2017年11月22日

夕暮れは

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夕暮れは、あなたに告げる。
もう歩かなくていい、と。
そしてそこに、
いまあなたが疲れた足を止めたその場所に、
火を起こせ、と。

夜が来る。だから、もう先を急がなくていいのだ、と。
夜が来る。だから、足元の枝を集め、その側の平らかな場所に火を焚け、と。

深く寒く重い闇が空を蔽うあいだ、
日がふたたび昇り、あなたが次の歩みを始めるまでのしばらく、
あなたを照らし温め守ってくれるものを、あなたの傍らに絶やさぬように、と。

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nor_sasaki at 16:22|Permalinkclip!路上 | イーストエンド発

2017年11月21日

初雪

20日、21日と未明に雪。風景全体にかたくり粉とか小麦粉を少々まぶした感じで、木々の枝とか枯葉とか油でからっと揚げるとうまそう。山村揚げ?
全国を自転車で走るテレビ番組で、火野正平が春の里山を見て「マヨネーズをつけて喰いたい!」と叫んでいたのを思い出した。風景はときどき食欲をそそる。

日が昇って2時間ほどすると雪は消え、風景はふたたび晩秋の枯葉色に。

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nor_sasaki at 10:53|Permalinkclip!イーストエンド発 

2017年11月14日

定食屋「わきみ亭」本日のまかないー在庫一掃プレート

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今日はなんにもつくる気がしないので、冷蔵庫を覗きそこにある残り物、常備菜、冷凍品をとりあえず並べてみた。「在庫一掃プレート」である。いささか投げやりなネーミングだが、パッと見にぎやかな一皿ができあがった。幕の内弁当風というか、あるいは(良く知らないのであるが)丸の内のレストランのサービスランチとして出て来てもいいような・・・。

で、まあ、そう書いてしまった流れで、丸の内のオサレなレストラン風に中身を説明しますと、「お皿の左が〈こだわりの厚焼き玉子〉。近くのスーパーで50%引きだったのでとりあえず買ってきた既製品でございます。何がこだわりかはよく分かりませんがフツーにうまいです。えーと次でございます。時計と反対周りに〈牛肉とごぼうのきんぴら・山椒味〉。昨日の夕食の残りを電子レンジでチンして配置してみました。次が〈大根のぱりぱり漬け〉です。大根が余っていたので食べやすい大きさに切り、2日ほど天日に干したのち、酢、醬油、昆布だし、唐辛子でつくった漬け汁に漬けたものででございます。時計の1時半の位置にありますのが〈エノキとなめこの麺つゆ煮〉で、大根と同じ3日前に大量製作いたしました。濃紺のお皿なので良く見えませんが、次が〈海苔の佃煮〉。お中元にもらった海苔がたくさんあるので、当店では佃煮にして常備しております。開封してしばらく経ち湿気てしまった海苔の再活用策になっております。最後、真中でございますが、〈カツオのたたき・おろしポン酢がけ〉でございます。以前安売りで買った鰹を冷凍庫で発見して急きょ、お皿に加えたものです。解凍したのでやや味が落ちますが、ポン酢をドバっとかけてごまかしてお楽しみください。では、ごゆっくりどうぞ」

本日の手抜きの一皿、麦入りご飯とワカメと豆腐の味噌汁で。

nor_sasaki at 22:28|Permalinkclip!料理店 | イーストエンド発

2017年11月13日

復興道路開通ー老人老い易く

11月19日、宮古市と山田町を結ぶ自動車専用道路・山田宮古道路(津波の影響を受けない山間部を走る。延長14キロ)が開通する。

開通を待つ道路を上から写真に撮ろうと、里山に登っていったら途中でふくらはぎと大腿筋が攣りそうになった。自動車道の上にあるかなり急な斜面なのだが、春先に同じルートを登ったときはスイスイ行けたのだから、あきらかに半年で足の筋力が落ちている。フラットなところをゆるゆるふわふわウォーキングしているだけではだめらしい。

老人老い易く、崖登り難し(未完成)。

開通する山田宮古道路は仙台〜八戸をむすぶ三陸沿岸道路(359キロ)の一部で、震災後に事業化された区間では初めての完成という。津波から6年8か月。これで渋滞が続く国道45号(海沿いを縦走する唯一のルート)の宮古・山田間の交通状況はかなり改善されるだろうが、三陸沿岸道路はまだあちこちで工事中で、宮城から青森まで一気通貫で走行できるようになるのは数年先である。

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nor_sasaki at 10:37|Permalinkclip!イーストエンド発 | 路上

2017年11月05日

同期するスタジアムー日本代表vsオーストラリア代表

Japan 30-63 Australia (11月4日 @日産スタジアム)

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「ボールがゴールネットに突き刺さったとき、すでにサポーター全員が立ち上がって歓喜しているのがサッカー強国」。
サッカーの国際試合を数多く撮っている知人のカメラマンから、かつて聞いた話だ。ゲームのある瞬間を切り取った写真の背景に、観客のゲーム理解度やその国のスポーツ文化の厚さが映ることがあるのだと。

ボールがネットを直撃するその時、すでに喜びを爆発させている観客とは、コンマ何秒か前にそのことを確信した観客でなければならない。そうでなければ、ゴールの瞬間を切り取った写真の背景に映るのは、まだ座席にいてボールの行方や選手の動きをいわば受動的、事後的に見つめている人たちの姿だ。

観客がピッチのプレーヤーと同期し、蹴り走り跳び、ピンチを嗅ぎ付け、チャンスを予感する。サッカーだけのことではなく、ある国のスポーツの豊かさや強さを支えている大きな要素の一つは、観客のそうしたゲーム理解の深さ、ゲームへの集中、ゲームへの愛だ。それがプレーを活性化し、プレーヤーを育てる。
この数年、ラグビーファンとして感じるのは、スタジアムに集まる観客のラグビー理解の深化と進化ということだ。先述のサッカーカメラマンの言葉に倣うなら、「決定的な瞬間、すでにそれに反応している観客」の増加だ(それにはラグビー専門誌のクオリティの高さ、スポーツ専門チャンネルにおけるラグビー解説者たちの語りの文体の多様さと深さが大きく貢献していると思う)。


前半3対35。後半27対28。
前半で勝敗の帰趨が見えたゲームを、しかし最後まで誇りあるものとしたのは、無論、ジャパン・フィフティーンのがんばりと修正力なのだが、それだけでなく、この日、スタジアムに集まった43,621人の観客(この日は特に親子連れが多い印象)の反応もまた、その大きな要因だったと思う。
ある時、チャンスの芽をプレーヤーとともに見てとり、またある時、ピンチの予兆をプレーヤーより速く遠く感知する(ゲーム後、帰宅して録画を見たら、この日、Jスポーツの中継でピッチ・レポートを担当した村上晃一氏も、観客の声援の大きさ、反応の素晴らしさを繰り返し伝えていた)。そして、それぞれがいまここに在るゲームをそれぞれの仕方で深く長く豊かに呼吸する。

ピッチと同期するスタジアムーわが国のラグビーを前へと推し進めるもうひとつの大きな力。この日、それが横浜にあった。
2019へ。さらにはその先へ。わたしたちは、少しづつだが確かに前へと進んでいる。

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nor_sasaki at 16:25|Permalinkclip!スタジアム 

2017年10月20日

野生の接近

庭にある道具小屋で悪臭がする。調べたら、小屋の隅に真っ黒な動物のフンを発見。どうもイタチのものらしい(鼻や目を刺すような強烈な臭いが特徴)。小屋の周囲を点検したら、脇に直径10センチほどのトンネルが掘ってあった。そこが出入り口。小屋がいつのまにかイタチのねぐらになっていたというわけだ。
周囲に石やコンクリートブロックや植木鉢の破片を敷き詰めて入れないようにすると同時に、臭いがしみついている小屋内部の土を入れ替えた。
さあ、これで防げるかどうか。
子どものころ、飼っていたニワトリをイタチにやられたことがある。そのとき以来のイタチとのたたかい。
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庭にはイタチの他、キツネ、タヌキ、ハクビシンがよくやって来る。周囲の田畑ではニホンジカによる作物被害が増えている。ツキノワグマの出没はかつてない頻度で、また、山に入るとニホンカモシカ、そしてニホンザルに会うことも少なくない。野生の領域の拡大と接近。
近年は特にニホンジカが増えているようで、今週二度もニホンジカと遭遇した。一度目は路線バスに乗っているときで、道路わきの林から飛び出してきて車の前を横切り、反対側の山に消えた。二度目は里山のふもとにある道をウォーキング中。山の中腹で何かが動く気配がしたので見上げたら、二頭のシカが木立の間に見えた。向こうもこちらを見ている。急いで肩にかけていたカメラを構えたのだが、そのときにはもう姿はなかった。

村自慢(?)川柳ー人口の半ば近くはシカとクマ。

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nor_sasaki at 23:02|Permalinkclip!その他 | イーストエンド発

2017年10月17日

ダン吉くん出動

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出発はいつも午後4時。その30分前にダン吉くん(仮名)は軽トラックの荷台に乗って待機している。おかあさんの運転で、これから里山のふもとにある農道に散歩に出かけるのである。

家の前を学校帰りの子どもたちが、にぎやかな声をあげて次々と通り過ぎる。
ダン吉くんは、いつもそれを荷台の上から悠然と見送る。閲兵する古代の王のように。

子どもたちの声が遠ざかると、遠くからゴミ収集車が流す童謡と高速道路建設の工事音が風に乗って流れてくる。なぜゴミ収集車のテーマソングはいつも、とダン吉くんは思う。「お猿のかごや」なのだろう?

空を、数羽のカラスが険しい鳴き声を上げながら飛んでいく。かれらはいつも何事かを争っている。

遠くの家から、突然、犬の鳴き声が聞こえてくる。その声に応えて、ダン吉くんは一声、短く太く「ヴァン!」と吠える。それからまた、周囲から届く音に耳を澄ます。庭の草むらにいる虫たちの耳鳴りのような合唱。東の方から、薪を割る音がする。冬にそなえて積み上げられる薪の美しい断面。

音だけで風景を描くことが出来るのではないかと、ときどきダン吉くんは考えることがある。かつて病床で正岡子規が構想した「音による写生」のように。おれは犬なのだから、匂いだけの風景も。

歩行器を押して、隣のおばあさんがどこかに出かけて行く。いたんだ道路の上で歩行器の車輪が回る不規則でかすかな音・・・。


おかあさんが家から出てきた。
4時。散歩へ。30分の時を待って、ダン吉くん出動。

nor_sasaki at 10:16|Permalinkclip!路上 | イーストエンド発

2017年10月15日

定食屋「わきみ亭」本日のまかないーサンマのつみれ汁

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世の中、いろいろ大変だが、とりあえず飯を喰おう! 話はそれからだ

1.すり鉢で白ごまをドバッと摺り、そこにミンチにしたサンマ、おろしショウガ(これもドバッ)、卵、酒少々、味噌、醤油少々を入れて良く混ぜる。
2.カツ節と昆布で出汁をとり、白菜、にんじん、シメジ、ネギなどの野菜を煮て、薄口醤油で味を整える(or塩味)。
3.2の鍋に1をスプーンで掬い入れ、火が通ったら出来上がり。

で、本日は「鶏ひき肉、舞茸、ゴボウのささがけ、粒胡椒の混ぜご飯」と「マンボウの刺身の辛し酢味噌和え」と一緒に。
 マンボウは三陸地方ではよく店に出る魚。味は極めて淡泊。刺身を酢味噌やぼん酢で食べるほか、小腸を塩焼きにする(刺身より小腸の方が値段が高い。焼くとコリコリした食感と上品な甘味があり、レモンを絞って食べると旨い)。
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nor_sasaki at 10:53|Permalinkclip!料理店 | イーストエンド発

2017年10月07日

耳の奥の海

数日前から耳鳴りがするので宮古の耳鼻科へ。鼓膜検査、内耳検査の結果、「軽度の内耳性難聴」という診断。聞こえ方が少し悪くなっているが、日常生活には支障がないでしょうとのこと。原因は加齢とかストレスとか薬の副作用とかさまざまな要因があって、よく分かっていないという。したがって治療法も確立していないらしいが、とりあえず耳鳴りを緩和する薬と血流を改善する薬をしばらく飲むことに。
宮古には耳鼻科の開業医が1軒しかないので、待合室はものすごい混雑。行って会計が終わるまでに2時間近くかかった。せっかちで何事も待つのがきらいな性格なので、通うことが強いストレスになりそう。通院が理由で病状が悪化したりして。

ストレス解消に、宮古駅前の味処「すみよし」でのんびりと昼飯。ランチ限定海鮮丼の「宮古丼」を注文。その日によって内容が違うが、地元宮古で獲れる魚介類がいろいろ楽しめるので、宮古に出てくるとよく食べる(900円)。この日の内容は、帆立、マグロ、サーモン、鯛、いか、蛸、〆鯖、イナダ、いくら、卵焼き。

魚の一切れ一切れを丼の中から掘り起し、心静かにそれらを味わえば、砂の上を走り来て走り去る波の音が耳の奥に聞こえる。なんと、うっとうしい耳鳴りも気のあり様で、一瞬風流たりうるのである。

私の耳は貝のから 海の響をなつかしむ(ジャン・コクトー/堀口大学・訳)


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nor_sasaki at 19:33|Permalinkclip!料理店 | その他

2017年10月05日

定食屋「わきみ亭」本日のまかないーびんちょうマグロのヅケ丼

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しばらくブログをさぼっていたので巻き返し。3日連続のエントリー。

スーパーでびんちょうマグロを安売りしていたので、ズケ丼にして昼飯。
1.醬油+みりん少々にわさびを溶き、マグロの切り身と混ぜておく。
2.めかぶに、刻みネギ+カツ節+醤油+酢を入れてかき混ぜる。
3.ご飯の上に2を敷き、その上に1を乗せて出来上がり。

おかずは「蛸の頭と胡瓜の酢のもの」と「タラモサラダもどき」
・タラモサラダもどき
1.ジャガイモの皮をむき、小口にカットしたらビニール袋にいれて電子レンジで加熱。
2.1をマッシャーで適当につぶして、オリーブオイル少々(orバター少々)と混ぜておく。
3.ジャガイモの粗熱がとれたら、ほぐしたタラコとマヨネーズ少々を混ぜて出来上がり。

三陸沿岸で獲れる蛸は水蛸という種類で、蛸の仲間ではもっとも大きい。足1本で腹いっぱいになるほど。足と比べると頭(本当は腹らしい)は値段はかなり安いが味は変わらないので、蛸を買うときはいつも頭。

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nor_sasaki at 22:38|Permalinkclip!料理店 | イーストエンド発