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宝石のようだけれど気難しい恋人に別れを告げて数日後、恋人から「あなたの愛がすっかり消えてしまう前に~私の心の頑固さを打ち砕けないのでしょうか」と手紙がきます。主人公の両親の結婚のいきさつです。

「孤独ほど人を屈服させるものはないんだよ、キャル」と父は言った。

「むかし母さんが言っていたことを覚えているかい?誰でも人生でひとつくらい変わらないものが欲しいんだって?」これは兄弟の会話。母親にそっくりで、自分の人生に運命の女性が現れると信じているきらきらした弟の問いかけです。
最後から2ページ目の5行目と6行目には泣かされます。

トマス・クックはミステリーでしょうか。いみじくも解説で中嶋博行が書いています。

「クックの作品はミステリになにができるか、という本質的な問いかけに対するひとつの回答でもある。
はたして純文学とミステリの間に明確な境目があるのか。少なくとも純文学サイドでは「まもるべき」何かがあるらしく、エンタテイメント小説との間に高い垣根を構築している。しかし、クックはその垣根をやすやすと飛び越え、純文学ですら簡単にはなしえない「物語による感動」を読者に与えることに成功した。」

中嶋の文章は2001年に書かれた。そのあと、中村文則がミステリで芥川賞を取っているのだから事情はかわったのだと思う。
歳のせいか、本を読むにも体力がいる。面白くない本を読む忍耐はなくなった。クックはおもしろくて純文学だと思う。
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バルセロナで買ったリヤドロの女神です。繊細な花付きなので子供の棺桶位の箱に厳重に入れて送ってくれました。