『今私は、交易都市ドンドルマの宿にいる。

このドンドルマという都市は、他の街と違い活気に溢れていて私は好きだ。

多くの狩人が酒場で大いに語り、市場では商人の噂話が飛び交う。

汚い話かもしれないが、儲け話もあちこちで転がっているところも気に入っているひとつだろう。

多くの行商人が団体で行動するキャラバンと違って、個人で旅をする私は大きな商品を持つことはできないが、この街でしか手に入らない、ヒプノック希少種の髪飾りは他の街ではかなりの儲けになる。

また、ポッケ村やココット村で栽培されている、良質なマンドラゴラは多くの狩人が高値で購入するため、ここでの商売は他と違い旨味に溢れている。

っと、少し話が脱線してしまったな。

今日は相棒でもある、ルーとの出会いをここに書こうと思っていたんだった。

そう、あれはもう2年も前になるかな。

辺境の地にあるココット村に向かう途中の森と丘を、私は歩いていた。

ランポスやそのボス格でもある、ドスランポスなどは生息していはいるものの、そこまでの危険は無い道のりを選んで、街道を旅していたときである。

少し離れた森の中から、なにやら叫び声が聞こえたのは。

最初は飛竜がここら辺まで、テリトリーを拡大したのかと緊張したのだが、叫び声は聞こえるものの森は静かだった。

よく耳をすませて聞いてみると、どうやら獣人族の声だったので、どうするかまよったものなのだが。

街と街を旅する私のような者は、獣人族の恩恵を少なからず受けることが多い。

彼等は、飛竜が生息していないポイントを熟知しているし、なにより森に迷ったときなどは彼等の住処で一晩過ごせるなら、身の安全は約束されたようなものだからだ。

いやらしい話、様子を見て助けれるなら恩を売った方が、後々便利だとおもったのも事実である。

そういうったわけで、森の奥にわけはいってみると。

アイルーが必死に木の棒を持ち、3頭のランポスから逃げている所だった。

そう、そのアイルーがルーなのである。

護身用にもっていた閃光玉と麻痺投げナイフを手早く、ランポスに投げつけアイルーを助けようとしたのだが。

あまりの恐怖のせいなのか、助けようとした私の腕をそれはもう、全力で噛み付いて話さなかったのである。

いまでもその傷は、私の右腕に残っているくらいだから、相当な力だったのだろう。

痛みに我慢しながら、小脇にアイルーを抱えて一目散でランポスから逃げだしたものだ。

護身用にもっているとはいえ、狩人と違い非力な商人であるから、血の臭いに引き寄せられて、ドスランポスが率いる群れに襲われる危険性を考えると逃げたしたほうがいいというわけなのだよ。

ココット村につき、明日にでも獣人族の集落に送っていこうとルーに話したのだが、どうやら1人前の狩人になるまでは帰らない。と言い切って集落を飛び出したらしく、いまさら帰れないと泣き出す始末。

とはいえ、ランポス3頭にも適わない非力なアイルーが一人前の狩人にもなれるとは思えず、どうしたものかと考え込んでしまった。

まぁ、悩んでいても仕方なかったし、今日の宿代くらいは私の商売の手伝いで済ませてやるからと手伝わせてみると。

アイルー自信は特に珍しくないのだが、行商人をしているアイルーというのは珍しかったらしく、いつもより多くの女性客が小物関連を購入していってくれたのだった。

それで閃いたのだよ。

何度も述べているように、私は単独で旅をする行商人なため、小物関連の商売が多い。

つまり、子供や女性客に向けての商品が多いということになる。

私は狩人ではないが、一緒に旅をしないかとその日の晩に持ちかけてみた。

どうやらルー自信も今日の商売で、商人の面白さを感じたらしく嬉しそうな顔ではい、といった。

まぁ、ルーのせいで大赤字になったこともあるが、今では少々頼りない私の相棒とまで成長できたものだ。

ふむ、少々長くなってしまったな。

今日はここら辺で、やめとくとしよう。』





皆さん、こんにちわ。

昨日に続いて、今日もちょっとした小説での更新となります。

本当は、この内容も昨日のうちに書きたかったのですけど、少々ながくなっちゃいますので、2日に分けて書いてみました。

ぼちぼち書いていくつもりですので、これからも暖かい目で流し読みしてくださいw