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【アルファロメオ166前期】
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【アルファロメオ166後期】
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アルファロメオ166。
かつてアルファロメオが生産していた大型サルーンだ。
カテゴリで言えばEセグメントに属し、BMWで言えば5シリーズ、メルセデスで言えばEクラスに属する高級サルーンにも関わらずそのアピアランスは思いの外アグレッシブ。

このクルマの歴史の始まりは丁度世界の終わりが予言されていた1999年。(本国では1998年)
アルファロメオ史上空前の大ヒットとなった156に遅れること1年少々、世界も滅びること無くアルファ166も無事にデビューを果たした。
そして、166のデビュー直後の2000年に登場したCセグメントハッチバックの147も市場から好意を持って受け入れられ、アルファロメオという会社は地球滅亡の予言とは裏腹に随分と好調だった。
今でこそ日本でも「アルファロメオ」と言えば普通の人でも名前は聞いたことあるくらいのメジャーなブランドに成長したけれど、156登場以前は「一部のクルマ好きが乗るクルマ」くらいの認識で一般的には名前もあまり知られていなかったし街で見かけることなんて滅多と無かったけれど、この時期のモデルのヒットのお陰でアルファロメオというブランドは一躍輸入車メジャーリーグへの仲間入りを果たす事となった。
特に156と147は他のどのクルマにも似ていないそのスタイリッシュなデザインが日本市場でも人気を博し、実際その時期はBMW3シリーズやフォルクスワーゲンゴルフを購入するような顧客層すら取り込むまでにヒットしていた。

【アルファロメオ156】
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【アルファロメオ147】
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そして、フラッグシップモデルたる166もその流れでヒットに繋がり5シリーズやEクラスの顧客層を取り込み・・・。とは残念な事にそうはならなかった。

デザインも素晴らしいながら決して万人受けするものでもなかったし、なにより600万円級のサルーンとしては総合的な完成度や洗練性、はたまた組み付け精度など及第点に及ばない部分も少なくなかった。
シャシーの剛性なんかも明らかに不足していたし、ローダウン仕様が標準の日本仕様(前期型)はバンプを超えたりする度車内からは安っぽい軋み音が発生した。
また、細かい話で言えばスカットルシェイクの押さえ込みなんかも決して及第点に及んではいなかったし、ナビもびっくりするくらいに使い物にならなかった。ボディーの剛性不足からそれとなくユルユル感も感じさせた。
なので、600万円級の「高級サルーン」としてその土俵に上がった際に、166はライバルと比較すると明らかにその資質は不足していた。

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と、いう風に文字に起こしてロジカルな説明を付ければこのクルマはただただ不出来で不発に終わってしまった完成度の低いクルマだろうと思われたって仕方ないと思う。
確かにロジカルに説明してしまえばこのカテゴリーの主役であるドイツ御三家に洗練や完成度で166は当然のごとく及ばない。
では、それならこのクルマは魅力のないただのアルファの失敗作なのだろうか?

個人的にはその答えはノーであると言いたい。
確かに、一般論で評価してしまえばダメグルマの典型例のようなクルマかもしれない。
けれど、少しばかり視点や切り取り方を切り替えればこのクルマは素晴らしく魅力的なクルマなんじゃないかと僕は思う。
僕個人としてはこのクルマはセダンじゃなくて「アルファが作ったドアが4枚付いたGT」として捉えるとそう言った諸々の事は気にならなくなると思う。
こういう風に書くと「ただただアルファに思い入れの強い人間のえこひいき」と捉えられかねないところだけれど、理由もあるのでもう少しばかりお付き合い願いたい。

166というクルマを日本で走らせると前途したような及第点に及ばない部分が目立つことが多いと思う。
確かに低速域ではゆるゆるな印象が拭えないし、比較的早めにシフトアップする旧態依然とした4ATも相まってアルファV6も低速トルク不足を感じさせてしまう。
また、比較的バイブレーションの多いアルファV6は「高級サルーン」として評価するなら滑らかさには明らかに欠けるしアシだって硬めで少なからず突き上げ感を感じてしまう。

けれど、このクルマから「高級サルーン」という括りを取っ払って「アルファロメオ製のドアが4枚付いたGT」として捉えてアクセルを遠慮なく踏みつけてやるならどうだろう?

低速トルクが不足しがちと感じていたアルファV6は中速域からは官能のアルファサウンドを発し始める。
「グウォーン」とした男臭いフィールが回転数を上げるに連れてダイレクトな感触に変わり、そしてあの甲高いサウンドに変わっていく。
旧態依然とした4AT故に無用なシフトチェンジはしないのでシフトレバーをスポーツモードに放り込んでさえおけばスイートスポットを維持できるし存分にアルファサウンドを堪能することも出来る。
「世界最高のV6」とも評されるアルファV6の面目躍如の瞬間である。
少し硬めと感じていたアシだってそういう乗り方になればむしろ整合性が取れてくる。
また、ロック・トゥ・ロックが2.4回転と言うこの手のサルーンではありえないクイックステアリングで、少なくともモモ製で誂えられたレザーシートに収まっているドライバー本人に関しては自分が運転しているクルマが「ドアが4枚付いた高級サルーン」と言う事は室内に快音響かせている頃にはとっくに忘れている事だろう。
 やはり、コレはドアが4枚ついたGTと考えたほうが合点がいくクルマなのだ。

【アルファ166のインテリア】
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 また、デザインに関しても166は素晴らしい車だと思う。
今でこそこういった4ドアクーペ的な見てくれをしているクルマは少なくないけれど、少なくとも1998年の時点ではそういったクルマはほぼ皆無だった。
また、さすがアルファとも言いたくなるデザインの巧みさでFFと故に分厚くなりがちなボンネットフード ながら絶妙なデザイン処理でそれ逆手に取り美しい造形を作り上げている。
フェンダー左右は遠慮無くショルダーラインを切り落とし、ヘッドライトは独特の形状かつコンパクトに纏められていて フロントノーズに進むに連れてギュッと絞られている。
また、ボディ−サイドのキャラクターラインには 思い切った「エグリ」が与えられていて大柄なボディーに引き締まった緊張感が与えられている。
恐らく166が独特の雰囲気を醸し出すのはこのキャラクターラインとまるでナマズの様な目の離れた顔つきの「絶妙なバランス」に起因するものが大きいのだと思う。
自動車のデザインにおいての「緊張と緩和」の使い方としてはかなりレベルが高いと思う。
ちなみに、このデザインを担当したのは「ワルター・デ・シルヴァ」という人物でその後アウディーに移籍し大成功の道へと導いた立役者でもあったのである。

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そんな166も冷静に考えれば驚くことにデビューから20年の月日が経とうとしている。
新車時は600万円級だったサルーンながら中古車になればもはや低走行の上物でも100万円以内が当たり前の世界に突入している。
乗り味や熟成度で言えば後期型のほうが優れている印象があるけれど、こういうクルマは眺めてうっとり出来る美しさっていうのもクルマとしての評価点で大きな要素になると思う。
勿論、後期型も美しいクルマであることに変わりはないがどうせなら本来のデザインコンセプトを体現している前期型のほうが所有する喜びは大きいのではないかと僕は思う。
ちなみに、車重を考えるとここは3.0のV6を選ぶのが間違いなくベストな選択でガレージに収める相棒としては今なおとても素敵な相手なんじゃないかと僕は思う。

とりあえず、僕の屁理屈はさておき興味を持った方は下の動画でそのサウンドに耳を傾けてみてほしい。




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