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4/24、待望のそれは届いておりました。
巷で騒がれている「APPLEWATCH」。

時計販売店という立場から、昨年から今年にかけて、新聞・雑誌ほか含めて20件程度の取材依頼をうけていて、そのどれもが「APPLE WATCH」は時計界の脅威なのか。。。なる感じのものがほとんどで、そんな中で私も正直なところをコメントさせていただいてきました。
多くのジャーナリストはこぞって「質感」が素晴らしいとか書きますが、本当にそうなのか?

そこで、今までの取材でのコメントもふくめて、利用1日目のレビューをさせていただきます。

久しぶりの投稿となります。


▪️僕はアップル大好き人間です。
まず最初にぼくがどのくらいアップル製品を好きなのか?といいますと、かなりです。
会社のパソコンは僕だけアップル。iPHONEは必ず新作に発売日に変更。
iPHONE6は三つのキャリアで持っていて、iPAD、iPAD miniももっています。
さらにMac AIRを二台使っています。
おかげで会社のみんなの共有などができませんが、それはそれでいいかなと。。。
ですからもちろんアップルウォッチも入手しました。
義務のような感覚ですね。

入手までのトキメキ感は正直あまりありませんでした。
iPHONEの時の方かかなりトキめいたかな。
それでも旬なものを使う幸せと優越感は今でしか味わえないと思ったので、早速、利用。


そんな僕がアップルウォッチについて書きました。

▪️時計関係ではかなりの取材が。
当初から業界では「黒ぶね」のごとくアップルウォッチは取り上げられていて、時計のジャーナリストのほとんどが「質感」が素晴らしい、「時計業界」の脅威だというコメントを寄せてきました。
これはかなり自分からすると異常なことでした。まるでアップルに書けと言われているのかと思ったくらいです。
ぼくたちへの取材もそういうものが多く、はっきりいって、かなり困惑をしたのは事実。
僕は幾つかの雑誌で、「脅威ではなく、逆に期待」「妖怪ウォッチの方がすごい」などとかいてまいりましたが、それがまるで強がりに聞こえているんじゃないかと思うくらいのまわりの絶賛に「なんでやねん」という感覚でありました。
はっきりいいます。
アップルウォッチと高級時計を比べてなんだかんだといういうのはまったくナンセンスです。
アップルウォッチは高級時計の次元ではないし、ましてそれを超えてなんてまったくいません。また、時計業界を変えることもないです。
しいていえば、アップルがやったいろんなことが時計業界でのタブーもクリアにしてくれるかもしれないということです。そうなるとアップルには到底できないもっとすごいことが時計業界で起こるかもしれません。

ただ、iPHONEと同様に僕たちにとっては最高のおもちゃであることは間違いないし、時計としても活用性が高いガジェットであることは間違いありません。
だから僕も購入に至っているのです。

▪️アップルの質感とは?
アップルウォッチの質感。それはたしかにとてもART的で感触もよくできています。
でも、時計の質感とそれを比べるのははっきりいってまったく次元が異なります。
アップルウォッチの質感はすでに僕たちはiPHONEで感じているそれに近いものです。
高級時計の存在感とは異なるものです。
たしかに時計業界ではやっていないガラスの蒸着など技術は採用していますが、ガラスをケースの上に一体感を感じさせておくことはすでに10年前以上に時計業界では多くのブランドがやってきたことです。
ケースのラウンドも同じです。
メタルブレスのマグネットも同様です。はっきりいいまして現在の時計産業でブレスレットを磁石式にしても時計に影響を与えないものはいくらでも作ることはできます。
また磁石式は実際にありましたが、結局、電池式や軽量の時計、カジュアルウォッチでしかできなくなっていて、それはヘッドの重量に起因します。
そもそもアップルウォッチをデザインしたマーク・ニューソンは同じコンセプトで「IKEPOD」という時計をいまも世の中に送り出していて、アップルウォッチのそれをはるかに超えた質感のものを誕生させています(ただし、販売的に成功していません)。
ようするにアップルウォッチの質感は特にいまさら素晴らしいと絶賛するようなものではなくて、もう僕たちには慣れ親しまれたアップルのそれであります。

質感には「音」などもあるでしょう。たとえばジッポのかちゃんというオープンの音など。
そういう部分ではアップルウォッチも操作感などいろんな感触を高い次元でつくりえています。それがほかのスマートフォンとの大きな違いでしょう。


また質感と品質は意味が異なります。
質感がよいものが品質が良いとは限りません。
たいていの場合、アップル製品は一年で新作に切り替わります。
この時計のサイクルは不明ですが、憶測で言わせていただければ、充電後の利用時間が増えていくなどのヴァージョンアップ、アプリの追加などが繰り返されていくことになるし、その場合に新型に切り替わっていくこともあるでしょう。
それが一年なのかどうかはわかりませんが、その利用期間は時計よりもずっと短く、また、時計のように過酷にな使われることもほとんどない状況になるでしょう。
つまりアップルウォッチには長い期間利用されていくという時計の本来の役目はなく、1年くらいで新しいものへと切り替えていくものとなる可能性があります。
ゆえに耐久性をそこまで考えているわけではないと推測されます。
Gショックのようにガンガン使うというものではなく、また、実用的であるというわけでもなく、結果、質感は良いが、耐久性は疑問で、その定義からいうと「時計」ではありません。
アップルウォッチを高級時計と比べるのは全く違う次元のものを比べるのと同じものです。
これは「モノ」として、いろんなほかのものと比べるべきものなのです。


▪️スマートウォッチの世界とは?
心拍数、電話、メール、、、
ウェアブル業界で、スマートウォッチ(スマートウォッチとはスマートフォンと連動したものをさすのではなく、他の機能を搭載した時計という意味です)という立場でいえば、たとえばブライトリングのエマジェンシーなど救難信号を発信できるものもありもっと多機能なものは時計業界にはいくらでも存在します。
ウェアブル(服のように装着する)でいえば、アップルウォッチのようなスマートフォンと連動したものはすでに先発でいくらでもあって、アップルは後発になります。

アップルは今まで何事もパイオニアだった。つまり先発であった。しかしこのスマートフォンでは後発になりました。
電話ができるといっても音声はただもれ。
基本、電話を携帯していないとならないし、カメラは時計だけでは撮影できない。
ようするに電話がないとただの時計になってしまう。

今年のバーゼルではタグホイヤーがウェアブルウォッチの生産を発表しました。
ブルガリもモンブランも。
また、ブライトリングはB55というスマートフォンと連動するものを発表したが、それは電話ができるとか、そういうものではなく、携帯電話で時刻を調整できたり、たとえばGMTなどの第二時間帯地域に行った際に携帯で操作するだけで時計の時間がその国の時間に設定されるという機能をもったものです。
夏前になるとバーゼル、ジュネーヴ特集で「スマートウォッチ」が続々とというような記事が出るかもしれないが、基本的にはアップルウォッチと同じ機能のものばかりではありません。

▪️時計に自分をまかせられるかどうか?
アポロ13号が宇宙空間で事故にあったとき、すべての機材が停止した。その時に頼りになるのは自分たちのもっていた時計であった。それがスピードマスターです。
たとえば時計を車に例えるとしたらクォーツ時計は航続距離の長い背部立とのようなものである。しかしそれでもいつかは電池をかえなくてはなりません。
よって電池の供給の少ない中東ではクォーツは盛り上がりませんでした。
手巻きの時計は自分が知らないうちに時刻を止めてしまうことがある。だからパワーリザーブなるガソリンメーターの役目をする機能のあるものがあります。
アップルウォッチの充電はなんと一日持ちません。
さらに使えば使うほどそれは短くなります。
そんな時計に自分を委ねられるのか?
それは無理。

よって、世界への旅行の際などもっていったとしても、別に時計を用意することになるだろう。

もし自分がどこか知らないところに行くために一本の時計を持つことだけが許されるとしたら、僕は迷わず「Gショック」のソーラー式のものを持っていくでしょう。
壊れないし、止まらない。いろんな機能があり、もっとも信頼出来るからです。
では次にどれかと言われれば、間違いなく、ロレックス、オメガ、ブライトリングといった自動巻きで防水があり、耐久性のある時計であります。
いつ止まるかわからない時計に命は預けられないでしょう。

▪️充電式にした理由がまったくわからない。
そもそも時計の世界ではこの動力源というものがもっとも注視されてきたことなのです。
機械式では香箱を二つにしたりして、長い時間のパワーリザーブを目指してきた歴史があります。
また、自動巻きにすることで「人が腕に装着している以上は止まることのない」時計を開発し、クォーツの時計は、のちにAGS(キネティック)なる動力源を機械式にしたものも現れていいます。そしていまの多くはソーラーという自然の光をそのエネルギーとしています。
70年代には赤いLEDの時計があったが(パルサーなど)、電池の寿命が短かったため、日頃は時間は消えていて時間を見たいときだけボタンを押すと時間が赤く光って教えてくれるものがありました。その生産はたった数年。クォーツという2年間バッテリーが持続するものへと移行したためです。

時計に絶対的に必要な条件はその「エネルギーの持続性」です。
これは時計の絶対条件であります。
ですからクォーツは2年以上、自動巻き、手巻きなどの機械式であれば、使う自分の命が続く限り動かすことができるという「自己完結されたエネルギーシステム」であるというのが必須であるわけです(ソーラーは光がある限り動きます)。

ようするに時計の業界においては「充電式」ははっきりいって効率がよくありません。
これは時計業界においては後退を意味します。
それでもブライトリングのB50のようにフル充電にて20日〜70日使えるならば文句はありませせん。が、一日持たないなんてどうなんでしょうか?
またまた充電用のコードを持ち歩くことになります。
僕には充電式にした理由がまったくよくわからないのです。
ようは内部をあけられないようにしているわけだが、それが理由なら本末転倒ですね。

家に帰るとコンセント周りはかなり煩雑なことになっている。
充電が必要なものがまた増えた。笑。

▪️恥ずかしい!
まだ一日だが、かなり装着しているのが恥ずかしい。
電話と違ってなんか恥ずかしい。
やはり持つものと、身に付けるものとは大きく違うのであります。
これ周りのみんなが使い始めたらかなり変なことになるのだろう。。。

また、使うとかなり下を向いていることが多くなりそう。
はっきりいってこんなに情報が必要なのかな?
という葛藤もあります。 

▪️誰がアップルウォッチを手にするのか?
僕が手にしたように時計の愛好家も手にする人は多いでしょう。
そして、もっともこれを手にするのは間違いなくアップルのユーザーです。
そしてその意味は時計に興味のない、もしくは時計をしたことのない人たちが「腕に時間のついたものを装着する」という新次元の行為が始まることを意味するのです。

子供の頃に身についた習慣は大人になっても影響するでしょう。
マクドナルドの以前の戦略は子供の頃にマクドナルドに愛着を持たせるというものでありました(いまはそうではなくなっている)。ディズニーは子供に興味を抱かせ、大人になってもディズニーのファンにした。
ディズニーランドは子供の入店率は30%程度で実は大人が多い。ここ数年、ディズニーは大人の商品開発がかなり好調である。このように子供の時から馴染ませるのは将来のビジネスに有効です。
いまの20代以下の若者は車や時計離れが進むと予想されてきた。
それは時計は「携帯電話」で時間を観れるためで、時計をする必要性がなくなっているからです。
しかし実は時計は「時間を知るために必要」なものではなかったのです。
実は時計は「時間を眺めるため」のアイテムで、時間を知ることができればなんでも良いのではなかったのです。
だから、子供の頃から馴染めば、将来時計をする人間が増えていくはずなのに、このままでは時計業界は20年後には無くなってしまうと思われていた。
それがこのアップルウォッチで時計の将来がつながっていく可能性がある。
なぜか?
それは時間を腕にする習慣が根付くからです。

そういう意味では「妖怪ウォッチ」はアップルウォッチ以上にそれを促進させる。

時計愛好家はアップルウォッチをどう思うだろう?
たぶんそれは「時計」という感覚ではないだろう。
たぶん「最高のおもちゃ」という感覚ではなかろうか?

▪️これがアップルでなかったら?
アップルウォッチがアップルのものでなかったら、買ったたろうか?
それは僕はあり得ません。
アップルウォッチだから購入したのであります。
それがこの時計の実用性の「実力」です。
実用性を考えたら、この時計の性能はとくに先端にあるものでありません。
先にも述べましたが「パイオニア」とはなり得ないでしょう。

一言で言うと、アップルウォッチは時計ではなくて「補助端末」です。
時間が確認できる「補助端末」ですね。
腕にある以上、時間を確認できることは最低必要な機能とも言えます。
それはiPHONEを腕にするに近いものです。
iPHONEの感動を超える感情は到底難しかったなというのが本音です。

▪️iPHONEと連動
アップルウォッチはiPHONEと連動しなくてはなりません。
ゆえにアップルウォッチを欲しい人はiPHONEユーザーにならなくてはなりません。
それはiPHONEにとってはプラスですが、アップルウォッチにとってはネックです。
iPHONEを使いたいがために、別にMacでなくても使えるのに「Mac」にパソコンを変えた人がたくさんいますが、iPHONEの良かった点はMacでなくても連動できることでした。
しかし、アップルウォッチはiPHONEとの連動が必要となってきます。

昔、やはり腕時計式の電話が販売されたことがあります。SIIから。
スウォッチではペイジャーという腕時計式のポケットベルが発売されたこともあります。
いずれも端末であるがゆえに常に同じものを使わなくてはならないため、実用的ではありましたがファッションとしては成り立つことはありませんでした。
アップルウォッチはBLUEトゥースで連動させるため、いくつも連動させることは可能ですがそのたびの設定が面倒ということもあり、結果としてやはり同じものを使い続けることになるのかなという感じです。

iPHONEやMac、iPAD、iPODはいつも同じものを使い、その機能を活用しますが、時計型になってしまうと「いつも同じもの」を使うということには「時計」好きには難しい選択になります。
よって時計愛好家は両手にはめることになるでしょう。

▪️こんなこともあったりする
画面は通常暗いのですが、設定により、腕を傾けると画面が点灯する機能をもちます。
これはGショックでもある機能なのですが、この機能、映画館でかなり顰蹙な場合もありえます。とくにユーザーが増えていった場合、気になるくらい映画館など暗いところでムードを壊すことでしょう。

iPHONEユーザーが集まり旅行に行ったら、携帯、iPHONE、アップルウォッチと充電のためのコンセントは奪い合いです。
ゆえに差し込み口の多くある延長コードを旅行には持っていかなくてはなりません。

カメラの機能はiPHONEの遠隔操作です。
自撮りも楽勝。
しかし反面、隠し撮りも横行するのではないかとかなり心配もしています。


▪️必要なんだろうか?
そもそもこのような腕にする端末は必要なんだろうか?
iPHONEは携帯電話の世界を変えました。
カメラの性能も人類だれでも写真家という現実で、世界観や生き方をかえてしまったといえます。
下を向いている人は世界中に増殖。
ある意味、問題です。

Facebookなどを通じて僕たちは多くの情報を得ることができるようになったが、その情報の活用性は昔とさほど変わらないのかなと。
情報の洪水は垂れ流しになり、いろんな支障をきたしています。

昔は携帯の充電をするためにどこかの公共機関のコンセントを使うことなど常識的になかったですが(法律的には窃盗です)、いまではどこでも構わず充電をしています。
会社でも本来、会社の携帯電話以外のプライベートのものの充電は窃盗になりますが、いまでは普通に無断でされています。
携帯電話の進化はどんどん人間のマナーや尊厳の世界をこわしています。
アップルウォッチはその状況をさらに進めてしまうのではないかとちょっぴり怖い気がします。

楽しいのはいいんですが、反面、マナーはどんどん失われていく。
ともにコミュニケーションもなくなっていく。

このアップルウォッチの発売と同時に、やはりマナーや使用の制限を真剣に考えていくことも大事でしょう。


20年前。
僕たちには携帯電話はなかった。
もちろんメールもなかった。
なにかを発言するときもよく考えて言葉を選んだものだが、いまは違う。
簡単に発言して、簡単にある場合は消せる。

電話を相手にしても不在のこともあり、伝言を頼んで電話を待った。
待ち合わせは有名な場所でするため、みんなが同じ場所に集まることもあり、また時間厳守しなければ会えないこともありました。
人を待つ時間は永遠より長く、楽しい時間は一瞬でした。
そんな時にいつも「時間」を僕らは確認しました。
腕時計、駅の時計、どこかの店の時計、そして誰かに「今何時ですか?」と聞いてみたりもしたものです。
しかし、それらはすべていまは「スマートフォン」が担っています。
待ち合わせに遅れそうならダイレクトに電話をしたり、ラインやメールをしたり、ほぼ間違いなく、この現代においては待ち合わせで会えないという事態にはまずなりません。
便利な世の中になったものです。
ただそれだけ関係性や感情が希薄になったのではないかとも思います。

アップルウォッチはそんな中で人にどのような影響をもたらすのでしょうか?
僕は世の中の多くの人がこの時計を利用したことを考えます。
みんな下を向き、みんながよそ見をしている世界。
iPHONEよりも顕著な現実。
それでいいのかな?とふと思ってしまうことが多くあります。

▪️確信したこと
やはり時計を好きな自分はアップルウォッチを使い続けることはないかなと思いました。
使ったとしても自分では時計の一つとして使うのだろうと思いました。

結論として一番使う機能は「時刻」を確認することでした。

もちろんなんども言いますが「モノ」としての完成度は高く、楽しいのは間違いありません。
今を楽しむ、それだけでもいいのでしょう。



また続きます