Nori-sukeのRAW現像・レタッチ+カメラの話

SILKYPIX Developer Studio Pro6 とPhotoshop CS5を使ったフォトレタッチ遊びの記録です。 記事の最初から順に読まれる場合は、右コラムの「目次」からアクセスして下さい。 コラムにはカメラに関する考察もあります。

パソコン・ディスプレイ等

8-49 メインPCのマザーボード/CPU交換

以前は3年に一度位の割合で内部を更新していたメインPCですが、気づいてみれば前回の更新から5年も経っていました。もちろん、HDDやSSDなどは置き換えて来ていますが、マザーボード/CPU/メモリは5年前のままでした。
その理由の一つは、PCの性能向上のペースが鈍化しているということが挙げられます。CPUのクロック周波数は3.0GHz~4.0GHzで頭打ちになっているし、マイクロアーキテクチャーも、それほどのブレークスルーがありません。ということで、5年前のCPUでもまだまだ普通に使えていました。
とは言うものの、あまり長期間使うと故障の可能性も高まるし、写真も撮れなくて他にすることもないので、中身を交換することにしました。

マザーボード交換
交換前後の構成

現在流通しているIntel CPUは、Skylakeというコードネームの14nmプロセスのものです。今まで使っていたものからは4世代分進化しています。プロセスルールも32nmから14nmとなり、省エネも進んでいます。
通常なら、Core i7-6700というモデルを選択するところですが、今回はCore i7-6700Tという、省エネに特化した組み込み用CPUにしてみました。演算性能は若干落ちますが、消費電力は下がっています。
実際、アイドル時で44%、ピーク時で50%、消費電力は削減されました。

演算性能は、クロックが下がった分不利なのですが、Core i7の4コア8スレッドをきちんと使えるソフトウェアであれば、24%ほど高速化しました。

昔であれば、マザーボードを交換するときはOSは再インストールするのが常識でしたが、今はそんな必要はありません。マザーボード/CPU/メモリーを交換すると、OSが自動的に適切なドライバをインストールして起動しますし、不足分はマザーボードに付いてくるドライバを入れるだけです。(但し、失敗する場合も無くはないので、あくまでも自己責任で)

日常的な使い勝手としては、USB3.0ポートが増えたとか、ブラウザの動作がちょっとだけ速くなった気がする、程度ですが、消費電力はほぼ半減しましたので、まあ換えた意義はあったかと思います。

[Tips]
マザーボード交換後、BDドライブにディスクを入れても、自動再生しなくなりました。これは、SATAドライバの省エネ機能(LPM: Link Power Management)の影響のようで、BIOSでBDドライブの「Hot Plug」をEnableにするか、レジストリをいじってLPMを無効にすれば改善します。

8-48 液晶ディスプレイの「ギラつき」の原因は?

前回のコラムでも書きましたが、液晶ディスプレイの白の再現性には結構な差があります。
理想は、「紙のようなムラのないなめらかな白」を再現することだと思いますが、世の中には「粒状感のある、ギラついた、銀色のような白」のディスプレイが多数存在します。

S2431W
白の再現性に問題のない、昔のディスプレイ(CCFL+VA液晶)

ウェブで色々検索すると、どうも最近の、バックライトがLEDになってからのものに、ギラつくものが多いような感じがします。このギラつきは、気になる人にはどうにも気になるし、目も疲れやすいかもしれません。

ギラつきの原因は何なのでしょうか?
  1. 表面の「ノングレア」処理の問題
  2. 液晶のバックライトの問題
  3. 上記1と2の複合
よく、1が指摘されることがありますが、どうも実感と合いません。下記「the比較」の記事を見ても、ノングレア形状(粒が細かいとか荒いとか)によってギラつきが生じているようには見えません。
ギラつきの少ないディスプレイの例(Dynabook)
ギラつきが目立つディスプレイの例(VAIO)

ということで、個人的には2「バックライト」の問題ではないかと想像しています。白を表示する場合、液晶パネル自体は完全開口で、実際にはバックライトそのものを見ているのに近い状態です。バックライトがギラついていれば、表示自体もギラつきます。

ちなみに、液晶ディスプレイの大体の構造は下記のようになっているようです。(iiyamaのサイトから拝借

LED

昔のディスプレイは、光源に冷陰極管(CCFL)という蛍光灯の一種を使っていましたが、今は白色LEDです。LEDは点光源ですので、それを並べて擬似的なライン状の光源にしています。CCFLはそもそも細いチューブ状の線光源です。
導光板で画面全体に導いた光を拡散シートで拡散させ、効率を上げるために導光板の後ろには反射シートもあります。

この中で一番怪しいのは「拡散シート」。下記のような特許がありました。
光拡散フィルム、光拡散フィルムの表面形状を規定する方法、および表面形状規定プログラムを記録した記録媒体

これによれば、点光源であるLEDからの光を拡散するのに、その粒状物の形状によっては輝度ムラが生じ、ギラつきの原因になるという感じ。
要は、性能の良い(多分高価な)光拡散シートを使っている、ちゃんとしたバックライトであれば、ギラつきは少なく、安物のバックライトであればギラつく、というのが一つの要因である気がします。

昨今、液晶ディスプレイは非常に安価になりました。23インチ程度のものでも、1万円台です。相当なコストダウンがされていると想像されます。

このギラつき問題、EIZOなどの高級ブランドでも、FlexScan等の普及機種では、結構生じているようです。
さすがにColorEdgeブランドのものは、バックライトも含めてかなり吟味されていて高価なので、ギラつくようなものは少なそうですが。

もし液晶ディスプレイやノートPCを購入される場合は、気にされた方がいいかもしれません。
ただ、液晶ディスプレイの場合は、店頭でちゃんと白の再現性をチェックできない場合が多いので、難しいのですが。(デモ映像が流されていて、変更できないことが多いので)

8-47 RAW現像・レタッチに使うPC

あちこち体が痛くて出掛けられない日々が続いていますが、こういう時はパソコンいじりで時間を潰しています。ということで、パソコンネタを一つ。

Dynabook-RZ63


RAW現像・レタッチに使う道具についてはこちらでも触れましたが、パソコンも重要です。
私はMac使いではないので、パソコン(PC)と呼ぶことにします。もっと正確には、Windows PCですね。

普段使っているのはCore i5の入った自作PC。SilkyPixは結構重いソフトですが、1枚現像するのに数秒程度。サクサク現像するにはこの程度のPCが必要でしょう。ディスプレイはEizoの24インチ。結構何年も使っていますが、最近測定器で見てみたところ、ほとんどsRGBからずれていないのを確認しました。優秀です。

自宅で現像する場合、上記のような感じですが、出先で現像したい場合はどうしましょう。
例えば長期の旅行とか(今となっては夢物語ですが・・)。

最近は大型のタブレット端末(iOS、Android、Windows)もありますが、まずSilkyPixがWindows/Macのみ対応なので、iOS/Androidの端末は使えません。Windowsのタブレット端末(Surface Proなど)もありますが、画面の解像度が高すぎて、Photoshop CS5もSilkyPixも使い難いです。何故なら、この2つのソフトはWindowsのスケーリング(文字サイズの調整)に非対応で、高解像度(高dpi)ディスプレイではUI文字が極めて小さくなります。SilkyPixは手動で文字の大きさを変えられますが、4段階程度なので、ピッタリ来るサイズになるかどうか疑問。
Windowsは最新バージョンにおいても、過去のソフトでの文字の表示に大きな問題があり、基本的に高dpiディスプレイで使い難いOSです。iOSやAndroidではこのようなことはありません(多分、Mac OSも)。
Microsoftはビル・ゲイツ引退以来、本当に無能な集団になってしまいました・・。

話を戻しますが、タブレットでなければ、ノートパソコンになります。
持ち運ぶことを考えると、せいぜい14インチ、1.2kg程度のものになるでしょうか。
上記文字の再現性を考えると、13.3インチor 14インチでフルHD解像度のものが限界だと思います。

問題はWindowsのバージョン。 Windows 10の気持ち悪いUIは使いたくないので、Windows 7となると、選択肢はかなり限られます。BTOでWindows 7ダウングレードを選択できるのは、DynabookとVAIOくらい。

具体的には、Dynabook RZ63(上記写真) と、VAIO S13になります。いずれも、13.3インチ、フルHDです。
言うまでもありませんが、写真の処理をするには、液晶の性能(発色・階調特性)がsRGB相当でないと使い物になりません。
その意味では、the比較というサイトがかなり参考になります。ノートPCの液晶の性能まで評価されているのはここ位ではないでしょうか。

VAIO S13ですが、液晶の特性はまあまあなのですが、白の再現性が悪いです。白を表示した際に、通常の単体ディスプレイのような滑らかな白ではなく、ギラついた、粒状感のある、銀色のような白です。液晶のバックライトの特性だと思いますが、この粒状感は問題。写真を見る際に、写真にノイズが混入しているように見えます。これではなにを見ているのか分からなくなります。ビジネス用途では問題ないのかもしれませんが、見やすい・目に優しい液晶ではありません。
ちなみに、パナソニックのLet's Noteは、ここ数年のモデルはかなり割高なくせに、液晶は古い世代の色域の狭いものしかなく、ビジネス用途以外には使いものになりません。本当にC/Pが悪いです。こんな事業が今後も続けられるのでしょうか。

さて、残るはDynabook RZ63。こちらの液晶は綺麗です。ほぼsRGBに一致していますし、白の表示も問題ありません。ということでこちらを購入して遊んでいます。色々問題のある東芝ですが、Dynabookは健在でした。
CPUもCore i7にしましたので、デスクトップPCほどではないにせよ、現像のスピードも許容範囲かと思います。でもまあ、たった13.3インチですから、長時間作業するのは厳しそうです。そんな機会は無いので、まあいいのですが。
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