北朝鮮の地球観測衛星「光明星4号」をのせたロケットが発射されました。今回発射されたロケットは、爆弾を運ぶときには「テポドン」、人工衛星を運ぶときには「銀河○○号」という2つの名前を持ったロケットです。
2012年の光明星3号1号機(失敗)、光明星3号2号機(成功)に続き、3機目の人工衛星打ち上げですが、どうやら太陽同期軌道への投入に成功したようです。詳細は国際機関あたりの情報を待つことになると思います。
前稿で触れたとおり、「事実上のミサイル」などという表現を用いずとも、北朝鮮の人工衛星打ち上げは国際的に十分非難されうる行為です。
日本もH-IIAロケットを打ち上げていますが、日本にはその権利があり、現在の北朝鮮にはありません。北朝鮮は2006年7月にスカッド、ノドン、テポドン2あわせて計7発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことにより、ミサイル技術に関する活動を制限されています。人工衛星だろうと核兵器だろうと、北朝鮮によるロケット/ミサイル発射は、国連安全保障理事会決議1695、1718、1874への違反ということになるのです。ちなみに、形骸化しているとはいえ日朝平壌宣言にも違反しています。
北朝鮮は2012年と同じく、今回も国際機関へ事前通告を行ったり、宇宙条約に基づいた宇宙空間の平和利用を謳っています。しかし、安保理決議を無視してロケットを発射しようと思い立った時点で、国際社会の取り決めに従おうという意思のないことが明白です。
弾道ミサイル≒人工衛星ロケット
弾道ミサイルと人工衛星打ち上げに使われる運搬体はほぼ同じものであり、互換性のある技術です。ロシアではミサイルもロケットも「ラケータ」(ракета)というようですね。テポドンも銀河号もロケット部分はほぼ同じです。また、弾道ミサイルは狙った標的へ着弾、人工衛星ロケットは狙った軌道へ投入するという点も近しい技術です。
もちろん、両者には違いもあります。おおざっぱ過ぎる言い方ですが、弾道ミサイルと人工衛星ロケットは、「何を運ぶか」「どのように飛ぶか」という点が異なります。
たとえば弾道ミサイルとして用いるテポドンの場合、ロケットの弾頭に爆弾をのせて、山なりに高度1,000+kmほどの宇宙空間まで飛ばし、放物線(弾道軌道)を描いて再び地上に帰ってくるように飛ばします。
(アメリカのICBM・ミニットマン3の軌道イメージ(※音量注意))
他方、人工衛星運搬体として用いる銀河号の場合、ロケットの弾頭に宇宙衛星をのせてほぼ水平に飛ばし、高度約500kmの太陽同期軌道へ投入します。
(北朝鮮の銀河3号1号機(2012)の軌道イメージ)

(射程12,000kmのICBMと銀河3号(2012年打ち上げ)の発射距離ごとの高度比較)
弾道ミサイルの技術として特筆すべきは、再突入体(Reentry Vehicle;RV)でミサイルの弾頭を保護している点です。北朝鮮にとってはこの再突入体技術の確立が越えなければならないハードルです。大気圏外から大気圏に再突入する際、高温によって弾頭部の爆弾が燃え尽きたり正常に作動しなくなってしまうので、再突入体は弾道ミサイルには不可欠な技術なのです。今後、再突入体のための発射実験を始めれば、日米韓が受ける脅威度は衛星発射の比ではないでしょうね。
2012年の光明星3号1号機(失敗)、光明星3号2号機(成功)に続き、3機目の人工衛星打ち上げですが、どうやら太陽同期軌道への投入に成功したようです。詳細は国際機関あたりの情報を待つことになると思います。
テポドンと共通の技術をもったロケット発射実験だからといって、日本の安全保障上の新たな脅威に!というわけではありません。北朝鮮はすでに日本を射程に収めた準中距離弾道ミサイル「ノドン」の発射能力をもち、日本が備えるべきはこのミサイルです。本来、ミサイル防衛もこのノドン迎撃を目的としたものです。テポドンやKN-08といったICBM級の実験成功で安全保障上の問題が増えるのは米国で、日本は同盟国として米国とどう協力し、地域関係国と連携するか、という点が焦点となります。
いかなるロケット/ミサイル発射も安保理決議違反
前稿で触れたとおり、「事実上のミサイル」などという表現を用いずとも、北朝鮮の人工衛星打ち上げは国際的に十分非難されうる行為です。
日本もH-IIAロケットを打ち上げていますが、日本にはその権利があり、現在の北朝鮮にはありません。北朝鮮は2006年7月にスカッド、ノドン、テポドン2あわせて計7発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことにより、ミサイル技術に関する活動を制限されています。人工衛星だろうと核兵器だろうと、北朝鮮によるロケット/ミサイル発射は、国連安全保障理事会決議1695、1718、1874への違反ということになるのです。ちなみに、形骸化しているとはいえ日朝平壌宣言にも違反しています。
北朝鮮は2012年と同じく、今回も国際機関へ事前通告を行ったり、宇宙条約に基づいた宇宙空間の平和利用を謳っています。しかし、安保理決議を無視してロケットを発射しようと思い立った時点で、国際社会の取り決めに従おうという意思のないことが明白です。
弾道ミサイル≒人工衛星ロケット
弾道ミサイルと人工衛星打ち上げに使われる運搬体はほぼ同じものであり、互換性のある技術です。ロシアではミサイルもロケットも「ラケータ」(ракета)というようですね。テポドンも銀河号もロケット部分はほぼ同じです。また、弾道ミサイルは狙った標的へ着弾、人工衛星ロケットは狙った軌道へ投入するという点も近しい技術です。
もちろん、両者には違いもあります。おおざっぱ過ぎる言い方ですが、弾道ミサイルと人工衛星ロケットは、「何を運ぶか」「どのように飛ぶか」という点が異なります。
たとえば弾道ミサイルとして用いるテポドンの場合、ロケットの弾頭に爆弾をのせて、山なりに高度1,000+kmほどの宇宙空間まで飛ばし、放物線(弾道軌道)を描いて再び地上に帰ってくるように飛ばします。
(アメリカのICBM・ミニットマン3の軌道イメージ(※音量注意))
他方、人工衛星運搬体として用いる銀河号の場合、ロケットの弾頭に宇宙衛星をのせてほぼ水平に飛ばし、高度約500kmの太陽同期軌道へ投入します。
(北朝鮮の銀河3号1号機(2012)の軌道イメージ)

(射程12,000kmのICBMと銀河3号(2012年打ち上げ)の発射距離ごとの高度比較)
弾道ミサイルの技術として特筆すべきは、再突入体(Reentry Vehicle;RV)でミサイルの弾頭を保護している点です。北朝鮮にとってはこの再突入体技術の確立が越えなければならないハードルです。大気圏外から大気圏に再突入する際、高温によって弾頭部の爆弾が燃え尽きたり正常に作動しなくなってしまうので、再突入体は弾道ミサイルには不可欠な技術なのです。今後、再突入体のための発射実験を始めれば、日米韓が受ける脅威度は衛星発射の比ではないでしょうね。