
「TOTO江戸川ショールーム」は名前の示す通り、江戸川区に所在しています。以前から
○東京メトロ東西線の沿線に立地していますが、以前は
○東西線 西葛西-葛西間の北側、具体的に言えば葛西中央通りと葛西橋通りの交差点より北側に位置しており、最寄りの西葛西駅からも徒歩10分以上、15分かかる場所でした(バスでのアクセスは、葛西駅および
○都営新宿線船堀駅から都営バス「葛西24系統」で「葛西郵便局」バス停下車で徒歩5分圏内だった)。以前のショールームは平屋建てで、2000年代開業のTOTOショールームではよくある、TOTOのコーポレートカラーをあしらった、青い建物となっていました。
(2013年2月11日撮影)
■TOTO江戸川ショールーム(移転前)体験トイレ●撮影日:2013年2月11日
●器具カラー
男性用トイレ:ホワイトグレー(TOTO色番号:#NG2)
多機能トイレ:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは手動

洗面台はカウンター式で、TOTO製CeFiONtect仕様のL546Uを1台使用していました。ここでは最近竣工したトイレで見られる、ツインデッキカウンター(現在で言うと
L520系などが該当)に近い洗面カウンターとなっており、蛇口は自動水栓アクアオートですが、1世代前のツインデッキカウンター用の壁付タイプ(品番不明)が設置されていました。右手前に手指乾燥機(TOTOクリーンドライ高速タイプ)も設置されていました。

小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器ジアテクトUFS610CES(床置き式小型)を1台(左側)と同UFS720CES(壁掛け低リップ)を1台の計2台を使用していました。手すり・フックの設置はありませんでした。

大便器個室は洋式1室のみでした。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のタンクレス・ウォシュレット一体型便器「ネオレストRH3」CES9774(2009/02~2011/01モデル、フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量大4.8L)を使用していました。TOTOの「ネオレスト」シリーズの内、AH・RHはフラッシュバルブと同等の水道直結式とタンク式をドッキングさせた「ハイブリッドエコロジーシステム」を搭載したもので、低水圧環境(一戸建て住宅の2階や高台の住宅、それに高層マンションの上層階など)でも設置可能なものですが、このネオレストRHはネオレストシリーズの中でも必要最低限の機能だけを搭載したネオレストDのハイブリッドエコロジーシステム搭載仕様としての位置づけとなっていました(後にネオレストDHという機種が登場し、これと入れ替わりにネオレストDは製造終了となった)。

便座のふたを閉めて撮影した画像です。大便器個室内には手すりも設置されていたほか、後述する多機能トイレを含め、シートペーパーの備え付けがありました。リモコンは電池式の「オートサウンドリモコン」で、このリモコンは名前の示す通り、音楽再生ができるリモコンとなっています。パブリックトイレで「オートサウンドリモコン」が採用される事例はごくわずかで、他はヤマダ電機LABI1日本総本店(元三越池袋店)で見た程度です。

多機能トイレです。女性用トイレの手前にあり、スペースは簡易多機能個室に相当するものであまり広くありませんでした。付加設備はベビーシート(TOTO YKA22)のみ、手洗設備は小型手洗器のみとなっていました。レイアウトは左勝手でした。

多機能トイレの便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄大便器・車いす対応CFS800AR(タンクレス・シーケンシャルバルブ内蔵、上面高さ417mm)を使用していました。便座はウォシュレットアプリコットF2(2011/02~2012/01モデル)TCF4521で、このモデルからは「ワイドビデ」および「きれい除菌水」機能があります。便器横の小型手洗器は、便器横設置ではあまり見かけないと思われる、TOTOのL590を使用しており(この多機能トイレの竣工当時の便器横小型手洗器は、大体は
L593系となる)、蛇口はオートストップ水栓となっていました。TOTOショールームの多機能トイレでは珍しく、手指乾燥機の設置がありませんでした。
この「TOTO江戸川ショールーム」ですが、TOTOホームページのニュースリリースを確認したところ、
TOTO江戸川ショールームの移転オープンのニュースリリースがありました。TOTOショールームの移転の話題について、5年ほど前に隣の千葉県、
TOTO船橋ショールームの移転の話題を取り扱ったことがあり、そちらは2015年5月に移転したものの、移転を知ったタイミングが遅くなりました(TOTO船橋ショールームの移転は、「第42回国際福祉機器展」に行ったタイミングで知った。それもこの当時、TOTOのニュースリリースを高頻度で確認していなかった)が、今回はニュースリリースを高頻度で確認した中でTOTOショールームの移転の話題を知った、ということになりました。しかもTOTO江戸川ショールームは割と身近なところだったので、せっかくなのでオープン直後に見ていくことにしました。

移転後のTOTO江戸川ショールームは、従来の平屋建てから一変して、2階建てに変わりました。ここ最近移転されたTOTOショールームの大部分では、TOTOのコーポレートカラーである青一色の外壁塗装は使用されておらず、建物躯体に「TOTO」ロゴマークが記載されただけの、いたってシンプルな外観となっています。ニュースリリースによれば、展示面積を2倍に拡張させたとのことであり、広大な展示面積の確保を図るため、2階建ての構造となり(エレベーター設置あり)、1階に駐車場、2階に展示スペースが配置されています。また駐車場は移転前の2倍に拡張されました。
トイレコーナー展示品のダイジェストを掲載した後、実際に使用できるトイレを掲載します。

通水による便器・ウォシュレットの実演展示のコーナーでは、TOTOの代表機種6台の便器が並んでいます。左からピュアレストMR→ピュアレストQR→ピュアレストEX→ウォシュレット一体型便器GG-800→ネオレストAHの順に並んでいます。

トイレの空間展示エリアでは、モデルルームが4~5室程度展示されています。ニュースリリースでは、マンションリモデル向け展示を強化するとの言及があり、マンション向け展示もそれなりに充実しています。ニュースリリースでこのような言及があった理由としては、江戸川区、特に
○東京メトロ東西線や
○都営新宿線の沿線では、マンションが多く建ち並んでおり、マンションリフォームの需要が高まる可能性がある、というのが理由として挙げられるのではないかと思います。

住宅用システムトイレ「レストパルF」のモデルルームです。「レストパルF」は2015年ごろの発売で、既存の「
レストパルSX」をベースにしながらも、大便器が壁掛け式のものとなっており、初代レストパルFでは便器は
「RESTROOM ITEM 01」の大便器部分と同じものとなっていましたが、現行モデルでは「壁掛け大便器セット・フラッシュタンク式」および「コンパクト多機能トイレパック」壁掛け式便器(この後登場)の便器部分とほぼ同一仕様となっています。ここでは便器下部をLED照明で照らす「やわらかライト」を搭載しています。
このほか、2021年2月には住宅用壁掛けトイレ「FD」が発売されていますが、そちらはこのレストパルFと同一の壁掛け大便器の後ろにロータンクを備えたモデルとなります(イメージとしては2001年ごろに発売された「スタンドパル」に近い)。
■TOTO江戸川ショールーム(移転後)体験トイレ●撮影日:2021年2月14日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは手動
「体験トイレ」は2階ショールーム入口を入って左後ろの方向にあります。

洗面台はカウンター式で、TOTOの「マーブライトカウンター・ツインデッキ・ボウル一体型タイプ」を1台使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート(TENA125A)を使用しています。左側に手指乾燥機(TOTOクリーンドライ高速両面タイプ)も設置されていますが、2021年2月現在、新型コロナウイルス問題のため使用停止となっており、ペーパータオルの備え付けがあります。

小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器UFS900R(壁掛け低リップ)を2台使用しています。1台(左側/入口側)には手すりを併設しています。

大便器個室は洋式1室のみです。洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のタンクレス・ウォシュレット一体型便器「ネオレストAH2W」CES9898R(2018/02~モデル、フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量大3.8L)を使用しています。大便器個室の奥行きが若干広くなっています。

ネオレストAH2Wのリモコンは電池式標準リモコンのみの設置です。大便器個室内には手すり・女性用擬音装置「音姫」・ベビーチェア(TOTO YKA15R)も設置されています。

多機能トイレです。TOTOの「コンパクト多機能トイレパック」を使用しています。移転前のTOTO江戸川ショールームの”簡易多機能個室”に相当する狭い多機能トイレから一変して広くなりました。TOTO東京センターショールーム以外の都内ショールームでは初となる、オストメイト対応の多機能トイレとなり、給湯設備付きオストメイト対応設備も設置されました。レイアウトは右勝手です。

多機能トイレの便器はTOTO製CeFiONtect仕様の壁掛け式ニューボルテックス式便器CS530P(フチなし形状・トルネード洗浄採用、洗浄水量4.8L)を使用しています。この便器の洗浄はロータンク式(リモコン便器洗浄ユニット内蔵)です。便座はウォシュレットアプリコットAP2AK・エコリモコン・ふたなし仕様(2019/02~モデル。オート・リモコン便器洗浄付き)TCF5840PRです(便器洗浄スイッチもエコリモコン)。小型手洗器(自動水栓)・背もたれも設置されています。

多機能トイレ内のオストメイト対応設備(給湯設備付き)です。オストメイト対応設備はTOTOの「コンパクト多機能トイレパック」に内包されており、汚物流しはTOTO製CeFiONtect仕様のSK117(フチなし形状・トルネード洗浄、洗浄水量4.8L)を使用しています。蛇口はシングルレバー式混合プルアウト水栓です。 汚物流しの洗浄はオートクリーンCと同様のタッチスイッチ式ですが、給水はロータンク式(リモコン便器洗浄ユニット内蔵)です。オストメイト対応設備側に紙・液体石鹸の備え付けがあります。右側にベビーチェア・着替え台があり、これも「コンパクト多機能トイレパック」に内包されています。

多機能トイレの洗面台はTOTOの「コンパクト多機能トイレパック」に内包されている樹脂製カウンター式の一体型のものを使用しています(洗面台のサイズは手洗器に近い)。蛇口は自動水栓アクアオート(TENA12B)を使用しています。液体石鹸も備え付けられています。洗面台右側に手指乾燥機(TOTOクリーンドライ高速両面タイプ)も設置されていますが、2021年2月現在、新型コロナウイルス問題のため使用停止となっています(こちらにはペーパータオルはなかった)。

多機能トイレ内にはベビーシートも設置されています。ベビーシートはTOTOのYKA25Rです。多目的シートの設置はありませんでした。
<
評価>多機能トイレが従来の狭い多機能トイレ("簡易多機能個室"相当の狭いスペースで、手洗設備は便器横の小型手洗器のみだった)から一変し、ウォシュレットと給湯設備付きオストメイト対応設備を備えた「コンパクト多機能トイレパック」が設置された点が、一番大きく変わった点といえます。また都内の郊外型TOTOショールームでは初となる、オストメイト対応の多機能トイレとなった点が特筆すべき点として挙げられるほか、男性用トイレではベビーチェアも設置され(TOTOショールームでは、どうも一般トイレ内へのベビーチェアなどの付加設備の設置がそんなに多くなかったような気がするが…)、この点も好印象ですが、欲を言えば多機能トイレのベッド系設備を多目的シートに引き上げてほしかったところです。
多機能トイレのウォシュレットがパブリック向け機種となっており、せっかくの体験トイレなので、多機能トイレにも住宅向けウォシュレットを設置してほしい気もしますが、最近のパブリック向けウォシュレット(シートタイプ)やウォシュレット一体型便器は住宅用と比べても遜色のないグレードであるので、これでもちょうどいいかと思います。
なお、TOTOショールームでは、新型コロナウイルス問題に伴い、
・アドバイザーによるドリンクサービスの中止および給茶機の停止
・入館時のマスク着用(アドバイザーもマスク着用)
・入館時の手指アルコール消毒
・入館時に非接触タイプの体温計による検温の実施
・都内7か所のTOTOショールームでは閉館時間を16:00に繰り下げ(通常の閉館時間は17:00)
以上に掲げる代表的な感染予防対策を行っています。

また、この日は新型コロナウイルス問題に係る、東京都をはじめとした一部の各都道府県を対象に発令された"緊急事態宣言"(昨年4月のものよりは宣言のレベルは低い)に伴い、入館は事前予約制となっており、予約のない場合は入館できないとの旨がありましたが、TOTOホームページでは"混雑状況により入館できない"との旨があり、この日は混雑が目立っていなかったのか、予約なしでも入場できました。

移転後のTOTOショールームのアクセスは、
○東京メトロ東西線 西葛西駅から徒歩7分程度と近くなりました(その一方で
○都営新宿線船堀駅からのアクセスは不便となった)。西葛西駅からは、南口より南(江戸川区総合レクリエーション公園・江戸川区球場方面)に進み、清砂大橋通りに差し掛かったところの「西葛西6丁目第三」交差点(同交差点角にローソンがある)で横断歩道を渡り左折、同交差点から清砂大橋通りを3つ目の信号のところまで進むと、移転後のTOTO江戸川ショールームに到達します(現在のTOTO江戸川ショールーム周辺には、葛西親水四季の道がある)。ちなみに清砂大橋通りにかかる「清砂大橋」は、
○東西線の南砂町-西葛西間の荒川・中川に架かる「荒川中川橋りょう」と並走する形で2004年3月に開通しています。

移転後のTOTO江戸川ショールームの最寄り駅として機能する西葛西駅です。
○東西線は南砂町を出るとすぐに地上区間となり、荒川・中川を渡ってから終点の西船橋手前までずっと高架区間を走り、この地上区間の大部分の駅は高架駅となっています。西葛西駅では
快速は停車しませんが、乗降人員は
快速停車駅の浦安駅よりも多く、2000年ごろにホーム拡幅などを主目的とした大規模改良工事が竣工しています。なお1969年の
○東西線全線開業当時、当駅と南行徳・妙典両駅は未開業であり、当駅は1979年、南行徳駅は1981年、妙典駅は2000年に追加開業しました。
この序に、西葛西駅の改札内トイレと、近隣のトイレをピックアップします。
■江戸川区立西葛西駅前手洗所○東西線の
快速運転区間の内、南砂町以東の各駅(原木中山駅を除く)では、駅前ロータリーが展開されており、その半数程度で駅前に自治体管理の公衆トイレが用意されていますが、この西葛西駅もその1つになります。西葛西駅前では、北口ロータリーに江戸川区管理の公衆トイレを設置、江戸川区管理の駅前・街路上の公衆トイレについては、正式名称を"○○手洗所"としており、当物件も正式名称は「江戸川区立西葛西駅前手洗所」となります。西葛西駅周辺では公衆トイレはこの1か所のみであるため、正式名称には「北口」と冠されていません。このトイレも改修工事実施を確認、改修前の画像が手元にあるので、改修前の写真から掲載していきます。
<改修前>
●撮影日
男性用トイレ:2011年4月24日
外観・多機能トイレ(下記除く):2013年8月8日
他は特記あり
●器具カラー:パステルアイボリー(TOTO色番号:#SC1)
●多機能トイレのドアは手動

改修前の西葛西駅前手洗所の外観です。入口は中央に集約されており、入口を入って正面に多機能トイレ、左側に男性用トイレ、右側に女性用トイレがありました。男性用・女性用トイレとも、入口部分はガラスブロックに面していました。

洗面台はカウンター式で、TOTOのL546(初期ロットのため非CeFiONtect仕様)を3台使用していました。蛇口は自動水栓アクアオート(TEL30AX)を使用していました。

小便器はTOTOの自動洗浄小便器UFS610C(初期ロットのため非CeFiONtect仕様、床置き式小型)を3台使用していました。1台(右側)には手すりを併設していました。小便器にはCalmicサニタイザーも組み込まれていました。

大便器個室は洋式1室のみでした。洋式便器はTOTOのタンク密結型サイホンゼット式便器C790B+S790Bを使用していました。便座は普通便座(TC291)です。大便器個室内には手すりも設置されていました。写真には写っていませんが、大便器にもCalmicサニタイザーが組み込まれていました。このトイレは1990年代中期以降の竣工ですが、男性用トイレの大便器個室は竣工当時から洋式となっていました(江戸川区の公衆トイレでは、主に駅前や街路上にある物件を中心に、大便器個室が竣工当時から全部洋式となっている物件が多いが、特筆すべき点としてその多くは1990年代竣工で、先進的な印象を受ける)。

多機能トイレです。レイアウトは右勝手でした。便器はTOTO製CeFiONtect仕様の車いす対応サイホンゼット式便器C480A(上面高さ417mm)を使用していました。洗浄装置はタッチスイッチ+光電センサー併用フラッシュバルブを使用していました。便座は普通便座(TC291)です。大便器洗浄管にもCalmicサニタイザーが組み込まれていました。便器は以前C48ASを使用していたのではないかと思います。改修前の多機能トイレには非常ボタンの設置はありませんでした。

多機能トイレ内には小便器も設置されていました。小便器はTOTOの自動洗浄小便器UFS610C(初期ロットのため非CeFiONtect仕様、床置き式小型)を使用していました。小便器右側には手すりも設置されていたため、特に「幼児用小便器」としての位置づけとはなっていなかったようです。

多機能トイレの洗面台はTOTOのL103Aを使用していました。蛇口は自動水栓アクアオート(TEN40AX)を使用していました。
(これのみ2010年1月30日撮影)

多機能トイレ内にはベビーシートも設置されていました。ベビーシートはTOTOのYKA22(この当時はCOMBIからOEM供給を受けていた)を使用していました。
<改修後>
●撮影日:2021年2月14日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは手動
▲多機能トイレは深夜~早朝時間帯閉鎖(閉鎖時間不明)

改修後の西葛西駅前手洗所の外観です。外観での施設名表記は「西葛西駅前手洗所 Restroom」となりました。ここも改修前の躯体を流用する形で改修、入口を入って正面に多機能トイレ、左側に男性用トイレ、右側に女性用トイレがあります。

点字表記付きのトイレ内部案内図です。男性用トイレの器具配置数は洗面台3台・小便器3台・洋式個室1室で、少なくとも男性用トイレの器具数は改修前と変わっていません。

洗面台はカウンター式で、TOTO製CeFiONtect仕様のL530Cを3台使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート(TENA40A)を使用しています。1台(左側/入口側)は子供用として低めに設置されています。しかし、レイアウトの都合上、外から男性用トイレの洗面コーナーと小便器コーナーがトイレ前室(男性用・女性用トイレ分岐手前)から見えてしまうという点が難点です。

小便器はTOTO製CeFiONtect仕様の自動洗浄小便器UFS910(床置き式)を3台使用しています。1台(左側/入口側)には手すりを併設しています。小便器にはCalmicサニタイザーが組み込まれています。

大便器個室は洋式1室のみです。洋式便器は江戸川区公衆トイレではほぼデフォルトとなるロータンク式で、TOTO製CeFiONtect仕様のタンク密結型ニューボルテックス式便器「パブリックコンパクト便器・タンク式」CS597BMS(フチなし形状・トルネード洗浄採用、排水芯可変仕様、洗浄水量大4.8L/小3.6L)+SH596BAYRを使用しています。便座はウォシュレットウォシュレットPS2An・エコリモコン仕様(2018/02~モデル、オート・リモコン便器洗浄付き)TCF5523ASです(便器洗浄リモコンもエコリモコン)。大便器個室内には手すりも設置されています。大便器にもCalmicサニタイザーが組み込まれていました。

大便器個室内にはベビーチェアも設置されています。ベビーチェアはCOMBIベビーキープスリムF62タイプを使用しています。

多機能トイレです。ここも改修に際してオストメイト対応設備が追加されました。一般トイレを含め、床材・壁材は全てシート張りのものに変わりました(ここ最近のサイゼリヤの店舗内トイレ(
例)などで見るもの)。その一方で、ここでは災害時用トイレのマンホールの設置はありません。レイアウトは右勝手です。

多機能トイレの便器はTOTO製CeFiONtect仕様のタンク密結型ニューボルテックス式便器「パブリックコンパクト便器・タンク式」CS597BMS(フチなし形状・トルネード洗浄採用、排水芯可変仕様、洗浄水量大4.8L/小3.6L)+SH596BAYRを使用しています。便座はウォシュレットウォシュレットPS2An・エコリモコン仕様(2018/02~モデル、オート・リモコン便器洗浄付き)TCF5523ASです(便器洗浄リモコンもエコリモコン)。やはり大便器にはCalmicサニタイザーが組み込まれていました。

多機能トイレ内のオストメイト対応設備(給湯設備付き)です。オストメイト対応設備はTOTO「オストメイト対応トイレパック」で、汚物流しはTOTO製CeFiONtect仕様のSK116(フチなし形状・トルネード洗浄、洗浄水量8L)を使用しています。蛇口はシングルレバー式混合プルアウト水栓です。汚物流しの洗浄はオートクリーンCと同様のタッチスイッチ式ですが、給水はロータンク式(リモコン便器洗浄ユニット内蔵)です。オストメイト対応設備側に紙の備え付けがあります。

多機能トイレの洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様のL270Dを使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート手動スイッチ付きグースネックタイプ(TEN76G)を使用しています。

多機能トイレ内にはベビーシート(右側)・ベビーチェア(左側)も設置されています。ベビーシートはCOMBI横型おむつ交換台OK21F、ベビーチェアはCOMBIベビーキープスリムF62タイプを使用しています。
この公衆トイレも、
江戸川区立船堀駅前手洗所と同様、最近になって改修されました。設備レベルは船堀駅前と大差ないレベルで、全大便器にリモコン操作式のウォシュレットが追加されるなど、設備レベルが上がっていますが、多機能トイレに大型の洗面台と非常ボタンがある点を考慮すると、この公衆トイレの方に軍配が上がります。西葛西駅の改札口を出た直後に咄嗟にトイレに行きたくなった、という時に知っておけば損はないと思います(ウォシュレットがある一方で液体石鹸の備え付けがないのが難点だが)。
隣の葛西駅前では、中央口付近の西側ロータリーと、地下鉄博物館付近の東側ロータリーの2か所に江戸川区管理の公衆トイレがありますが、どちらも改修されたようで、こちらもウォシュレット追加などが行われたのではないかと思います。
■西葛西駅 改札内トイレ●撮影日
説明文頭無印:2016年12月4日(2021年2月現在も変化なし)
説明文頭●印:2021年2月14日
●器具カラー:ホワイト(TOTO色番号:#NW1)
●多機能トイレのドアは手動

●
西葛西駅のトイレは、改札口を入って斜め左前方の通路(「リトルマーメイド」と2番線(中野方面)ホームに上がる階段の間にある)を入った先にあります。1999年~2000年にかけて行われた、ホーム拡幅を主体とした大規模改良工事に際して竣工したものです。前面通路上で男女別に分岐、内部案内図を挟んで右が男性用トイレ、左が女性用トイレです。多機能トイレは一見するとないように見えますが、女性用トイレ前を通り過ぎて更に左側にドアがあります。トイレ入口には音声案内装置も設置されています。

●点字表記付きのトイレ内部案内図です。男性用トイレの器具配置数は洗面台3台・小便器8台・洋式個室4室で、西葛西駅は
快速の止まらない駅(一方で
通勤快速は停車)で、乗降人員が
快速停車駅の浦安駅よりも多いということもあってか、器具数がかなり多めに確保されています。

洗面台は3台ありますが、カウンター式と独立式の2タイプで推移しています。左1台は独立式でTOTOのL220Sを、右2台は1990年代中期から2005年前後にかけて竣工した
東京メトロの駅トイレでは標準となっていた、TOTOのL331R(非CeFiONtect仕様)を使用しています。蛇口は竣工当時ハンドル式単水栓となっていましたが、2009年ごろに自動水栓アクアオート発電タイプ(TEN40AWX)に交換されました。1台(左側/入口側)には手すりを併設しているほか、男性用トイレ入口部分はスロープとなっているため、手すりが左側の洗面台の更に左側にも伸びているのが特徴です。複数台設置の洗面台について、"1台だけ独立式、残りはカウンター式"という形態は
小田急でよく見られる(複々線区間の駅などを中心に見られる)形態ですが、
東京メトロではここだけです。

小便器は8台ありますが、片側4台ずつの向かい合わせ配置となっており、若干独立した形態となっています。左側4台の内一番手前の1台はTOTOのU307C(床置き式)を、残りはTOTOのU406C(壁掛け式)を使用しています。洗浄方式は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンU US-A型)による個別自動洗浄です。1台(左側4台の内左側/入口側)には手すりを併設しています。

大便器個室は4室あり、和式3+洋式1から完全洋式化、4室ある大便器個室の内、一番
左の個室のみ竣工当時から洋式となっています。この個室の便器はTOTOの壁排水ブローアウト式便器C454Pを使用しています。洗浄装置は押しボタン式フラッシュバルブを使用しています。便座は普通便座(TC291J)です。この個室のみ手すりが設置されているほか、ドアが外開きとなっています。

●残りの個室は、2017年度以降の
東京メトロの事業計画に基づき洋式化、後から洋式化された箇所では、洋式便器はTOTO製CeFiONtect仕様のニューボルテックス式便器「パブリックコンパクト便器・フラッシュバルブ式」CS494M(フチなし形状・トルネード洗浄採用、排水芯可変仕様、洗浄水量4.8L)を使用しています。洗浄装置は光電センサー式フラッシュバルブ(オートクリーンC自動バルブユニット・コンビネーションタイプ)を使用しており、フラッシュバルブ本体に人体検知用センサーが組み込まれています。便座は普通便座(TC291J)です。

完全洋式化前の和式便器は、TOTOの和式ブローアウト式便器CU139(初期ロットのため非CeFiONtect仕様)を使用していました。和式ブローアウト式便器は、
○都営大江戸線では第3・4期開業区間では大量に見受けられた(その後完全洋式化工事が相次いで第3・4期開業区間から和式ブローアウト式便器は全滅)一方、
東京メトロでは設置例が少なく、当駅のほか
○丸ノ内線西新宿駅にもあったほか、日比谷駅(
○日比谷線側改札外)では、LIXIL(INAX)の和式ブローアウト式便器C-260U[
参考]がありました。なお和式ブローアウト式便器は、例の完全洋式化工事により
東京メトロからは全滅しました。また改修前の
○丸ノ内線東京駅(LIXIL(INAX)製品主体だった)ではLIXIL(INAX)のC-260[
参考]、
○千代田線新御茶ノ水駅ではTOTOのCU139がありました。

多機能トイレです。レイアウトは右勝手です。便器はTOTOの車いす対応サイホンゼット式便器C48AS(上面高さ417mm)を使用しています。洗浄装置は靴べら(ソフトレバー)式スイッチ+足踏み式スイッチ併用フラッシュバルブを使用しています。便座は普通便座(TC291J)です。この多機能トイレは2012年春ごろに一度ノズルタイプのオストメイト用洗浄水栓が設置されてオストメイト対応化されましたが、2013年春前に背もたれ+オストメイト用洗浄水栓「パウチ・しびん洗浄水栓付き背もたれ」(跳ね上げ式スパウト)に変更されました。

多機能トイレの洗面台はTOTO製CeFiONtect仕様のL270Dを使用しています。蛇口は自動水栓アクアオート発電タイプ(TEN40AWX)を使用しています。洗面台には液体石鹸も備え付けられています。洗面台は以前TOTOのL103A+レバー式単水栓を使用していましたが、大便器の「パウチ・しびん洗浄水栓付き背もたれ」設置と同時に交換されました。

多機能トイレ内にはベビーシート(左側)・ベビーチェア(画面中央)も設置されています。これらは「パウチ・しびん洗浄水栓付き背もたれ」設置と同時に設置されたもので、ベビーシートはTOTOのYKA24、ベビーチェアはTOTOのYKA13を使用しています。
このトイレは、1990年~2000年ごろにかけて竣工した
東京メトロの駅トイレの基本パターンに近いものですが、大きな相違点として、一般トイレの大便器が竣工当時全てユニット式・ブローアウト式(給水配管露出なし)となっている点が挙げられます。ユニット式器具の採用は、
東京メトロでは現在でこそ行われている(直近での竣工箇所の代表例としては、
青山一丁目・
新木場などが該当)ものの、この時期に竣工したトイレでユニット式器具が使用されるという事例はごくわずかでした。
ちなみにこのトイレは、2019年暮れの時点では完全洋式化未着工だったものの、完全洋式化着工寸前でした。元の和式便器はブローアウト式のCU139であり、ウォシュレットの電源工事などを除くと2日間で完結する洋式化工法である、TOTOオリジナルの「和洋リモデル工法」などは適用できない(そもそも同工法を用いた洋式化は、
一般的な洗い出し式の和式便器からの洋式化を専門としており、前掲のブローアウト式やトラップなし和式便器(TOTOの
C1など)、サイホンゼット式便器(TOTOのC202系など)、半トラップ式便器(常磐自動車道の一部のSA・PAで見かけるTOTOのC183など)、更に和風両用便器などでは「和洋リモデル工法」を採用できない)ため、最悪ケースとして
○都営大江戸線の大半の完全洋式化(
例)などのように、完全洋式化にあたってトイレを丸ごと1~2か月程度閉鎖せざるを得ないことになるだろう、と思っていましたが、

2019年暮れに通りかかったところ、完全洋式化に際して男性用トイレだけを
5日間だけ閉鎖するとの告知がありました(恐らく男性用→女性用の順に時期をずらして工事したものと思われる)。和式ブローアウト式便器からの完全洋式化でも、ウォシュレットの電源コンセント追加工事などを抜きにするととりあえず1か月未満で完全洋式化が施工可能ではある、ということが分かりました(「和洋リモデル工法」が適用できないため、工事期間が
3日間以上かかるということには変わりない)。完全洋式化をハイペースで進めている
東急でも、和式ブローアウト式便器からの完全洋式化事例を所々で見かけます(
東急の場合、既存トイレへのウォシュレット追加をハイペースで進めており、完全洋式化はあくまでもウォシュレット追加の序のようなものになるが)。
東急の和式ブローアウト式便器からの完全洋式化箇所でも、恐らく工事期間は
3日間以上かかったのではないかと思います。
しかし、せっかくこのトイレも完全洋式化されたわけですし、それに多機能トイレのオストメイト対応設備が「パウチ・しびん洗浄水栓付き背もたれ」となっているので、全大便器へのウォシュレット追加も序に実施してほしかったところです(設備レベルについて、前掲の西葛西駅前手洗所と比べると一目瞭然)。更に欲を言うと、多機能トイレはスペースが広く、「コンパクトオストメイトパック」を追加できそうなスペースがあるので、「コンパクトオストメイトパック」を設置してほしかったところです(
東京メトロでは、
完全洋式化と同時に全大便器にウォシュレット、多機能トイレに「コンパクトオストメイトパック」を設置した事例がありますし…)。
※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。