GMD20140622
ミサイル防衛局より)

米本土をICBMから防衛するシステムは、GMD(Ground-based Midcourse Defense:地上配備型ミッドコース防衛)です。GMDで使用される迎撃ミサイルは、GBI(Ground Based Interceptor)と言い、現在フォートグリーリー基地(アラスカ)に26基とバンデンバーグ空軍基地(カリフォルニア)へ4基配備されています。 北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化を受け、さらに14発のGBIを2017年までにフォートグリーリーへ追加配備することが2013年3月に決定しました。

GBIには、「CE-I」と「CE-II」の2種類の大気圏外迎撃体(EKV)があります。「CE-I」は2005〜2010年に5回の実験を行っており、そのうち3回が迎撃実験でした。3回の迎撃実験はいずれも成功とされています。その後、「CE-I」は十分な持続可能性を持たないと評価され、2004〜2005年から「CE-II」の開発が始まっています。

現在、開発が難航しているのが「CE-II」です。「CE-II」は2008年から配備が始まり、配備中のGBI×30発のうち、10発が「CE- II」なのですが、「CE-II」は2010年に行われた2度の迎撃実験(FTG-06、FTG-06a)にいずれも失敗しています。

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FTG-06aの失敗の結果、問題解決と迎撃実験の成功までは「CE-II」の調達が停止され、2013年に決定した14発のGBI追加も「CE-II」迎撃実験成功まで待たれることとなっていました。

そうした状況の中、22日、「CE-II」を搭載したGBIによる3度目の迎撃実験が行われました。

Target Missile Intercepted Over the Pacific Ocean During Missile Defense Exercise(ミサイル防衛局)



マーシャル諸島クェゼリン環礁から発射された中距離弾道ミサイル標的を、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から発射されたGBIが太平洋上空で迎撃に成功しました。これは、「CE-II」EKVにとって初めての迎撃成功です。

実験では、イージス駆逐艦「ホッパー」が前方展開して探知と追跡を担い、C2BMCシステムを経由してGMD射撃システムへデータを送ったようです。海上配備型Xバンドレーダーも前方展開して探知・追跡情報ノードとして支援したとのことです(ローンチ・オン・リモートとエンゲージ・オン・リモートについては『週刊オブイェクト』様にて解説されています)。

本実験により、「CE-II」の調達再開ならびに14発のGBI追加計画も前進することになるでしょう。カナダのミサイル防衛参加の話も進展があるかもしれません。



【参考】
Transcript: Admiral James A. Winnefeld, Jr. at Global Missile Defense Conference (大西洋評議会)
ローンチ・オン・リモートとエンゲージ・オン・リモート(週刊オブイェクト)