協同の社会関東の雪

2012年01月23日

人間とはなにか

日曜日の夜のNHKスペシャル。「人間とはなにか」がおもしろい。4回シリーズの第一回。

人類が誕生したといわれる20万年前のアフリカ。その南アフリカの希望峰の10万年前の遺跡が注目されている。発掘された小さな貝殻に、規則正しい穴が穿ってある。首飾りだ。いくつもの貴重な品々。そのひとつに紅い四角い石。なにげないその石の表面に削った跡。化粧紅の削り跡だという。

この意味。これらは10万年前の人間が、単に自分を飾っただけではないという。それだけではなく仲間の印とした意味があるという。家族だけでなく集団を形成し、その証とした。それはいまのネイティブにも受け継がれている。母親が娘の制作した首飾りをいくつもつけている。これが10万年から続いていると推察されている。10万年もだ。ものすごい。アフリカクラスになると桁が違う。すごい。

そのころ、たかだが2万人位しかいない人類に絶滅の危機が訪れる。7万年前。インドネシア火山の爆発と噴火。こいつも桁が違う。距離100km以上、幅30kmの連続大噴火。凄まじい。そしてその噴煙が地球を覆う。大寒冷が襲う。植生が激変する。飢えと寒さ。生存の危機。

さて、チンパンジーと人間の違いを京都大学類人猿研究所から最新の実験が紹介される。あのサル学である。二頭が互いに見えるように隔てた部屋にチンパンジーを入れる。その一頭に囲いから杖なら取れるようにジュースを置く。隣部屋のもう一頭にその杖がある。互いの協力によって一頭がジュースを得ることができる仕掛け。もちろんチンパンジーはこれを達成する。しかしよく見ると常に最初の一頭が杖を要求しなければ協力はしない。チンパンジーにとって協働に見える行動は、じつは他者の要求に従っただけだという。個別的でしかない。

さらに粘菌の行動が紹介される。たくさんの粘菌がウヨウヨと映し出される。そこでエサとなる養液を枯渇させる。死滅の危機。するとなにが起きるか。一斉に集合して多細胞体を形成し、キノコのように胞子体を作る。そして胞子をばら撒く。これによって絶滅を回避し拡散する。だが協力は同じ類の粘菌でもDNAがまったく同一のものでしか起こらない。粘菌はじつに多様なDNA集団をもっている。

さて人間の行動である。世界中の国で科学者たちが協力しある実験を行った。アメリカ、アジア、ヨーロッパの街角で。遮蔽した車に被験者が入り誰も見ていない条件で、金銭を預けられる。それを全部取得してもいいし他者に全部与えてもいい。それを被験者によっては全部自分のものにする人、全部他者に上げる人などいるが多数の人の実験の積み重ねを平均すると集合的人間の行動がわかってくる。結果は、国や民族にって異なったか。じつはほとんど差異無く50数パーセントが自分へ、残りが他者へとなった。アメリカなんかすべて自分だと思っていたら大間違い。日本より他者への分ちが多いくらいだった。おもしろい。

大震災で日本人が他人のために犠牲的行動することが話題になった。しかしこれは日本人固有の特性ではないと以前も紹介した。最新の大災害における研究の結果、どこの国でも、どんな民族でも他者のために犠牲的に振舞う人が多数だと言うのだ。すごいでしょ。

一人は万人のために、万人は一人のために。とは決してきれいごとでも難しいことでもない。本来の人間に備わったDNAそのもの。そして7万年前の彼らは、ぼくたちの祖先は、アフリカからの拡散の旅にでた。グレートジャーニーである。

ある日の朝飯。ぐはははは。



nobu23 at 06:17│Comments(0)TrackBack(0) 読書 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
協同の社会関東の雪