携と指揮系統の乱れがあったこと。畜産農家が対応を問い合わせてもタライ回しにされた例をたくさん聞いた。これが対応の遅れと感染爆発を招いたのではと思える。

例えば、宮崎県で発生してすぐ獣医師の援助の必要性を国や県に問い合わせても必要ないとのはことだった。しかし実際には現場は大変な状況だった。仲間の獣医師とネットワークし救援に出かけた。ボランティアでいった。それから県や国へ開業養豚獣医師協会で提言や要請を行なっている。

口蹄疫に対する特措法で改善されつつある。しかし、最大の問題が残る。畜産農家の再建問題だ。殺処分後から清浄化宣言までと、それ以降の再飼育投入と出荷まではまったく収入がない。支出ばかりである。従業員の賃金、借金返済、素牛豚購入費などなどが嵩む。廃業に追い込まれんとしている。この国の畜産の危機である。

大井先生の胸に迫る現地リポート。
これを受けてパルシステムの対策とカンパの途中集約が報告された。カンパは第一歩ですでに一千万円を超えた。

参加した畜産生産者から次々に発言があった。危機感だけでなく宮崎県の生産者への思いが語られる。仲間だ。仲間たちが苦しんでいる。なんとかしたい。

いま、必要なこと。畜産農家だけでなく、すべての人びとが、いま起こっている事実を知り知らせること。
感染症のパンデミックの驚異。それが農を侵し食を危機に陥いらせていることを。

いま、ここにある危機。


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2010年06月23日

パルシステム総会と20周年記念レセプション

311f1b5a.jpgホテル・メトロポリタン。代議員は50名。

総会はたくさんの意見と答弁があった。しかし、会員生協の役員が代議員になっているため、事前にすでに議論が積み重ねられている。あまりハプニングは起こらない。

今年の特徴は、2009年度の実績がはじめて前年割れをおこしたことだ。とくに得意とする産直部門が低迷した。深刻な局面と考える。。

その挽回として仕掛けた。青果の鮮度向上である。鮮度を一層高めるために、大胆な改革を行なった。
青果の専用物流と産地から組合員までの一日短縮である。これによって鮮度がグッと良くなった。やはり一日は大きい。
さらに、朝どりや夕どりなどの鮮度へのこだわりを図る。そして果実の糖度センサーによる品質保障などの表現も行なう。もともとセンサー自体は装備していたが、味への議論があった。糖度が基準でいいのかなどのこだわりである。しかし、やはり味のバラつきで果実の利用も低迷した。まずはバラつきのない美味しさにこだわった。

こうした青果改革を一部配送センターで実験を繰り返し、この4月に半数のセンター、6月から全体化し商品案内も大幅に刷新した。

だが、この第一歩でミスを発生させた。いきいき品質の表現である。産地の一部で取り組んでいる先進事例を全体が行なっているかのような記述があった。それが校正されず訂正されなかった。
重大なミスである。

さらに物流センターが大混乱した。半年前から産地や物流業者とシュミレーションし準備してきたが、実際にスタートしたら想定をはるかに上回った。
朝になっても仕分けが終わらない。会員生協センター納品も大幅に遅れた。欠品も物はあるのに多数発生してしまった。なさけない。

それからひとつひとつ関係者全員で調査と対策を組み立てる。リカバリーを徹底する。まだまだ課題は残る。だが、出来ることはすぐ全部やる。

考えてみる。いっせいに大きな改革を図ると、これまでの業務スタイルではできない問題が発生する。いや、これまでも孕まれていた問題が表出する。ここが正念場。実にしつこくひとつひとつ事例を追いかけて調べ尽くしていく。
伝達方法の再確認や物証の保存など。今まではなんとかなったがこれからはダメだ。

だが、ミスを恐れるあまり、スピードが鈍ったりや手続き主義に落ちいってはならない。表現にはある種の大胆さも求められる。メリハリのきいた分かりやすさ、簡潔性もだ。
問題は、この出来ていること出来ていないこと、これを過不足なく伝えることが大切だ。なんだ当たり前だと思われるかもしれない。ところが実はこれがやってみると難しい。
しかし、これの徹底である。

いま、日本は深刻なデフレに落ちいっている。デフレは生産を追いつめる。食べることにお金をかけることが農を豊かにする。このことを消費者自らが表現し、畑を台所に近づけていく。食卓が畑に近づいていく。

総会では仙石官房長官からのメッセージが届けられた。
記念レセプションで挨拶する山田農水相である。農と食のシステムをどう再構築するか。じつは社会の危機はこれからだ。


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2010年06月22日

小田原食と緑の交流推進協議会とNPO小田原食とみどり

ddbba96d.jpgパルシステム神奈川ゆめコープと小田原産直組合による産直交流の協議会だ。
この総会とNPO小田原食とみどりの社員会がこの日曜日にあった。

産直協議会自体は、いまやさほど珍しくもない。しかし、ここの特徴は単発的な体験型から脱して、小田原を拠点にした、かなり本格的に地域社会の新たな活性化に取り組んでいるということだ。

それは、多数のしかも参加しやすい収穫農体験を入口にして、就農までをうまくプログラムしている。楽しんで次第に農にハマり、やがて自立した農を営むようになっていく算段だ。まだ、農家になった人こそいないが半農半Xはかなりいる。

こうしたプログラムは、農の学校として組み立てられ、コースは畑の学校、田んぼの学校、ハーブコース、果樹コースと一通り揃っている。ハーブや果樹コースは小田原ならではの特徴と思える。

しかも商品開発にかかわりブルーベリージャムなどのヒット商品を生み出した。また、梅もいつまでも南高梅のブランドにおぶさらない。地元の曽我の十郎梅を地域ブランドに育てた。小田原なら曽我の十郎梅である。果肉が多く皮がうすい。梅干しには最高である。

さて、運営の構造だが、農業者の受け皿は弱い。もともと小田原産直組合の中心は(農)ジョイファームであり、少人数の法人だ。農協ではない。出荷組合として、主にパルシステムなどと提携しているために、安定的で農協よりも有利な販売ができる。だから、栽培技術研究や出荷基準などの指導こそ盛んだが、農協のような多数の職員や総合力はない。従って交流を恒常的に支える余力は無かったのだ。

だが、それが逆に良かった。
パルシステム神奈川ゆめコープの齋藤文子理事長はじめ組合員や職員がすべて組み立てている。現地生産者は、ほかとは違い、むしろ忙しいなか面倒をみてやっている、という至極まともなスタンスだ。だから、参加者は甘えない。交流も自前のNPOですべてまかなう。

とはいえ、やはり代表は生産者代表の長谷川功さんがつき、生産者と参加者を包み込んでいる。このことで地元とのしっかりとしたつなぎを保障しているのだ。
つまり、地域での自立と協同の関係により相互に係わり組み立てられている。

それぞれの組織が機関として協議会に係わりながらも、やっぱり実際の交流、農は人だ。個人だ。結局、農を好きな人がいないと続かない。この個人参加を保障するのがNPOだ。この非営利活動法人により個人が活かされる。

いまや、石川さんや園山さんが理事に入り、さらに大勢の仲間たちが支えている。こういう人のネットワークこそ財産だと、つくづく思っている。

体験を振り返るシートが並べられていたc2b31402.jpg



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2010年06月21日

小田原にて 安穏朝市運営メンバー視察交流

2f4f3600.jpg築地本願寺安穏朝市の運営委員会メンバーで、参加団体訪問交流をしようということになった。

最初は、小田原である。ここからは「NPO小田原食とみどり」と「NPO子どもと生活文化協会(CLCA)」が朝市に参加している。

小田原は「NPO小田原食とみどり」がまず竹藪やミカン山を案内した。竹藪ではキウイフルーツ棚を潜って真竹の竹の子狩りをした。そして放棄されたミカン山を見る。伊豆半島や雲間に伊豆大島を望む。

そして耕作放棄地復元の田んぼや畑である。事務局の猪股さんと鳥居啓宣さん。竹藪は鳥居啓宣さん所有だ。
活動のプレゼンテ―ションは齋藤文子さん。パワーポイントでまとめられた。

次に、「NPO子どもと生活文化協会(CLCA)」を訪問した。顧問の和田重宏さんが話してくださった。
全国で無業者が2百万人、34歳以下の4人にひとりだ。深刻である。こころが壊れていく。

子どもが育つのは大人と子どもが仕事を一緒にすることだ。混ざることが大事だ。そうすれば子どもは自然に学ぶ。何をしていいか、良くないかを。

それから仕事で感を養う。アタマだけでなくカラダを動かしていく。それと伝統を学ぶ。能と狂言だ。伝統のなかに深い真理がある。また通過儀礼の活用、これを出来たら大人と認める、年齢ではない。人の個性で異なる。
はじめ塾を運営している。これは寄宿生活塾。こうして共同生活をすると効率がいい。食べることは本当に大切だ。こういうもの食べるとこういう子になる、とハッキリ言える。
体験宿舎は古民家、土間、セルフビルドである。

3日坊主授業をする。各界の面白い人が講師である。3日間自由に授業をしついただいている。先日は、玄田有史教授だったという。
ここの講師の一人が能楽師の安田登氏。彼は芭蕉を話し「無足人」として士農工商の外につまり「四民の方外」に生きたという。

和田重宏さんのお話はこうした刺激的な内容が次々に語られ深いものだった。子どもたちは本当に社会の反映だと思った。

CLCAは、たくさんの施設と山と技術を持つ。すごい組織である。これからも連携させていただき学んでいきたい。そして全国から不登校やニートと呼ばれる若者が集まる。
そしてすごい人たちが育っていく。

小田原は、二宮尊徳以来、草の根の運動が多様に展開されている。景色もいいが水もうまい。82dee9b9.jpg


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2010年06月19日

雨と早朝の野良仕事への出勤

653e3ff6.jpg土日は、お休みだが、大概はどこかに行っている。産地へ行くか、なんかの集会に参加しているか、小田原の田んぼの作業である。
今日は安穏朝市の運営委員会メンバーによるNPO小田原食とみどりの視察交流だ。
雨が心配だが。

こう土日も出かけていると、たしかに少し疲れが溜まる気がするが、ものは考えようだ。疲れは、むしろカラダを使ったほうが取れると思う。そう考える。
さて、昨日からの雨が早朝に小降りになり、降り止んだ。
雨あかりの草木は美しい。緑が映える。いきいきとしている。
オナガ鳥だろうか、ギャーギャーとワメきちらしている。あわせてツピッツピッとのさえずりも聴こえる。

軽いジョギングをしながら、雨に濡れた草花を眺めていく。
しっとりと濡れたアスファルトも心地良い。呼吸は吐くほうに少し意識する。足腰に異常はないか。足指はいうことを聞くか。ふくらはぎや太ももはどうか。一通り意識を回してカラダをのせていく。
雨あがりの朝。
ゆっくりと起動を開始する。


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2010年06月17日

生協の辞め方 パルシステム山梨の高橋勇さんの場合

f1fbb2ee.jpgパルシステム山梨の総代会。高橋勇専務の退任挨拶だ。
大学で生協を創った。そして山梨県にきた。戸田酒販戸田社長に請われて「ぐんない生協」の地域家庭班つくりに関わった。それで広島出身者が山梨にきた。以来、すでに人生で一番長く暮らしている。故郷と呼べるほどだ。

学生運動で逮捕されたりしたが、地域で人のために役立つ活動こそ必要だと、考えて生協に関わってきた。それからはや40年にもなる。
いろいろご迷惑もかけたが楽しく意義ある仕事をさせていただいたと感謝したい。

私の好きなチェ・ゲバラは、キューバ革命を成功させ、国のナンバー2だったのに、その地位をなげうってボリビアの山中に入っていった。貧しい人びとの解放のために。
権力を捨てて潔く地域に入ってゆく。そういう生き方を尊敬している。

パルシステム山梨を去るに当たって、いろんな皆さんから、もう少しと役割を慰留された。だが、幸せだが、きっぱりと辞めていきたい。地域でボランティアの一人としてまずは関わっていきたい。

私は、アクが強いので地域の活動団体にも、いろいろご迷惑をかけるかも知れない。だが、いまは毎週畑に行き農作業をしている。新たな地域活動に関わっていく。地域が元気で豊かになるように願っている。

高橋勇さん
熱く激しい情熱。
ときに火傷する場合もあった。
パルシステムは寂しくなる。
しかし、これからがセカンドステージの始まりだ。蓄積された豊富な経験と人間関係。環境や農、福祉への知識と熱い想い。
さあ、面白くなるぞ。


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2010年06月16日

60億キロメートルの旅 「はやぶさ」帰還によせて

5a9c33c0.jpg惑星「イトカワ」に着陸し、粉塵を採取して再び地球に戻る。この驚異的な惑星間旅行を無事終えて「はやぶさ」がオーストラリアの南部ウーメラの砂漠にカプセルを着地させた。60億キロメートルもの旅をして大気圏に突入して燃え尽きた。

テレビの映像では、いくつかの火矢となって焼け尽くしていく雄姿がみえた。そしてそこに伴走する強い光。これが切り離されたカプセルだった。

なんでこんなに感動するのか。
はてしない宇宙。遥かな遠い旅。まるでゴミのようにカリントみたいな、惑星と呼べないくらいの小さな岩塊。そこを目標として自走してたどり着く。気の遠くなるような長い旅路を走破して、あの「イトカワ」にたどり着く。それから繊細な着地に成功し、資源回収を果たし、再び長い旅路へと向かう。

長い旅路には無数の危機との遭遇があった。
報道によると、最新のイオンロケットが次々に壊れ、燃料漏れまでおこしたという。絶対絶命。
すごいのはここらかだ。知恵のたけをつくして遠隔操作だけでイノチを吹き込まれる。そうして再起し、また母惑星へと帰還の路をたどる。
こうして、大気圏突入。燃え尽きながらカプセルを無事着地させた。

物語は、こうでなくちゃあというほどすごい。

遥かな宇宙。
そして無人の探査機。目標だって火星とかハデじゃない。ゴミのような星クレ。でこぼこ岩塊。
危機に次ぐ危機。なんども打ちのめされても、また起ち上がる。惑星間の孤独な一人旅。最後に、任務を果たして自ら焼け尽くす。
火だるまとなって。
しかし、カプセルだけは切り離して無事帰還する。

21世紀最初の、人類の生み出した。ネバーエンディングストリー。暗い時空は豊かな物語の母体だと思う。


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2010年06月14日

フードシステム学会2日目 ミニシンポジウム「ローカルフードシステムの新展開」

d7865a84.jpgミニシンポジウムの目的と課題について。
座長の安倍澄子(日本女子大)先生がいう。
食をとおした地域活性化を目的として、農商工連携や6次産業化をめぐる議論が本格化している。
6次産業化の概念は、地域内発型で、川上、川中、川下の価値連鎖(バリューチェーン)を実現し、地域資源が活用されることだという。
農業・農村サイドから消費者までのフードシステムの構成主体が、地域社会やフードシステムの革新にどのような関係性を構築しているのか、いけるのかを課題とする。

この定義は、ぼくがはしょってもまだまわりくどい。要は産直関係のように産地が消費と共に豊かになることだ。一次、二次、三次という産業概念を超えて連携による相乗効果を生み出すことだ。
分断による大手量販一人勝ち、そのバックの商社や金融だけ儲かり、あとは敗者だらけという今までの関係を超えることだと思う。

その意味で、会場から質問があったが、グローバルに対抗する概念というより、東アジア規模でもおこり日本でもおこっている農村地域社会の衰退や荒廃を資源や富の再配分を可能とする新たな意識的な農を核とした連携の取り組みだと考える。

さて、パルシステム神奈川ゆめコープ齋藤文子理事長から「消費者の産直交流と地域参加」のテーマで報告がされた。
『地域再生〜消費者参加で゛地域゛を元気に』農商工連携で地域をつなげる生協の事業と運動

以下話されたこと。
生協は地域の中で何ができるのか
と問い実際に小田原で2001年から積み上げてきた体験を詳細にリポートされた。
地元小田原産直組合と協議会を結成。年間4千人を超す参加者。畑、ハーブ、田んぼ、果樹など多彩でかつ初級から就農までのステップアップコース。先輩が教える自主性の引き出し。などなど運営の革新による楽しく多様な農業への参加がいきいきと紹介された。

結果、耕作放棄地の復元。そして曽我十郎という地域産物のブランド化と販売拡大。新規ジャム開発とヒット商品誕生などの具体的成果も報告された。

現在、交流拠点の市施設の指定管理者を施設管理会社と共同受託。さらに畜産生産者と地元企業との連携による飼料と堆肥つくりの循環を目指している。

一番すごいのは、消費者の変化だ。
学習し体験することで主体的に考え行動する。命を育てる体験で農の価値を知る。
消費行動が社会の仕組みや構造を変える力を持つことに気付く。

こうして地域のレストランとの協同や、まちなかイベント、朝市参加。大豆100粒運動と津久井大豆保存、オカラ残さの活用などに展開されている。いよいよ地域社会の豊かな活性化の中心として機能しはじめたといえる。
こういう内容は、アタマで政策や方針で理解すると駄目だ。この表層の表現の下に何重もの経験の積み重ねがある。運営の工夫がある。失敗やトラブルへの誠実な対応と信頼の構築がある。ここを学ぶ。豊かな体験の実態を掴むこと。このことがないと似たような方針でもうまくいかない地域はたくさんある。
齋藤さんはそこがすごい。

シンポジウムは他にも、山形県川西町商工会の金子浩樹さん。千葉県房総市加藤文男部長、千葉大学西山未真さんがそれぞれ興味深い事例の報告があった。

地域社会を単に受動的に資本の論理で自由に崩壊するにまかせない。政府、行政になんとかしろと要求するのでもない。
各地で様々な挑戦が行なわれている。この地域の連携を可視化しつなげること。つながること。フードシステム全体を可視化し改革の主体として行動参加すること。
フードシステム学会の刺激的な役割である。


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2010年06月13日

東アジアにおけるフードシステム圏の成立条件 日本フードシステム学会大会 千葉大学にて

d4d8860f.jpg日本フードシステム学会大会。千葉大学西千葉キャンパスにて。2日目の日曜日は松戸キャンパスで開催予定。

記念講演は、永持孝之進 理研ビタミン(株)名誉会長だ。
演題「中国における食品企業のサプライチェーンの構築」

その報告内容は以下の通り。
中国では政府による農産品(水産、畜産、林産含む)の加工と流通について指導的役割を持っている企業の存在がある。
それが「龍頭企業」だ。

第10次五ヵ年計画(2001年〜2005年)で「三農問題への対応」の一つとして、龍頭企業認定制度の導入が決定した。
龍頭企業の認定基準は総資産1億人民元以上。販売収入年5億人民元以上。銀行信用ランクがA以上。三千軒以上の農家の加工、販売実績があること。

こうした加工企業は、日本の企業より優れた設備・加工技術・分析技術を持つ。
中国産業化国家重点企業に認定された企業には、政府が2年毎に監査を実施。
多数の監視カメラでの生産管理を起こっている。
2040年現在、龍頭企業は約一千社である。
これが中国の農商工連携のモデル。
ただし、製品は99%が米国、欧州、日本への輸出である。

報告を聞いていると実にリアルだ。それは理研ビタミンが中国に自社工場があり龍頭企業に認定されているからだ。儲からないとこぼすが未来への投資とみているようだ。

さて、シンポジウムのテーマは「東アジアにおけるフードシステム圏の成立条件」である。
基調的な報告「東アジアフードシステムのリンケージとバリューチェーン」は、下渡敏治(日本大学)と名取雅彦(野村総合研究所)のお二人による共同研究だ。

報告のポイントは以下の通り。
東アジアに出現した巨大市場。フードシステムだけでも日本は、食料輸入の4割、農産物・食品輸出の7割を占める。東アジアから日本向けは3割となっている。日本の食品産業の海外投資の7割がアジアである。
世界経済では東アジアは約30%を占める。東アジアの定義は、ASAN+日中韓だ。
このなかで農業と食料問題が重要テーマとされている。東アジア全体で生産から消費までの流れを捉えることの重要性を強調した。

また、東アジアの貿易は域内流通が多数となっている。緊密化し相互依存、補完構造が形成されてきている。

このなかにおける日本の役割として、依存度が極めて高く海外市場というより「国境を跨いで結合した国内市場の一部」となりつつある。とみている。
その役割は、食料供給基盤整備支援、技術と制度共有化、技術移転を伴う労働力受け入れと教育研修と指摘する。

しかし、東アジア域内諸国間の大きな格差、文化、宗教、商習慣等々による社会格差や制度・政策に大きな違いや隔たりがある。
それを見渡しながら各国の共同研究をすすめめたいとした。

今回、韓国と中国からも参加し報告やコメントを展開した。

総会では、日本フードシステム学会斎藤修会長による、初代会長で創立者の高橋正郎先生の名誉会員推挙と総会決議があった。
高橋正郎名誉会員によって、はじめて単なる流通や商業研究を超えて、食を軸とした社会システム研究領域の深まりが軌道にのった。
挨拶する高橋正郎先生。まだ、いち会員として発言すると語る。
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nobu23 at 08:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 生協 | 

2010年06月11日

富士山と水の循環 リユースペットボトルの意義

edc89ce4.jpg山梨県の水の水源井戸を見に行った。
富士山の伏流水だ。これは美味い。しかしそれがなぜかと考えると実は深い。普通、地底を流れる水はミネラルたっぷりだから当たり前だと言われるかもしれない。

それはそうなのだが、わがBMW理論(バクテリア・ミネラル・水の理論)で考えるともっと分かりやすい。

まず、地球から考える。地球のマグマとそれが地上にでた玄武岩。そして海。それから生命体のミネラル組成が実は相似型だという。鉄分やリン、マグネシウム、亜鉛などが濃淡は別にして割合が同様だという。岩石が水に溶けて海になり、海がすべての生物の母体となった。
だから、このマグマの火山岩を通る水にはミネラルがたっぷり溶けて、生物には極めて有用なのだという。

そう言えば、富士山の裾野は森が深くまるでジャングルのように生命が多様だ。この生命を育んでいるのが火山岩と水なのだ。さらに岩石のミネラルを溶かしているのは、水だけでなくバクテリアなどの微生物だ。これが苔などと岩を栄養にして第一次生産者となっている。

さていま地球環境を守るために、使いすて社会を変えて循環社会をめざしている。この循環社会を形成するには自然に学ぶことが重要だ。循環のポイントは媒体にある。これが水である。物質も生命もこの水が循環を媒介する。

だからこそ、水を生かしたい。この富士山の源流水を直接、家庭に届けられないか。しかも容器はリユースでと思う。
東京の水は高度浄化でおいしくなったと言われる。だが浄化とはまるで違う。源流の水のミネラルや水素などの豊かな水。この美味さ。甘味。これが生命を育てる。これが都市の人びとを潤す。

山梨は豊かな自然がある。
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nobu23 at 09:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 事業・起業 

2010年06月08日

田んぼの水平と田植えの実施

1d42c3eb.jpg小田原は晴天だった。暑いくらいだった。
田植えは、早朝6時前から高田さんと石川さんがマイ田んぼですでに行っている。この二つの田んぼは代掻き後、田植えのまえに土をならしていた。
石川さんが手作りで角木に紐をつけ軽量金属の持ち手をつけた物を持ち込んだ。引いて見るとでこぼこが平らになる。少し重い。いい筋トレだ。

平らにした田んぼに、手押し田植え機で植えていく。二条植え。
以前は手植えをしていたが、田んぼの枚数が増えてあきらめた。欠株への補植だけはもちろん手植えだが。

田んぼに入るには、田んぼ用の長靴が必要だ。普通のゴム長を使っていたら、靴ズレをおこしカカトが擦りむけた。痛い。途中でマズイとは思ったが我慢して作業した。昼休みに足を抜いて見るとやはり皮がべろっと剥けた。
高田さんがワークマンに連れて行ってくれた。田んぼ専用の長靴があった。筒というか胴のところが柔らかく水が入らない。しかも泥に足を取られない。ラクだ。

田植えが何がいいかというと、補植で手植えをしていくときの楽しさ。軟らかい土に苗を挿していく感触。植えたあとの水にそよぐ苗たちの列。
汗ばむなかで水面を渡る風の気持良さ。
カエルたちのひょうきんな振る舞い。
ああ、今年も田んぼが始ったと嬉しい。
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nobu23 at 09:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  | 事業・起業

2010年06月07日

母について

15cd4e21.jpg91歳。子どもは五人いる。男二人女三人。
佐渡の小さな村の農業だけで暮らしてきた。
亡くなった夫は、一時期単身赴任し新潟の港湾作業場で働いていた。
子どもたちの教育費のために、村外れの採石場で働いたのが移転して新潟に行ったのだ。しかし母は両親をみて家に残った。それから夫は、停年退職になり実家に戻った。両親が亡くなり、そして暫くして夫も逝った。

一人暮らしになってから10年になる。一時期は兄の新潟の家に行き、姉の新潟の家にも住んだ。ところがやはり村がいいという。長年住み慣れた村と家が一番だ。それから一緒に住んだ新君は母を最も大切にしてくれた。

いまは、朝晩にお経を唱える。
それからあとはテレビを見て時間を過ごす。すべてに感謝しながら生きている。
食は細い。コーヒー牛乳のほかはご飯一椀とオカズ少々。朝は抜いている。これだけ。

月にいちど会いにいく。ほとんどたいした会話をするでもない。ただそばに居る。それだけだ。

夜、遅く村に着くと夜空には強い星の光がちりばめられていた。
暗い山陰。そこから、清浄なひんやりとした空気。かすかな波の音。b090ff7a.jpg

nobu23 at 07:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 体験日記 | 生命・自然・宇宙

2010年06月03日

日本の伝統とは何か 梅原猛 その2

梅原先生はいう。
明治時代の日本の国家は、古い大事な伝統を捨て去って、日本を近代化した。
近代日本の国家神道が起こった。

明治の最初に廃仏毀釈・神仏分離という仏を退けてしまって神様を仏様から離してしまう・・政策がとられた。
国宝級の仏像が破壊されるような「廃仏毀釈」が起こった。「仏様を殺してしまった」、そればかりか仏様と仲良くした神様を離して、神様まで滅ぼしてしまった。

そして神様・仏様がいなくなったその空白の所に新しい神を創った。それは〈国家という神>であり、〈天皇という神>であった。

日本には津々浦々の神様がおられたのですが、その神様も捨てられれた。
このような神様が殺されたという状況の中でだれも起ち上がらなかった。ただ一人起ち上がったのは南方熊楠であった。

こういう精神の中で生まれたのが「靖国信仰」と「教育勅語」なのだ。

日本の古い神道は、自分たちの祖先を祀る。そして同時に自分たちが滅ぼした前代の支配者を祀った。出雲大社を伊勢神宮よりもっと大きな建物にした。

近代日本は日中戦争や太平洋戦争において、およそ三百万人の日本人を殺して、そしてそれより約十倍の韓国や中国やアジアの民を殺しています。
当然、自分たちの仲間を祀るということはいいが、もっと大きな神社を、この戦争の犠牲者となったアジアの人々を祀る神社を建てなくてはならない。それなのに日本の犠牲者だけを祀る靖国神社というのは、日本の伝統を大きく逸脱したものといわなければなりません。

新しい人類の思想の構築へ
三つの危機
核戦争の危機
環境破壊の危機
人間性喪失の危機
を乗り越えないと人類は存続できない。

「進歩の時間」というのは近代思想の共通の信念だが、「進歩の時間」では駄目だ。資本主義の無限の発展も社会主義にも反対でした。進歩の思想そのものがもうだめだと主張した。近代文明が大きな矛盾にぶつかっていることを卒業論文に書いた。

それでは日本の伝統とは何か
聖徳太子だ。17条憲法。和の意味。和があれば理がある。対立から統一へ。
そして「天台本覚思想」。人間中心の西洋思想に対して「草木国土悉皆成仏」だ。

梅原先生は八十歳を越えてなおパワー溢れる。ほんとに深く豊かな伝統に学ぶ。


nobu23 at 08:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 生命・自然・宇宙 | 読書

2010年06月02日

日本の伝統とは何か 梅原 猛

25b637ad.jpg人間がもろくなり壊れ始めるときに、何が必要かと考えている。
これに答えをくれたのが内山節先生だ。哲学者。彼の「哲学の冒険」という著書に、哲学とは美しい生き方を求めることという話がある。つまり、自分の生き方を明確にすることが哲学だという。ソクラテス、プラトン、へーゲルなどの難しい論理を知ることが哲学ではないのだ。

なるほどと思った。しかし、一般的な教育では生き方を教えてくれない。そのために自分の価値観や理念というか、ありたい姿を自分で決めている人は多くないと思う。勉強というと知識の詰め込みや問題への答えにキュウキュウとしてしまう。結果として人の評価を気にする。人と比べて一喜一憂することになる。競争と勝ち負けの世界。負けたり、劣っていると感じると生きることがいやになる。落ち込む。逆に優秀だと褒められたり競争に勝っていくと有頂天になる。これでは、ダメだ。生きる意味が分らない。

さて、この哲学だ。
これは自分自身で考えること。自らの生き方を決めること。自分自身で羅針盤を持ち、価値観を持つことだ。
このとき、実は自分のなかにある血というかDNAというか深いところで地下水脈のように流れているのが親などの先達たちの生き方だ。そして社会、環境のあり方だ。

日本社会の水脈を面白く解き明かし、分かり安く書いてくださったのがーー梅原猛「日本の伝統とは何か」ーーだ。分りやすいが内容は濃い。凝縮して語られている。

目次を見てみよう。
?.天台本覚思想と環境問題
?.聖徳太子と法隆寺?.親鸞のこころ
?.勝修羅の鎮魂
?.日本の伝統とは何か
?.新しい哲学の創造をめざして

ここには天台本覚思想「草木国土悉皆成仏」の意義が述べられている。西洋思想との違い人間中心の思想ではない。動物だけというインド仏教をも超えて土や鉱物にも仏性があるという。宇宙と生命の一連の仏性の理を表している。

聖徳太子の『憲法17条』を引用し「和を似って貴しとなす」がすばらしいという。聖徳太子は深い。対立と分裂を持ち込み憎悪を煽る政治手法は誤りだということだ。だが太子一族は結局、滅ぼされる。

日本の本来の神道と仏教の融合とその意義。そして明治政府の天皇制や靖国神社批判の展開など舌鋒は鋭い。
それからやはり、哲学をただの文章では表さない。伝統芸能との融合で創造する。スーパー歌舞伎などだ。また、怨霊論も面白い。単に優れていただけではなく、恨みをもって死んでいくことが条件だと言い切る。決して幸せだで終了ではないのだ。

梅原猛先生。いまもっとも刺激的な存在。すごいね。


nobu23 at 08:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 生命・自然・宇宙 | 読書