2009年02月

Mouvement de Valse viennoise

こんにちは。

オーケストラの分類の仕方はいろいろですが、
「オペラ」「シンフォニー」というのは基本的な分け方の一つだと思います。
要は、普段専門にやっているのがオペラかコンサートか、ということなのですけれど。
ちなみにここバレンシアには市立のシンフォニーオーケストラと、自治州立のオペラオーケストラがあります。

もちろんオペラのオーケストラだって頻繁にコンサート活動をやっているところもありますし、コンサートをオペラと同じくらいの分量でやっているシンフォニーオケもあります。

だから一概には言えないんですが、ここバレンシアの歌劇場のオケは、
さして大きくない同じ町の中にれっきとしたシンフォニーオケがもともとある中に作られた後発組なので、年間にあるコンサートは数えるほどです。今シーズンは合計8プログラム、演奏旅行などでの同一曲複数回公演をすべて分けて数えても20回以下です。
まだ始まって3年目ですから、これまでの演奏会の延べ回数もまだ100回に届いてないんじゃないかと思います。
前にいた新日本フィルは年間公演数が150〜60回でそのほとんどがコンサートでしたから全然違いますよね。

で、何が書きたいかというと、
ここでは交響曲だとか序曲だとか、オーケストラのための演奏会用の曲を演奏する機会が少なくて、ちょっと欲求不満気味になるんですよ。
だって、まだベートーヴェンの交響曲だって3,7,8番の3曲しかやってないんですから。
ちなみにモーツァルトは36番だけ、マーラーは2,4番だけ、ブルックナー・シューベルト・シベリウス・ショスタコービッチ、ハイドンはいまだゼロ。

オペラで演奏していればそれは当然の結果なんですが、
だから、最近はステージでオーケストラの曲を演奏するのがとても新鮮です。

…という長い前置きが終わって、本題。

今週、久しぶりにマエストロマゼールとの演奏会があります。
曲は「魔法使いの弟子」やチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」など。

個人的には、1昨年に「ダフニスとクロエ」を演奏して以来、
ずっと「もう一度マゼールとラヴェルを演奏したい」と思ってたので、「ラ・ヴァルス」がプログラムに入っているのがとてもうれしく、楽しみにしています。

オペラも楽しいですが、やっぱり演奏会もいいですね。

それでは。




「時よ止まるんだ、お前はこんなにも美しい…」

こんにちは。

日本はもう2月ですね。
こちらはあと1時間程度1月が残っています。

来る2月、バレンシアのオペラでは、
グノーの「ファウスト」を演奏します。

この演目、本当は監督のマゼールが指揮するはずだったんですが、
体調不良のため、リハーサルが出来ないということで、直前になってキャンセル、
急きょピンチヒッターとして、9月に新曲のレコーディングを一緒にやったマエストロ、シャスラン氏が振ることになりました。

実は監督マゼールの任期は今年の夏まで、一緒に出来るのはもう2月のファウストとコンサート、3月後半のツアー、4月のトゥーランドットだけ。
だからファウストはとても楽しみにしていたので、キャンセルを知らされた時は結構がっくりしました。

あの場面、ここのところ、マゼールとやったらどんなことになるんだろう…、とわくわくしてたところがいっぱいあるんですよ。

でも、まあそんなこと言ってもしょうがないわけで、急きょスケジュールを調整して駆けつけてくれたマエストロシャスランと、楽しみながらしっかりリハーサルしてきました。
今夜はその総仕上げ、最後の通し稽古でした。いわゆるゲネプロですね。スペイン語ではエンサイヨ・へネラルといいます。

全5幕で約4時間、最後の幕にはあんまり筋とは関係ないんですがしっかりバレエもついている、フランスの由緒正しい(?)グランド・オペラ。
本番は2日からです。

しかし、「糸を紡ぐグレートヒェン」といい「ファウストの劫罰」といい、ファウストがらみの名曲は多いですね。
でも、第1部はともかくとして、ゲーテが晩年に書いた第2部の方はなかなかオペラ化するのは難しそうですね。忠実にオペラ化したりすると、ものすごくお金のかかる舞台になってしまいそう…。

それでは、よい日曜日を。






  • ライブドアブログ