今月5日に行われたGBI(Ground Based Interceptor)迎撃試験「FTG-07」失敗の原因に関し、Missile Defense Advocacy Alliance(MDAA)から現時点での調査報告が発表されています。いずれ国防総省やミサイル防衛局(MDA)から公式の調査結果が出ると思いますが、まずはこちらを。

7/10/2013 - Failure to Separate (MDAA)

MDAAの発表によると、試験失敗の原因は、迎撃体(KV)「CE-I」自体やシステムの不具合ではなく、GBIの三段目ブースターの切り離しがうまくいかなかったことにあるようです。宇宙や地上、海上に配備されたセンサー群や、そこから得られるデータのリンク及び処理は機能し、標的の探知、追跡、識別などは問題なかったようです。標的の模擬弾道ミサイルも正常に発射されています。

ブースター切り離しの不具合が、今回の試験で用いられたGBIだけに起こった例外的な問題なのか、それともGBIというシステム全体の問題なのか、という点がこれから検証されなければならない、とMDAAは指摘しています。

いずれにしても、CE-Iの改善点を確認できなかった点は痛いですね。CE-Iは、2006、2007、2008年の迎撃試験で用いられ、MDAはいずれも「成功」と位置付けています。試験の所期目標をクリアしたという意味では「成功」なのですが、ハードウェア、ソフトウェアともに問題があったことは米会計検査院(GAO)の報告書でも指摘されています。24〜25カ所ほどの修正点を見直し、改善したCE-IのパフォーマンスをチェックすることがFTG-07の所期目標でしたが、今回はそれも果たせませんでした。

ブースター切り離しというのは、これまでの試験では確認されていない不具合であることから、今回使用したGBIだけの例外的異常とも考えられるという見方をMDAAは示していますが、この点は今後の調査が待たれるところです。

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2014会計年度初頭にCE-IIを用いた「FTG-06b」が予定されていて、ここでひょっとするとICBM迎撃試験が行われるかもしれません。2014会計年度末には、CE−IIによる二段または三段式GBIの迎撃試験「FTG-09」も予定されています。


【参考資料】
2013年5月8日の米下院軍事委員会におけるミサイル防衛局長官ジェームズ・D・シリング海軍中将の発言。
[PDF] http://docs.house.gov/meetings/AS/AS29/20130508/100780/HHRG-113-AS29-Wstate-SyringUSNV-20130508.pdf  5ページ。


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