こんにちは、社会保険労務士の野渕です。

今回は、『1ヵ月平均所定労働時間数』についてお話したいと思います。

1ヵ月平均所定労働時間数ってどんな時に使用するかご存知ですか?

実は、残業単価を計算するときに使用します。

給与計算ソフトでは、たいてい入力するところがあって、
残業単価を自動計算する仕組みになっていると思います。

さて、1ヵ月平均所定労働時間数は、何時間にされていますか? 

給与計算ソフトを確認させて頂くと、
意外と間違った数字が入っていることが良くあります。

例えば、こんな感じです。
休日は週に1日は必要だから月でだいたい5日として、
30日-5日=労働日数は月単位で25日、1日の所定労働時間は8時間だから
25日×8時間=200時間なんてされてませんか?
 
このような計算の仕方だと
未払残業代が発生することになってしまいます。
 
労働基準法施行規則19条では、
『月によって定められた賃金については、
その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、
1年間における1ヵ月平均所定労働時間数)で除した金額』と規定されています。
 
たいていの会社では月によって所定労働時間数が異なるので、
カッコ書きで規定されている、
1年間における1ヵ月平均所定労働時間数を採用することになります。
 
この1年間における1ヵ月平均所定労働時間数は、
下記の方法で求めます。
 
会社の休日が1年間で、
土曜日:52日/年、日曜日:52日/年、祝日:14日/年、お盆:2日/年、年末年始:5日/年、
合計125日だとすると、

(365日-125日)×8時間(1日の所定労働時間)÷12ヶ月=160時間/1ヶ月

これが、1ヶ月平均所定労働時間数となります。

本来なら160時間で残業代を計算するべきところ、
前述した200時間で計算をしてしまうと
未払残業代が発生してしまうことになります。
 
例えば基本給20万円の従業員が残業を30時間したとすると、
 
200時間で計算した場合の残業代は、
20万円÷200時間×30時間×1.25=37,500円
 
160時間で計算した場合の残業代は、
20万円÷160時間×30時間×1.25=46,875円
 
46,875円-37,500円=9,375円の未払残業代が発生していることになります。

もし誤った計算の仕方をしている従業員が20人いたら

9,375円×20人=187,500円/月

2年の時効を考えると
187,500円×24カ月=4,500,000円の
未払い残業代という債務をかかえていることになります。

1ヵ月平均所定労働時間数というポイントだけでこれだけ大きな話になってしまいます。

誤った計算の仕方をされている場合は、早め早めの修正をお願い致します。

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