先日、夫婦そろって日帰りで修善寺へ。
いつものごとく、お世話になるのは新井旅館。

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最近、修善寺へお出かけになった方は、お気づきではなかろうか。
「あれ?新井旅館は改装中じゃなかったかな」と。
そう、改築していたから、しばらく修善寺へは行かなかった。
前回、新井にお邪魔したのは5月だったから、4ヶ月も行かなかったことになる。


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↑この写真は、5月に撮ったもの。
お料理が運ばれてくる前、川側の広縁から見たところ。
なり夫妻が特に好きだったのが、この写真の角部屋「霞九」で。
2間続きの広い和室に広縁がつき、桂川と中庭の池と、両方の景観が楽しめる。
横山大観が好んで滞在した部屋だと伺った。
「霞の棟」は大変に古い建築ゆえに、部屋の襖(ドアではない)には鍵がない。
ガラス窓ではなく、障子のみの窓があったりするので、宿泊はさすがに厳しいけれども。
川と庭を眺め、良いお湯に入り。
おいしいものを食べるのなら、不足はなかった。
と言うより、あの佇まいと、古い日本家屋の良さを堪能するには。
「霞の棟」は、うってつけで。
でも、改築するのは「霞の棟」。
この写真は、私たち夫婦が見た、改築前の最後の「霞」。

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(↑「霞九」からの桂川の眺め。すぐ下を、川辺を散策する観光客が次々に通り過ぎる)


今回、私たちは霞の棟ではなく、小さな庭に面した「雪の棟」に案内された。
ここは、部屋にお手洗いがあり、入り口は襖ではなく、ドアになる。
「思いのほか、柱などが痛んでおりましたので」
工事が延びている、と仲居さんに説明された。
足場を組んだ霞の棟から、檜が香りが漂ってくる。

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静かだ。
こんなに音が響く、古い木造の旅館なのに。
すぐ向こうの川辺には、観光客があふれているというのに。
音という音は、どこかに残らず飲み込まれてしまったのかと思うほどの静寂に。
私と夫も、小声になる。
「静かだね」
「ああ、静かだ」

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「霞の棟」は、真新しい檜を贅沢に使って。
内風呂のついた部屋に生まれ変わるのだという。
「霞九」は、竹林と清流と、見事な中庭を見下ろす、絶好の位置にあるのだから。
きっと、素晴らしい部屋になるだろう。
文化財として知られる、この旅館も。
時代と共に、変わっていくのは必然だ。



それでも。
波打つガラスをはめ込んだ、木枠の窓。
古色蒼然とした、洗面台。
昔々、祖父母の家で見たような姿見やタンスを並べた部屋や。
杉の天井を思い浮かべて。
心の片隅で、少しだけ。
ほんの少しだけ、残念なような。
名残惜しいような。
そんな気がする。

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昼食つきで日帰り利用できる伊豆の宿は少なくないけれど、きちんとした懐石を一品ずつ部屋出ししてくれるところは、まずない(お弁当やミニ懐石は、一度に出される)。そういう意味でも、なり夫妻は新井一択。改築後も、このプランがなくならないといいなあ・・

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