北朝鮮のロケットが発射されました。

ロケットは何らかの理由(修理など)で解体されているという韓国政府筋からの情報もあったので、少なくとも今週の打ち上げはないという見方もありました。ロケット解体は日米韓の衛星によって確認された情報をもとにしていたと韓国では報じられていますが(参照)、実際のところどうだったのでしょうね。

そういう意味で、今回の発射騒動ではIMINTがどうだったの?と思わなくもありません。ひょっとすると解体したロケットがダミーだったという可能性とかはあるのでしょうか?まさか移動発射式だったとは思いませんし、サイロ発射もないだろうし…。自衛隊や米韓軍、政府レベルでは怠りなかったでしょうが、やっぱり意表を突かれましたよね。仮に北朝鮮が、日米韓のインテリジェンスの目から発射までの動きを秘匿(または欺瞞)できたのだとしたら、そちらのほうが大きくクローズアップされる問題のような気がします。


いずれにしても、打ち上げからブースターの切り離しまでは計画通りだった模様です。

09:49 発射
09:58 1つ目の落下物が朝鮮半島の西方約200kmの黄海に落下(おそらく1段目ブースター)。
09:59 2つ目の落下物が朝鮮半島の南西約300kmの東シナ海に落下(おそらく衛星フェアリング)。
10:01 先島諸島上空を通過。
10:05 3つ目の落下物がフィリピンの東約300kmの太平洋上に落下(おそらく2段目ブースター)。

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肝心の衛星の軌道投入ですが、朝鮮中央通信は成功と発表していますね(参照)。もし事実なら、韓国は北朝鮮に先を越されてしまいました。

しかし、人工衛星からの信号を受信、またはレーダーで確認できれば衛星投入の可否が判明しますが、北朝鮮がそのような確認のための技術があるのかどうか疑わしいので、最終的にはアメリカからの情報を待つことになりますね。北朝鮮の関係者も実はアメリカの発表をドキドキワクワクソワソワしながら待っていたりするかもしれません。

<追記> 衛星は太陽同期準回帰軌道に投入されたようです。NORAD発表。認識番号も「2012-072A」と付されました。

北朝鮮のロケット(テポドンと同じ技術)の発射成功が日本の安全保障上の脅威をぐっと高める、というわけではありません。北朝鮮はすでに日本を射程に 収めたノドンの発射能力を持ち、日本が備えるべきはこのMRBMです。本来、ミサイル防衛もこのノドン迎撃を目的としたものです。テポドンの成功で安全保障上の問題が増えるのはアメリカで、日本は同盟国としてどう対処するか、という点が焦点となります。

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ロケット発射が失敗しようが成功しようが、発射自体が安保理決議違反です。発射しようと思い立ったということが、国際社会の取り決めに従おうという意思のないことを示しており、日本の報道で事実上の弾道ミサイルと言ったりロケットと言ったりするのはあんまり大きな問題ではありません。

今後この問題は国連安全保障理事会へ舞台を移します。そして、北朝鮮の次の行動も注目されるところです。



<追記>
先日の記事でも取り上げた「北朝鮮が事前に通告した軌道傾斜角では太陽同期軌道に投入できない」、という問題ですが、台湾沖上空で「ドッグレッグターン(軌道をくの字に曲げること)」を行い、正しい同期軌道に修正したようです。NPTや安保理決議に違反してさえなければ、快挙として祝福されるほど凄いことを北朝鮮はやったわけなんですけどねえ…。

衛星の飛翔経路については、柏井勇魚さまのブログ「lizard-tail.com」にて大変分かりやすく解説されています。必読ですよ!