2019年08月16日

8月のおいしいイタリア

ズッキーニのケーキサクレ3ここ数年、8月の「おいしいイタリア」はお休みしていました。というのも第三金曜日はお盆と重なることが多いからです。

しかし、今年は通常の第三金曜日から第四金曜日に移動して実施します!

以下の3品を作りますよ。







ーほやのスパゲティ
ーズッキーニのサラダ
ーズッキーニのケーキサクレ


今月のテーマは、ほやとズッキーニです。

ズッキーニは数年前に比べると、ずいぶん安く手に入るようになり、日本人の食卓にも浸透したなぁと思います。

一方で、「どうやったらおいしく食べられますか?」と聞かれることがよくあります。クセのない「瓜」ですからどんな料理にでもなるのですが、その個性のなさ=とらえどころのない素材として、いったいどう料理にしたらおいしく食べられるのだろうか、と思われるのだと思います。

瓜は体を冷やすので、暑いこの時期に食べることは理にかなっています。1本100~150円程度なので、これを利用しないわけはありません。

イタリアでは本当にいろんな料理にして食べます。特別こうしなければならないというのはなく、パスタの具にしたり(トマトでもオイル系でも)、グレーダーで千切りにして小麦粉と卵と合わせたところに入れてドーナッツのように揚げたり、オムレツに入れたり、ポタージュにしたり、リゾットにしたり、中身をくりぬいて肉詰めにしたり...本当に自由自在です。

イタリアにいる頃、下宿先のおじいさんの畑で毎日のように大量にズッキーニが収穫されるので、手に余った私はベランダで干してみたことさえありました。干すと日持ちもします。これを水でもどして、ナムルにして食べることが多かったです。イタリアにいると、やはりアジア系の味が恋しくなるものです。

以前、韓国レストランでビビンパを食べた時、ズッキーニみたいな野菜が使われていたことがあって、韓国人の店員さんに質問したら、韓国にはズッキーニみたいな野菜があって、それを乾燥させ、このようにナムル料理に使うのだと教えてもらったことが、私の脳の隅に記憶されていたのだと思います。

ズッキーニは火を通す料理ばかりではなく、生食でサラダにしてもおいしいです。胡瓜のようでいて、胡瓜とは違った歯ごたえが独特でクセになるおいしさです。

また、ケーキサクレの具にしてもおいしいです。ちょっと塩をきかせて作って、薄めに切ったものを食前酒といっしょにいただいてもおいしいです。

今回作るケーキサクレには、リコッタチーズを入れます。牛乳を凝固させてリコッタ―チーズ風のものを作るところからやってみる予定です。


8月23日(金)18:15~、仙台市福祉プラザ調理室です。是非いらしてください。
norikasato@hotmail.com (サトウ)

spaghetti all'HOYA




norichetta at 23:20|PermalinkComments(0) Incontro di cucina italiana   おいしいイタリア | 前菜 Antipasti

2019年08月04日

ほやスパゲティとほやの養殖見学ツアー

ホヤ4年目宮城県三陸産のホヤのおいしさは有名ですが、今日は石巻雄勝町へ、ホヤ養殖を見に行きました。

震災後のホヤ問題について、ここでも以前取り上げたことがありますが、「ほやラバーズ倶楽部」の収穫体験ツアーに参加し、ほやのことを色々知ることが出来ました。

船で沖へ出て、漁師さんに養殖所に連れて行ってもらったのですが、私たちの口に入るまでに、4年目もの月日を要とするということで、1年目、3年目のほやの様子も見せていただきました。

 1年目の赤ちゃん         3年目
ほや1年目ほや3年目










ほや養殖のそばで、牡蠣や帆立の養殖もしていましたが、貝毒が出て、現在出荷がストップしている状態。漁師さんというのは、自然が相手ですから、自分が努力してもどうにもならない事態が常に発生して、大変な仕事だとあらためて感じました。

帆立は1年もたたないうちに出荷できるのに比べ、ほやは4年という時間がかかります。でも、貝毒の影響は全く受けないので、今年もおいしいほやが店頭に並び、私たちの胃袋を幸せに満たしてくれています。

thumbnail_IMG_5662船の上で漁師さんがほやをさばいて、私たちに食べさせてくれました。獲りたてのほやのおいしさは言うまでもないですが、あんな風にほやを丸かじりをしたのは初めてでした!

夏になって海水温度が上がると、ほやは夏バテを起こして、つまり食欲がうせて、えさを食べなくなります。そのため、今の時期のホヤには「ふん」が入っておらず、さばく時に楽ちんです。なるほど、ほやは知れば知るほど、見れば見るほど本当に不思議な生き物で、興味が尽きません。

参加者のみなさんは、「ほやLove度」が高い人たちで、ほや談義を色々聞かせていただき、とても楽しかったです。

thumbnail_IMG_5671雄勝町小浜の海岸には、ものすごい高さの防潮堤が建てられていて、こちらから海が全く見えない状態。ビルが目の前でそびえ、海と切り離されたような感じで、今でも工事は続けられています。

ほやに開眼した私は、今年になって2回、「おいしいイタリア」で、ほやのメニューを実施しています。
ほやのフリット(グリンソース添え)ほやリゾットです。

ほやがあまり得意ではないという参加者の方もおいしく食べることができたと話していました。また、さっそく家でほやリゾットを試したという報告を聞かせていただいたりして、とても嬉しく思っています。

火を通すと、生では味わえない食感と味わいになって、私は生も火を通したものもどちらも大好きです。イタリア料理の素材としても、なかなか面白いです。

さて、ほやメニュー3回目の今月は、ほやスパゲティをします。ほやは生食だけを良しとする私の父のような保守派にも好評です。

開催日は、8月23日(第四金曜日)18:15~、仙台市福祉プラザの調理室で行います。現在、ほやスパに合わせる他のメニューを考え中です。

spaghetti all'HOYA




norichetta at 17:12|PermalinkComments(0) おいしいイタリア | 自分のこと

2019年07月29日

常滑と新実南吉

行山さんと私「仙台さつき会」で、盆栽鉢を作りに常滑へ行ってきました。

盆栽鉢で世界的に有名な中野行山さんに手ほどきをしていただき、自分が育てているサツキに合わせ、小さい鉢に挑戦しました。

行山さんは去年の2月、イタリアはヴェネト州で開催された「MIYABI展」から招待を受け、盆栽鉢づくりデモストレーションを行いました。

その時、私もご一緒したのですが、それ以前にも、イタリア人の盆栽愛好家を行山さんの工房へお連れすること数回、今年は2回目の訪問となります。

行山さんは盆栽鉢の陶工師として来年50周年を迎えます。

「行山鉢」と言ったら、国内外問わず、盆栽を愛する人たちがこぞって求める人気の鉢であり、なかなか手に入らないということでも知られています。

いつもにこにこと穏やかで優しく、冗談ばかりおっしゃって、どこまでがジョークで、どこからが本当の話なのか見極めるのに、私の頭の中はぐるぐるまわっています。

「盆栽」というと、一般的に植物のほうが主役だと思われがちですが、行山さんによると、「盆栽」という字は「栽」、つまり植物より先に「盆」、つまり鉢があるのだから、鉢は植物よりも重要だとおっしゃいます。
確かに、盆栽は植物ばかりよければ良いというものではなく、鉢と植物のバランスがとても大切です。

thumbnail_IMG_1175「MIYABI展」では、鉢づくりのデモストレーションをしていただき、行山鉢にあこがれる多くのイタリア人(中にはオーストリア人、スペイン人など海外からも)が、行山さんを取り囲み、熱い視線が注がれました。

何とはなしにサッサッサと鉢を作っていく様子は、無駄な動きがいっさいなく、美しい所作のようでした。魔法のようにするする仕上げていく様子は見ていて飽きませんでした。

そんな行山さんの様子を見ていると、鉢づくりはそうわけ無いもののように思えてしますが、それは大間違いです。サツキ会のメンバーと無言になって鉢を作りました。

 できた!
!できました2013年ごろからイタリア語通訳として盆栽関係の仕事が増え、いつの間にか私も「仙台さつき盆栽」に所属しています。いい通訳が出来るよう、盆栽のことを知りたいなぁと思ったのが始まりです。

サツキ盆栽の師匠でもある佐々木吉美さんは、何度も国風展に出展したことのある経歴を持っています。本業は造園家で、鹿沼の等持寺さんの作庭などで知られた方で、最近ではその作庭の見事さが評価され、高野山から賞を授与されました。

佐々木さんと行山さんこうして行山さんのところへイタリアの方々を案内出来るのも佐々木さんのお蔭です。行山さんと佐々木さんは二人展をするほど気の合った同士です。

今回私が作ったのは2鉢。持っている小さいサツキと梅の木に合わせたのですが、どんな風に焼き上がるのか、実際植物を植えてみて、鉢と植物がマッチするかどうかとても楽しみです。

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「ごんぎつね」や「でんでんむしのかなしみ」で知られた童話作家、新実南吉が好きです。

子供向けの作品ですから当然ですが、簡素な言葉と表現で出来上がった作品は短いのに、何と深い世界が広がっているのでしょうか。読むたびにすごいなぁと感服します。私が絵本を愛するのも同じ理由からです。

南吉の作品は大人になってから特に大好きになりました。そして、いつか半田市にある新実南吉記念館へ行ってみたいなぁと思っていました。

素敵なご夫妻と出会うと、つい図々しい本性が出て、お二人がどんな風に出会ったのか根掘り葉掘り聞きだす癖があります。

今年2月、工房へイタリア人盆栽愛好家を案内
thumbnail_IMG_4203去年の暮れ、イタリアの雑誌に行山さんのことを載せたいから取材をしたい、というイタリア人を案内する機会がありました。

盆栽鉢についての質問を行山さんにイタリア人が次々投げかけます。そして、いつの間にか鉢づくりの難しさ楽しさといった技術論から、行山さんの人生へと話題が移っていました。

現在は盆栽鉢作家として成功を収めた方ですが、それは決して順風満帆だったわけではなく、紆余曲折、数々の苦労があったことを知りました。病気や釜の前での大火傷、それはそれは色んなことがあったのだそうです。

「いい時も悪い時も、おかあさん(奥様のこと)がいつも平常心でいてくれた。そのことに、どれだけ救われたことか」とおっしゃっていました。本当に素敵なご夫妻です!

当然ながら、インタビューでイタリア人が触れなかったお二人の馴れ初めを、いつもの私の図々しさを発揮して、後でこっそり奥様に訊いてみました。

記念館の公園にある
「でんでんむしのかなしみ」石碑

新実南吉記念館何と、ペンフレンドがはじまりということ!当時、雑誌などを通して手紙をやり取りする若者同士の「文通」が流行っていたとか。行山さんは常滑、奥様は半田、ということで文通がはじまり、いつしか「近いのだから、会ってみようか」ということになったのだそうです。

お二人の以外な馴れ初めに、へぇと驚くと同時に、奥様の出身地が半田市ということに私は反応してました。というのも、大好きな新実南吉のふるさとだからです。

盆栽関係で、常滑は何度か来ていたけれども、半田市が近いということにようやく気付き、今回、鉢づくりの後、半田に足を延ばしてみました。

その日は月曜日で、通常は休館日なのですが、南吉の106回目の誕生日を翌日に控えているということで開いていました。人形劇などイベントが色々企画されていて、子供たちが沢山来ていて賑やかでした。

小さなかわいらしい記念館。郷土の作家を愛する地元の人たちの愛情を感じるところでした。

11月にイタリア人観光客を名古屋の盆栽園に案内する予定なので、その他の見どころを下見するために、午前中、名古屋城に行った後の半田市だったので、次回は時間をかけて、もっとゆっくり記念館を見たいと思いました。

威風堂々天守閣。現在は閉館。 出来たばかりの本丸御殿。
                     当時の美しさを体感できます。

名古屋城名古屋城(本丸御殿)金のシャチホコで知られる天守閣は、今閉館していますが、本丸御殿がこの6月からオープンしていて、ピカピカまばゆいばかりに美しいです。

ガイドさんに案内してもらいながらじっくり見ることができました。

本丸御殿も天守閣も国宝だったので、設計や材質に関して記載された資料がきちんと残っていたため、空襲で焼失してしまったけれども、こうしてオリジナルに忠実に再現することが出来ました。

天守閣は戦後、鉄筋コンクリートで再築しましたが、これから戦前の天守閣に忠実に木製で復元する予定です。

ああ、日本は見どころが沢山!
イタリア人観光客のために旅程を立てる時、いつも私の頭は、わくわく感と名所を選ぶ迷いとのはざまで悶絶します。

まだまだ先ですが、11月、13日間の旅程をそろそろ決定しなければと思っているところです。


norichetta at 16:01|PermalinkComments(0) 通訳ガイド | 自分のこと