2007年03月11日

購買部の2007年問題(投稿者:野町直弘)

数年前から「2007年問題」が巷間でよく話題になっています。

2007年問題とは?

「団塊の世代、中でもこの世代でもっとも多い1947年生まれの労働者たちが、2007年に60歳を迎え、定年退職することにより、企業活動に大きなダメージを与えるという問題をさします。この問題は、2005年度版の『ものづくり白書』でも取り上げられ、全産業の約22%、特に製造業では約31%の企業が危機感を感じているとの意識をもっているとされています。」

最近、コンサルティングのテーマや顧客との会話の中でもこのような課題に関するディスカッションが増えてきています。

よくこのブログ(メルマガ)でも取り上げますが、(特に日本の)「購買業務は属人的な世界であり、熟練工の世界である」という点から、購買部でも2007年問題が今後大きな問題になっていくと思います。

購買業務のスキルセットは従来、「先輩の仕事のやり方を隣で見ながら盗むもの」という世界だったと思います。

一方、購買業務自体の複雑性や求められる機能が高まってきていること、90年代後半以降、リストラが進行し、「面倒見の良い先輩」がもう既にいなくなってしまったこと、バイヤーという人たちに求められるスキルは新人でもベテランでもその基礎的な能力は変わらないこと、等の理由により既にこの「先輩の仕事のやり方を隣で見ながら盗む」ことがやりにくくなってきています。

今までの日本経済を背負ってきたのはいい意味でも悪い意味でも間違いなく団塊の世代です。
彼らが大量退職した後、熟練バイヤーのやり方を継承することが一層できなくなり本来であれば基本的な、分析→サプライヤ評価→サプライヤセレクション→契約業務、等の一連の購買プロシージャーすら実経験を持たないバイヤーの「迷える子羊化」が進行することは間違いありません。

こういう状況下、企業の購買マネジメント層はどうしていけば良いでしょうか?

これも繰り返しになりますが、一つは社内の教育体系の整備が上げられるでしょう。
但し教育体系と言ってもいろいろな方法があります。

資格取得制度の活用、社内の勉強会、外部の教育等々。

私は現状の教育で足りないものは2点あると考えています。

一つは「体系的な理解」もう一つは「その場だけの勉強にしない」という点です。

「体系的な理解」という点については、バイヤーたるもの、何を目的にどのような知識・能力が必要なのか、それが実際の仕事のどういう領域でどのように役に立つのか?という視点から網羅的にそれを理解させるということです。

「下請法」「VA、VE」などのプログラム自体は大切ですが、何故そのプログラムが必要なのか?法律であれば下請法だけでなくその他購買関連の重要法規としてどのようなものがあり、契約業務との絡みでどのような考慮、留意をしなければならないのか?体系的に教えてくれる書物、プログラム等があまりにもプアです。

「その場だけの勉強にしない」という点は、教育方法を変える必要があると思います。通常、教育は学校方式の座学であるケースが多いです。一方でビジネススクールではケーススタディ等を通じ疑似体験をさせ、そこから最適解を導き出すようなプログラムを実行しています。

属人的な業務であればあるほど、このような教育方法は有効だと思います。
そういう点から、ケーススタディ、ワークショップ方式のセッション、ロールプレイ、シミュレーション、等を活用して従来のOJTに代替するような教育方法を多用することは非常に有効だと思います。

ちょっと宣伝になりますが、アジルのトレーニングは正にこのような疑似体験を多用する教育方法を採用しています。教える方も同じケースで色々な考察、結果がでてくるのでとっても面白いです。

企業の皆様にも是非このような教育方法をトライして2007年問題解決の一助にしていただければと思います。



nomachi0306 at 10:17│Comments(0)TrackBack(0)

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