2012年07月

2012年07月20日

Pesto di rucola ルーコラのペースト

DSCN6453今日は、「おいしいイタリア」の日でした。

「おいしいイタリア」は毎月第3金曜日に仙台福祉プラザの調理室で行っているイタリア料理の会です。

私が中部イタリアに滞在している時に教えてもらった家庭料理を組み合わせ、バランスのいいイタリア献立を提案しています。

ルーコラのペーストは、パスタだけでなく、ニョッキのソースとしても、茹でたじゃが芋とタコを和えるなど、色々な「和え衣」として活躍する便利なソースで、冷蔵庫で1週間もちますし、瓶に入れて冷凍も可能です。

バジルで作るジェノヴァペーストが基本ですが、たくさんのバジルが手に入る暑い夏までまだ時間があるので、ルーコラでも同様においしく作れますよ、というヴァリエーションの一例です。今日は松の実とヘーゼルナッツを組み合わせましたが、どちらだけでもいいです。
*今月は以下のメニューでした。

ルーコラのペーストで和えたペンネ一人当たり熱量419kcal/ 蛋白質13.4g)
鶏胸肉のレモンソース一人当たり236kcal/27.1g)
ふとっちょズッキーニ一人当たり116kcl/5.2g)

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ルーコラのジェノヴァペーストの作り方
以前ここで紹介したレシピを少し改良しました。


●ルーコラペースト

ルーコラ         1束(50g

にんにく                                             1半片

松の実+カシューナッツ  30g

塩                 適宜
オリーブオイル        
   大さじ3~4

パルメザンチーズ    大さじ3~4



ペンネ           220g

じゃが芋         200g(2ケ)

インゲン         15g

①ルーコラは洗って、よく水気をふき取ってザク切り。すり鉢に刻んだニンニクと松の実を加えよく擂る。ルーコラを加え、全体をペースト状にし、塩、オリーブオル、パルメザンチーズを加え、クリーム状にする。


②じゃが芋はサイコロ状に切る。インゲンも長さ2~3cm程度に切る。塩の入った熱湯でペンネを投入し(目安 水2リットル:塩大さじ1半強)、5分くらいたったら、インゲンとじゃが芋を時間差で加え、パスタの袋にある表示通りに茹でる。湯をよく切ったら、①のルーコラのペーストと和える。

ジェノヴァペーストの面白い話しを見つけたので、伝統的なレシピと共にここに載せます。


伝統的なジェノヴァ・ペースト
(作り方はルーコラのペーストと同様)

〇ジェノヴァ・バジル........................4束(6070g) 
(葉が小さい。手に入らない場合、柔らかく小さ目のバジリコの若葉を利用)

〇松の実..........................................30g                                         

〇パルメザンチーズ....................... 45-60 g

ペコリーノ・サルド..........................20-40 g.

ニンニク........................................1-2

リグーリア産EXバージンオリーブ油...60-80 cc.

地中海の塩

ジェノヴァ・ペースト物語
ジェノヴァは、イタリア北西沿岸にあるリグーリア州の州都で、南はトスカーナ、東はエリミア・ロマーニャ州、北はピエモンテ州に囲まれています。北部工業地帯であり、イタリア一長いポー川流域は穀倉地帯という、地中海の中心的港の一つです。


DSCN653711世紀から自由都市としてスペインやアフリカ沿岸、東方にも進出し強い経済を誇り、ヴェネチアと地中海貿易の覇を争います。しかし、15世紀に衰退し、1796年にフランスに占領され、1815年ピエモンテ領となり、後にイタリア王国に統合されたという歴史的背景と、上記の立地条件がジェノヴァペースト誕生に強く関わっています。


ジェノヴァに存在するある丘に、サン・バジリコという名の質素な修道院がありました。裕福層が奉納する多くのイワシや肉の腐敗臭を和らげるため、修道士たちはその丘に豊富に生えていた香りのよい草を添えました。腐敗臭を放ち出したものの粗末にできないと考えた修道士たちは、何とか美味しく食べられないか、添えていた香草をすり鉢で擂り、肉にかけてみましたが、それほど味わいは良くなりません。これもまた裕福層から提供されたオリーブオイルを加えてみたものの、味は今一つ。


DSCN6543多くの修道士の中に、長年の航海経験を持つ老修道士がいました。

南に位置するトスカーナ州には、斜塔で有名なピサがあります。ピサも、ジェノヴァやヴェネチアと共に、地中海の覇権争いを繰り返していた港都市です。ピサとのある戦いで、多くのジェノヴァ人が犠牲となり、その修道士は、鎮魂のため地中海にオイルを撒く儀式をしました。そして、「これは、ピサ人より我々に提供されたものです。(奪い取った物という意味)」と言って、松の実も海に撒き散らしました。ピサをはじめトスカーナ州では、松の実が沢山採れるため、郷土菓子によく使われます。


ジェノヴァの目の前には、リグーリア海が広がり、南下するとサルデーニャ島があります。海の覇権を争いに伴い、この修道士もサルデーニャに送り込まれます。略奪した物の中に、カチカチになったキツイ匂いを放つ塊りがありました。それは、羊乳で作られたペコリーノチーズでした。Pecorino sardoと言ったら、今日も良く知られているサルデーニャの名産品ですが、そのペコリーノは古かったため、石のように固く、修道士はすりおろしてから、バジリコ、オリーブオイル、松の実とともに乳鉢で擂ってペースト状にしてみました。(下に続く)



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2012年07月19日

Pesto di rucola ルーコラのペースト2

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(前回の続き)

同修道士が航海している時、当時スペイン領であったナポリの船乗りたちに捕まり、ナポリ王国に連れて行かれました。ナポリ艦隊は910世紀にアラブ人との戦いに活躍し、ノルマン、フランス、スペインなどの支配を受けた歴史を持つ都市です。彼らが航海の覇権争いや交易で得たものの中に、麺技術の他、ピエモンテ人から伝わったアリアータ(agliata)というニンニクソースがありました。みじん切りにしたニンニクと香草と酢を混ぜ合わせたソースです。修道士が、先のバジリコソースにニンニクを加えてみたところ、格段においしくなったのでした。しかし、肉や魚にかけてみても、せっかくのソースが引き立ちません。



DSCN6538スパゲティは、交易の中で、中国の麺技術がヴェネツィア人に伝わり、ヴェネチア人からジェノヴァ人、そしてナポリ人へと伝わったものです。このソースに、断面が丸い普通のスパゲティではなく、平打ちの細いパスタ、トレネッテTrenetteというリグーリア地方のパスタと組み合わせてみたところ大成功。長年航海を続けていた修道士がジェノヴァに戻り、航海時代長い年月をかけて編み出した緑のソースで和えたパスタを皆に振るまったところ、大人気になりました。


しかしその後、ジェノヴァとサルデーニャが敵対する時期がやってきます。そのせいで、ペコリーノはジェノヴァ人の手に入らなくなったため、隣りのエミリア・ロマーニャ州が生産するパルミジャーノ・レッジャーノを代用します。

DSCN6540それから期間を置き、再びサルデーニャとの交流が復活するようになると、ジェノヴァ人は2種類のチーズをそれぞれ使うようになり、より奥行きのあるジェノヴァペーストとなって今日まで続いています。この昔話が言いたいのは、様々なの文化が行き合う港町ジェノヴァだからこそ、ジェノヴァぺーストが誕生したということでしょう。

‐バジリコとオリーブオイル  ジェノヴァ
‐松の実           ピサ(トスカーナ州)
‐ニンニク          ピエモンテ州

‐ペコリーノ         サルデーニャ島
‐パルメザンチーズ      エミリア・ロマーニャ州

大衆食文化研究家の調査によると、ジェノヴァ県だけで、約60種類のヴァリエーションが見られ、一人一人に違ったレシピがあるとさえ言われています。その中にはクルミや、他の種類のチーズを加えるものや、パセリ等で作るものがあり、バジリコのない季節には、冬野菜のヴィエートレ(フダン草)を使ったものも存在し、地域の人たちから「冬のジェノヴァペースト」と呼ばれているそうです。


DSCN6529←スパゲティで作った時
  すり鉢のままテーブルに  

   DSCN6544








Buon appetito!



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2012年07月05日

鶏ムネのレモンソース Petto di pollo al limone

DSCN6478梅雨の晴れ間ですが、とても暑くムシムシする今日この頃。フィレンツェやペルージャなど私の友達がいる地域では、すでに38~39度という気温を記録しているそうです。

確かにイタリアは7月が一番暑い。
太陽がギラギラして、紫外線もウヨウヨしているのを肌で感じます。街を歩く時、どうやったら日蔭の下を歩けるかということばかり考えます。

「小麦色の肌にこそ、夏の美は宿る」、という意識がイタリアでは常識としてあるようです。色が白いままでいると、病人か貧乏人(ヴァカンスにも行けないということから)に思われて、気の毒がられます。私はいつも気の毒がられていました。

日傘などさした日には、「雨が降ってないのに、どうした?」と言われる始末。そのため、帽子とUVクリームで何とか日差しを防御して過ごしていました。

イタリア人たちは帽子さえいらないご様子。
「太陽をめいいっぱい浴びるんだ!」と言わんばかりに、容赦なく照りつける日差にも喜んで肌をさらす姿に、地中海人と日本人との違いを目の当りに感じます。

そのくせ、目の保護には徹底的。紫外線は目を悪くするのだ、とみんな言います。イタリア人の多くがサングラスをかけているのはそのせいです。

サングラスと言えば、一緒に住んでいたおじいさん、おばあさん、そして近所のお年寄りみんなが、夜テレビを見る時は、部屋を映画館のように暗くして、サングラス(真っ黒のではない”色眼鏡”タイプのもの)をかけてテレビを見ていました。そのほうが目に良いのだとみんな言ってました。

それぞれの国に、体に良い事・悪い事、信じられているものがさまざまで、同じ人間なのに色々であることが不思議で面白い。

さて、イタリアではジリジリした暑さも今月いっぱいまで。8月になると、暑い中にも、どこか秋の気配を感じられるようになってきます。暑い時は、少し酸味のあるものがおいしく感じるものです。もっとも、どんなに暑くとも食欲がいっこうに減退しない私には、どんな季節でも、この料理が好きです。何より、時間を掛けずにあっという間に出来上がるのもいいです。

レモンは11月ごろになるとワックスがついていない国産のものが出回り、今頃はなかなか売っていません。そんな時は、黄色の皮を外して調理してください。国産のものが手に入る時は、是非とも皮をつけたまま調理してください。レモンの香りは、皮にあるそうですから。

イタリア人は、特に鶏ムネを使う時、皮を嫌って、外して捨ててしまうことがよくあります。しかし、皮はいいダシが出るので、是非冷凍しておいてください。

クルクルと海苔巻のように巻いてから、ラップで包み冷凍しておくと、後で色々と使えます。例えば、竹の子ご飯を作る時に、細かく切った筍や油揚げと一緒に、皮を凍ったまま入れて煮て、その汁でご飯を炊くととてもおいしいですよ。

今月の「おいしいイタリア」は20日(金)を予定していますが、ルーコラのペーストで和えたペンネをプリモピアットに、そしてこの鶏ムネ肉のレモンソースをセコンドピアットとして作る予定です。


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鶏ムネ肉のレモンソース  4人分
<材料>

鶏ムネ肉(皮なし)        400g
塩                          適宜
小麦粉                〃
オリーブ油             大さじ1
レモン                4切れ(一切れ5mm程度に切る)
バタ                 20g
水                  100㏄


<作り方>
①胸肉は皮を取り、そぎ切りにして、肉たたきで叩いておく。塩と白ワインを適宜振り、軽くもみこんでから、小麦粉をつける。

②フライパンにオリーブオイルを熱して、①を焼く。両面軽く焼き色がついたら、いったん取り出す。

③同フライパンに水を加え、フライパンにこびりついた肉のうま味を溶かすように木べらでこする。レモンを加え、木べらで果肉をつぶすように押し付け、果汁が出るようにしてしながら煮詰め、バタを落とす。

④肉を戻し、ソースをからめ、塩味を調えて出来上がり。

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norichetta at 22:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 主菜 Secondi piatti | Incontro di cucina italiana   おいしいイタリア