みなさま

長らくご無沙汰しており大変申し訳ありません。…、こんな書き出しで始まる回が多すぎるような気がしていますが、こんなペースになってしまっております。

ここ、バレンシアは今日も快晴、長く居座っていた夏もこの週末あたりでようやく秋に席を譲ってくれそうな気配です。

実は皆様にご報告があります。

私、中田延亮はこのたびバレンシア歌劇場管弦楽団を退職いたしました。

事実上は1年前つまり2012年の8月末をもって勤務を休止しており、歌劇場からの給与もそれ以降は支払われていませんからがその時点で退職したようなものですが、総支配人(インテンダントといいます)が、「君の事情や気持ちは分かったけれども、君が戻ってくる気になったらこれから1年間はいつでも戻って来れるように休職扱いにしておきます」というようにしてくれていたので、この8月末まではホームページのメンバー表一覧にも掲載されていた、はずだと思います。
そして、オフィスの都合もあるので今年の夏期休暇の為に歌劇場が閉まってしまう前に改めて出向き、正式な退職手続きを取ってきました。なんだか同じようなことを2年続けてやっているようでおかしかったです。

振り返ってみれば新日本フィルに5年間お世話になり、バレンシア歌劇場管弦楽団には6年(7年)お世話になったことになります。その間尊敬できる同僚や客演アーティスト達とともに素晴らしい時間を過ごさせてもらうことが出来ました。エキサイティングでもありましたし、その中で学べたことはあまりに巨大で、とても言葉では簡単に表現できそうにありません。ただ、この経験は今後も自分を支える大きな存在であり続けるだろう、ということには確信を持っています。

これまでは「オーケストラ奏者と指揮者の二足のわらじ」というような状況を長く続けてきました。しかし、退職を機にその幅をぐっと集中させて、指揮者としての活動・勉強により集中していくつもりです。当面の拠点はバレンシアにおきます。しかしそれもこれからの状況次第、全ての可能性に対してオープンであろうと思っています。日本のお客様にもこれまでよりお目もじする機会が増えていくかもしれません、いや増えていくといいなと思います。

今後とも暖かいご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

バレンシアにて
中田延亮