DSCN9612JR新宿駅・南東側に一際大きな存在を見せる百貨店の高島屋新宿店(新宿高島屋・タイムズスクエアビル)の裏側にあたるような位置にオフィスビル「リンクスクエア新宿」が開業しました。同施設のトイレを見てきました。
JR新宿駅南東側には、百貨店の高島屋新宿店(新宿高島屋・タイムズスクエアビル)があり、南北に長い地下2階・地上14階建ての建物となっている本館(ここでは高島屋のほか2~8階南側には東急ハンズをはじめとするいくつかの専門店が入店している)と、ニトリなどが入る南館で構成されていますが、この記事でピックアップする「リンクスクエア新宿」は高島屋新宿店南館の東側に隣接する形で建設され、今年秋前に竣工しています。高層ビルが建ち並ぶ新宿駅界隈では、オフィスビル建設などによる再開発が相次いでおり、代表例として新宿駅真上に「JR新宿ミライナタワー」、新南口南側に「JR南新宿ビル」(以上2件はJR東日本の手による事業。後者ではTOTO東京センターショールームが入店している)が挙げられますが、このリンクスクエア新宿もその1つになります。
JR新宿駅から目立ちにくい位置に建設されたということもあり、このオフィスビルの開発・建設については知りませんでしたが、サイゼリヤ(埼玉県吉川市に本社を置く、イタリアンワイン・カフェレストランのチェーン店)の店舗案内ページの「新店舗情報」を見ると、「リンクスクエア新宿」の文字が出てきました。更に調べてみると、今年に入って竣工したと思われるオフィスビルで、低層部は飲食店などのテナントフロアとなるとのことでした。

さて、リンクスクエア新宿のすぐ近くにある高島屋新宿店では、1996年竣工でありながらも設計時よりバリアフリー対策に力が入っており、多機能トイレが殆どのフロアに設置されています。この年代に竣工した物件でこれだけ多くの多機能トイレが整備されたのはまだ珍しく(他はそごう千葉店ぐらいだったかと思われる)、それに東京都初の「ハートビル法」(2006年にいわゆる「バリアフリー新法」に改正される)の認定を受けた商業施設でした。そして2006年ごろに大規模改修を伴わずに多機能トイレ1か所だけ給湯設備付きオストメイト対応設備が整備されたものの、出入口フロア(なおJR新宿駅からの直結フロアは2階だが、このほか東京メトロ副都心線新宿三丁目駅から地下1階に直結している)から大幅に離れた13階の1か所しかなく、更に最近入ってきた情報では、4階北側・9階南側・11階南側・13階中央の4か所のトイレが改修された(高島屋新宿店のトイレは全てLIXIL(INAX)製品主体だったが、最近改修されたこの4か所のトイレはTOTO製品主体となった模様)ものの、オストメイト対応トイレの増設は行われませんでした。高島屋新宿店本館において、オストメイト対応トイレが13階の1か所だけでは低層階にしか用がない客はわざわざ上がる必要があって不便で、また男女共用1室しかないため他の客で塞がっているとわざわざ13階まで行った上に更に待ち時間が発生したり、あるいは他の物件に移動するのに手間がかかります(他に懸念されることとして、今後13階南側トイレ(13階に複数あるトイレの内、オストメイト対応の多機能トイレはこの1か所だけ)を改修するようなときに、一時的に高島屋新宿店からオストメイト対応トイレが消滅する可能性もある)。
新宿駅周辺では、京王百貨店やルミネエスト(新宿駅に近接するエリア外の物件を入れると新宿伊勢丹や新宿マルイ本館も該当)などで相次いでオストメイト対応トイレが整備されており(それに最近になって小田急百貨店でもオストメイト対応トイレが整備された)、オストメイト対応トイレの供給はそれなりに多くありますが、高島屋新宿店でオストメイト対応トイレの供給が極めて少ない中、リンクスクエア新宿が開業したということは、高島屋新宿店の周辺でオストメイト対応トイレの供給が更に増えるかもしれないはずで、若干期待が高まりました。それに、代々木の秘密基地酒場・ROBO太からもほど近い位置にあり、比較的容易に見に行けるような場所に建設されました。

高島屋新宿店と同様、施設名に「新宿」と冠していますが、所在地は新宿区ではなく渋谷区(千駄ヶ谷5-27-7)となります。最寄り駅はJR新宿駅および東京メトロ副都心線新宿三丁目駅ですが、他にもJR代々木駅からのアクセスもそれほど悪くありません。
DSCN9644「リンクスクエア新宿」は地上16階建てのオフィスビルで、その内テナントフロアは1~3階にあり、またJR新宿駅新南口方面および高島屋新宿店からの歩道橋から3階に直結しています。歩道橋との接続部分は3階西側に位置しており、3階施設入口手前からは、エンパイアステートビルなどの1930年代に建設されたニューヨークの摩天楼を思わせるデザインが特徴の、NTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)が見えます。この写真で画面左側がリンクスクエア新宿となります。

テナントフロアではトイレは1階~3階の各フロアにあります。全フロアに多機能トイレが設置されています。どのトイレも使用器具は同じだったので、1階トイレを代表してピックアップします。なおテナントフロアにあるトイレはいずれもレイアウトの都合上、男性用・女性用トイレ入口にもドアがあります。

■トイレ共通事項
●撮影日:2019年11月30日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは自動(タッチスイッチ式・アナウンス付き)
TOTOフチなしトルネード便器実使用物件3072件目を確認
●多目的トイレマップ当該データはこちらを参照

■1階トイレ
DSCN9618洗面台はカウンター式で、TOTO製CeFiONtect仕様のLS522を2台使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート手動スイッチ付き(TENA47A)を使用しています。反対側に手指乾燥機(TOTOクリーンドライ高速両面タイプ)も設置されています。鏡の裏側に間接照明が組み込まれています。
DSCN9619小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器UFS900R(壁掛け低リップ)を2台使用しています。1台(右側/入口側)には手すりを併設しています。フックも設置されています。小便器にはCalmicサニタイザー(ボトルタイプ)も組み込まれています。

DSCN9620大便器個室は2室(洋式×2)あります。洋式便器はTOTOの「壁掛大便器セット・フラッシュバルブ式」で、陶器部分はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器CS573P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量大6L/小5L)を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブですが、それとは別に後方に人体検知用光電センサーが設置されています。便座はウォシュレットP・ふたなし仕様(2018/02~モデル)TCF585YRです。2室中1室(奥1室)には手すりも設置されていますが、ベビーチェアの設置はありませんでした。
DSCN9621N多機能トイレです。テナントフロアの多機能トイレは全てTOTO「RESTROOM ITEM 01」の「フラットカウンター・多機能トイレパック」を使用しており、給湯設備付きオストメイト対応設備も設置されています。1階・3階ではレイアウトは右勝手となっています。

DSCN9622多機能トイレの便器・陶器部分はTOTO製CeFiONtect仕様のCS116P(壁掛け式・ニューボルテックス式便器、フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量5.5L) を使用しています。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブです。便座は専用ウォシュレットですが、2012年以降のアプリコットF1および2018年2月発売のアプリコットP(アプリコットFベースのパブリック向け機種)ベースの専用品です。小型手洗器(自動水栓)・背もたれ・ゴミ箱も設置されています。
DSCN9623多機能トイレ内のオストメイト対応設備(給湯設備付き)です。汚物流し・陶器部分はTOTO製CeFiONtect仕様のSK115(RESTROOM ITEM 01専用品、フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量8L)を使用しています。蛇口はタッチスイッチ式プルアウトシャワー水栓(サーモスタット混合栓内蔵、温度調整不可)です。洗浄装置はタッチスイッチ式フラッシュバルブです。オストメイト対応設備側に紙・液体石鹸の備え付けがあります。
DSCN9624多機能トイレの洗面台はカウンター式で、TOTOの「RESTROOM ITEM 01」フラットカウンター・多目的トイレパックの専用品(CeFiONtect仕様)です。蛇口は自動水栓アクアオート(電気温水器付き?)です。右側に手指乾燥機(TOTOクリーンドライ高速両面タイプ)も設置されています。
DSCN9625多機能トイレ内にはベビーシート(中央)・ベビーチェア(右側)・着替え台(左側)も設置されています。ベビーシートはTOTOのYKA25R、ベビーチェアはTOTOのYKA15R、着替え台はTOTOのYKA41を使用しています。


■2階多機能トイレ
DSCN96392階多機能トイレも1階・3階と同様にレイアウトは右勝手となっていますが、2階多機能トイレでは便器の正面にドアがあるレイアウトとなっていました。このようなレイアウトの場合、車いすで正面から便器にアプローチする場合は問題ありませんが、車いすで側面から便器にアプローチする場合、室内での切り返しが何度か必要となるのが難点となります。
DSCN96432階多機能トイレ内にもベビーシート・ベビーチェアが設置されています(このほか反対側の洗面台右隣に着替え台がある)。このトイレでは多目的シート設置の多機能トイレはありませんでした。


なお、2階にはサイゼリヤが「リンクスクエア新宿店」として入店していますが、サイゼリヤ店舗内のトイレ設置はありません。

新宿駅周辺の大型商業施設(駅ビルなど)におけるオストメイト対応トイレの整備は、恐らく京王百貨店と伊勢丹が一番早い整備のようで(どちらも2003年整備だが、前者では8階にノズルタイプのオストメイト用洗浄水栓を設置し、その後5階に給湯設備付きオストメイト対応設備が設置された一方、後者では便器から独立した形態で設置されたものの、給湯設備はなかったが、2013年のリニューアルに際してオストメイト対応トイレ増設が行われ、増設箇所では給湯設備付きとなっている)、その後は2006年前後と思われる時期に高島屋新宿店13階で、2011年に東口のルミネエストにオストメイト対応トイレを整備しており(ルミネエストでは地下1階に設置され、その後もう1か所整備されたようだが確か8階だったような…)、新宿駅周辺のオストメイト対応トイレの供給具合は概ね良好で、それに2016年春竣工のJR新宿ミライナタワー(NEWoMan・バスタ新宿など)でもオストメイト対応トイレが3~5か所ほど用意されています。また小田急百貨店新宿店でも、長らくオストメイト対応トイレが設置されていないという状況が続いていましたが、最近になって2階北側・11階両多機能トイレがオストメイト対応となりました(給湯設備付きオストメイト対応設備を追加)。
このリンクスクエア新宿のすぐ隣、高島屋新宿店では先にも述べたように13階多機能トイレがオストメイト対応(既存多機能トイレの大規模改修を伴わずに給湯設備付きオストメイト対応設備を追加)となっていますが、その他の階にはオストメイト対応トイレの設置はなく、したがって低層階にオストメイト対応トイレがないといった不便な状況が今なお続いています。そんな中、今般このリンクスクエア新宿が開業し、1階~3階に「RESTROOM ITEM 01」を中心として給湯設備付きオストメイト対応設備を備えた多機能トイレが整備され、高島屋新宿店からオストメイト対応トイレを利用する場合の利便性が格段に向上し、今後高島屋新宿店の13階南側トイレが仮に改修に入って一時的にオストメイト対応トイレが消滅した、というような場合でも有用となりました(ただ多目的シートがないのと、一般トイレ内に乳幼児対応設備が設置されていないのが玉に瑕だが…)。

※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。