みなさま、

 大変大変ご無沙汰しております。おかげさまで元気でやっております。

 ここのところしばらく、スペインのニュースは20日にある総選挙の話題で賑わっています。
マドリッドで爆弾テロがあった直後の総選挙で政権交代が起きて以来の与野党交代が起きる可能性が高く、新聞もテレビも連日紙面や時間を割いて報道しています。

 5月にラトヴィア国立響との演奏会から戻ると、バレンシアでのズービン・メータとの地中海音楽祭、夏は日本に戻って何回か演奏会をやりながら帰省してお墓参りをして、スペインに戻り、その後は秋にも長岡京市での国民文化祭2011のオーケストラ公演に参加するためにまた日本に帰省して・・・、と、今振り返ってみるといろいろ盛りだくさんで、だからここにもいろいろ書くべきことがあったように思いますが、なかなか筆不精は治らないようでこれだけ間隔が空いてしまう結果になってしまいました。

 さて、最近仕事の合間を縫ってウィーンに数日行ってきました。
ご存じのように、ウィーンにはベートーヴェンやシューベルトなどの当地で活躍して亡くなった大作曲家たちのお墓があります。日ごろいろいろな作品を演奏させてもらってお世話になっておきながら、何度ウィーンに行っておいても全くなしのつぶてってのはちょっと具合が悪いよなあ、ということで、今回は空いている時間を使っていろいろなお墓を周ってご挨拶してきました。
 お墓と言ってもそこには遺体や遺骨が全くないいわゆる拝み墓のようなものもあるんですが、それでも墓碑の前に立つと確かに彼らが僕たちより先にこの世に生きて死んでいったんだなあ、という実感が湧いてきます。神々しい傑作を書いた彼らも、生身の人間として生きてる間はいろいろと大変だっただろうなあ、お疲れ様です・・・。なんてゆらゆらと考えながらお墓の前でしばし黙とう、ということを重ねているうちに、ふと、そんなものをこの目で見る機会ってのは多分ないからどうでもいいといえばそうなんですが、もし自分のお墓があるとしたらどんな感じだろうなあ、とかそんなことも考えたりました。

 今月末には九州交響楽団と1年ぶりにご一緒する演奏会の為に再び日本に戻ります。駆け足の近況報告になってしまいましたが、そろそろこの辺で。秋も深まって寒さも本格的になってきましたが、皆様もお体にお気をつけてお過ごしください。今年も気がつけばあと40数日ですね。ではまた。