何度か当ブログでもご紹介していますが、米国にはCPGS(Conventional Prompt Global Strike:通常兵器型即時全地球攻撃)構想というものがあります。CPGSとは、「地球上のあらゆる場所へ1〜2時間以内に通常戦力による攻撃を行う」というコンセプトです。核抑止力の「一部」の代替、もしくは通常戦力と核戦力の「隙間」を埋めるものとして期待されているものですが、CPGSの研究・開発は様々な組織によって数種類のものが手がけられています。空軍と米国防高等研究計画局(DARPA)が進めている極超音速技術実証機「Falcon HTV-2(Hypersonic Technology Vehicle-2)」などが一例ですね。
さて、17日午前6時30分(東部時間)、陸軍のCPGS研究である「先進型極超音速兵器(Advanced Hypersonic Weapon:AHW)」の初実験が実施されました。空軍のCPGS計画のリスク軽減を支援するものと位置付けられるプロジェクトですが、これが成功したようです。
国防総省の発表によると、実験の目的は、極超音速ブースト滑空(hypersonic boost-glide)技術のデータ収集と、大気圏内における長距離飛翔の試験(空気力学、ナビゲーション、誘導、コントロール、熱防護技術等)に置かれました。そして、実験では3段式ブースト・システムがAHW滑空体を発射し、極超音速速度で所期の軌道(平たい非弾道軌道)を描いた模様です。陸海空、そして宇宙に配置されたプラットフォームによって各種データも一通り収集されたとのことです。なお、ブースター・システムと滑空体はサンディア国立研究所によって、熱防護システムは陸軍航空ミサイル研究開発技術センターによって開発されたものです。
「平たい非弾道軌道」は、CPGS兵器の特徴ですね。CPGS構想に対する懸念としては、CPGS兵器が発射されたことを他国が検知し、それが核攻撃であると誤認し、核戦争へとエスカレーションすることが挙げられます。この点、「平たい非弾道軌道」は、通常の弾道ミサイルとは異なり、大気圏内を飛翔して弾道軌道も描かないことから、核ミサイルであるとの誤認問題を回避する手段とされています。
Global Securityによると、AHWは、6,000kmを35分で飛翔、CEP(半数必中界)は10m以内、という性能を目指しているようです。これだと時速10,285km(マッハ8.4)ほどの速度を出せるということになりますね。ただ、射程距離が6,000kmほどですので、「地球上のあらゆる場所」を攻撃するには前方配備の必要があります。
【参照記事】
【参考資料】
さて、17日午前6時30分(東部時間)、陸軍のCPGS研究である「先進型極超音速兵器(Advanced Hypersonic Weapon:AHW)」の初実験が実施されました。空軍のCPGS計画のリスク軽減を支援するものと位置付けられるプロジェクトですが、これが成功したようです。
Department of Defense Announces Successful Test of Army Advanced Hypersonic Weapon Concept (国防総省)
国防総省の発表によると、実験の目的は、極超音速ブースト滑空(hypersonic boost-glide)技術のデータ収集と、大気圏内における長距離飛翔の試験(空気力学、ナビゲーション、誘導、コントロール、熱防護技術等)に置かれました。そして、実験では3段式ブースト・システムがAHW滑空体を発射し、極超音速速度で所期の軌道(平たい非弾道軌道)を描いた模様です。陸海空、そして宇宙に配置されたプラットフォームによって各種データも一通り収集されたとのことです。なお、ブースター・システムと滑空体はサンディア国立研究所によって、熱防護システムは陸軍航空ミサイル研究開発技術センターによって開発されたものです。
「平たい非弾道軌道」は、CPGS兵器の特徴ですね。CPGS構想に対する懸念としては、CPGS兵器が発射されたことを他国が検知し、それが核攻撃であると誤認し、核戦争へとエスカレーションすることが挙げられます。この点、「平たい非弾道軌道」は、通常の弾道ミサイルとは異なり、大気圏内を飛翔して弾道軌道も描かないことから、核ミサイルであるとの誤認問題を回避する手段とされています。
Global Securityによると、AHWは、6,000kmを35分で飛翔、CEP(半数必中界)は10m以内、という性能を目指しているようです。これだと時速10,285km(マッハ8.4)ほどの速度を出せるということになりますね。ただ、射程距離が6,000kmほどですので、「地球上のあらゆる場所」を攻撃するには前方配備の必要があります。
【参照記事】
- CPGS(通常兵器型即時全地球攻撃)の役割と課題について(1)
- CPGS(通常兵器型即時全地球攻撃)の役割と課題について(2)
- CPGS(通常兵器型即時全地球攻撃)の役割と課題について(3)
- 無人極超音速機「X51Aウェーブライダー」試験終了
- 極超音速機 X51A 2度目の実験は失敗
- 極超音速技術実証機「HTV-2」:2回目の実験も失敗
【参考資料】
- Army Successfully Tests Hypersonic Weapon Design (Defense Tech)