2009年11月

アルデンテ

こんにちは

「絹のはしご」の公演にはさまれたオフに2泊3日でフィレンツェに行ってきました。

初日は昼過ぎの便でバレンシアを発ち、ローマで乗り換えてフィレンツェの空港に6時過ぎに到着。
ホテルにチェックインして早速近所の安そうなレストランを探して夕食をとりました。アルデンテのパスタに感激して3皿食べたらおなかが破裂しそうになり、ふらふらホテルに戻ってすぐ就寝。

2日目は昨晩の大食後即就寝が効いてすっかり牛になったのか、遅めに目が覚めてホテルの朝ご飯を食べ損ねました。
とりあえず身支度を整えて、ぶらぶらしようと外出。旧市街の中を適当に歩きながらドゥオーモやダンテの家、ウフィッツィ美術館などをまわりました(途中でカフェで適当に昼ご飯を食べました)。
夕方はホテルで楽譜を読んで、夕ご飯は昨日とは別のレストランで食事。中央市場のそばにある元気なおじさんとおばさんが切り盛りしているこじんまりとしたお店で、名前は忘れちゃったんですがフィレンツェ名物とかいう豆のスープとバジリコ&アサリのスパゲッティ、ついでに欲張ってトマトベースのちょっとピリ辛のスパゲッティも食べて、その上調子に乗ってデザートも食べ、昨日に引き続き(満腹)×2。

3日目は夜に絹のはしごの本番があるので、早朝の便で戻りました。

期待にたがわずイタリアの食事のおいしさに感動しっぱなしでしたが、一番の収穫はウフィッツィ美術館、ボッティチェリやティツィアーノ、ティレントットなど本や雑誌でしか見られなかった絵をいろいろ見られて、こちらの方も満腹しました。町もぶらぶら歩きにはとても都合の良いサイズで、すっかり気に入りました。


大きな美術館に行くといつも思うのですが、
絵を見るのってかなりくたびれませんか?
せっかくだからできるだけ集中して見ておきたいんですが、そうするとある程度以上の数以上になるとどうしても適当になってしまいます。
でもせっかく入場料も払っているし展示してあるものは全部見ないともったいないし、という気もしてしまいます。そんな気持ちの板挟みの中で、いいな、と思う絵があってもあんまり長居せずにすうっと通り抜けてしまう時もあり、これはこれでやっぱりもったいないなあ、とも思うのです。
まあ、僕の集中力がもっともてばいいだけなんですけどね…。ウフィッツィで疲れたとか言っていたらルーブルとか挫折必至ですし。
またいずれ2・3日かけてゆっくり見て回りたいです。

しかし、フィレンツェは晩秋というか冬の入り口というか、普通に寒かったのですが、相変わらず日中は20度を越える天下泰平のバレンシアから行くとびっくりするくらい寒く感じてしまいました。

というわけで、再びここは常春の国、バレンシア。
これから洗濯してきます。

それでは。







i Maestri

こんにちは。

バレンシア歌劇場では今シーズン開幕となるマエストロゲルギエフとのベルリオーズ「トロイヤ人」の全公演が無事終了し、ロッシーニの「絹のはしご」の公演が始まりました。
「トロイヤ人」はどうやらDVDに収録したようなので、そのうち発売されることになるのでしょう。プレミエでは演出家のカーテンコールの時にブーイングが出ていましたがブラーボという声もそれに対抗して起こり、結構賑やかでした。僕の席からは演奏中全く舞台が見えないのでよく分かりませんが、きっとなにか新しいアイデアが盛り込まれた意欲的な舞台になっていたのでしょう。公演中にバックステージですれ違う出演者たちの衣装は古代ギリシアとは全く関係ありませんでした。どんな舞台だったんでしょうねえ。
マエストロとは僕自身も、オーケストラにとっても初共演、その素晴らしさについてはすでに皆様のほうがよくご存じかと思いますが、リハーサルも本番もいろいろと勉強になりました。僕たちの公演の合間のオフの日にも、ツアー中でバレンシアに滞在していたマリインスキー歌劇場のオケとバレンシアのオペラピットを使って「影のない女」のリハーサルをなさっていましたし、昼間のそのリハーサルの後には彼らとバレエ公演の本番。この後にマリインスキーと日本へのツアーもあるとか、そのタフさ加減には恐れ入ります。

「絹のはしご」のプレミエ公演の指揮者はロッシーニと言えばこの人、アルベルト・ゼッダ御大でした。当然ご自身が関わってこられたリッコルディの譜面での演奏、パート譜にはご自身のボーイングや追加のディナーミクのばっちり書き込んでありました。
もうおいくつになられたのでしょうか、結構なお歳だと思うのですが、まだまだ矍鑠たるもので、リハーサルからずっとほとんど立ちっぱなしでやっておられました。歌手たちがチェンバロだけを伴奏にしてレチタティーヴォをやっている時も、指揮者はオケがお休みなのでただ黙ってみていればよいのですが、登場人物たちのやり取りを本当にうれしそうに微笑みながらご覧になっていて、ときどき驚いたり、首をすくめたり、ご自分も舞台にいて劇に参加されているようなお気持ちなのでしょうか、とても楽しんでおられました。

というわけで、南国のゆっくりとしたペースで深まりゆく秋、充実した毎日が送れているな、と感謝しながら過ごしています。


それでは、また。




丸い?長い?

こんにちは、

昨日はリハーサルの後に同僚夫妻のおうちで夕ごはんをおよばれしてきました。
バレンシアの旧市街の中の静かな美しい広場の近くの部屋、あれは何LDKと書けばいいんだろう、とにかく広くて、食事だけではなくてゴージャスな気分もついでにご馳走になった気分です。

さて、頂いた料理の中にご飯がありまして、それがタイ米とかのような長いお米だったんですね。
それで、ふと思い出したんですが、僕が大学入ってしばらくした頃に大凶作でタイ米を緊急輸入して国産米と抱き合わせ販売、とかやっていた年がありました。
あの時に、慣れないタイ米をおいしく食べよう、という触れ込みでコンビニ弁当のメニューでタイ米メニューというのがあったんです。
懐かしいなあ、コンビニが自分の冷蔵庫代わりだったあの頃。あれだけ時間を持て余していたんだからもっと料理の一つや二つ覚えておけば…、後悔先に立たず。

で、話を戻すと、そのタイ米メニューにパエリアがあったんです。
その頃は、ふ〜んパエリアはタイ米使うんだあ、とか誠にいい加減な理解だったんですが、よく考えれば、パエリアの地元ここバレンシアではパエリア用のお米といえば日本米に似た丸い品種で、僕なんかはそのお米を炊いておにぎりにして食べたりしています。

いま思えば、タイ米でパエリアって結構無理やりだったんだなあ、
とそんな思いを一瞬の間にめぐらせた夕食会でした。

で、だから何?
というような小話でした。
それでは、また。
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