2009年10月

忘れられない

お元気ですか?

10月25日日曜日から冬時間が始まりました。
これからは日本と時差8時間です。
1時間余計に寝られるので夏→冬の時はいつも大歓迎です。

さて先日、九州交響楽団との演奏会のために福岡に滞在した夜のこと、
リハーサル後に九響コントラバス奏者兼インスペクターの吉浦さんという方に連れられて
ご飯を食べに行きました。

吉浦さん曰く、
1、そこは香港料理が専門で、
2、予約のみ、しかも1日ひと組しか取らない
3、アラカルトなし、コースのみ
4、滅法旨い!

というお店なんだそうです。
なんでももともと九州交響楽団の楽員でいらした方が退職して開かれたお店だそうで、住宅地の中のごく普通の一軒家のダイニングを改造して、まるで個人宅の夕食におよばれしたような感じでいただける、とか。

九響屈指の美食家である吉浦さんは、普段頑張っている自分へのご褒美のために1カ月に一度はそのお店に行って、心を潤し胃袋を満たして帰ってくるそうです。

そこまで太鼓判を押されるとこちらの期待もぐっと高まります。

で、リハーサル後、
宿で待ち合わせして向かいます。

…、と詳細に書こうと思ったんですが、
いいです。
諦めます。

なぜかって?
思い出しながら書いているとおなかがすいてたまらなくなってきたからです。

吉浦さんが言っていた通り、
一見して普通の上品なお宅のベルを押し、案内されるまま2階へあがると、
大きな窓から福岡の夜景が望めるダイニング。

全8品のコースはどれもこれも素晴らしく、
まるで夢のような一時でした。

おなかへってそろそろ限界なので、今日はこの辺で。

椅子

皆様、

ご無沙汰しています。

この前の月曜日にバレンシアに戻ってきました。
夏に日本に滞在した後、いったんバレンシアに戻り、その後再び日本へ飛んでしばらくおりました。
今年は日本で過ごせる時間が長いです。この後も12月に山梨で第9の演奏会があり、その関係でまた帰国します。
夏・秋・冬と季節にそってそれぞれのおいしさを堪能できるなんて、まるで日本に住んでいるみたいでびっくりです。
今回の滞在は九州交響楽団と神戸室内合奏団との演奏会のためでした。
合間の時間を実家で過ごせて家族との時間を持てたのもうれしかったです。

さて、ということでしばらくぶりのバレンシア、日本から帰るときには、
「これだけ日本にいると、帰ってから里心がついてきついかもなあ」
とも思ったりしましたが、なんだかんだいって丸3年過ごしているだけあって、いざ戻るとすぐにこちらでのモードに気持が切り替わり、楽しく過ごしています。

生まれて育った町がいちばん住みやすい、というのは当たり前かもしれません。ですが、高校を卒業して実家を出て以来、どこに行ってもしばらく住んでみると知らない間にそこの水になじんでしまいます。
今のバレンシアの「椅子」、ウィーンの「椅子」、東京の「椅子」、つくばの「椅子」みんな違う形をしているので最初は居心地が悪いですが、いったんしっくりくる座り方を見つけるとどの「椅子」でもくつろげるようですね。
どこへいってもそこそこ楽しく過ごしていける気楽な性分に生まれたことはラッキーだなと思います。

バレンシアでは、たとえば初対面の人とエレベーターで乗り合わせても、無言のままどちらかが出ていくのではなく、必ず降り際に「またね、hasta luego」と声を掛け合います。日本でもちょっと田舎に行くと似たような感じかもしれませんね。ここの人たちのこういう他人との心の距離の取り方、結構気に入っています。
それと、普段歩いていると気がつくんですが、この町には笑顔の人が多いんです。青空と笑顔とオレンジ、の他は特にこれといったすごい観光資源のない町ですが、それで十分という気がします。

バレンシアのオペラの今期の最初の演目、ベルリオーズの「トロイア人」のリハーサルも始まりました。マエストロ、ゲルギエフとご一緒するのは初めて。初めての曲に初めてのマエストロ、譜面はややこしいですがリハーサルはとても楽しいです。

しばらく書いていなかったので、どうも書きたいことが溜まっているようです。
これからはちょくちょく更新します、したいと思います、…できればいいなあと思います…。

それでは、また。




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