2014年01月

2014年01月21日

購買手法

研修やコンサルティング等でお客様と話をしている場面でよく聞かれることがあります。
「私の知らない購買手法を教えてもらえませんか?」

この質問には戸惑ってしまいます。
レストランのメニューなモノの販売ではないので、全てを網羅した購買手法一覧の
ようなものは(一応作ってはいますが)提示することは難しいからです。
また、その人が知っているか知らないか、また知っているレベルの話を聞かなければ
分からないからです。もっと言えば皆さんが知らないような(新しい?)購買手法などは
殆どないからです。

集中購買推進もしかり、開発購買もそう、一時期多くの企業で取組みをしたリバース
オークション、コスト分析手法、最近で言いますとBCPやサプライヤマネジメント、
グローバル調達等様々な取組みがありますが、多くの企業で全く取り組んでいない
手法など殆どない、というのが実態だからです。つまり多くのバイヤーは8割方の
購買手法は知っているのです。

一方で知っているとやっているは大違いですし、ある購買手法をやり始めてみると
それなりに共通した課題がでてくることも間違いありません。多くの企業ではこれらの
共通した(もしくは固有の)課題を乗り越えながら調達・購買部門の進化につなげている
のです。

「知っている」から「やっている」に、「やっている」から「定着させる」に。
重要なのはここなのです。

調達・購買業務はモノを買うということですから、所詮「何」を「どこ」から「いくら」で
「どのように」買うか(買い続けるか)なのです。ですから、やらなければならないこと、
採用できる購買手法など、そう多くないのは当り前なことなのです。例えば
コスト削減手法で言いますと「(交渉等で)安くする」「安いところから買う」
「安いモノを買う」「無駄な買い物をしない」の4手法位しかない訳です。
これらの4手法がどのように当てはめられるか検討することを全てのバイヤーが
いつも「やっている」のが「定着」している状況なのです。
ソーシング業務も同じです。未だに多くの企業で提案依頼や見積依頼は口頭だったり
メールだけできます。そうではなくきちんと前提要件を明確化しマスト要件とベター要件
を切り分け、仕様要件を明文化するだけでなく見積の前提となる商業要件などを網羅し
明文化した依頼書で依頼を「やっている」企業は意外と多くありません。

逆にこのような依頼を行うだけでその企業の調達・購買力が推し量れますし、そのような
依頼を受けた営業は、「これはいい加減な見積りや提案はできないな」となります。
これを常時誰もがやっている状況が「定着」している状況なのです。

以前にも書きましたが調達・購買力が高い企業とはどんな企業ですか、と聞かれると
私は「徹底力がある会社」と答えます。
実際、調達革新大会などで先進企業の調達・購買改革の取組みを伺って共通している
ことは「何か新しいことをやっている訳ではなく決められたやり方を徹底しているだけ」
と多くのマネジメントの方がおっしゃります。
以前トヨタ自動車の調達担当常務がこうおっしゃっていました。
「『愚直に徹底的にやりぬく』これが我々の強みです。」と
そう、求められるのは「購買手法」の発見ではなく、当たり前のことをやり抜く力なのです。



nomachi0306 at 13:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年01月08日

新しい年を迎えて

読者の皆様へ

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。


新しい年を迎え本来はここで今年一年の抱負や展望などを述べるところです。
私の場合あまりそういう人柄でもないので自分の好きな言葉を皆様に贈ります。

それは「目の前のことを一生懸命頑張る」ということです。
戦略性や主体性が欠如していると思われるかもしれませんがこれが私が大事に
している軸のようなものです。

将来のことや結果に不安を感じるのは当たり前です。だからと言って手を抜いたり
ズルをすることからは何も生まれてきません。もし将来や結果が良くなくても常に
「目の前のことを一生懸命頑張る」ことが大事だと私は常に考えています。

これは仕事だけでなく非営利な活動や趣味についても同じことです。
ある人からこういう言葉を戴いたことがあります。


「一生懸命頑張っている人は、一生懸命頑張る人がわかり、同時に楽やズルを
する人を見分けることができます。
一生懸命頑張る人の周りにはズルをする人はいないので、ズルをする人の周り
にはズルをする人が集まるそうです。だからそういう人はその中でいつかしっぺ
返しにあうのです。
正しい行いは必ず正しい行いをしている人に伝わるから、正しい行いをしなさい
ということです。」


素晴らしい言葉です。ただ実際には自分が正しいと思っている行いがいつも正しい
とは限りませんし、伝わらないことも多々あります。


しかし「今できる正しいと思うこと」をやり続けることが自分や周りの人を動かす
原動力になることは間違いありません。


今年も将来の失敗を恐れずに「目の前のことを一生懸命頑張る」ことを自分の
軸にしていこうと改めて思う2014年午年の正月です。


皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。


2014年1月
野町直弘


今年は昨年以上に発信をしてきたいと考えています。

まずは既に手掛け始めている「調達・購買部門の体制に関する調査」をやります。
昨年はアジルレポートの発行はしていませんでしたので久しぶりの発行となります。
それから昨年の1月からスタートした「調達・購買・資材改革推進者勉強会」の発表会
などの研究発表の発信、これも積極的にやっていきます。

ご期待ください。



nomachi0306 at 14:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)