北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行いました。
北朝鮮西部:亀城(クソン)付近から東に向けて発射。800km飛翔して海に落下させたようです。
特筆すべきは、ミサイルが到達した高度です。防衛省の発表等では、2,000kmまで達したとのことです。2016年6月に中距離弾道ミサイル「ムスダン」を1,414kmという高度まで打ち上げたことがありますが、今回はそれを大きく上回る高さで、いわゆるロフテッド軌道で発射されたようです。
ロフテッド軌道で発射されると、迎撃可能な高度に標的が降りてくるまで待たなければなりません。標準の軌道(最小エネルギー軌道)と比べて落下速度にそれほどの違いは出ませんが、待っている分だけ対処時間が制約されることになり、迎撃作業が難しくなります。
現行の「SM-3ブロック1A」の射程は1,200kmで、到達高度は500km(600kmという資料も)、速度は秒速3〜4km。今日のように弾道頂点が1,000kmになると、頂点付近で迎撃することはできませんが、2011年4月の実験で秒速4kmを超える中距離弾道ミサイルの迎撃に成功しています。
現在日米で共同開発中の「SM-3ブロック2A」は、迎撃高度が1,000kmを超えるとみられます(2,350kmという資料も)。最小エネルギー弾道で飛翔する場合はもちろん、ロフテッド軌道で飛翔する弾道ミサイルであっても弾道頂点付近で対応できるようになります。米軍はブロック2Aを2018年までに配備する予定で、自衛隊でも2021年には更新されます。
憂慮する科学者同盟(UCS)のデビッド・ライト氏もまた、ルイス氏と同じく新型ミサイルの実験ではないかと指摘しています。さらに、今回のミサイルが標準的な軌道である最小エネルギー軌道で発射されれば、射程は4,500kmに達すると分析しています。
(David Wright, North Korea’s Missile in New Test Would Have 4,500 km Range, USC, 2017/5/13)
クソンから4,500kmというと下図の範囲内となります。
グアムが収まる中距離弾道ミサイル(IRBM)ということになりますね。
米太平洋軍(PACOM)も「今回発射されたミサイルは大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではない」と発表しています。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射について(第2報)(2017/5/14 防衛省)
北朝鮮西部:亀城(クソン)付近から東に向けて発射。800km飛翔して海に落下させたようです。
特筆すべきは、ミサイルが到達した高度です。防衛省の発表等では、2,000kmまで達したとのことです。2016年6月に中距離弾道ミサイル「ムスダン」を1,414kmという高度まで打ち上げたことがありますが、今回はそれを大きく上回る高さで、いわゆるロフテッド軌道で発射されたようです。
ロフテッド軌道とは?
ロフテッド軌道発射とは、「角度をつけて高く打ち上げ近くに落とす」軌道をたどる発射方法です(下記イメージ)。
ロフテッド軌道で発射されると、迎撃可能な高度に標的が降りてくるまで待たなければなりません。標準の軌道(最小エネルギー軌道)と比べて落下速度にそれほどの違いは出ませんが、待っている分だけ対処時間が制約されることになり、迎撃作業が難しくなります。
ミサイル防衛が難しくなる?
ただ、難しくはなりますが不可能というわけではなく、限られた時間の中でどれだけ対応できるか、という状況になると思います。現行の「SM-3ブロック1A」の射程は1,200kmで、到達高度は500km(600kmという資料も)、速度は秒速3〜4km。今日のように弾道頂点が1,000kmになると、頂点付近で迎撃することはできませんが、2011年4月の実験で秒速4kmを超える中距離弾道ミサイルの迎撃に成功しています。
現在日米で共同開発中の「SM-3ブロック2A」は、迎撃高度が1,000kmを超えるとみられます(2,350kmという資料も)。最小エネルギー弾道で飛翔する場合はもちろん、ロフテッド軌道で飛翔する弾道ミサイルであっても弾道頂点付近で対応できるようになります。米軍はブロック2Aを2018年までに配備する予定で、自衛隊でも2021年には更新されます。
新型ミサイルか?
今回のミサイルが発射された場所(クソン)や同じロフテッド軌道での実験ということから、報道を聞いた際には中距離弾道ミサイル「北極星2号(KN-15)」かと思ったのですが、モントレー国際大学院/Arms Control Wonkのジェフリー・ルイス氏の見解によると、4月の軍事パレードで登場したばかりの新型ミサイルではないかとされています。I suspect North Korea tested this missile from the parade. We'll probably get pictures tomorrow from KCNA. pic.twitter.com/WwmNkEnGaP
— Jeffrey Lewis (@ArmsControlWonk) 2017年5月14日
憂慮する科学者同盟(UCS)のデビッド・ライト氏もまた、ルイス氏と同じく新型ミサイルの実験ではないかと指摘しています。さらに、今回のミサイルが標準的な軌道である最小エネルギー軌道で発射されれば、射程は4,500kmに達すると分析しています。
(David Wright, North Korea’s Missile in New Test Would Have 4,500 km Range, USC, 2017/5/13)
クソンから4,500kmというと下図の範囲内となります。
グアムが収まる中距離弾道ミサイル(IRBM)ということになりますね。
米太平洋軍(PACOM)も「今回発射されたミサイルは大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではない」と発表しています。
JUST IN: #PACOM statement on #NorthKorea's latest missile launch: "not consistent with an intercontinental ballistic missile" pic.twitter.com/7V6hcrkADF
— Ankit Panda (@nktpnd) 2017年5月13日