白人が一人も出てこない映画です。
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虐められっ子の小学生時代、高校生時代、成人になって、の三時代からなっています。
だらしない母親と二人暮らしです。ゲイです。男っぽくふるまっている級友が実はゲイで、彼の支えになっています。
我慢にも限界があってキレて少年院に入れられますが、そこを出た後、身体を鍛えていっぱしの売人になっています。ある日、子供の頃支えてくれた級友から電話があって、彼を訪ねていきます。彼は妻と別れ、一人でレストランを営んでいました。
さよならが言えないでいるうちにめでたくこうなります。見た目は変わっても心は昔のまま。
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売人から足を洗って、二人でレストランをやっていくのでしょね。

完璧に美しい高校生の少女の死体が森の中で発見された。
アトランタ警察のフランクが捜査にあたります。彼の娘は三年前、16歳の時に自殺しており、あんなに恋した妻とはいつの間にか心が離れて離婚しています。
このような底に流れる人間の悲しみがクックの特徴です。
殺された少女は5歳の時に両親を亡くし、13歳年上の姉と壮大な家で暮らしていました。
友達も作らず、少女の実態を知る人はいません。

サスペンスにしては淡々としていますが、登場人物が豊かに描かれて純文学の世界にまで高められています。読者の犯人捜しは無意味です。みんな忘れて幸せな再読。  
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癌で余命わずかな父を一人で死なせるわけにいかなくて「ぼく」は脱出した故郷にひと夏戻ってきます。父はこの嫌な炭鉱町で少年の頃から苛め抜かれていたことを知ります。
僕の純真な弟は17歳の時、恋人の両親を殺した後、自殺しています。
僕がこの町を脱出したのは、町を嫌ったのではなく、父を嫌ったと父は思っています。、
クックの小説の底に一貫して流れている父と息子の確執です。
弟は本当に殺人をしたのだろうか。ぼくは調べ始めます。

立ち止まってしまう言葉が幾つかありました。
「人生ではカードは裏向きにくばられる」
「わたしたちの大部分は突然人生を決定する選択をしてしまう。だが、立ち止まってじっくり考え抜いた人たちが、それよりましな選択をしているかというと、かならずしもあおうとは言えない」
再読はいいものです。
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