米、イージス艦2隻追加配備へ=北朝鮮対応で連携確認−日米防衛相(時事通信 2014/4/6)

小野寺五典防衛相は6日、ヘーゲル米国防長官と防衛省で会談した。北朝鮮による3月の弾道ミサイルを発射を踏まえ、韓国を含む3カ国が北朝鮮対応で緊密に連携することを確認した。ヘーゲル長官は、弾道ミサイル対応型のイージス艦2隻を2017年までに日本に追加配備する意向を表明。これにより、米軍が日本に展開する弾道ミサイル対応型のイージス艦は計7隻となる。

最近、北朝鮮がまた弾道ミサイルやロケット発射演習をして国際社会の注目を引こうとしています。もはや春の恒例行事のようになっていますが、捨て置くわけにもいきません。ムスダンKN-08改め火星13(ファソン13)など、地域の脅威となる弾道ミサイルが登場しているのも事実ですし、新たに核実験を行うかもしれないという情報もあります。

こうした情勢を踏まえ、米第七艦隊の弾道ミサイル対応力が強化されることになりました。

現在、横須賀を母港とする第七艦隊のイージス艦は9隻です。
  • タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「アンティータム」
  • タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「シャイロー
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ステザム
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「マッキャンベル」
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ラッセン」
  • アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「マスティン」
このうち、太字で表示したものがスタンダードSM-3を搭載した弾道ミサイル防衛(BMD)艦です。現在は5隻あるイージスBMD艦を2017年までに7隻へと増強する、というのが今回のヘーゲル国防長官の発表です。おそらく非BMD艦がBMD艦と入れ替わるのではないかと思われます。

なお、海上自衛隊は現在、SM-3搭載のイージスBMD艦を4隻を配備しています。こんごう型護衛艦「こんごう」、「きりしま」、「みょうこう」、「ちょうかい」です。あたご型イージス護衛艦「あたご」、「あしがら」の2隻もSM-3を搭載するべく改修予定ですし、さらに2隻のイージス艦を調達予定で、2020年には8隻体制になることが決定しています。

第七艦隊のBMD艦が7隻となれば、緊急時であっても日米あわせて約10隻が各艦8発のSM-3を搭載して待ち構えることになります。これまでの北朝鮮弾道ミサイル発射事案の際には、一般にはまだ何も報道されていない段階で嘉手納基地に弾道ミサイル観測のためのコブラボールが飛来し、米軍の情報収集力の高さをうかがわせています。ミサイル大量発射の兆候があれば、日米のイージスBMD艦のほとんどがオンステージに入るでしょう。さらに、航空自衛隊が保有するPAC-3は約200発。在日米陸軍もPAC-3を配備(約400発)。加えて、有事には米本土からTHAADを含めた増援部隊が派遣されます。

北朝鮮が日本を攻撃する際に用いる弾道ミサイルは、ノドンです。北朝鮮はノドンを200発保有していると見られますが、発射機は50基以下なので、一斉発射できる数は50発以下ということになります。また、仮に50発同時に撃てたとして、すべてを同時に誘導できるか、と言う問題もありますね。

世界的に見てもここまで分厚い弾道ミサイル防衛網を張っている国は少なく、日本を弾道ミサイル攻撃しようとすると、相手はかなりの負担を強いられる状況になっています。MDを突破するには、強力な弾道ミサイル開発のためのコストだけでなく、数もそろえなければなりませんからね。これぞ、まさに拒否的抑止力です。


【海上自衛隊のミサイル防衛実験について】
【SM-3の迎撃実験成績】