オススメ度

sitininn
1954年。
監督 黒澤明
出演 三船敏郎

あくまで歴史的な意味とかそういうの抜きにしたレビュー。

 野武士が跋扈し、怯えた農民は侍を雇うことを決心し侍探しを始める。

 序盤から何言ってるのかよく分からない(笑)。だからと言って字幕つけると(水の音)(鳥の声)とか出てきて風情がないし。てな感じでなんとなく聞き流しながら観てました。
とりあえず58年前の映画なんで、全員知らない役者。しかもなんつうか堀が深く、貫禄たっぷり。今見るとそれらの要素、モノクロも相まってめっさリアルです。体の使い方も多分違い、現代の時代劇よりは格段に侍に近いんでしょう。特に足が速い(笑)。演出なのかナチュラルに速いのか。

で、2枚組みだし時間長いんですが、無駄に間延びとかはせずテンポはいいです。侍が集まる過程も、まず人格者が紆余曲折を経て引き受け、彼につられて人が集まるという自然な流れ。個性豊かで面白いです。

そして中盤までは坊主の侍が主役なんですが、途中から狂人とでも言うべき三船敏郎が坊主を食う存在感。

あとは農民の描かれ方が好きです。ざっくり金や酒を隠し、侍を殺して身ぐるみ剥いだりもする農民に対し、三船が「農民なんか弱くて陰湿で人殺しだ!」的なことを言ってますが、マンガ『バガボンド』にしろゲーム『侍道』にしろ農民が善人代表みたく描かれてるんすよね。言っちゃなんですが、弱者イコール善人て図式はどうかと思うので(他の侍はそう解釈してた?)その辺もリアルでいいです。

技法とかなんちゃらは分かりません。ストーリーは面白かったです。ただ長すぎてちょっとつらい。