時々「月」を撮影することがあります。こちら参照。
中秋の名月という位で、秋はお月さまが綺麗というイメージもあり、秋に撮影することが多いですが、先日(1.21)のように冬に撮影することもあります。
実は1.20にも撮影しましたが、この日は条件が悪く、綺麗に撮れませんでした。両日とも、晴れで雲はなく、風もさほど強くは無かったです。

月(天体)が綺麗に撮影できる条件とは何なのでしょう。

遠くの被写体といえば、富士山もありますが、富士山がきれいに見える(確率が高い)のは圧倒的に「冬」で決まりです。(こちら参照)
快晴で湿度が低い、西高東低の日は富士山が綺麗に見えます。

しかし、天体の場合はそうでもないようです。

まず、下記に2つのGIFアニメーションをアップします。
(6枚の静止画の繰り返し。月の位置が少しずれているのは、トリミング精度のせい)

月撮影_悪条件2
2019 1.20 条件が悪い例:像のゆらぎが大きい(クリックで拡大)
最高気温16.3℃、撮影時気温8℃、北風5.5m


月撮影_良条件2
2018 10.25 条件が良い例:像のゆらぎが小さい(クリックで拡大)
最高気温22.1℃、撮影時気温18℃、東風3.4m

上(悪条件)の場合、数十枚スタックしても像がシャープにならず、ぼやけた写真になります。
下(好条件)の場合、数十枚スタックするとシャープな写真になります。

そもそも、像が揺らぐのは、空気中に温かい部分と冷たい部分が混ざっていて、レンズ効果で光線が不規則に曲がるためだと思われます。空気の温度が完全に一定であれば、こうはならないはずです。
上記悪条件の日は、昼間の温度がこの時期にしては非常に高く、地表付近には暖かい空気が残っている状態だったはずです。そこに北からの冷たい空気が入り込み、界面で空気レンズが発生していたものと想像されます。

経験則から見る、天体撮影の条件:
  • 好条件:昼夜の寒暖差が大きくなく、風も強くなく、天体の位置が高い(天頂付近)
  • 悪条件:昼夜の寒暖差が大きい、風が強い、天体の位置が低い、雨上がりや台風の後
  • あまり影響しない条件:湿度は高くても低くてもあまり関係ない、少しの霞はさほど問題ない
こうみると、天候が安定している秋が良さそうなのは頷けます。冬でも、昼間から寒くて風があまり強すぎなければさほど問題はありません。

富士山の場合とは大分違いますね。要因は2つ。1つは、縦か横かの違い。富士山は横方向に大気の厚い部分を数十キロ(鎌倉から80km)通過した結果ですので、大気の透明度(湿気、塵など)の影響を大きく受けます。逆に横方向はさほど温度差はないはずです。一方、月は見上げる方向なので、大気の厚い部分はせいぜい数キロ(2~5km)しか通過しません。湿度が高かったり、少し霞んでいたりすることの影響は小さいのです。逆に、縦方向は温度差が大きく、揺らぎの影響を受けやすいと思います。
2つめは、大きさ。富士山は鎌倉からだと換算200mmで全体が大きく撮れますが、月は換算2000mmでないと大きく撮れません。焦点距離が短ければ、像は小さくなり、相対的に空気のゆらぎの影響を強く受けます。この条件を回避するには天体望遠鏡を使えばいいのですが。

以上、考察でした。素人考えですので間違いがあるかもしれません。