2015年04月15日

調達購買資材改革推進者勉強会-その1

2013年1月に購買ネットワーク会の分科会として「調達購買資材改革推進者勉強会」
を私(野町)が発起人となりスタートさせました。
当会は企業内で調達購買資材部門の業務改革に従事するマネージャー職以上の方
(原則)を対象に「調達・購買・資材改革のノウハウ、手法、コツの情報共有および
体系化」を目的とした勉強会です。

当初、このメルマガや購買ネットワーク会のメルマガなどで参加希望者を募り約70名
程度のメンバーでスタートしました。
この勉強会の特徴の一つはボランタリーな活動であることです。ですから、研究した
内容や開発した手法等は広く改革推進者へ提供することを目的にしています。また
参加メンバーは業務時間外に貸会議室等に集まり、費用も各自が負担しながら
進めるなど、草の根的な活動であることが特徴です。
ですから、当然のことながら業務の都合や転勤、異動などもあり、当初8つのグループ
で活動を進めてきましたが、どうしても活動を休止せざるを得ないグループもあり、
最終的には5つのグループが活動を継続することができました。

このような手法開発は我々のようなコンサルタントやややアカデミックな世界での仕事
です。しかし企業内の改革担当者によりこのような研究、手法開発を行うことで、より
実践的であり実務に根差した体系化、手法開発ができることを期待してスタートしました。
ですから私自身はできるだけ自分の考えを出さずにファシリテーターとして活動を
サポートしてきたのです。

先日(2015年4月11日)に約2年間の活動の総括として勉強会メンバー以外にも門戸
を開き研究成果報告会を開催しました。会場のキャパ等もありましたが70名強という
多くの参加者が出席し朝9時から1日中ほぼ缶詰め状態で成果報告会が開かれたの
です。

このメルマガで全てのグループの発表内容を詳細に紹介することはできませんが、
ここではメルマガ上でそれぞれのグループの発表の中で印象に残っているキーワード
をいくつか挙げていきます。

最初は今回最優秀グループ賞として選ばれた『人財育成・教育グループ』です。
このグループの発表ではとても印象に残るキーワードが多く出されました。例えば、
「パフォーマンスはスキルとモチベーションの掛け算」。

正にその通りです。それをコンサルではなく実務をやられ人財育成を日々やっている
人達から言葉として出てきたところに意味があります。
「スキルは簡単に上がらないがモチベーションは一瞬で上げることも下げることも
できる」。

これも素晴らしい言葉です。と同時にモチベーションの重要性を改めて認識させられ
たキーワードです。このグループは人財育成に欠かせない10のスキルを定義し、
それを育成するための手法を定義しています。しかしスキルの育成には時間がかかる。
それを担当する上司には「庭師の心」が必要である、と説明しています。
「庭師の心」。

また他社事例の調査も同時に行っており、そのアンケート調査の結果、グループ内で
定義した必要不可欠な10のスキル同様、調達購買人材にはファンダメンタルスキルが
重要視されることを立証しています。
そして最後のまとめとしてあげられたキーワードは
「当たり前のことを地道にやること」。

とまとめています。
人財育成グループはモチベーションの重要性を説いており、人材育成もサプライヤ育成
も同じ、とおっしゃており、これは私が先回のメルマガでも取り上げているサプライヤ
モチベーションマネジメントにもつながることです。

次にサプライヤマネジメントグループです。
このグループでもサプライヤモチベーションの向上を先進企業事例としてその重要性を
取り上げています。
それと同時に印象に残ったキーワードとしては
「企業の仕組みへのインストール」。

サプライヤマネジメントグループは当初どんな企業でも使える標準的なサプライヤ評価
の軸を開発しようとしていました。しかしそれを進めるうちにサプライヤ評価は各企業や
業界、購入品目毎にその重要性は異なるため、標準化は困難である、ということを理解。
その上で、サプライヤマネジメントはサプライヤ評価と同義ではなく、サプライヤ評価を
如何に活用していくか、という観点で研究を進めていきました。
そしてアンケート調査、先進企業事例の調査を行うだけでなく、メンバーの属する企業
でのサプライヤマネジメントの仕組みを作るところまで進めていったのです。

正に研究のための研究ではなく、勉強や研究を「実務にインストールする」ところまで
至っています。これは正に今回の勉強会で狙っていたことです。

残り3グループはグローバル調達グループ、組織・体制強化整備グループ、横浜グループ
になります。この3グループでも印象に残ったキーワードはいくつも上げられます。

次回メルマガではこの残り3グループの発表紹介をしていきましょう。



nomachi0306 at 15:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年04月01日

サプライヤモチベーションマネジメント

昨年末のメルマガで私はプチ予言しています。

「・・・新しい日本型調達・購買の方向性が生まれてくることです。私はこれを
サプライヤとの「協働」と捉えています。ここでは特にサプライヤとの関係性作りが
より重視され優秀なサプライヤをより大切にしていく動きがでてくることでしょう。」

「・・特に特定の業種や品目については供給力不足が叫ばれています。サプライヤの
囲い込みや戦略サプライヤ制の導入、サプライヤのモチベーション向上をどうやって
いくか、頭を悩ませはじめている企業やバイヤーも少なくありません。このような視点
からサプライヤとの関係性を捉え、サプライヤのニーズを把握した上で、本来日本企業
が重視し、強みとなってきた「協働」をいかに進めていくか、今後数年間で多くの企業
にとって正に重要な視点となってくることは間違いないでしょう。」

「共通するのは「コスト至上主義」からの訣別という点と言えるでしょう。来年は調達・
購買分野でもサプライチェーン全体の強化を目指し、一方でこのような
「脱コスト至上主義」的な動きが益々出てくることをプチ予言しておきましょう。」

この傾向は昨今益々強くなっているようです。

先日もある企業からこんな相談を受けました。

それは、ある特定の業種でサプライヤ評価を行うソリューションを開発している。
しかし、このソリューションは評価を通じていかにサプライヤのモチベーションを
高めさせるかということを目的にしたものだそうです。もしくはモチベーションが高い
サプライヤを見つけるためにどのような評価をすべきか、という考え方でソリュー
ション開発がなされているとのことでした。

このようなソリューションが必要となった理由としては、この業界の特性として企画
提案力がある人的リソースを重要顧客担当として張り付けており、顧客の差別化を
図っている業界だからです。つまり顧客重要度がAランクに入らないと如何に大手
の企業でも優れた提案が引き出せない状況なのだそうです。逆にAランク顧客に
入ることがよいサービスや提案を受けられる条件となります。Aランク顧客に入る
ためにはサプライヤと協働を進めるための様々な仕組みや買い手企業側の魅力が
高くなければなりません。

こういう傾向が売り手企業(サプライヤ)側から出てきていることは注目すべきです。
サプライヤから見た買い手企業としての魅力度を上げ重要顧客として捉えてもらう
ことが、よいサービスや提案を受けるための必要条件になっています。
言い換えると「サプライヤモチベーションマネジメント」によりサプライヤのやる気を
上げることが買い手企業にとって必須ということです。

モチベーションマネジメントの事例や手法をネット等で調べると、多くは従業員の
モチベーション向上について捉えたものです。所謂B2E(Employee)の領域ですが、
この領域でのモチベーションマネジメントの研究や手法開発は多く行われています。
B2Eのモチベーションマネジメントの施策についてこれらの重要なポイントをまとめる
と以下のような5点にまとめられます。

1.ニーズや願望を理解しリーダーシップを示す
2.成長やそのための機会を与える
3.意味のある仕事をやらせる
4.表彰と報酬
5.人に焦点をあて、評価され耳を傾けられていることを理解させる

これらはB2Eのモチベーションマネジメント施策のポイントですが、よく考えてみると
B2Bでも同じことが言えることがわかります。当てはめてみると。。

1.(サプライヤの)本来のニーズや願望を把握する
:サプライヤの本来のニーズとは何でしょうか。私が尊敬するあるコンサルタントが
おっしゃっていました。「サプライヤの本来のニーズは継続的な売上の確保でも、
収益の拡大でもない。サプライヤの経営者は買い手企業との取引を通じて自社の
競争力が強化され、他社の売上向上にそれがつながっていくことを望んでいる」と。

2.(サプライヤの)成長やそのための機会を与える
:1にも関係しますが、サプライヤにコストダウン活動をさせることは、サプライヤ
自身の競争力強化やそれに基づく他社も含む売上げ拡大の機会を与えることに
つながります。ですから意味のあるコストダウン活動はサプライヤに機会を与える
ことにつながるのです。

3.(サプライヤにとって)意味のある仕事をやらせる
:あるサプライヤは「どのような仕事をやりたいか」と聞かれたときにこう答えたそう
です。「儲かる仕事、、ではなく後世に名が残る仕事、難しい仕事をやりたい」と。

4.(サプライヤの)表彰と報酬
:サプライヤに対する表彰制度を持っている企業は少なくありません。一方で表彰
自体がマンネリ化しているケースも少なくありません。
しかしサプライヤにとってみると、バイヤー企業に「よくやってくれた。」と本心から
言ってもらえることはとても励みになります。大切なのは「本心から」表彰すること。
また報酬についてはリーズナブルな報酬を求めます。ボロ儲けしたい訳ではなく、
仕事に応じた赤字にならない報酬を与えられることが重要なのです。

5.(サプライヤが)評価され耳を傾けられていることを理解させる
従来から申し上げ続けていますが、サプライヤとの間では双方向のコミュニケー
ションが求められます。そのためにはサプライヤの本音を聞く場やそのためのVOS
(Voice of Suppiles)の活動は非常に有効です。サプライヤの声を聞きそれを改善
につなげるという活動はサプライヤモチベーション向上に有効であることは自明の
理でしょう。

このようにモチベーションマネジメントのコツについてはB2EもB2Bも何も変わらない
ことがわかります。サプライヤモチベーションマネジメントの前提となるのは自分を
理解してもらい相手を良く知ることです。自分たちがこういう信頼関係や協働の環境
を作りたいことをサプライヤに理解してもらう。また、相手の会社のカルチャーを知る、
営業パーソンを知る、工場を知る、事務所を知る、これも重要です。こういう相互理解
の活動を通じて相手がこちらを向いてくれているのかを知り、もしくは向いてくれるか
どうかを知る、このような相互理解はサプライヤモチベーションマネジメントの前提と
なります。

先ほど述べたように買い手企業だけでなく売り手企業も売り先を選ぶ時代になって
いるのです。しかし、売り先は必ずしも購買金額の多寡で売り手企業を選んでいる訳
ではありません。そこには購買金額の多寡以外の個別のなにかが含まれています。
ですから相互理解を深め、サプライヤモチベーション向上の施策を地道に講じること
で、Aランク顧客として取引をしていこう(売ってもらおう)というのがこれからの時代に
求められていることなのです。

ある企業の調達担当役員は「評価が高いが信頼関係ができていない会社よりも
評価が低いくても信頼関係が高いサプライヤと取引をする」と宣言されていました。
またある企業の調達担当役員は「先遣隊」と称して生産拠点を作る前に購買部門が
グローバルで優秀なサプライヤを探す部隊を持っていて信頼関係を作っていく、と
言われています。否が応でも既にこのような時代に入っているのです。



nomachi0306 at 15:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月18日

パナソニックの調達改革と方向性の明確化に求められること

SNS等でバイヤーの方で話題にもなっていましたが、先日パナソニックの部品・資材
の調達を一本化し新会社で汎用品の調達を行うという記事が日経新聞に掲載されて
いました。
この記事ではパナソニックが今年の4月より事業部門毎に分散購買している調達機能
のうち、汎用品の調達を一本化しその機能を新会社に移すというものです。調達額は
年間2兆円に達するため共同調達によるコスト削減や成長分野での新規取引先の
開拓を進めることでコスト競争力を高めることを目的としています。

パナソニックはここ数年で私が知る限りでも調達組織を様々に変化させています。
またその内容を新聞等の報道でうかがうこともできます。

2008年-2009年頃は「イタコナ」に代表されるコスト削減活動を事業部間の垣根を取り
払う形で進めています。私の記憶では当時は本社傘下の集中購買機能が強化された
時代でした。
それが7221億円という大幅な最終赤字となった2012年3月期とともに、2014年4月より
調達、物流本部をシンガポール拠点を移転するという発表がなされています。また
調達先についてもグローバルで4割減の約1万社を目指すという方針も同時期に発表
されたようです。
2012年10月からは本社機能の改革を推進しスリム化を進めています。調達・環境
・品質保証・情報システムなどの事務部門他からは希望退職を募ることで人員の削減
を図り、本社機能は意思決定のスピードを上げるための「小さな本社」が指向されま
した。調達部門はこの時期に関連事業に移行されたとされています。つまり従来
進められた集中化から分散化に方向が変わったとも言えます。
しかしこのような分散の方向に対し今回の記事は、部分的とは言え、再度集中購買化
を進めるというまた回帰するような正反対の内容に読み取れます。

ここに上げている情報は殆どが新聞やその他の雑誌、インターネット等の情報なので、
必ずしも正しい情報なのかどうか不明です。また発表はしたものの実際には実行して
いません、ということもあるでしょう。要するに実態がどうなのか詳細は不明です。

しかしここ数年の間に起きているこれらの記事で取り上げられていることが、全て矛盾
しているかというと、そうではありません。何故ならどんな企業も全ての調達購買に
関して集中購買を行っている訳ではありませんし、全ての買いモノを分散購買という
企業も考えにくいからです。
2007年に弊社が購買部門長向けに実施したアンケート調査によりますと、回答企業の
48%の企業の購買組織は「全社の集中購買部門と事業部・事業所別の購買部門が
並立している」いわゆるハイブリッド型でした。同調査によりますと大企業の約70%は
やはりハイブリッド型組織であると回答しています。ですから部分的に集中化し、
部分的に分散化している、という企業はごくごく一般的な状況であることが理解できる
でしょう。

このように集中購買なのか、分散購買なのか、というように全てに白黒をはっきりつける
ことは難しいことも多いです。しかし何かの改革を進める時に明確な方向性を示すため
シンプルな手法やキーワードもしくは、KPI(Key Performance Indicator)を持ったり
設定したりすることは、とても有効なことです。

例えば「集中化」「競争化」「標準化」。これはある企業の中計でのKPIですがシンプル
で分かりやすい。例えば改革を推進する上ではこのようなシンプルなKPIを持つこと
で改革の方向性を共有することが可能となります。しかし、これらのキーワードやKPI
が独り歩きすることは避けなければなりません。これらのキーワードやKPIはあくまでも
手段です。目的はこれらを徹底することではなく、「集中化」「競争化」「標準化」を徹底
することで最適な調達を実現することだからです。よく見られるのはあくまでも手段で
あるべきこれらのキーワードやKPIが目的化してしまうことです。

「競争化」などでよく起こり得る事例を上げてみましょう。多くの企業では「競争化」の
徹底という方針の元、購買部門だけでなく全ての社内部門に対して相見積りの入手等
をルール化させていることが一般的です。しかしそもそも比較できないものを、無理やり
比較し、最終的にはユーザー部門などの社内部門が自分達が使いやすいサプライヤ
を採用するのだが、そのサプライヤに対して他社の安価情報を指値して値段を引き
下げていくなどの状況が起こりえます。
サプライヤにしてみれば全く理不尽な状況です。そもそも同じ仕様や前提条件ではない
モノを横並びさせ無理やり価格だけ合わせようとする訳ですから当たり前のことです。
その上「競争化」のルールは守っているから問題ありませんよね、となります。

これは、そもそも比較できないものを比較しようとするから問題となるのです。比較でき
ない状況は調達購買の場面では必ずでてきます。もし比較できないのであれば、
コスト分析等で価格妥当性を評価できれば最適価格は担保されます。目的は競争させ
ることではなく「公平公正なプロセスで最適サプライヤーを最適価格で選定すること。」
なのです。

繰り返しになりますが、それでも「競争化」「相見積の義務付け」等のシンプルなキーワ
ードやKPIは有効。重要なのは改革のステップやフェーズ毎に応じた購買改革手法
やキーワード、KPIを検討、設定していくことなのです。これらのキーワード、KPIを上手く
活用することで改革のスピードを上げ、改革の方向性を調整していくことが可能となる
のです。
今回のパナソニックの新聞記事を読んで改めて感じたことを述べてみました。



nomachi0306 at 16:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月04日

購買部門の動かし方

私の手元に日本の大手企業3社の調達部門の行動指針があります。
どれも素晴らしい内容です。有りがちな調達基本方針や中期計画とは異なり永劫的
な共有する価値観や心構え、行動の指針となるものであり、そういう意味ではクレド
(信条)に近いものと言えるでしょう。

クレド(信条)については以前メルマガでも何度かふれたことがあります。
http://www.agile-associates.com/2008/10/2008103.html

「トヨタの強さはクレドにある」ここではトヨタ自動車の行動指針について、「共通言語や
共通の信条を持ち、それを『地道に、愚直に、徹底的にやりきる』ことにトヨタの強さが
あるとメルマガに書きました。
クレドというのは「信条」を意味するラテン語で、 「企業の信条や行動指針を簡潔に
記したもの」を指します。たいへん有名なのは米国ジョンソン&ジョンソン社の事例です。
そういう意味で手元にある大手企業3社の行動指針は調達部門のクレドと言っても
よいでしょう。

3社の調達部門のクレドにはいくつかの共通点があります。

その1点目は「シンプルで分かりやすい」ことです。
日本企業は昨今グローバル化しており調達部門も日本だけでなく海外製造拠点にも
点在するようになっています。日本に在住するバイヤーよりも海外にいるバイヤーの
方が人数が多い企業も珍しくなくなっています。
こういう時代だからこそ、シンプルで分かりやすい行動指針が必要です。
1社のクレドはA4で3枚にも亘るものですが、憶え易いシンプルなキーワードと
行動指針の背景や考え方、過去の事例など分かりやすくまとめています。
また別の企業のクレドはビジョンとミッションが記載されており1枚のカードとして
印刷配布されているものです。キーワードはとてもシンプルでやはり分かりやすい
言葉を使っています。
他の1社の行動指針は昭和12年というかなり歴史が古いものですが、シンプルかつ
先進的であり、今読んでみても全く古さを感じさせません。

共通点の2点目は「調達部門のコアミッションを提示」していることです。
「コアミッションはどこの企業も調達基本方針や中期計画などで提示しているから
一般的な話でしょ」と言われそうですが、手元にあるクレドを読むとより伝わって
きます。特に企業の調達部門として、一般的に言われている調達部門のミッションに
対して何を重要視して我々には何が求められているのか、という内容を3社のクレド
からは読み取ることができます。QCDであればその優先順位は何か、またQCD以外で
重要視すべき項目は何か、これを明確に示しているのです。
当然3社のコアミッションやその優先順位はそれぞれ異なりますが共通する点も
見られます。例えばサプライヤマネジメントの重要性です。サプライヤを単なる取引先
として捉えるのではなくパートナーとして捉え、真の意味での共存共栄を図ることを
重要視する、この点は3社共通した調達部門のコアミッションとして読み取れます。

最後の共通点は「部門長の思い」です。
3社のクレドの最後にはいずれもその指針を作成した年月と部門長の名前(署名)
が記されています。加筆や修正もあったでしょうけど、何れも部門長自らの思いを
語っているものなのです。そういう意味では部門長の思いを価値観として伝え、
その価値観を共有することを目的にしています。
1社のクレドの最後にはこういう言葉が書かれています。
「誇りと責任を持って、日々の仕事に取り組んで欲しい・・」
また、別の1社のクレドにはこう書かれています。
「その業務を通じてワクワクするような職場体験を・・業務に従事し、・・」
もう1社のクレドには「ただ単に自分の立場ばかりが有利になることに没頭する
ことを避けること」と明文化されています。
このようにいずれの会社のクレドも「部門長の思い」を価値観として共有させることを
意識したものになってるのです。

これらのクレド(行動指針)を作られた企業の調達部門は非常に困難な取り組みや
先進的な取組みを成功されている企業です。これらの企業は中長期にわたり
調達部門が何を果たすべきか、そういう中でバイヤー各人がどのような役割を
果たしていくべきなのか、これらを良く考えている「ぶれない芯」を持っている
企業なのです。
逆にこのようなクレド(行動指針)を作成することで部門長が持っている「ぶれない芯」
を多くの部員に対して伝えていくことを目的にとしているのではないでしょうか。

これからますますグローバル化が進む中で企業はますます多様化した多くの部員を
抱えていくでしょう。このような時代背景下このようなクレド(行動指針)を持つことは
ぶれない芯や思い、価値観の共有には欠かせないものになるでしょう。

そろそろ人事異動の時期です。新しい部門長は自分の伝えたい思いをこのような
クレド(行動指針)をして作成することから始めてみてはいかがでしょうか。



nomachi0306 at 15:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)