パナソニックからG9が発表されましたが、ハイエンドとは言え、フルサイズミラーレス(α)よりも大柄で、同じ位重いボディです(650g)。センサーの長さが半分・面積が1/4のシステムで、フルサイズとボディの大きさがほぼ変わらないことのメリットは何なのでしょう。
マイクロフォーサーズは、ミラーレスとして10年近く経ちますので、レンズラインナップは充実しています。普通のズーム、手頃で高品質な単焦点、高いけれども画質は良い高級なズーム・単焦点。
レンズを選ぶという意味では良いシステムと思っています。もちろん、F1.2単焦点をもってしても、ボケの大きさではフルサイズには敵わない(フルサイズのF2.4相当である)のは仕方ありませんが、画面全体の均質性、絞り開放から十分使用できる性能などでは優位な点も多いし、なにより、多くのレンズはフルサイズ用より小さくて軽いです。(LeicaやPro銘のレンズは、安いとは言い難いですが・・)

一方、ボディラインナップはどうでしょう。パナソニックも、オリンパスも、利益確保用の大きくて重くて高価なボディのみが目立つようになってきました。
マイクロフォーサーズは、システム全体のコンパクトさ、が一番の売りであり、ボディは大きくてもいいという考えには納得いきません。もちろん、大きなボディがあってもいいのですが、マイクロフォーサーズらしいボディも充実していないと、全体としてのシェア・売上は望めないでしょう。
キヤノンがEOS MにKissという名前を付けて出すという噂もあります。EOS Mに本腰が入ると、かなりシェアを奪われる可能性が高くなります。
[2018 8.12追記]
EOS Kiss Mは発売以来好調で、トップシェア(台数ベース)のようです。ダブルズーム程度しか使用しないパパママユーザーがマイクロフォーサーズを選んでくれる可能性はかなり低くなってしまいました。

パナソニックの現行ラインナップと将来予測&希望:

MFTラインナップP

赤字部分が、問題と思われる点、青は、こうあって欲しいという願望です。
  • 一番気になるのは、DMC-G8の後継がどうなるか、ということ。まだ何も分かりませんが、正当な後継機が出ることを期待します。
  • GM1, GM5という、デザインが良くて非常に軽量だったGM系は消えてしまいました。もう少し重くなってもいいので、GM5の後継機は欲しいと思います。ファインダーは最低144万ドットで。
  • 現在GX8とGX7mk2の2機種あるサイドファインダー機ですが、GX8が大柄で今一好評ではないことを考えると、1台にまとめた方がいいかもしれません。(上記とも関連)
  • ボディの重さは、IBS(ボディ内手ぶれ補正)ありの場合で400g~550g位までが適切だと思っています。ハイエンドも550gを超えないようにし、フルサイズとの差別化をすべきです。
オリンパスの現行ラインナップと将来予測&希望:

MFTラインナップO

  • 一番の問題は、E-M10 MarkIIIが初心者のみをターゲットとした、MarkIIのダウングレード的モデルになってしまったこと。早々にMarkIVで元に戻して欲しい。初心者専用がどうしても必要ならE-M100などの下位機種で。
  • PENの方の将来も暗いですが、E-P5の後継機は必要でしょう。但し、これも重くなりすぎているので、ダイエットが必要。
  • ローエンドのE-PL系も、もっとダイエットして欲しい。
マイクロフォーサーズは、ボディ2台+レンズ2本を持ち運ぶ、という運用がやり易いシステムです。現場でレンズ交換をするよりもスムーズに撮影出来ますし、メーカーにとっても、ボディが2倍売れる訳ですから有利。ボディが2台ということは、レンズの所有数も増えていくでしょう。この運用は、ボディが高価で重いものしかなければ、実現しにくくなります。堅実なミドル機 2台、ハイエンド1台とサブ1台という運用が可能なラインナップを望みます。
もちろん、ボディは1台しか持たない、という方も多いと思いますので、そういう方ならG9位の重さでも問題ないのでしょうね。