DSCN4241JR東日本埼京線の板橋駅は、ホーム下の階で東西2つの改札口に分岐し、それぞれの改札口付近にトイレがあり、つまり改札内にトイレが2か所あったわけですが、このトイレに関しては「ある大問題」を幾つか抱えていました。
板橋駅では2015年度より駅構内のバリアフリー化を主目的とした大規模改良工事に着手、この工事では未整備だったエレベーターによるバリアフリー1ルートを整備するとともに、東西2か所の改札口を1か所に集約させ、東西自由通路を整備することが盛り込まれていますが、これに関連して改札内に2か所あったトイレが1か所に統合されました。

JR埼京線】板橋駅(駅番号:JA-13)
停車種別:各駅停車快速通勤快速
DSCN7632板橋駅です。東京の主要ターミナルの1つ、池袋駅から北に1駅隣に位置しています。北区滝野川・板橋区板橋・豊島区上池袋の境にあり、1駅で3区に跨っていますが、ホームの大半は豊島区にあります。またJR東日本で唯一、正式な所在地が板橋区となっています。更に周辺では都営三田線新板橋駅と東武東上線下板橋駅があるので乗換駅としての役割も果たしています。

板橋駅は、東西に改札口があり、南北に走る埼京線を挟んで西側に「板橋口」と呼称されている西口、東側に「滝野川口」と呼称されている東口があり、両者の改札口を入ると島式ホームに上がる階段に合流する形となっていました(逆にホームから改札口に向かう場合、ホームから階段を1フロア降りると西口・東口に分岐)。ここではトイレは西口・東口各改札内に用意されていました。
板橋駅で改札内に2か所あるトイレですが、ある大きな問題点を抱えており、まず最大の問題点として、多機能トイレが未整備となっていた(それにエレベーターによるバリアフリー1ルートも未整備だった)どころが、周辺の他の駅では洋式個室を完備、それにJR東日本でも大規模改修や部分改修などによる完全洋式化(JR東日本の場合、大規模改修によるものが多い)を行っているのにも拘らず、東京23区内のJR東日本の駅トイレで珍しく、男性用トイレ内に洋式個室の設置が未だになく、これについては早急に改善してほしいところでした(5年前の時点では越中島駅も男性用トイレ内に洋式個室の設置がなかったが、2014年暮れに男性用・女性用トイレが全面改修・完全洋式化された)。
また小便器が2か所あるトイレ両方で連立一斉洗浄となっており(連立一斉洗浄の小便器は10年以上前の首都圏のJR東日本の駅トイレでは、千葉支社管内を除くとほぼデフォルトのようなものだった)、酷いことに西口改札内トイレではTOTO自動洗浄小便器(しかもジアテクト機能搭載のUFS800CE)の小便器センサーを停止して連立一斉洗浄に改悪する形(いわゆる「センサー潰し」)としており、これも大問題となっていました。

■西口(板橋口)改札内トイレ
●撮影日:2015年8月24日(他は特記あり)
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
DSCN4236「板橋口」と呼称されていた西口改札内トイレは、西口改札口を入って突き当たりの連絡通路に降りる階段の右側にありました。入口通路を入って左側に手前から男性用→女性用の順に並んでいました。


DSCN5668点字表記付きのトイレ内部案内図です。男性用トイレの器具配置数は洗面台1台・小便器3台・和式個室1室で、男性用トイレでは洋式個室の設置はありませんでした(内部案内図によれば女性用トイレ内では1室だけ洋式の設定があった模様)。
(この写真は2019年1月13日撮影)
DSCN4233洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様のL250Dを1台使用していました。蛇口は自動水栓アクアオート(TEN40AX)を使用していました。



DSCN4234小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器UFS725S(壁掛け低リップ)のセンサー取付穴を塞いだ形状の特殊品を3台使用していました。このような形状の特殊品は先のUZ105系(後に形状が小変化し、UZ107となる)とともに首都圏のJR東日本の駅トイレでよく見られた機種ですが、同タイプはUZ105/107系と比べると少数派です(2002年の自動洗浄小便器のモデルチェンジに前後して、UFS800C系のセンサー取付穴を塞いだ形状の特殊品として、UFS800CV4という品番の小便器が出回っている)。洗浄方式は連立一斉洗浄です。1台(左側/入口側)似は手すりを併設していました(手すりは小便器両サイドに設置)。フックも設置されていました。
DSCN4235小便器洗浄用のハイタンクです。ハイタンクはTOTOのS28を使用していました。S28は主に大便器洗浄用のハイタンクとして使用される機種となります。



DSCN4231大便器個室は和式1室のみでした。 和式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のC755VUを使用していました。洗浄装置はハイタンク式(木村技研アクアエース)を使用しており、洗浄スイッチは光電センサー式でした。和式個室内には手すり(便器前方横手すり1本)も設置されていました。大便器個室のドアは外開きとなっていたものの、スペースは狭く、後から洋式化するのは困難だったのではないかと思います。
DSCN4232和式便器洗浄用のハイタンクです。ハイタンクはTOTOのS409B(貯水量16~20L)を使用しており、この中に自動フラッシュバルブ(木村技研アクアエース)が組み込まれていました。ハイタンクに自動フラッシュバルブ(木村技研アクアエース)を組み込むケースはJR東日本の駅トイレでやや多く見かけましたが、後年の改修により減少傾向となりました。

■東口(滝野川口)改札内トイレ
●撮影日:2015年8月24日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
DSCN4228「滝野川口」と呼称されていた東口改札内トイレは、東口改札口を入ってすぐ左側にありました。左が男性用トイレ、右が女性用トイレとなっていました。



DSCN4226洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様のL250Dを1台使用していました。蛇口は自動水栓アクアオート(TEL70AX)を使用していました。



DSCN4225小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS800CE(壁掛け低リップ)を2台使用していました。1台(左側/入口側)似は手すりを併設していました(手すりは小便器両サイドに設置)。フックも設置されていました。この小便器のセンサーは機能しておらず、小便器前に立って10~15秒経過してからは離れると自動で便器洗浄されるはずなのに便器洗浄されませんでした。つまり、この小便器は(恐らく)通電しておらず、連立一斉洗浄に改悪された、ということになっていました。このように光電センサー式個別自動洗浄の小便器のセンサーを停止して連立一斉洗浄に改悪することを「センサー潰し」といい、このような改造は当駅のほかJR東日本管内では目白や御徒町(南口)浜松町(北口)(この両者はどちらも改修済み)、御茶ノ水(西口。今後のバリアフリー化工事で改修される見込み)でも見かけました(他にもさいたま新都心でもセンサー潰しが見受けられたようだが改修されたようだ)。ハイタンクは室内から確認できる位置にはありませんでした。
DSCN4227大便器個室は和式1室のみでした。 和式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のC755VUを使用していました。洗浄装置はハイタンク式(木村技研アクアエース)を使用しており、洗浄スイッチは光電センサー式でした。和式個室内には手すり(便器前方L字型+右側横手すり1本)も設置されていました。ハイタンクは室内から確認できる位置にはありませんでした。

多機能トイレ・エレベーター1ルート未整備だった板橋駅では、2013年ごろからバリアフリー化工事などをはじめとする大規模改良工事に着手されました。この工事では盛土構造となっているホームを高架構造に変更してスペースを確保した上でエレベーターを整備、また東西2か所にあった改札口を1本化して東西に貫く改札内通路を改札外化させて東西を結ぶ自由通路に変更、更に東口に駅ビルを建設する工事も行われることになりました。
この工事では当然多機能トイレ新設も盛り込まれており、従来東西にあった既存トイレに多機能トイレを新設するのではなく、改札口1本化に際して2か所あるトイレを1か所に統合させることになっていたため、仮設トイレは設置されませんでした。2018年年明けにエレベーターが供用開始となり、これで板橋駅でもエレベーターによるバリアフリー1ルートが確保されましたが、トイレは従前の2か所がまだ使用されていました。

今年2月にTwitterで検索したところ、2月24日日曜日始発より、板橋駅の改札口が1本化されることが明らかになり、同時に東西にあった既存トイレを廃止して新改札内コンコースに移転し、同時に多機能トイレも供用開始となることが明らかになりました。新トイレ供用開始から1週間以上経過しましたが、3月17日日曜日にこの板橋駅新トイレを見てきました。

■新改札内トイレ(1か所に統合)
●撮影日:2019年3月17日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは自動(タッチスイッチ式・アナウンス付き)
TOTOフチなしトルネード便器実使用物件2879件目を確認
DSCN7643改札口が1本化された後のトイレは、新改札口を入って左側に整備されました。もちろん多機能トイレも新設されました。左から男性用→多機能→女性用の順に並んでいます。トイレ入口には音声案内装置も設置されています。

DSCN7638点字表記付きのトイレ内部案内図です。2か所分のトイレ機能を1本化させたため器具数は多くなり、男性用トイレの器具配置数は洗面台2台・小便器4台・洋式個室2室となっています。当然大便器個室は全部洋式となっています。

DSCN7637洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け洗面器LS125DMを2台使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート(TENA125A)を使用しています。液体石鹸も備え付けられています(液体石鹸供給器は自動)。1台(左)には手すりを併設しています。フックも設置されています。フックも設置されています。
DSCN7633小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器UFS900WR(発電タイプ・壁掛け低リップ)を4台使用しています。小便器のセンサーはもちろん正常に動作しており、小便器から離れると自動洗浄します。1台(左側/入口側)には手すりを併設しています。フックも設置されています。
DSCN7635大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTOの「壁掛大便器セット・フラッシュバルブ式」で、陶器部分はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器CS573P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量大6L/小5L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブです。便座はウォシュレットP・ふたなし仕様(2018/02~モデル)TCF585YRです。大便器個室は2室とも手すりも設置されています。
DSCN7636大便器個室2室中1室(手前1室)にはベビーチェアも設置されています。ベビーチェアはTOTOのYKA15Rを使用しています。ベビーチェアのある手前の個室は柱に近接している関係で、逆L字型の空間となっています。

DSCN7652新設された多機能トイレです。オストメイト対応設備はもちろん便器から独立して設置されているほか、こちらにもウォシュレットが設置されています。レイアウトは左勝手です。


DSCN7645多機能トイレの便器はTOTOの「壁掛大便器セット・フラッシュバルブ式」で、陶器部分はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器CS573P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量大6L/小5L)を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブです。便座はウォシュレットP・ふたなし仕様(2018/02~モデル)TCF585YRです。小型手洗器(TOTO L570A+自動水栓)・背もたれも設置されています。
DSCN7646多機能トイレ内のオストメイト対応設備(給湯設備付き)です。オストメイト対応設備はTOTO「コンパクトオストメイトパック」で、汚物流しはTOTO製CeFiONtect仕様のSK117(フチなし形状・トルネード洗浄、洗浄水量4.8L)を使用しています。蛇口はシングルレバー式混合プルアウト水栓です。 汚物流しの洗浄はオートクリーンCと同様のタッチスイッチ式ですが、給水はロータンク式(リモコン便器洗浄ユニット内蔵)となっています。オストメイト対応設備側に紙の備え付けがあります。
DSCN7647多機能トイレの洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様のL270DMを使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート手動スイッチ付きグースネックタイプ(TEN76G)を使用しています。液体石鹸供給器もありますが、そちらは手動で、当時中身は入っていなかったと思います。
DSCN7648多機能トイレ内にはベビーシート(左)・ベビーチェア(右)も設置されています。ベビーシートはTOTOのYKA25R、ベビーチェアはTOTOのYKA25Rを使用しています。多目的シートは設置されていませんでした。


<評価>このトイレでは、自動洗浄小便器(しかもジアテクト仕様の)を設置しておきながらも小便器のセンサーを停止し連立一斉洗浄に改悪する、いわゆる「センサー潰し」といった暴挙があり、それに多機能トイレ未整備どころが他駅で大便器個室完全洋式化が相次いで行われていた中男性用トイレでは大便器個室を和式のみのまま長らく放置しており(東京23区内のJR東日本の駅トイレで最後まで、男性用トイレで洋式個室がなかった駅と思われる)、2chなどで酷く叩かれていた上野駅13番線ホームトイレに次ぐ酷い物件でしたが、ようやくこのトイレが移転・統合され、多機能トイレ・エレベーター1ルート新設はもちろん(エレベーターは今般の新トイレ竣工よりも前に供用開始に至っている)、洗面台への液体石鹸備え付けや大便器個室完全洋式化も行われ、また小便器のセンサーも正常に動作しており、一安心しました。従来改札内の東西に2か所あった改札口・トイレ機能を1本化した形態となるものの、器具数は少なくとも男性用トイレでは従来2か所あったトイレの器具数の合計と一致しており、これでちょうどいいものだと思います。
板橋駅はJR東日本単独で考えると、埼京線1路線だけの駅ですが(先にも述べたように周辺では都営三田線新板橋駅と東武東上線下板橋駅があるので乗換駅としての役割も果たしている)、ここでも一般トイレ・多機能トイレの両方にウォシュレットが設置されていました。首都圏のJR東日本の在来線改札内トイレにおけるウォシュレット設置は、大手私鉄・地下鉄各社局や大阪エリアのJR西日本の駅トイレで多く行われていながらも一向に行われない続いていましたが(蕨駅では10年以上前から設置されていたほか、品川(中央口)・大宮(一部)・三鷹(3階)・千葉(4階/ペリエ千葉管理の改札内トイレ)など、エキナカ商業施設に連動して整備されたトイレではウォシュレットを設置する例があった)、昨年暮れから首都圏のJR東日本の在来線改札内トイレでもようやくウォシュレット設置に踏み切り、エキナカ商業施設と連動で整備された品川(中央口)をはじめ、秋葉原(昭和通り口)・上野(中2階連絡通路)などのトイレ改修を皮切りにウォシュレットを設置、これらは山手線が通る駅ですが山手線が通る駅以外でも信濃町駅の多機能トイレや立川駅、更に今年に入ると日暮里・赤羽両駅トイレ改修でもウォシュレットが設置され、この板橋駅新トイレへのウォシュレット設置は期待していませんでしたが、一般トイレ・多機能トイレの両方に設置され、この板橋駅新トイレの設備レベルは、「センサー潰し」の暴挙が施されたトイレから改修された浜松町駅(北口)を凌ぐものとなり、大幅な汚名返上となりました。「センサー潰し」の暴挙からの汚名返上がずいぶん遅くなってしまいましたが、逆にこの時期に改修工事が行われたからこそ、ウォシュレットが設置されたわけで、仮にこのトイレの竣工が品川(中央口)・秋葉原(昭和通り口)・上野(中2階連絡通路)などよりも早かったらウォシュレットは設置されなかったはずで、いわば「怪我の功名」と言えるかもしれません。
一方で残念だった点として、多機能トイレのベッド系設備が例によってベビーシート止まりで、多目的シート設置に至らなかったことが挙げられ、多目的シートを設置してほしいところでした(そもそも東京支社管内で多目的シートが設置された事例は殆ど見たことがない)。またこの多機能トイレのレイアウトは左勝手なのであまり問題ではありませんが、せっかく電源・電池不要の「エコリモコン」を搭載したウォシュレットが出回っているのですから、多機能トイレのウォシュレットは車いすからのアプローチや清掃性・メンテナンス性を考慮し、リモコン式の機種としてほしかったところです。

これでJR東日本のセンサー潰し小便器は残すところ目白・御茶ノ水両駅となり、板橋駅と同様長らく多機能トイレ・エレベーター1ルート未整備だった御茶ノ水駅では大規模改良工事の一環として今年年明けにエレベーターが完成、今後は近いうちに改札内に2か所あるトイレが集約され(ここでは元から洋式個室があった)、これによりセンサー潰しは解消されると同時に、多機能トイレが整備されるのではないかと思いますが、一方で目白駅のセンサー潰し小便器は残存しており、大規模改修の目途は立っていませんでした(これについてはいずれ別記事で書く予定)。

※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。