ヨーロッパは中世には黒死病が流行して人口が3分の1にまで減少した地域であります。ヨーロッパに住む人々の衛生観念は、技術の進歩とともに多少なりとも変わってきたのかもしれませんが、現代という同じ時間軸に住む日本人とヨーロッパ人との間では、清潔さという観念には大きなずれがあるように思います(このエントリは渡辺千賀さんのブログに触発されたものです)。

最大のギャップは土足文化(犬の糞を踏んだ(かもしれない)靴のまま家の中を歩く)にあるように思います。留学して感じたことは、日本人の衛生観念はアメリカ人とヨーロッパ人の間では、アメリカ人に限りなく近いのではないかということです。個人的な経験に基づいているので多分に偏った見解かもしれませんが、アメリカ人には外を歩き回った靴は玄関で脱いでスリッパや室内履きに履き替える人がそれなりにいましたが、ヨーロッパ人にいた記憶はありません。ベッドにもそのまま上がっている友人もいました。ベッドに寝転ぶ前に、靴を脱いだ方がよほどリラックスできる気がするのですが、そうは思わないようです。不思議です。

また、バスタブがないケースが多々あることも、ヨーロッパに出張や旅行に行ったり、住んでみて初めて知りました。都市の過密さは日本とも似たり寄ったりなので、スペースの問題とは思えません。家の広さを所与のものとした場合、バスタブに場所を取ることのプライオリティがかなり低いものと思われます。日本やアメリカではタブがない家または部屋というのは未だお目にかかったことがありませんが、ヨーロッパで学生が住むようなStudioやそれほど高級ではないホテルではしばしば生じる事態です。私自身が留学中に住んでいた部屋もタブがなく、私自身はそれほど苦痛ではありませんでしたが、一般的な日本人の感覚からすると辛いものがあると思われます。友人の家で、タブがあっても単なる洗濯物干しになっていることもよくありました。彼らも日本に来れば喜んで温泉に入りそうなものですが、まだ機会がないので出世したら同級生を温泉に招いてパーティをしたいと思います。ちなみに私自身は、毎日風呂に入らなくても割と平気なタイプです。

食器の洗い方については渡辺さんが書かれているとおりですが、さらにせっかく洗ったフォークやスプーンも、口に入れる方を下にして乾かしたりします。その食器置きの、カトラリーを入れるスペースが区切られている部分の底がどのような状態になっているのか、怖くて見ることが出来ませんでした(ちなみにそのときはインド系アメリカ人が作ったカレーをみんなで手で食べるというイベントでしたが、みんなが妙にいそいそと手を洗っているのを見て、そう言えば普段は洗っているのをあまり目にしないな、と思いました)。

アフリカの現状については知識が無いのですが、気候の問題として、アジアは現代でも欧米と比較して感染症などに罹患する危険性は高いでしょうから、清潔さにはそれなりに敏感なのではないかと思います(公害問題は別ですが)。中でも、やはり日本人の清潔好きはかなりグレードが高いように思います。かといって、やはりそれも善し悪しで、状況によっては(自身の健康に悪影響を及ぼさない範囲で)不潔さに鈍感になる必要もあるだろうな、と思いました。