ご無沙汰しています。

先日、4月7日にバレンシア歌劇場で東日本大震災被災者支援の為のチャリティコンサートが開催されました。

アーウィン・シュロット、ラモン・バルガスをはじめ、現在公演中の「愛の妙薬」に出演中のソリスト、オーケストラ、コーラス、現首席客演指揮者のマエストロヴェルバー、舞台技術・制作など歌劇場のすべての部門が無償で出演、協力し、他にも9日に予定されている別のコンサートの為にやってきていたパーカッションデュオPercaDu も急きょ飛び入りで参加、宣伝・周知の為の期間が実質1週間ほどしかなかったにも関わらず、過去に類のない勢いでチケットも売れ、大変多くのお客様にご来場いただくことができました。
出演者として、一人の日本人として、この演奏会に献身的に関わってくださったり、ご来場いただいたすべての方々に心から感謝したいと思います。

震災の被害の凄まじさとは対照的に黙々と耐える被災者の方々の様子はこちらでも大きく報道され、驚きを持って受け止められています。
ある日本人の方から聞いた話ですが、ペルー人のメイドさんがある日雇い主に「今日の仕事代はいらないので、このお金を日本の人たちの為に寄付してほしい」と申し出たそうです。決して豊かな生活をしているとはいえない彼女が、生まれてから一度も行ったことのない遠い国の災害の為に心から心配して、彼女にとっては文字通り生計を支える貴重な収入を割いてくれようとしたのでしょう。
タクシーを利用した時にはドライバーから「どうしてあれだけ静かに耐えられるのか、信じられない、日本人は世界の模範だ」と励まされました。馴染みの店に行くと、店員さんたちがいつも日本のことを心配して声をかけてくれます。

今回の支援コンサートがあれだけ短期間の間に準備され、素晴らしい出演者と多くのそしてあたたかいお客様に恵まれたのも、ひとえに日本が積んできた徳の故と思います。正に多くの先輩たちの努力のたまものですが、これからは自分たちがそれを引き継いでいかなければいけないな、と感じています。

とはいえ、あんまり力こぶ作ってがんばりすぎても長くは持ちません、ゆっくりでも、確実に、一歩一歩進んでいこうと思います。

それでは、また。