2012年01月

これから

みなさま、

しばらくご無沙汰してましたので、
近況や今年の概況などを、続けて投稿いたします。

バレンシア歌劇場では今月から来月にかけては5年ぶりとなる「ドン・ジョバンニ」の公演が予定されています。
プレミエは今週の金曜日、つまり明日です。ここの通常シーズン(10〜4月)のオペラ公演としてはオペラのこけら落としでの「フィデリオ」の公演以来のズービン・メータの客演です。マエストロとは2月にブルックナーの第8交響曲を持ってスペイン国内小ツアーも予定されています。

個人的な演奏会では、今年前半は4月にブラジルのポルト・アレグレ交響楽団と数年ぶりの共演、その後ルーマニアのブラショフ歌劇場、ハンガリーのドナウ交響楽団ともオペラや演奏会が予定されております。それぞれ印象的な国々ですが、特にルーマニアは今回初めて訪れることになるので楽しみにしています。バレンシア歌劇場の同僚のルーマニア人によると、若い人は結構英語を流暢に話し、ブラショフの街ではドイツ語もそこそこ通じる、とのこと、ほんとなら大助かりですがはたしてどうなることやら。

さて、今日はオフなので腰を据えてゆっくり勉強します。

それでは。

2012年

皆さま、

旧正月も過ぎてしまい、もうお屠蘇気分もどこかへ飛んで行ってしまいましたが、すっかり新年のご挨拶が遅くなりました。

去年は未曾有といってもいい規模の大震災が日本を襲い、多くの悲劇と混乱に包まれた年でもありました。

思えば、プレートとプレートの境界にちょこんとのっかかっているような私たちの列島に暮らしている以上、
今後もこの地域で大規模な地震や火山の噴火がなくなることはないと思われます。勿論今の世代のうちにまたもや発生してしまうのかどうかは分かりませんが、地球自身の寿命が尽きない限り、私たちの子孫は今後も常に自然の脅威と隣り合わせに暮らし続けていかなければなりません。

しかし、そういった厳しい自然は一方で驚くほど豊かで繊細な変化に富んだ自然を我々に与えてもくれています。僕はもう住んで5年以上になるバレンシアの自然を愛する人間ですし、演奏の傍ら世界のいろいろな地域を見てきましたが、日本列島の自然のきめ細やかな多彩さはやはり群を抜いていると思います。
各地で味わえる海の幸・山の幸、景観、温泉など、先人たちの営々たる努力の積み重ねがあるのは勿論ですが、この島々に地球が与えている厳しい試練に耐えていることへのご褒美、とでも言えるような恵みに思えてきます。

禍福はあざなえる縄のごとし、という諺にもしも幾分なりとの真実があるのなら、この一年は去年私たちの国を襲った大きな禍の中から、将来への希望の光を見つける福の年であるようにしたい、と願っています。

どうか、皆さまにとりましても光の多い一年でありますように。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

中田延亮 拝
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