・『戦争と人間』
トム  「五味川純平原作の戦争映画。戦争で軍部とつるんで大儲けせんと野心を燃やす財閥・伍代家を軸に、張作霖爆殺事件からノモンハン事件まで、様々な人間模様が描かれる。全三作で、一作あたりの上映時間が約3時間という巨編。原作は伍代が東京裁判で裁かれるまでを描くが、第三作が公開された昭和48年当時、制作会社である日活には大作を作る体力が無かったために第四作の制作は見送られた。なので、尻切れトンボ感は否めない。とはいえ、すごく面白かった。見応えがある。善いヤツは善く、悪いヤツは悪く、という具合に人物は大変分かり易く描かれ、仕込み杖や投げナイフの達人みたいな漫画的な描写があるが、それらも含めて面白かった。また、迫撃砲の砲弾を受けて兵隊の四肢が吹っ飛ぶという描写があるが、『プライベートライアン』の先駆けのような作品だったのだなと(人形が吹っ飛ぶだけで血糊が飛ぶということはない)。伍代の社長は、”貧乏人が貧乏なのは努力が足りないからだ、貧乏人に同情などする必要は無い”旨の自己責任論を左翼運動に関心を持ち始めた次男に説こうとしていたが、これとそっくりそのままのことを現在の新自由主義者は言っている。戦争は終わったが、伍代的な価値観は新自由主義という価値観に継承されている。伍代的な価値観との決別をしたいという意志を込めて、今こそ、伍代が裁かれる第四作を作るべきなのではと思う」
ベン  「しかし、ノモンハンの戦闘で日本兵がソ連の戦車の上に乗り、火炎瓶を戦車の急所に投げ込んで戦闘不能にするという描写があるが、なんで戦車から白旗が出ないんだ? 考証が間違ってるよ
トム  「ガルパンじゃねえんだから!」

・『未知との遭遇 ファイナル・カット版』

トム  「午前十時の映画祭で観た。DVDで特別編を観て以来、13年ぶりの『未知との遭遇』との遭遇。主人公ロイが家族を捨て、宇宙船に乗って宇宙へ旅立つラストには涙を堪えられなかった」
ベン  「似たような題名で主人公が童貞を捨てて旅立つ話もあるよな
トム  「『未知への挿入』…って、やかましいわ!」

・『宇宙からのメッセージ』
トム  「説明するまでもないが、78年の『スター・ウォーズ』が日本で公開されるのにあわせ、東宝では『惑星大戦争』、そして、東映では『宇宙からのメッセージ』という便乗スペース・オペラを作った。『宇宙からのメッセージ』公開の数ヶ月前、東映は同作を『MESSAGE FROM SPACE』として発表し、その日本語タイトルを募集するというキャンペーンに打って出たという。採用されると、賞金500万円。応募総数は300通で、『宇宙よりのメッセージ』や『宇宙から来たメッセージ』などを押さえ、『宇宙からのメッセージ』に決定! そのまんまだな(笑)」
ベン  「映画『THIS IS A PEN』の日本語タイトルを募集したところ、『これはペンである』や『こちら、ペン』などを押さえ、
トム  「『これはペンです』に決定!…そのまんまだな!」

・沈黙シリーズ

トム  「スティーブン・セガールの沈黙シリーズだが、約60タイトルもあるのか…すげーな、沈黙シリーズ、日本で勝手にシリーズ化されているだけだが(笑)。最近の作品で『沈黙の達人』というのがあるようだけど」
ベン  「お喋りが苦手のセガールの話か
トム  「そういう話じゃないよ! セガールが武道の達人を演じるという話のようだが」
ベン  「除草剤を使う人が多くて悲しくなる昨今、セガールがラウンドアップを使うヤツをぶちのめすレーチェル・カーソン原作の映画が観たいけどな
トム  「『沈黙の春』…って、しょうもないんだよ!」

・『衝動殺人 息子よ』

トム  「実話を元にした映画で、通り魔に息子が殺された老夫婦が同じ境遇の被害者遺族らと共に、犯罪被害者とその遺族に対して補償をする制度の創設を国に求めるという話だ。映画は、息子の殺害が起きる昭和41年から始まり、父親の亡くなる昭和51年まで描かれる。その間、主人公である老夫婦は同じ境遇の被害者遺族の話を聴くために全国行脚をする。その際に、実際の殺人事件の記事が画面に挿入される。また、老夫婦がテレビを視ていると、三菱重工爆破事件のニュースが飛び込み、凄惨な映像を目の当たりにする(当時のニュース映像が使われている)。この映画は昭和40年代の殺人事件史でもあるのだ。ものすごく暗い内容で、夜中に観ていると何だか怖くなる作品であった…。とはいえ、老夫婦を演じた若山富三郎と高峰秀子が回想シーンで若夫婦を演じるのはだいぶ強引だよなと笑ってしまうわけだが」
ベン  「本作を『ウホッ!!いい男たち』でお馴染みの山川純一が漫画化していたような。男がポ×チンで殺されるという連続無差別殺人事件を追う刑事の話で、その犯人が実は…という話だったな
トム  「それ、『衝動殺人 ムスコで』だよ!…って、しょうもないんだよ! 『男狩り』だろ! って、関係ねえよ!」