日本がリセッション(景気後退)入り? また? そう聞いても誰も騒がない。日本にとって、これはこの15年余りの間に何回も繰り返されたシナリオだからだ。1億2700万人の日本国民も、リセッションを乗り切る技術を芸術の域にまで高めている。

日本経済の2008年7−9月(第3四半期)がエコノミスト予想に反してマイナス成長になったと聞いても、投資家があまり動揺していない様子なのはそのせいだろう。投資家は、日本が米国よりも無難に景気後退局面を乗り切ることを知っている。

 15兆ドル(約1450兆円)相当の家計貯蓄を持つ日本は、同じく景気後退入りが確認されたドイツなどよりは楽に世界経済の危機を乗り切ることができる。日本がデフレに脅かされた1990年代と2000年以降の暗い日々ですら、高級レストランは満員、ルイ・ヴィトンのショップは大繁盛だった。金融業界で働き、日本経済の病の深さを知っている人間は驚嘆したものだ。

しかし今回は、さすがの日本国民も1993年の米映画「恋はデジャ・ブ」のリメーク版の主役にさせられたのではないかと疑いたくなるだろう。この映画の主人公は時間の迷路にはまり込み、自分の生き方を改めるまで同じ1日を何回も繰り返し生きなければならない。

1990年代初め以来、日本の景気は回復してはまたしぼみ、日本国民は嫌なシーンを何回も繰り返し演じさせられているようだった。今回の景気後退局面でも同じなのは、過去7年の景気拡大の機会を政治が生かすことができなかったことだ。要するに、自民党は雨漏りのする屋根を、晴れの日に直しておかなかった。世界的景気悪化という雨が降ってきた今、日本はそのツケを支払うことになる。