2008年11月

蓄積された情報を生かすには

こんにちは。

音楽家という仕事には演奏旅行が付き物です。
とはいえ、行く先々の街でのんきに観光をしている暇はほとんどありません。

午前中から移動をはじめ、演奏する町に着いたらホテルに荷物を預けてすぐにホールに向かい、直前のリハーサルをやって、ほっとする間もなくすぐ本番。
次の朝はまた移動…。という感じで、勢いオーケストラのメンバーが旅先の気分を味わうことができるのは、演奏会終了後から就寝まで、ということになります。

日もとっくに暮れた見知らぬ夜の街で、何かを楽しむといえば、1にも2にも飲食、ですね。

しかし、日本で夜の演奏会と言えば7時頃開演で、終了後片付けや何やかやをすべて終えて自由の身になるのは、9時、時には10時を過ぎることもあります。
特に地方のお店は夜の時間は比較的早めに店じまいをしてしまうことも多く、せっかくレストランガイドなどを見て調べて行っても、とっくに閉店、ということも少なくありません。
また、当然おいしいうえに財布にやさしいことという基本条件をクリアしていないと困ります。

さて、僕が以前在籍していた新日本フィルというオーケストラにぶたお(仮名)さんというヴァイオリニストがいます。彼、ぶたおさんは、単に素晴らしいヴァイオリニスト、というにとどまらず、ロッシーニ顔負けの食に関するエキスパートとしても楽団員から多大な尊敬を集めています。

もうすぐどこそこに演奏旅行がある、なんて時は、みなぶたおさんにおいしいお店をたずねます。
「もう〜月だから、今はあの町だと==がおいしい〜〜と〜〜がお勧め」
と即座に帰ってくる頼りがいのある返事。
予算、終演時刻なども考慮に入れて返答してくれるのでありがたいことこのうえないわけです。

多分、どこのオーケストラにも、ぶたおさんのような頼れる人がいるのではないでしょうか。

ふと思うに、この情報、単に内輪の情報としてとどめておくのもなにかもったいないような気がします。各オーケストラにいるグルメナビゲーターたちの持っている情報をまとめれば、ほぼ全国各地、津津浦浦の生の情報が網羅できるはず。あるいはかなり有用なものになるのではないでしょうか?

ウェブサイトにまとめてインターネットで公開?
「オーケストラの演奏家がいくお店」(仮)と言う感じで出版してしまう?

いつの日かそんな本を日本で見つけたらぜひ買ってみようと思います。

それでは、また。

11月3日


昨日の朝、ジャン・フルネ先生が逝去されました。

穏やかな最期であった、ということです。









ナント、バレンシア

こんにちは。

再びバレンシアから書いています。

ナントでふと思ったことを書きます。

ヨーロッパでは町の中の道に有名人の名前を付けることが多いように思います。
今回、行ったナントもそうでした。当然かもしれませんがついているのはフランスの人名のほうが多いようです。

たとえば、滞在中に行ったベトナム兼中華料理店がある通りは、ジャン・ジャック・ルソー通り。
劇場そばには、コルネイユ通りとモリエール通り。知る人ぞ知る古典期の作曲家であるグレトリー通りもありました。
あとはラシーヌ通り、ヴォルテール通り、…etc。
あんまり長い名前だと困るので名字だけ、しかもファーストネームを使わなくても国際的にあの人とわかる有名人が使われることが多いのでしょうか。
それにしてもフランスからは多士済々と人材が輩出していますね。

秋というとびきり美しい季節に訪れたせいもあるでしょうが、この町の落ち着いた雰囲気はとても居心地良く、いつかまたぜひ訪れたい、と思いました。

さて、ところ変わってバレンシア。

3回目のパルジファルの公演の翌日、昨日は久しぶりに海に行きました。
もうさすがに泳いでいる人もいませんでしたが、
打ち寄せる波をただぼぉっと見つめながら時間を過ごしていると、とても落ち着きました。

気がつくともう11月ですね。

今年もあと2か月。いい締めくくりを迎えられるよう頑張っていきたいと思います。
そちらでは風邪は流行っていませんか?
こちらではどうも不安定な天気が続いています。
お互い、健康には気をつけていきましょう。

それでは。

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