2009年01月

欠かせないもの

こんにちは

入眠儀式という言葉、ご存知ですか?
私たちが寝る前に習慣的に行っている行動のことを総称してそう呼ぶみたいです。

小さい頃、毛糸で編まれたひざ掛けというかショールのようなものをつかんででなければ眠れませんでした。
毎晩使うので、すぐに手垢やよだれで汚れてしまいます。
ある日のこと、困った母親が、僕が幼稚園に行っている間に、とうとう内緒でそれを洗たくしてしまったんです。
きれい、にはなったんですが、すっかり縮んで手触りも変わってしまった愛用の「毛糸(たぶんそう呼んでいました)」の変わり果てた姿を見て、怒るやら泣きわめくやら、相当厄介なことになった…そうです。
これも多分当時の欠かせない入眠儀式だったんでしょうね。

今は読書が「毛糸」の代わりです。

といっても日本に住んでいないので日本語の本はとても貴重品。
あんまりおもしろい本を読みだすと、止まらなくなって、一晩寝ずに上・中・下の3巻読破…なんてことになると、睡眠時間は減るし、貴重な未読の本は一気に減るしで、大変厄介です。
そこで、最近は日本に帰った時に少し小難しい本を仕入れてくるようにしています。
難しい本だと、読んでいてもすぐに眠たくなるから長持ちするんですよね。

むずかし目だけど、諦めないで読み続けられるくらいで、かつ内容に魅力を感じるもの、という線が最適です。

ということで、目下の枕頭の書は…、
それはいつかまたの機会にしましょう。

それでは。

200年目

こんにちは

日曜日って理由はよく分からないけどうれしくなりますね。

日本にいた頃に在籍していた新日本フィルハーモニー交響楽団が2月に「ハイドンプロジェクト」と銘打って最後の12曲の交響曲、いわゆる「ザロモン・セット」といわれる一連の曲と、傑作オラトリオ「天地創造」を連続して演奏会にかけるそうです。
http://www.njp.or.jp/haydn/index.html

今年はハイドンの没後200年に当たるんですね。

それに刺激を受けてかどうかはともかく、プロジェクトの成功を祈念しつつ、遠く離れたスペインバレンシアでも、勝手にハイドン祭り、昨日から開催しています。

注目のその内容は、



え〜、内容はと言えば、



まあ、自宅でただスコアを読んで個人的に盛り上がろう、
というそれだけなんですけど…。
でも個人的には十分お祭り気分です

選曲は新日本フィルからアイデアを勝手に頂戴して、
ザロモンセットにしました。
93番から104番までの12曲です。

土曜日の夜にまず番号順に93番から、と思って読み始めましたが、
さっそく93番の第1楽章がいいんです。

まずはアダージョ(直訳すると「ゆっくりと」とか「静かに」)と指示されたゆったりした序奏があって、
それからアレグロ・アッサイ(直訳すると「すこぶる陽気な」とか「とても楽しげな」)の早い部分に入っていくんですが、

序奏も短いなかにもいろいろな要素があって面白く、
さらに早い主部に入った時の音楽がまた素敵なんです。
主部の冒頭のテーマ、まずはピアノと書いてあって小さい音で始まるんですが、しばらくすると同じテーマがフォルテで繰り返されるんですが、もうその頃には読んでいるこちらのテンションもきっちり上がっています。知らない間に暖気運転が終了しているわけです。

興奮していてあまり気が付いていませんが、近隣の住民に迷惑かけない程度に、凄い!とか、んー!とか、あー!とか小声で叫んでしまっていたりしている気もします。
1楽章の後も面白さ爆発で、終楽章まで一気に行ってしまいました。でも、難しい曲ですね。訳が分からなかったところはまた今度読んでみようと思います。

次は94番。「びっくり」というタイトルがついている、あの曲です。
いや、あれもいいんですよね。


ということで、

直近の演奏会に向けての準備や日々の仕事をこなしながら、

じょいやさハイドン祭、これからしばらく開催していこうかな、というところです。

それでは、また。

2009年 1月22日 20年

こんにちは。

今年はシューベルトの交響曲のうち6番を3月に、「未完成」(結局あれは何番と呼べばいいのでしょうか?)を8月に演奏します。
それなら折角だから、ということで、1、2、3、4番など、他の番号の曲も勉強ししたほうがいいな、と最近読みなおしています。

シューベルトはずっと好きな作曲家です。

きっかけは、たぶん中学生2年生の頃。
当時コントラバスを習っていた先生に、「コントラバスでもソロの曲とかあるんですか?」と聞いたら、次のレッスンでソロ曲ばかりをダビングしたカセットを1本かしてくれたんです。
確かゴイラフという名前の奏者の録音で、ボッテシーニというイタリアのコントラバス奏者・作曲家(ヴェルディの「アイーダ」初演を指揮したりもしています)の作品が何曲かとシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」が入っていました。

アルペジョーネ・ソナタという曲は、もともと当時存在した「アルペジョーネ」という楽器のために書かれた曲なのですが、今は楽器自体がほとんど演奏されなくなっているので、チェロやヴィオラなどで主に弾かれますが、コントラバスでもよく演奏されます。

このカセット、それこそテープが伸びて音が変になるまで聴きました。
しばらくしてチェロで演奏されているレコードも買い、
更にはまっていくと、今度はお小遣いをためてピアノソナタのレコードを買って、
またさらにはまっていく、という感じ。

その後、東京にレッスンを受けに行くようになった時には、
ウォークマン(懐かしいですね)で聴けるように、カセットテープにダビングして、
行き帰りの電車でよく聴いてました。

あの頃には、「31歳で極貧のうちに亡くなる」なんて伝記を読んでも、
ふ〜んそうだったんだ、天才ってのは早く死んじゃうんだなあ、
くらいにしか思えませんでした。だいたい30代、という年齢が遠い将来にあって、
現実感が希薄だった気もします。

なんだかちょっと脱線しましたね。
とにかくここのところ20年くらいシューベルトのファンを続けているわけです。
「好きこそものの上手なれ」
という諺が本当なら、そろそろ効能が現れてきて、今年演奏するシューベルトが素晴らしくうまくいく…、
なんてことにならないかなあ、などと調子のいいことを休憩中にボヤボヤ考えながら、ふと我に返り、気を取り直してこつこつ譜面を読む毎日です。

さて、休憩終了っと…。

それでは、また。







2009年1月19日 コロッケ

こんにちは。

バレンシアはここしばらくの寒さがやわらぎ、
まるで春の入口といったような陽気です。

まさに散歩日和、陽気に加えてとても気持ちのいい晴天が続いています。

ということで時間のある時に街をぶらぶら散歩すると…、
今はなんといっても街をあげてのバーゲンシーズン。

ここのところの景気悪化の影響もあってか、
各店舗とも4割5割引きは当り前、品物によっては7割引きも珍しくありません。

自分ではあまり物欲のない方だと思うんですが、
それでも、元値に赤でバッテンが付けられて、びっくりするような値段が書き込まれている値札をぶら下げている商品の数々を見ていると、
知らず知らずのうちに気分が高揚してきますね。

そうそう、最近旧市街の中にテイクアウトのイタリアン惣菜屋さんを見つけました。
ちょうど楽譜屋さんの近くにあるので、譜面を物色しに行った帰りは必ずそこによってコロッケを1個買い食いするのがお決まりパターンになってきました。
ほかほかのコロッケをほうばりながら楽譜屋の袋をぶら下げてバレンシアの旧市街を歩いている東洋人がいたら、多分僕です。

スペインの素敵なところはおいしいものに事欠かないことかもしれませんね。

それでは。



2009年1月1日

新年明けましておめでとうございます。

今年は丑年。
牛歩、というその言葉通り、周りの状況に惑わされず、ゆっくりでも一歩一歩確実に前に進んでいける一年であれば、と思っております。

今年もよろしくお願いいたします。

2009年 元旦

中田延亮
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