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なぜ「SRサイタマノラッパー2」をつくったか。

2010年07月28日norainufilm at 13:58│Comments(18)TrackBack(0)この記事をクリップ!SRサイタマノラッパー 

■映画「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」の劇場公開が始まってから、もう一ヶ月が経った。
取材でもずいぶん話したけど、いまだに「なんで、続編を作ろうと思ったんですか?」と訊かれることがある。

毎度毎度、言葉を尽くして説明するのも面倒なので、「あとはブログを読んでくれ」と煙に撒いてしまえるように、ではなく、最初の気持ちを忘れないために、ということで、ここらで言い切ってしまおうと思うー。

■そんなのは、自分が観たかったからだ、と。

「第2作で評価を崩しかねない」とか「続編は失敗するジンクスがある」とかの声は外部のみならず身内からも多々あった。
でも、そんなのは関係ない。
ただ、自分が観たかったから作った。

「SRサイタマノラッパー」で作り上げたキャラクターと僕がまた会いたいー。ラップというものの力を借りてまだ伝えられることがあるはずー。HIPHOPの可能性を1ファンとして追求してみたいー。
そしてなによりも、この世界をまだ自分が観たいー。

「SRサイタマノラッパー」シリーズは分かりやすく安易にラッパーを格好よく描いてないから、時々、「あの監督はラップに対する愛がないんじゃないか」「ラッパーをネタにしてるんじゃないか」という批判があるが、この際だから阿呆かと断じてしまいたい。
愛情のないどこの馬鹿が、1度ならず2度までも数百万の貯金をはたいてインディペンデントでラップの映画を作るというんだ。
(おかげでこの1年間、服を一枚も買ってない。最近はもっぱら売れ残ったブロッコTシャツか釣りラッパーTECに買ってもらったTシャツを着ている)。
それに、この映画を観て「初めてラップを聴いたけど好きになった」という人を何人も知っている。
歌いながら映画館を出て行った観客の人もたくさんいる。

個人的には、まだまだラップの可能性は広がっていると思う。
それから、「歌と映画」の可能性も。
だから、批評家や身内が何を言おうとも「続けること」に意味がある。
だって、ヤメちゃったら意味ないからね。

■以下、「SRサイタマノラッパー2」公式パンフから転載

「海の無い県から、川を作って、海を目指す」 

映画「SRサイタマノラッパー2〜女子ラッパー☆傷だらけのライム」をご覧いただきありがとうございました。
僕は今、みなさんにこの映画を映画館で観て頂けた喜びを噛みしめています。
「半径1メートル」から「ここではないどこか」へ向かって「無視すんな!」と声をあげた第1作に続き、こうして第2作をいろんな方へ届けられた喜びに全身全霊でひたっています。

さて、そんな第2作ですが、実は企画の段階からこの映画をシリーズ化することへの反対意見がなかったわけではありません。
いえ、むしろたくさんありました。
「なんでそんな無謀な試みをするのか?第1作で得た評価を自ら崩すような暴挙じゃないか!」と。
まさに正論。至極真っ当な反応だと思います。
最小限のスタッフと雀の涙ほどの製作費だけで作った「SRサイタマノラッパー」は予想以上の反響と評価を頂いて、インディペンデント映画としては異例のヒットを記録しました。
そして第2作の制作へ舵を切ることは、そんな第1作を評価してくれたお客さんにとっては“蛇足”と見られかねないからです。

事実、そんな声は脚本・撮影・編集・公開とすべての段階において僕の耳に入ってきていました。
いわく、「二匹目のドジョウを掬いにいった」「第1作目を超えることはない」「サイタマノラッパーなんてタイトルで全国公開を続けられるハズがない」など。
すべてもっともな意見。僕もそう思います。
でも実のところ、僕はこの映画「SRサイタマノラッパー」の続編を作るだけではなく、できることなら47都道府県、そして可能なら海外でも作って「世紀の大シリーズ」にしたいという不埒な野望すら抱いているのです。

なんでインディペンデント映画でそんな無謀なことをしようとするのか?
その理由はこうです。
「つづけることに意味が生まれることもあるから」。

僕は誰にも望まれずに作られた第1作を持って、全国のたくさんの映画館や映画祭をまわっている間に、様々な「つづけること」の困難さに直面しました。
それは、夢と生活との折り合いの付け方だったり、お金の問題だったり、家族や友人との関係だったり、その土地その人ですべて違う困難さでした。
ゼエゼエと息を吐きながら、「つづけること」の困難と闘っている人とたくさん出会い、たくさん話をしました。
そして気づいたのは、「何かをやめるのを正当化する理由なんて無数にあるんだ」ということでした。「何かをやめる時に人はあまり反対しないけど、何かをつづける時に人はしばしば反対する」ということでした。
だからこそ「つづけよう」と思ったのでした。

冒頭でも言ったとおり、この映画は誰からも望まれていないのに、僕が勝手に「半径1メートル」から「ここではないどこか」へ向かって「無視すんな!」と声を上げて作り始めたものです。
たまたま第2作は、前作を気に入ってくれた方の協力で完成までこぎ着けましたが、これからはまったくどうなるか分からない。
もしかしたら、またすぐ誰にも望まれない状況になるかもしれない。
でも、そんなのは僕にとっては当たり前だし、どうでもいいこと。
だって、最初が誰にも望まれないで勝手に作ったものだったから。
もし、次回作以降まったく製作費が無くなったとしたら、また自分で貯金をためて気のおけない仲間に来てもらいコツコツと最小限の人数で作るでしょう。
一方で(ほとんど無い可能性ですが)、ハリウッドからオファーが来たとしたら、嬉々として、彼の地で「SRサイタマノラッパー」を作るでしょう。
もし、イックやトムたち俳優が売れっ子になって、テレビとかCMの仕事が多忙で映画に出てくれなくなったら、僕はひとりでどこか地方のラッパーを追いかけて撮影するかもしれない。
カメラさえもなくなったら、筆を一本買ってきて絵巻物とかにしてもいい。陶器とかにガリガリと想いを掘ってもいい。
そのくらいの気持ちで「つづけよう」と思っています。

(長いので中略。パンフを読んでください)

そんな壮大な夢の第一歩の目撃者になっていただき、本当にありがとうございました。またいつかお会いできる日を夢に見ながらー。

入江悠

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この記事へのコメント

1. Posted by ノリオ   2010年07月31日 20:33
こんばんは

今更ながら、DVDレンタルで
「SR サイタマノラッパー」を見ました。

僕、この映画が大好きです(^^)
本当に感動しました。
青春映画、久々に何回も観たくなる映画が生まれてくれました!
入江監督に、今更だけれど「ありがとう」!

素敵な映画をありがとう。
あいつ等が成長する姿を見続けたいです。

「SR サイタマノラッパー」、いとおし過ぎます(><)

2. Posted by 入江   2010年08月10日 15:31
>ノリオ様
ご覧頂きありがとうございます。
ぜひいつかスクリーンでも観て下さい。
まだまだ「SRサイタマノラッパー2」も公開中です。
3. Posted by タツヤ   2010年08月10日 23:27
5
先日札幌のシアターキノで観させていただきました、タツヤです。

直前に『SRサイタマノラッパー』を観てから、2を観させていただいた為、より感動が増して見ることが出来ました!
パンフレットにサインもしていただき、ありがとうございました(^-^)

今回の2は、私もラッパーに憧れながらサラリーマンをしている者なので、本当に心に刺さりました。


タマフルを聴いて、サイタマノラッパーを知り、入江監督にお会いする事まで出来、これからの人生の中でも非常に大切な映画となりました。
素晴らしい体験をさせていただき、ありがとうございました。

北海道から応援しております!!!
4. Posted by nutrilatina age linolen   2011年07月11日 13:40
3
そんなのは、自分が観たかったからだ、と。
5. Posted by wenger backpack   2011年07月29日 17:48
今回の2は、私もラッパーに憧れながらサラリーマンをしている者なので、本当に心に刺さりました。
6. Posted by 70-630   2011年08月04日 16:33
「ヒイイー、シンドー、脳みそがグズグズに
7. Posted by 70-632   2011年08月04日 16:33
」となってきたので、
これはもう頭を使わずにスカッとする映画を観たい、
8. Posted by 70-640   2011年08月04日 16:34
しかもしっかりとした職人芸で見せてくれる映画を観たい、
9. Posted by 70-642   2011年08月04日 16:35
ということで、「特攻野郎Aチーム」を観てきました。
10. Posted by 70-643   2011年08月04日 16:35
いやはや、これバカにできないっす。
11. Posted by 70-646   2011年08月04日 16:36
派手なアクションや爆発に頼りきった一時期のビッグバジェットなアメリカ映画が、
12. Posted by 70-646   2011年08月04日 16:36
またキャラクター重視/演出重視の職人芸に戻って来た感があります。
とにかくキャスティングとキャラクター造形が素晴らしい。
13. Posted by 70-647   2011年08月04日 16:37
「96時間」では究極の“さびしい親父顔”を堪能させてくれた無敵のおっさんが、
14. Posted by 70-648   2011年08月04日 16:38
今回はくわえ葉巻でなんと頼もしいことか。
しかも強さ全開なだけではなく、“裏をかかれることもある”っていう弱
15. Posted by 70-649   2011年08月04日 16:38
みもあって妙に共感できる上官役。
AチームがAチームたるゆえんはまさにこのリーアム先生のおかげ。
16. Posted by cheap handbags   2011年09月17日 09:45
5
もし、イックやトムたち俳優が売れっ子になって、テレビとかCMの仕事が多忙で映画に出てくれなくなったら、僕はひとりでどこか地方のラッパーを追いかけて撮影するかもしれない。
17. Posted by hermes handbags   2011年10月14日 17:21
5
今回の2は、私もラッパーに憧れながらサラリーマンをしている者なので、本当に心に刺さりました。
18. Posted by レインメーカー   2011年11月18日 02:42
5
先日、DVDにて『サイタマノラッパー』を鑑賞させて頂きました。そして、本当に感動しました。宇多丸師匠の言葉をかりれば「号泣メーン」でした。
クライマックスのシーンも素晴らしいのですが、IKKUがフクヤを離れるちなつに、なけなしの餞別としてCD、CDプレーヤー、ヘッドフォンを渡すシーンが大好きです。
ここでIKKUは本当の優しさを手に入れ、クライマックスシーンのライムにつながるのだと思っています。
そして『サイタマノラッパー』、入江監督、ライムスターの皆さんによって、敬遠していたHip-Hopを好きになりました。
自分はイケてない、ロック小僧、メタル小僧だったので、Hip-Hopは「なんかイケてるやつの音楽でなんかなじめないかな…」と(偏見だと分かりつつ)思っていたのですが、その心のこわばりから解放してくれたと思います。
半径1メートルからライムを「無視すんな」と世界へ届けようとすること。「なんだ、ロックと一緒じゃん」と思いっきり共感することが出来ました。
本当に素晴らしい映画に出会ったと思います。

蛇足ながら、『サイタマノラッパー』を見て共通項を強く感じたロックの曲が2つあります。
一つは、Rage Against The Machine の 'Voice Of The Voiceless'。もう一つはThe Clashの 'Lost in the Supermarket'

現役ロック小僧から、最大の愛と称賛を込めて、ラッパーたちに/レインメーカー

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