
○東京メトロ有楽町線・新交通ゆりかもめ 豊洲駅前に点在していた江東区の公共施設はゆりかもめ豊洲駅の両側に集中しており、駅西側には豊洲図書館が入る豊洲文化センター、駅東側から直結している高層マンション「豊洲シエルタワー」の低層部に豊洲出張所/豊洲区民館がありました。今般、豊洲シビックセンターが開館する前、公共施設の機能がゆりかもめ豊洲駅周辺を中心に分散しており、統合感がないような印象でした。
豊洲界隈は元々工業地が多くを占めていましたが、現在は区画整理・再開発が今なお続いており、豊洲のランドマークと言える高層オフィスビルである豊洲センタービル(何となく海浜幕張のワールドビジネスガーデンに似ているような気がするが…)などのオフィスビルが立地し、ららぽーと豊洲などの大規模複合商業施設も立地が進んでいます。
一連の再開発の中で、豊洲駅周辺では、○東京メトロ有楽町線豊洲駅の大規模改良工事(出入口増設やトイレ改修など)が一昨年に完成、更に今年夏前にはバスロータリーの下に自転車駐車場が整備され、駅周辺でも再開発が進んでいますが、その再開発の一環として、ゆりかもめ豊洲駅の西側に、江東区の複合施設の建設が始まり、名称が「豊洲シビックセンター」となりました(何となく文京区の文京シビックセンターと紛らわしいが…)。
この豊洲シビックセンターでは、ゆりかもめ豊洲駅周辺に分散していた、豊洲文化センターをはじめとする区民館・図書館などの公共施設をこの施設に内包させることになりました。つまり、築年数が20年以上経過した(と思われる)豊洲文化センターはもちろん、豊洲シエルタワーにあった、それほど古くない豊洲出張所・豊洲区民館も廃止されました。
記事の前半では、今般の豊洲シビックセンター開館に伴い廃止された物件の内、築年数が古い豊洲文化センターをピックアップします。
以前の豊洲文化センターは今般開業の豊洲シビックセンターの西側に隣接していました。建物は地下1階地上2階建てで、地下1階・1階が豊洲文化センター、2階が豊洲図書館となっていました。
旧江東区立豊洲文化センターのトイレは地下1階・1階・2階の各フロアにあり、使用器具はいずれも共通でした。多機能トイレは1階のみの設置でした。
●撮影日:2015年9月1日
■旧江東区立豊洲文化センター地下1階トイレ
●器具カラー
下記以外:ハーベストベージュ(製造終了、TOTO色番号:#SC4)
洗面台:ハーベストグリーン(製造終了、TOTO色番号:#SF4)
洗面台はカウンター式で、TOTOのL507を使用していました。蛇口はシングルレバー混合水栓を使用していました。
小便器はTOTOのU307C(床置き式)を使用していました。洗浄方式は押しボタン式です。手すり・フックの設置はありませんでした。
大便器個室は確か2室(和式・洋式各1室)ありました。手前の個室が和式でした。和式便器はTOTOのC750V(床上給水)を使用していました。洗浄装置は押し棒式フラッシュバルブを使用していました。和式個室内には手すりの設置はありませんでした。
地下1階トイレのみ、洋式個室が1室設置されていました。洋式便器はTOTOのサイホン式便器C21を使用していました。洗浄装置は押し棒式フラッシュバルブを使用していました。便座は普通便座(TC272)です。洋式個室内にはやはり手すりの設置はありませんでした。
■旧江東区立豊洲文化センター1階トイレ
(多機能トイレのみ取材)
●器具カラー
洋式便器:パステルアイボリー(TOTO色番号:#SC1)
洗面台:ハーベストベージュ(製造終了、TOTO色番号:#SC4)
●多機能トイレのドアは自動(押しボタン式)
多機能トイレは1階のみ設置されました。レイアウトは右勝手でした。便器はTOTO製CeFiONtect仕様の車いす対応サイホンゼット式便器C480AN(上面高さ417mm)を使用していました。洗浄装置は靴べら(ソフトレバー)式スイッチ+足踏み式スイッチ併用フラッシュバルブを使用していました。便座は普通便座(TC291J)です。便器右側の手すりの配置が逆でした。便器は後年に交換されたようで、以前は同社のC48ASを使用していたのではないかと思います。
多機能トイレの洗面台はTOTOのL103Aを使用していました。蛇口はレバー式単水栓を使用していました。鏡は傾斜鏡でした。多機能トイレには乳幼児・オストメイト対応設備はありませんでした。
ここからは、今般開業した「豊洲シビックセンター」に移ります。
この度開業した豊洲シビックセンターは○東京メトロ有楽町線・新交通ゆりかもめ 豊洲駅前、ゆりかもめ駅舎の西側に隣接して建設された、江東区の複合施設です。この施設ではこれまでゆりかもめ豊洲駅前に分散していた江東区の公共施設を1か所に集約され、主要施設として5階~8階に豊洲文化センター、9階より上に豊洲図書館が内包されています。
(上写真は開業前の9月1日に撮影)
建物は上の階層に上がるほど面積が徐々に小さくなる構造となっています。晴海通り側から見るとこのように右側は斜めっています。斜めった部分には展望デッキがあり、頂上にあたる12階には屋上テラスがあります。開業初日の9月25日金曜日は悪天候だったのか、それともまだ完成していないのかは不明ですが、展望デッキは閉鎖中でした。
また、豊洲シビックセンター自体がゆりかもめ豊洲駅に隣接して建設されたため、ゆりかもめ豊洲駅から同施設に直結するようになっていました。なお、同施設は地下フロアもありますが、○有楽町線豊洲駅から直結するルートは用意されていませんでした。
豊洲シビックセンターのトイレは1階・3階・5階~11階の各フロアにありますが、多機能トイレは3階・5階・7階・8階・11階にあります。
■共通事項
●撮影日:2015年9月25日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは自動(タッチスイッチ式)
●TOTOフチなしトルネード便器実使用物件1523件目を確認
■1階トイレ
1階は「シビックセンターギャラリー」です。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を2台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を2台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。大便器個室内の手すり・ベビーチェアの有無は確認できませんでした(もう片方が使用中だったため)。
■3階トイレ
3階は豊洲特別出張所・豊洲長寿サポートセンターがあります。総合案内は3階にあり、また3階でゆりかもめ豊洲駅改札口に直結しています。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を2台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を3台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。2室中1室(手前1室)には手すりも設置されていますが、ベビーチェアはありませんでした。
多機能トイレです。TOTOの「RESTROOM ITEM 01」フラットカウンター・多目的トイレパック(XPDA5LS)を使用しています。3階と8階の多機能トイレは給湯設備付きオストメイト対応設備が設置されています。レイアウトは左勝手です。
多機能トイレの便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器CS116P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量5.5L)を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブです。便座は専用ウォシュレット(2010年前後製造のアプリコットF1に近似)です。小型手洗器(自動水栓)・背もたれも設置されています。
多機能トイレ内のオストメイト対応設備(給湯設備付き)です。汚物流しはTOTO製CeFiONtect仕様のSK115(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量8L、専用品)を使用しています。蛇口はタッチスイッチ式プルアウトシャワー水栓です。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブです。オストメイト対応設備側に紙・液体石鹸の備え付けがあります。
多機能トイレの洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様の専用ハイバック洗面器を使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)です。
多機能トイレ内にはベビーシート(右側)・ベビーチェア(左側)・着替え台(中央)も設置されています。ベビーシートはTOTOのYKA25、ベビーチェアはTOTOのYKA15、着替え台はTOTOのYKA40を使用しています。
5階~8階は江東区立豊洲文化センターです。
シビックセンターホールがある5階トイレ・多機能トイレはイベント開催時のみの使用で、この日は目立ったイベントがなかったため、トイレは使用できませんでした。次は6階に移ります。
6階はトイレが2か所設置されています。この日は2か所ある内東側トイレのみが使用可能でした。
■6階東側トイレ(江東区立豊洲文化センター)
6階東側トイレは個室完結型の簡易多機能個室のみとなっており、男性用・女性用各1室設置されています。ドアは手動(外開き)でレイアウトは右勝手です。6階東側トイレは簡易多機能個室扱いとなっており、「RESTROOM ITEM 01」フラットカウンター・多目的トイレパック(XPDAARS3)を使用しており、乳幼児・オストメイト対応設備はありませんでした。
■7階トイレ(江東区立豊洲文化センター)
7階にはレクホールがあります。規模は他のトイレよりも大きいです。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を4台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を8台使用しています。小便器は手前側(大便器個室の向かい側にある側)5台+大便器個室側(大便器個室に並んでいる側)3台の向かい合わせ配置となっています。
大便器個室側に並んでいる3台です。この並びの内1台(左側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は3室(和式1+洋式2)あります。奥の個室が和式です。和式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のC755VU(床上給水)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。和式個室内には女性用擬音装置(TOTO 音姫)も設置されていますが、手すりの設置はありません。
洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。大便器個室3室中1室(手前1室)には手すりも設置されていますが、やはりベビーチェアはありませんでした。
多機能トイレです。7階多機能トイレのレイアウトは右勝手です。「RESTROOM ITEM 01」フラットカウンター・多目的トイレパック(XPDAARS3)を使用しており、オストメイト対応設備がない以外、使用器具は3階・6階東側と同じで、ベビーシート・ベビーチェア・着替え台も設置されています。
■8階トイレ(江東区立豊洲文化センター)
8階に豊洲文化センター事務室があるほか、同フロアに更生保護サポートセンターがあります。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を3台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を3台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。2室中1室(手前1室)には手すりも設置されていますが、ベビーチェアはありませんでした。
8階多機能トイレは3階と全く同じ仕様で、給湯設備付きオストメイト対応設備も設置されていましたが、乳幼児対応設備は3階・7階と同様、ベビーシート・ベビーチェア・着替え台のみでした。
9階・10階・11階(一部)は江東区立豊洲図書館です。
■9階トイレ(江東区立豊洲図書館)
9階トイレは豊洲図書館内にあります。書棚の間にトイレ入口があり、書棚付近通路上から男女別に分岐しています。レイアウトの都合上、各トイレ入口にドアがあります。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を3台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を3台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(和式・洋式各1室)あります。手前の個室が和式です。和式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のC755VU(床上給水)を使用。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。和式個室内には女性用擬音装置(TOTO 音姫)も設置されていますが、手すりの設置はありません。
洋式個室は車いす・ベビーカー入室可能な簡易多機能個室です。ドアは手動でレイアウトは右勝手です。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器 C473P (フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用しています。 洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットPS2n・エコリモコン仕様(2014/10~モデル)TCF5523です。手すりが便器両側に設置されており(左側は跳ね上げ式)、非常ボタンも設置されていますが、乳幼児・オストメイト対応設備はありませんでした。
■10階トイレ(江東区立豊洲図書館)
10階トイレも豊洲図書館内にあります。こちらはトイレ入口にはドアはありませんでした。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を3台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を3台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。
大便器個室2室中1室(奥1室)は簡易多機能個室です。ドアは手動でレイアウトは右勝手です。便器は先ほどの個室と同じですが、便座はウォシュレットPS2n・エコリモコン仕様(2014/10~モデル)TCF5523です。手すりが便器両側に設置されており(左側は跳ね上げ式)、非常ボタンも設置されていますが、乳幼児・オストメイト対応設備はありませんでした。
■11階トイレ
11階トイレは区民広場内にあります。11階は図書館エリアと外部エリア(区民広場があるエリア)が分離されており、11階図書館エリアからトイレに入ることはできません。
洗面台はカウンター式で、TOTOの 「マーブライトカウンター・ボウル一体型タイプ」MC50(円形)を2台使用しています。 蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き)を使用しています。
小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を3台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。
大便器個室は2室(和式・洋式各1室)あります。一番手前の個室が和式です。和式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のC755VU(床上給水)を使用。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。和式個室内には女性用擬音装置(TOTO 音姫)も設置されていますが、手すりの設置はありません。
洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器C473P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量6L)を使用。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンCコンビネーションタイプ)を使用しています。便座はウォシュレットP(2014/10~モデル)TCF585です。洋式個室内には手すりも設置されていますが、やはりベビーチェアはありません。
多機能トイレです。11階多機能トイレのレイアウトは左勝手です。やはり「RESTROOM ITEM 01」フラットカウンター・多目的トイレパック(XPDAALS3)を使用しており、オストメイト対応設備がない以外、使用器具は3階・6階東側と同じで、ベビーシート・ベビーチェア・着替え台も設置されています。
このほか、10階では一般トイレから離れた位置に子供用トイレ、3階・8階・10階に授乳室が設置されています。
<評価>設備レベルについては文句ないレベルで、、ゆりかもめ豊洲駅から直結している3階と8階の多機能トイレに給湯設備付きオストメイト対応設備が設置され、特に駅から直結しているフロアにオストメイト対応トイレが整備されたのは利便性が高いと言えます。また、多機能トイレが9フロア中5フロアにあるほか、6階・9階・10階には簡易多機能個室が設置されており、車いすで入室可能なトイレも十分に確保されていました。
なぜか一般トイレ内には乳幼児対応設備は一切ありませんでした。ここ数年の間に新築・改築された公共施設のトイレでは、江東区立砂町文化センター・公津の杜「もりんぴあこうづ」・船橋市浜町公民館などのトイレでは一般トイレ内にベビーチェアが確実に設置されており、近年竣工したパブリックトイレ全般では「大便器個室最低1室はベビーチェア設置」がデフォルトとなっているはずで、既存の公共施設でも改修を伴わなくてもベビーチェアを新設するケースも珍しくありません。9階・10階では一般トイレ内にあった簡易多機能個室ですらベビーチェアがなかったのは惜しまれる点です。
また、多機能トイレ自体については、5か所中3か所が給湯設備付きオストメイト対応設備だったものの、ベッド系設備が全てベビーシート止まりであり(5階は不明)、必ずしも全ての多機能トイレで乳幼児対応設備を統一させる必要性はないのですから、最低1か所でも多目的シートは設置してほしかったところです。
更に、一部のトイレでは和式も設置されていましたが、ここ最近のパブリックトイレでは駅トイレでも公衆トイレでも大便器個室を全室洋式とするケースが増えてきており、例えば今般開業した豊洲シビックセンターに隣接するバスロータリーに新築された江東区立豊洲駅前公衆便所では大便器個室が少なくとも男性用側では洋式のみの設定となっています(大便器個室が1室しかない場合は必ず洋式となる可能性が極めて高い)。ですから男性用トイレについては全室洋式とすべきだったのではないかと思います(江東区内の公共施設ではどうやらここ最近竣工の物件でも一部で大便器個室1室だけ和式にするケースが多いようだ)。
※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。
豊洲界隈は元々工業地が多くを占めていましたが、現在は区画整理・再開発が今なお続いており、豊洲のランドマークと言える高層オフィスビルである豊洲センタービル(何となく海浜幕張のワールドビジネスガーデンに似ているような気がするが…)などのオフィスビルが立地し、ららぽーと豊洲などの大規模複合商業施設も立地が進んでいます。
一連の再開発の中で、豊洲駅周辺では、○東京メトロ有楽町線豊洲駅の大規模改良工事(出入口増設やトイレ改修など)が一昨年に完成、更に今年夏前にはバスロータリーの下に自転車駐車場が整備され、駅周辺でも再開発が進んでいますが、その再開発の一環として、ゆりかもめ豊洲駅の西側に、江東区の複合施設の建設が始まり、名称が「豊洲シビックセンター」となりました(何となく文京区の文京シビックセンターと紛らわしいが…)。
この豊洲シビックセンターでは、ゆりかもめ豊洲駅周辺に分散していた、豊洲文化センターをはじめとする区民館・図書館などの公共施設をこの施設に内包させることになりました。つまり、築年数が20年以上経過した(と思われる)豊洲文化センターはもちろん、豊洲シエルタワーにあった、それほど古くない豊洲出張所・豊洲区民館も廃止されました。
記事の前半では、今般の豊洲シビックセンター開館に伴い廃止された物件の内、築年数が古い豊洲文化センターをピックアップします。

旧江東区立豊洲文化センターのトイレは地下1階・1階・2階の各フロアにあり、使用器具はいずれも共通でした。多機能トイレは1階のみの設置でした。
●撮影日:2015年9月1日
■旧江東区立豊洲文化センター地下1階トイレ
●器具カラー
下記以外:ハーベストベージュ(製造終了、TOTO色番号:#SC4)
洗面台:ハーベストグリーン(製造終了、TOTO色番号:#SF4)




■旧江東区立豊洲文化センター1階トイレ
(多機能トイレのみ取材)
●器具カラー
洋式便器:パステルアイボリー(TOTO色番号:#SC1)
洗面台:ハーベストベージュ(製造終了、TOTO色番号:#SC4)
●多機能トイレのドアは自動(押しボタン式)


ここからは、今般開業した「豊洲シビックセンター」に移ります。

(上写真は開業前の9月1日に撮影)


豊洲シビックセンターのトイレは1階・3階・5階~11階の各フロアにありますが、多機能トイレは3階・5階・7階・8階・11階にあります。
■共通事項
●撮影日:2015年9月25日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは自動(タッチスイッチ式)
●TOTOフチなしトルネード便器実使用物件1523件目を確認
■1階トイレ
1階は「シビックセンターギャラリー」です。



■3階トイレ
3階は豊洲特別出張所・豊洲長寿サポートセンターがあります。総合案内は3階にあり、また3階でゆりかもめ豊洲駅改札口に直結しています。








5階~8階は江東区立豊洲文化センターです。
シビックセンターホールがある5階トイレ・多機能トイレはイベント開催時のみの使用で、この日は目立ったイベントがなかったため、トイレは使用できませんでした。次は6階に移ります。
6階はトイレが2か所設置されています。この日は2か所ある内東側トイレのみが使用可能でした。
■6階東側トイレ(江東区立豊洲文化センター)

■7階トイレ(江東区立豊洲文化センター)
7階にはレクホールがあります。規模は他のトイレよりも大きいです。






■8階トイレ(江東区立豊洲文化センター)
8階に豊洲文化センター事務室があるほか、同フロアに更生保護サポートセンターがあります。



8階多機能トイレは3階と全く同じ仕様で、給湯設備付きオストメイト対応設備も設置されていましたが、乳幼児対応設備は3階・7階と同様、ベビーシート・ベビーチェア・着替え台のみでした。
9階・10階・11階(一部)は江東区立豊洲図書館です。
■9階トイレ(江東区立豊洲図書館)
9階トイレは豊洲図書館内にあります。書棚の間にトイレ入口があり、書棚付近通路上から男女別に分岐しています。レイアウトの都合上、各トイレ入口にドアがあります。




■10階トイレ(江東区立豊洲図書館)
10階トイレも豊洲図書館内にあります。こちらはトイレ入口にはドアはありませんでした。




■11階トイレ
11階トイレは区民広場内にあります。11階は図書館エリアと外部エリア(区民広場があるエリア)が分離されており、11階図書館エリアからトイレに入ることはできません。





このほか、10階では一般トイレから離れた位置に子供用トイレ、3階・8階・10階に授乳室が設置されています。
<評価>設備レベルについては文句ないレベルで、、ゆりかもめ豊洲駅から直結している3階と8階の多機能トイレに給湯設備付きオストメイト対応設備が設置され、特に駅から直結しているフロアにオストメイト対応トイレが整備されたのは利便性が高いと言えます。また、多機能トイレが9フロア中5フロアにあるほか、6階・9階・10階には簡易多機能個室が設置されており、車いすで入室可能なトイレも十分に確保されていました。
なぜか一般トイレ内には乳幼児対応設備は一切ありませんでした。ここ数年の間に新築・改築された公共施設のトイレでは、江東区立砂町文化センター・公津の杜「もりんぴあこうづ」・船橋市浜町公民館などのトイレでは一般トイレ内にベビーチェアが確実に設置されており、近年竣工したパブリックトイレ全般では「大便器個室最低1室はベビーチェア設置」がデフォルトとなっているはずで、既存の公共施設でも改修を伴わなくてもベビーチェアを新設するケースも珍しくありません。9階・10階では一般トイレ内にあった簡易多機能個室ですらベビーチェアがなかったのは惜しまれる点です。
また、多機能トイレ自体については、5か所中3か所が給湯設備付きオストメイト対応設備だったものの、ベッド系設備が全てベビーシート止まりであり(5階は不明)、必ずしも全ての多機能トイレで乳幼児対応設備を統一させる必要性はないのですから、最低1か所でも多目的シートは設置してほしかったところです。
更に、一部のトイレでは和式も設置されていましたが、ここ最近のパブリックトイレでは駅トイレでも公衆トイレでも大便器個室を全室洋式とするケースが増えてきており、例えば今般開業した豊洲シビックセンターに隣接するバスロータリーに新築された江東区立豊洲駅前公衆便所では大便器個室が少なくとも男性用側では洋式のみの設定となっています(大便器個室が1室しかない場合は必ず洋式となる可能性が極めて高い)。ですから男性用トイレについては全室洋式とすべきだったのではないかと思います(江東区内の公共施設ではどうやらここ最近竣工の物件でも一部で大便器個室1室だけ和式にするケースが多いようだ)。
※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。