北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射しました。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射について(第2報)(2017/04/05 防衛省)
U.S. Pacific Command Detects, Tracks North Korean Missile Launch(2017/04/05 米太平洋軍)

米太平洋軍の発表によると、北朝鮮東部の新浦付近から発射されたのは、準中距離弾道ミサイル「KN-15」

朝鮮日報などによると、KN-15は2月に発射された「北極星2号」のコードネームということなので、「陸上配備型KN-11」=「北極星2号」=「KN-15」ということのようです。

USPACOMではMRBM(準中距離弾道ミサイル)としている一方で、各種報道では今回のKN-15を“中距離弾道ミサイル(IRBM)”としているものが多いですね。北極星2号については2月の発射時にもMRBM〜IRBMと射程能力の推定にはばらつきがありました(過去記事)。

2月の北極星2号はロフテッド軌道で撃たれたものですし、今回のKN-15も弾道頂点が1000kmを超えるような特異な高さではないものの、やはりロフテッド軌道で撃たれた可能性もあるので(共同通信によると“ほぼ垂直に発射”)、最小エネルギー軌道で発射すればどの程度飛ぶのかについてはまだ議論があるようです。

(6th LD) N. Korea fires ballistic missile into eastern waters(2017/04/05 聯合ニュース)

聯合ニュースによると、ミサイルは9分間飛翔し、60km先の日本海へ落下、最高高度は189kmとのこと。なお、今回の発射試験が成功だったのか失敗だったのかの評価は定まっていないようです。
KN-15_20170405
(今回のKN-15の弾道軌道イメージ。)

重大なことは、北朝鮮が任意のタイミングで任意の数を任意の場所に発射する態勢を整えつつあるという事実です。従来のノドンは液体燃料であるがゆえに常時発射状態にはありませんでした。しかし、固体燃料式陸上発射「KN-15(北極星2号)」が誕生し、北朝鮮のMRBM〜IRBMはより柔軟な運用が可能になるでしょう。

射程1,000kmを超えるスカッドERの斉射実験も行われており、ノドンと同じく日本を射程に収めたMRBMの種類も数も増勢中です。繰り返しになりますが、固体燃料式KN-15の技術確立は、日米のBMDに大きな脅威となります。

日本では敵基地攻撃能力の保有が自民党の国防部会から政権に働きかけられていますし(敵基地攻撃論)、 トランプ米政権による北朝鮮への懲罰行為も噂されています。北朝鮮は外交的なバランス・オブ・パワーも気にしませんし、弾道ミサイル戦力の増強(最終的には核ミサイルの保有)がもはや自発的にとどまることはあり得ないので、安全保障のジレンマによるチキンレースがどこに収着するのか、まるで楽観的にはなれませんね。

【2017/0406 訂正】

今回発射されたミサイルは「KN-15」ではなく、「スカッドER」だったと修正報道がありました。


スカッドERについては過去記事をご参照ください。なお、発射試験そのものも失敗だった模様です。