2011年06月29日

『七つの星』

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      『七つの星』  

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2011年06月27日

『雨』

スタッフ
作:井上ひさし
演出:栗山民也

キャスト
市川亀治郎・永作博美・梅沢昌代・たかお鷹・花王おさむ・山本龍二・石田圭祐 ほか

新国立劇場

ものがたり
江戸の町、両国橋。古釘やら煙管の雁首などを拾って歩く金物拾いの徳(市川亀治郎)は、ある豪雨の午後、雨宿りに入った橋の下で、新顔の老いた浮浪者(たかお鷹)から「喜左衛門さまでは・・・・・・?」と声をかけられた。
そんな名前は知らぬと無視を決め込む徳に、勝手に話しかけては勝手に懐かしがる老人。
喜左衛門とは、平畠一の器量よし、「紅屋」の娘おたか(永作博美)のもとへ二年前に婿入りした男なのだが、その喜左衛門と徳が生き写し、しかもその喜左衛門は去年の秋から行方不明になっている。
平畠は紅花の栽培で財を保っている北国の小藩で、「紅屋」とはその平畠で一番の大店のこと。
話を聞いた徳は、「どうにかしておたかという女を一目見ることはできねぇか」と、北へ北へと咲きのぼって行く桜の花を追ううちに、とうとう奥州平畠までやって来た。
しかし、たとえ姿かたちが瓜ふたつでも、徳は喜左衛門の事をなにひとつ知らない。その上、江戸から宇都宮、宇都宮から白河、白河から福島、米沢、平畠と北上するうち、言葉(方言)の様子が変わってきたことに戸惑う。こんな方言では話せない、これでは他人になりすますことなど出来やしない、やっぱり明日の朝には江戸に戻ろう、と諦めかけた丁度その時、徳は村人に見つけられる。
「紅屋の旦那様(さ)ァ・・・・・・」
「喜左衛門様(さ)ァ!」
その声を聞き、徳はいまやはっきりと紅屋喜左衛門を演じようと決意し、記憶を失ったふりをしてゆっくりと村人の輪に入っていく・・・・・・。


ホワイエには、生の紅花が置かれていた。

亀さまは、江戸弁の台詞回しは明快で、ときにけれんみがあり、ときに世話もののようにくだけ、さらに膨大な山形弁を駆使する。
歌舞伎の手法が多く取り入れられ、奥行きの深いものになっている。
二役の早替わりも、澤瀉屋のお家芸なので鮮やか。ため息ものだ。
しかし、読み書きもできない江戸の乞食が、何日か手習いをしたくらいで、喜左衛門が書いた紅花の資料を読んだり、酒席の作法が出来たりするものだろうか。
永作博美のおたかは、したたかさとあっけらかんとした色気を見せるが、最後の場面はもう少し魅せてほしかった。

三上司の舞台セットが良かった。
舞台中央に巨大な五寸釘を思わせる柱を立て、その左右には回り舞台と一緒に回転する柱が、五寸釘と梁で結ばれている。
回り舞台には傾斜のある台が置かれた部分と、平舞台を組み合わせた部分があり、回転により手際よく場面転換を見せる。
中央の柱は、最後は十字架の足元にも見えた。

リチャード・ギア主演の映画『ジャック・サマースビー』と、設定が似ている。
ジャックは最後、自らジャック・サマースビーとして処刑されるが、徳は徳に戻りたくても戻れないまま死ななければならない。
この違いは、何だろう。
  
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2011年06月23日

『淋しいのはお前だけじゃない』

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[原案・原作]市川森一
[劇作・脚本]蓬莱竜太
[演出]マキノノゾミ

[出演]中村獅童 / 長谷川京子 / 平岡祐太 / 草刈民代 / 他

赤坂アクトシアター

ストーリー
サラ金の取り立て屋・沼田薫(中村獅童)は、妻よし江(長谷川京子)と細々と暮らしていた。
ある日、沼田はローンズランドの影のオーナー国分(声・西田敏行)からある仕事を依頼される。
その内容とは、国分の愛人であった由良常子(草刈民代)とその息子・市太郎(平岡祐太)から、慰謝料として2000万円を取り立てることだった。
しかし、常子が昔世話になった花村月之丞の娘だと知った沼田は、二人を救う為に国分を相手に一芝居打つ事に。
そのことが国分に知れ、逆に二人の借金二千万円の連帯保証人にされてしまう。
沼田が生き残る方法はただひとつ。一年以内に旅一座の借金も含め、ブラックリストに載っている人々全ての借金を回収すること。それが組の出した交換条件だった。
途方に暮れる沼田に、常子は花村月之丞一座を旗揚げし、そのおひねりで借金を返済しようと持ち掛ける。
ブラックリストのメンバーを集めてそこで囲ってしまえば一石二鳥ではないか。
よし江の反対も聞かず、沼田は常子と市太郎の舞を見てその提案に乗ってしまう。
こうして借金まみれの旅一座が出来上がっていくのだった・・・。

客電が落ちる前の客席で携帯の音がして、中村獅童が登場。
「100万円拾ったらどうします?」などと語りかけながら、客を芝居に引き込む。
雰囲気としては、歌舞伎ファンより大衆演劇ファンのほうが多かったようだ。

テレビ・ドラマのリメイクだが、常子と市太郎は恋人同士ではなく親子になっている。
ドラマで沼田を演じた西田敏行が、声だけだが国分役をやっているのがご愛嬌。国分は、ドラマでは財津一郎。

数日の稽古で、素人が踊って芝居をするなんてちょいと無理だと思うし、借金のかたにとった倉庫を芝居小屋に改装してしまうというのも、金が無いのだから都合が良すぎる。

二幕目の最初、獅童が女形で「むらさき小唄」(八代亜紀)を踊り、そのまま金髪の平岡祐太のエレキギターで「江戸の黒豹」(杉良太郎の歌)ロックバージョン。早替りで獅童がロッカーになりボーカル。女形よりカッコいい。
平岡祐太のギターもかなりのもの。市太郎も女形で踊るが、腰が落ちていない。
さらに草刈民代の日舞は、やっぱりバレエ。立ち姿は美しいし、手や脚の動きもきれいなのだがやはりバレエ。
台詞も味が無い。相変わらず宝塚風。でも、それなりに面白い。
松永健次役の大川良太郎は、元々大衆演劇の役者なので、目配りとか台詞の間が上手い。現代劇の部分も、チャライなりに必死に生きている感じがした。
初めは血も涙もない暴力男だった西方完二が、毎日舞台を観ているうちに仲間に加わり、女形までやってしまうというのが人情話として面白い。役者は佐々木喜英、『テニスの王子様』で出てきたらしいが初めて観た。

終わり方は平凡で、それぞれの生きかたがもうちょっと描かれてもいいと思ったが、珍しくもう一度観たいと思わされた。
  
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2011年06月17日

『グレンギャリー・グレン・ロス』

GGR

作=デヴィッド・マメット 
翻訳=常田景子
演出=青山真治


キャスト 石丸幹二・坂東三津五郎・今井朋彦・大鷹明良・加藤虎ノ介・テイ龍進・坂東八大
銀河劇場

ストーリー
とある中華料理店の一室。
不動産会社の崖っぷちセールスマン4人の男たちがそれぞれのやり方でピンチを打開しようと画策している。
かつてはセールス・マシーンの異名を持ち、トップセールスマンだったレヴィーン(坂東三津五郎)は今は落ち目で、支社長ウィリアムソン(今井朋彦)に取り入って契約のとれそうな顧客名簿を入手しようと交渉中。過去の実績を披露し、必死だ。
別室には、会社の経営方針に強い不満を持っているモス(加藤虎ノ介)と、気の弱いアーロナウ(大鷹明良)の二人。
モスは会社の経営者たちに仕返ししてやろうと、顧客名簿を盗む計画を企んで、アーロナウを巻き込もうとその計画をほのめかす。
また別の席では、今やセールスのトップを行くローマ(石丸幹二)が、隣の席のおとなしそうな客リンク(テイ龍進)に狙いを定め、言葉巧みに相手の気を引き契約をとりつけるチャンスを伺っている。

一夜明けて、不動産会社の営業所。
すっかり荒らされ、顧客名簿や契約書、電話までもが盗まれている。
二階にある別室で、刑事(坂東八大)の事情聴取が進む間も、彼らのセールス競争は続く。
会社を辞めると、飛び出していくモス。
大口の契約をとってきたと息巻くレヴィーン。
解約したいと言ってくるリンクを、のらくらとかわすローマ。
そして、ひとつの真実が浮かび上がる……。

成功と昇進(アメリカン・ドリーム)を求め、不動産業界を舞台に顧客の争奪戦にしのぎを削る男たち。
1983年初演、翌年のピュリッツァー賞にも輝いた現代アメリカを代表する劇作家デヴィッド・マメットの最高傑作戯曲。
1992年には、アル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシーというキャストで映画化(邦題『摩天楼を夢見て』)。
グレンギャリー・グレン・ロスは、架空の街の名前。
映画監督にして三島賞受賞作家である青山真治の舞台初演出。

いきなり客席後方から石丸幹二が、赤いサテンのシャツでサックスを吹きながら登場。曲は『この素晴らしき世界』だったかな。
そのまま舞台に上がり、後方に消えるとドラが鳴り、舞台の左右から真っ赤で大きな椅子が出てきて、中華料理店になる。

台詞の多さに圧倒されるし、翻訳特有の汚い言葉にもウンザリした。
それが男たちの闘争心と孤独と挫折感、焦燥感を表現しているとも思えなくもないが、日本人の感性には合わないだろう。
あくまで原作に忠実に、というのなら役者のビジュアルも外国人にしてもらいたいもの。
三津五郎も「こんなに脚の短いアメリカ人はいない」と、言ってたし。

ただ男ばかりの芝居で、暴力が無いのがいい。
後半の展開もスリリングだが、ラストは物足りなかった。

アフター・トークショーがあって、八大以外の6人の役者が舞台の裏話を。
歌舞伎役者、ミュージカル俳優、小劇場出身と、さまざまなジャンルの役者の生活の違いと、青山真冶監督のエピソードがおかしかった。

  
Posted by noco24 at 23:12Comments(0)

『三びきのクマ』

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『三びきのクマ』  
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2011年06月14日

『盟三五大切』

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盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)

串田和美 演出・美術
             
薩摩源五兵衛実ハ不破数右衛門  中村 橋之助             
芸者妲妃の小万実ハ神谷召使お六  尾上 菊之助          
船頭笹野屋三五郎実ハ徳右衛門倅千太郎  中村 勘太郎                                      
若党六七八右衛門  中村 国生                    
徳右衛門  笹野 高 史                    
富森助右衛門/家主くり廻しの弥助実ハ神谷下部土手平  坂東 彌十郎

コクーン P22

≪あらすじ≫
浪人の源五兵衛(中村橋之助)は、芸者の小万(尾上菊之助)に入れ込んでいる。
だが彼女には三五郎という夫(中村勘太郎)があった。
いやな客に身請けされそうになった小万のために、源五兵衛は伯父からもらった大切な100両を渡してしまう。
しかし、全ては勘当をといてもらうために金が必要だった三五郎と小万が仕組んだ狂言だった。
ふたりの裏切りを知った源五兵衛は、復讐の鬼になって・・・。


忠臣蔵のサイド・ストーリーで、四谷怪談の続きみたいな話。
紗幕を効果的に使った舞台で、その効果はきれいでおもしろかった。
お囃子と、チェロの生演奏という不思議な取り合わせで、録音でマーラーか何かがずっと聞こえていたが、ちと過剰だった。
チェロだけで、源五兵衛の怒りや虚しさは伝わる。

二階建ての家をぐるぐると回して、5人殺しの場を見せるのはなかなかおもしろかった。
お決まりの本水の雨は、あまり意味がなかったような。
串田さん、どうしても水を使いたいらしい。

本歌舞伎と違って、コクーン歌舞伎は人間性を見せるので、ややこしい人間関係も具体的でわかりやすい。
しかし、忠臣蔵を分からないと、なぜ悪事をしてまで親のために金を作ろうとするのか、人殺しをしてまで主人を助けようとするのか、主人の罪をかぶってまで討ち入りに加わらせようとするのか、その主従関係、義理が理解できないだろう。

橋之助の源五兵衛は、前半のお人よしで怠惰な浪人と、後半の復讐の鬼になった姿との変貌ぶりは見事だが、何か物足りなかった。
勘太郎の三五郎は、勘当を解いてもらいたいという一途さが薄かった。人の良い役が多かったから、悪の凄みや色気のあるところを見られて良かった。
菊之助は、『十二夜』の時よりずっときれいで、気風のいい芸者も後半の母親も柄に合っていた。
橋之助の長男の国生は、高校1年らしく、まだ台詞まわしは学芸会。

クライマックスの殺しの場面は、本歌舞伎よりも残忍さを消してきれいに見せる演出。
本来、浪士が不破数右衛門を迎えに来る場面は、勘三郎の声で録音された台詞が流れたが、まったく聞き取れなかった。
最後、舞台が回り登場人物が全員現われては消える演出だったが、何か虚しさを余韻として残したかったのかな。

やはり、勘三郎のいないコクーン歌舞伎は物足りない。  
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2011年06月06日

『いま あなたに私の詩を読んでほしいのです』

わたしが参加している『みんなの詩集 夢ぽけっと』から、新しい詩集が出る。
以下、編集者・水内喜久雄さんからのメッセージ。
もし、被災地への無料配布にご協力いただける方がいましたら、坂本までご連絡ください。


 夢ぽけっとでは詩の発表をしたいという人たちが集まって季刊の『みんなの詩集 夢ぽけっと』を作ってきました。(文庫版・現在21号)
 今回、東日本大震災や原発事故の現実を見て、詩を書く者として何かできないかと考え、
『被災地に届けよう・10000冊の「みんなの詩集」!!
 〜ちょっといい話・想いを気楽に読んでもらおう〜全国の方たちにも…』
と通常の夏号をこれに当てよう、そして10000冊分、みんなで出し合おうと提案しました。これは参加者からの声でした。
 〆切が過ぎて、参加者は65名(+資金援助4名)でした。被災地に届ける冊数の注文も全体で10392冊になり、目標達成です。
 詩集のタイトルは『いま あなたに私の詩を読んでほしいのです』。文庫版144ページの詩集です。表紙は内田新哉さん、こちらも無償で手伝ってくれています。現在、たんぽぽ出版で表紙作成(こちらも無償で)、本文は印刷所に入っています。6月末には出来上がってきます。
 被災地には無料配布、そして、他にほしい方には500円で販売、もちろん売り上げ金、全てが被災地に…です。たんぽぽ出版のご協力も得て、書店やネット書店でも取り寄せが可能です。(税込・525円となります)

 さて、お願いです。
 いまのところ、10392冊のうち、2794冊については配布先が決まっておりますが、残りについてはこれから探すところです。被災地の方、また、被災地や避難所におられるみなさんのお知り合いの方で、読んでくれるところがありましたら教えてください。できれば具体的に、さらに、できれば、月末か来月上旬に送っても話がついているようにお願いできたらなあと思います。印刷所から直接送ってもらうようにします。
できれば100冊単位でいくつ分というふうに。
 65人の方が、この厳しい状況の中で、被災地に届けようと詩を創りました。
どんな気持ちで受けとめてもらえるかわかりませんが、気楽に読んでもらえれば
いいかなあと思います。だから、気楽に紹介してほしいのです。もちろん、無料です。

 本来ならば、私が車に積み込んで、現地を回る予定でしたが、突然の病気で無理だと判断されました。ご紹介いただければ幸いです。
 また、ホームページやブログをやってみえる方、広めていただければ幸いです。以上、よろしくお願いします。
  
Posted by noco24 at 23:19Comments(0)

2011年06月05日

アサガオ

グリーン・カーテンを目指して、アサガオの種を蒔いたのが、5月21日と23日。
先に蒔いた方が、ちょうど1週間で発芽。
大粒の種で、発芽と同時に虫にかじられた芽も有り。
色は、ヘブンリーブルー、白花夕顔、藤娘。

庭 002


後から蒔いた種は桔梗咲き混合。
今朝は、ちょうど発芽しかかったところ。

昨日、大きなプランターと培養土を買ってきたので、丈夫そうな芽を移植した。

庭 001


予定としては、リビングの西側にある窓と、仕事部屋の東側の窓の外に置くつもりなのだが、うまく上に伸びるかな。
  
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