2019年07月

2019年07月29日

常滑と新実南吉

行山さんと私「仙台さつき会」で、盆栽鉢を作りに常滑へ行ってきました。

盆栽鉢で世界的に有名な中野行山さんに手ほどきをしていただき、自分が育てているサツキに合わせ、小さい鉢に挑戦しました。

行山さんは去年の2月、イタリアはヴェネト州で開催された「MIYABI展」から招待を受け、盆栽鉢づくりデモストレーションを行いました。

その時、私もご一緒したのですが、それ以前にも、イタリア人の盆栽愛好家を行山さんの工房へお連れすること数回、今年は2回目の訪問となります。

行山さんは盆栽鉢の陶工師として来年50周年を迎えます。

「行山鉢」と言ったら、国内外問わず、盆栽を愛する人たちがこぞって求める人気の鉢であり、なかなか手に入らないということでも知られています。

いつもにこにこと穏やかで優しく、冗談ばかりおっしゃって、どこまでがジョークで、どこからが本当の話なのか見極めるのに、私の頭の中はぐるぐるまわっています。

「盆栽」というと、一般的に植物のほうが主役だと思われがちですが、行山さんによると、「盆栽」という字は「栽」、つまり植物より先に「盆」、つまり鉢があるのだから、鉢は植物よりも重要だとおっしゃいます。
確かに、盆栽は植物ばかりよければ良いというものではなく、鉢と植物のバランスがとても大切です。

thumbnail_IMG_1175「MIYABI展」では、鉢づくりのデモストレーションをしていただき、行山鉢にあこがれる多くのイタリア人(中にはオーストリア人、スペイン人など海外からも)が、行山さんを取り囲み、熱い視線が注がれました。

何とはなしにサッサッサと鉢を作っていく様子は、無駄な動きがいっさいなく、美しい所作のようでした。魔法のようにするする仕上げていく様子は見ていて飽きませんでした。

そんな行山さんの様子を見ていると、鉢づくりはそうわけ無いもののように思えてしますが、それは大間違いです。サツキ会のメンバーと無言になって鉢を作りました。

 できた!
!できました2013年ごろからイタリア語通訳として盆栽関係の仕事が増え、いつの間にか私も「仙台さつき盆栽」に所属しています。いい通訳が出来るよう、盆栽のことを知りたいなぁと思ったのが始まりです。

サツキ盆栽の師匠でもある佐々木吉美さんは、何度も国風展に出展したことのある経歴を持っています。本業は造園家で、鹿沼の等持寺さんの作庭などで知られた方で、最近ではその作庭の見事さが評価され、高野山から賞を授与されました。

佐々木さんと行山さんこうして行山さんのところへイタリアの方々を案内出来るのも佐々木さんのお蔭です。行山さんと佐々木さんは二人展をするほど気の合った同士です。

今回私が作ったのは2鉢。持っている小さいサツキと梅の木に合わせたのですが、どんな風に焼き上がるのか、実際植物を植えてみて、鉢と植物がマッチするかどうかとても楽しみです。

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「ごんぎつね」や「でんでんむしのかなしみ」で知られた童話作家、新実南吉が好きです。

子供向けの作品ですから当然ですが、簡素な言葉と表現で出来上がった作品は短いのに、何と深い世界が広がっているのでしょうか。読むたびにすごいなぁと感服します。私が絵本を愛するのも同じ理由からです。

南吉の作品は大人になってから特に大好きになりました。そして、いつか半田市にある新実南吉記念館へ行ってみたいなぁと思っていました。

素敵なご夫妻と出会うと、つい図々しい本性が出て、お二人がどんな風に出会ったのか根掘り葉掘り聞きだす癖があります。

今年2月、工房へイタリア人盆栽愛好家を案内
thumbnail_IMG_4203去年の暮れ、イタリアの雑誌に行山さんのことを載せたいから取材をしたい、というイタリア人を案内する機会がありました。

盆栽鉢についての質問を行山さんにイタリア人が次々投げかけます。そして、いつの間にか鉢づくりの難しさ楽しさといった技術論から、行山さんの人生へと話題が移っていました。

現在は盆栽鉢作家として成功を収めた方ですが、それは決して順風満帆だったわけではなく、紆余曲折、数々の苦労があったことを知りました。病気や釜の前での大火傷、それはそれは色んなことがあったのだそうです。

「いい時も悪い時も、おかあさん(奥様のこと)がいつも平常心でいてくれた。そのことに、どれだけ救われたことか」とおっしゃっていました。本当に素敵なご夫妻です!

当然ながら、インタビューでイタリア人が触れなかったお二人の馴れ初めを、いつもの私の図々しさを発揮して、後でこっそり奥様に訊いてみました。

記念館の公園にある
「でんでんむしのかなしみ」石碑

新実南吉記念館何と、ペンフレンドがはじまりということ!当時、雑誌などを通して手紙をやり取りする若者同士の「文通」が流行っていたとか。行山さんは常滑、奥様は半田、ということで文通がはじまり、いつしか「近いのだから、会ってみようか」ということになったのだそうです。

お二人の以外な馴れ初めに、へぇと驚くと同時に、奥様の出身地が半田市ということに私は反応してました。というのも、大好きな新実南吉のふるさとだからです。

盆栽関係で、常滑は何度か来ていたけれども、半田市が近いということにようやく気付き、今回、鉢づくりの後、半田に足を延ばしてみました。

その日は月曜日で、通常は休館日なのですが、南吉の106回目の誕生日を翌日に控えているということで開いていました。人形劇などイベントが色々企画されていて、子供たちが沢山来ていて賑やかでした。

小さなかわいらしい記念館。郷土の作家を愛する地元の人たちの愛情を感じるところでした。

11月にイタリア人観光客を名古屋の盆栽園に案内する予定なので、その他の見どころを下見するために、午前中、名古屋城に行った後の半田市だったので、次回は時間をかけて、もっとゆっくり記念館を見たいと思いました。

威風堂々天守閣。現在は閉館。 出来たばかりの本丸御殿。
                     当時の美しさを体感できます。

名古屋城名古屋城(本丸御殿)金のシャチホコで知られる天守閣は、今閉館していますが、本丸御殿がこの6月からオープンしていて、ピカピカまばゆいばかりに美しいです。

ガイドさんに案内してもらいながらじっくり見ることができました。

本丸御殿も天守閣も国宝だったので、設計や材質に関して記載された資料がきちんと残っていたため、空襲で焼失してしまったけれども、こうしてオリジナルに忠実に再現することが出来ました。

天守閣は戦後、鉄筋コンクリートで再築しましたが、これから戦前の天守閣に忠実に木製で復元する予定です。

ああ、日本は見どころが沢山!
イタリア人観光客のために旅程を立てる時、いつも私の頭は、わくわく感と名所を選ぶ迷いとのはざまで悶絶します。

まだまだ先ですが、11月、13日間の旅程をそろそろ決定しなければと思っているところです。


norichetta at 16:01|PermalinkComments(0) 通訳ガイド | 自分のこと

2019年07月17日

まるごとズッキーニ(7月のおいしいイタリア)

まるごとズッキーニ今度の金曜日(7月19日)は「おいしいイタリア」の日です。

「おいしいイタリア」は、毎月第3金曜日、仙台市福祉プラザの調理室をお借りして開いているイタリア家庭料理の会です。

今月は、丸いズッキーニを使った「まるごとズッキーニ」「アスパラのカルボナーラ」「みょうがとトマトのサラダ」の3品を作ります。


丸いズッキーニは、今ちょうど最盛期。我が亘理の農家さんも作っている方々がけっこういらっしゃいます。

長い普通のズッキーニに比べ、特別味に変化はありませんが、形が可愛らしく、肉詰めにして煮たり、チーズを詰めて焼いたりと使います。

今回は、1皿目のスパゲッティが、ボリューミーなカルボナーラなので、ツナ、チーズ、パン粉、卵などを合わせた詰め物をして煮ます。

イタリアの夏は、太陽がギラギラして、暑さで食欲が減退するわけですが、そんな時、無理に肉など食べて精をつけようという考えは、あまりイタリア人には浮かばないようで、お米のサラダやパンのサラダなど、さっぱりと軽いものを食べる傾向があるようです。

南イタリア郷土料理の本を眺めていると、肉は使っていないけれども、見た目もお腹の満足感もあって、暑い夏の食卓で主菜になるような野菜料理を沢山見かけます。ちょうど日本の精進料理みたいです。

まるごとズッキーニも云わば「イタリア版精進料理」。ふんわりしたフィーリングがやさしい味わいで、ペロリと丸ごと食べてしまいます。

是非「おいしいイタリア」にいらしてみてください。
norikasato@hotmail.com(サトウ)

カルボナーラ

norichetta at 14:14|PermalinkComments(0) おいしいイタリア