2012年01月27日
夜明け前にて
原始人たちは夕方になると寂しいような哀しいような侘しい気持ちになると、宇宙飛行士の山崎さんが書いていた。なぜか。
これからやってくる夜が怖いのだ。暗闇には獰猛な野獣たちが潜んでいる。明け方まで死の恐怖に怯えて過ごす。だから、夜明けはうれしい。徐々に力が蘇ってくる。生気が戻ってくる。
夕暮れ。西に半透明に鋭く曲がったカマのような月があった。小さな星を連れて。まるで遠い物語りを思いださせるためにあるかのようだ。遠くの山並みは、橙色の夕焼けに美しい影絵のシルエットを見せている。
福島からの帰り。特急電車は一生懸命に猛スピードでかけて行く。窓辺でぼんやりと夕暮れを眺めている。
僕たちは何処から来て何処に行こうとしているのか。ふっと時間が止まる。真空の空に舞いあがって漂う。